突然コマーシャルドラマ「名探偵コジン」 (2018/6/20) 感想

突然コマーシャルドラマ「名探偵コジン」 (2018/6/20) 感想

フジテレビ系・ドラマスペシャル『名探偵コジン』公式
『主演・金子ノブアキ/ストーリーテラー・滝藤賢一!探偵本人が事件の被害者になってしまうという奇想天外な物語をドラマ本編の中にCMを融合させる新感覚ドラマ』の感想。


  荒天の中、周りから隔離された山奥のペンションに一人の男が訪れる。 それは、主人公の私立探偵・萩原(ハギワラ)。 いかにも怪しいペンションに、いかにも怪しい宿泊客達。 その中に、彼の好みにドンズバの美女がいた。
  そして彼は思う 「この状況で殺人事件が起きれば、立場的に私がこの場を仕切って、華麗に事件を解決するパターンではないか、起きろ、殺人事件、起きろ!」 何と!彼の思惑通り殺人事件は起きた!!!しかし…被害者は私立探偵本人だった。
  「ええ、俺なの…殺されるの…」 背後から私立探偵を刺して逃げていく犯人。 残念ながら犯人の顔を見ることはできなかった。無念の中、息を引き取る萩原。
  しかし…そんな彼の無念が奇跡を起こす。 彼の意識は、亡霊となって消えることなく現世に留まる事ができたのだ。亡霊探偵となった萩原が事件解決に向かって立ち上がる! って亡霊は足が無いから立ち上がれないんじゃ無いの?
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---


原作:なし
脚本:森ハヤシ(過去作/五つ星ツーリスト~最高の旅、ご案内します!!~)
演出:後藤庸介(過去作/花ざかりの君たちへ~イケメン☆パラダイス~2011)
音楽:羽深由理(過去作/花のち晴れ~花男 Next Season~(共作))

実際に見てみると、想像通りの仕上がりでがっかり…

ドラマの中にコマーシャルが組み込まれていると言う新感覚と言うか新企画のドラマらしいが、実際に見てみると想像通りの仕上がりで、工夫が際立ったとか斬新だったと言う感想は浮かんで来なかった。むしろ、「これが宣伝か」と思う程度。作り手さんたちは、第2作も作る気満々のようだが…

やり方次第では、面白いドラマが出来るかも…

もはや、ドラマの内容がどうこうと言うよりも、本企画で重要なのは…

視聴率を取れる人気者をどれだけ集められるか?
宣伝パートで、「またか…」と思わせないか?
最適な放送尺が「1時間」であるか?

上記の3つのような気がする。お目当ての出演者がいれば見たくなるだろうし、飛び道具が目新しいのは一度だけだし、今回の「1時間」は意外に長く感じたから、その辺が精査されたら興味深い作品が出来るかも。深夜で30分程度のコンパクトな作品の方が見易いかも…

あとがき

第1回は、推理モノで無い方が斬新だったかも知れません。製作費が掛るであろう医療ドラマなんかに宣伝が組み込まれたら、新しいって思えそう。やはり、シリアスに組み込んでこそ、宣伝が注目されると思います。果敢なチャレンジ精神に期待します。

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半分、青い。 (第70回・6/21) 感想 ※追記あり

2018/06/21 15:00 記事更新
連続テレビ小説「半分、青い。」

NHK総合・連続テレビ小説『半分、青い。』公式
第12週『結婚したい!』の 『第70回』の感想。


 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。


裕子(清野菜名)のことを相談をしようと、鈴愛(永野芽郁)は人気漫画家となったボクテ(志尊淳)を喫茶・おもかげに呼び出す。そこに偶然、秋風(豊川悦司)が現れる。3年前の破門騒動以来の再会。鈴愛とボクテの密会に秋風は怒るかと思いきや、ボクテの力で裕子を助けてやってほしいと伝える。数日後、漫画ばかり描いていないで合コンした方がいいという裕子と鈴愛は口論になる。激しい口論の中、二人の本心があふれ出す。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

今回こそ、演出家がカメラアングルに拘るべき回だった…

秋風「今週号の『女光源氏によろしく』
   3ページ目4コマ目のアングルが弱い」

私が本作の担当ディレクターだったら…なんて、とんでもない自意識過剰な超がつく妄想で書くのだが。「何事も最初が肝心」だ。だから、この第70回の序盤の序盤の2分で、秋風の台詞の中に「アングルが弱い」と言う言葉が入っていたら、この回のカメラアングルには細心の注意を払わないと、作品の世界観を崩壊させてしまう…と、気合を入れると思う。

では、今週の演出担当である田中健二氏はどうだったか? 因みに、演出の田中氏は、現在再放送中で、今のところ私にとって名作の可能性大である(まだ観終えていないから断言はしない)の『カーネーション』のチーフ・ディレクターでもある。

 ボクテの奥にいた2人の女性客は何なの? 

 さて、その秋風が喋る喫茶店のシーンで、早くもアングル、と言うか画面サイズ的に不可解なものがあった。それは、ボクテの奥にいた2人の女性客。こちらをボクテたちをチラチラと何度も見るのだが、あれが誰だか気になって話しが頭に入りづらい(入らないとは言わない)。 

 これが、秋風やボクテのファンと言う設定でも分かっていれば腑に落ちるが、ただ存在しているだけだと前回の律のくだり同様に目障りだけ。無い方がスッキリすると思うが… 

撮影と編集がチグハグ過ぎて "裕子の真意" が分かり辛い

場面は、「秋風ハウス」で鈴愛と裕子のやり取り。ここのシーンは、カット割りがめっちゃ適当。画面の手間の隅っこに被写体を僅かに入れ込むことを「ナメる」と映像用語で言うのだが、その「ナメる」具合がとても中途半端。裕子の主張を鈴愛と視聴者に届けるなら、鈴愛は「ナメる」べきでない。なぜなら裕子とは違う考えの人だから。

逆に鈴愛の寄りのカットの時は、鈴愛が裕子に押され気味なシーンだから、鈴愛のカットに裕子が割り込んでもおかしくない。しかし、このシーンではほぼ全カット「ナメる」のが逆になっている。特に酷いのが横並びの2ショット。これでは、2人が対等の立場に見えてしまう。だから、裕子の真意が全く伝わって来ない。

   ●裕子は漫画を描いているのが嫌で、結婚に逃げたってこと?
   ●結婚したいから、漫画を捨てたってこと?

超好意的な脳内補完をすれば、どちらかだと考えることは出来るが、これまで裕子が漫画家を継続することや、結婚や結婚相手について、それこそ自身の将来について悩んでいる場面が、1つでも印象に残っていれば、どっちかであることは分かったかも知れない。

しかし、苦悩が描かれずに、結果だけを号泣しながら見せられても、こちらは口をポカーンと開けるしかない。まっ、どっちが裕子の真意でも、つい先日は「お互いを戦友」みたいに描いていた本作が、まだ連ドラとして崩壊の一歩を辿るのは間違いないような…

今回で "鈴愛の漫画愛" を描くのは "場違い" では?

だが、『結婚したい!』と言うサブタイトルから想像すると、明らかに「結婚したいから、漫画を捨てた」のだ。なのに、劇中の鈴愛は、「漫画家は機械じゃない。漫画も漫画家もスゴイ」みたいな論調で裕子を説得しようと11分過ぎまで描写が続く。これ、おかしいでしょ。裕子は「結婚したいから、漫画を捨てた」の。

要は、裕子にとって漫画より結婚の方がプライオリティーが高いってこと。だから、「漫画がスゴイ」で説得されるはずがないのだ。脚本家も演出家も、鈴愛の漫画、漫画家への情熱を “今さらながら” 描いたつもりだろうが、このシーンでやっても的外れも甚だしい。単に永野芽郁さんの涙の演技の無駄遣いだった…

裕子のアップに映り込んでいたピンボケのアシスタントって必要なの?

11分過ぎのティンカーベルでのシーンもしっくりこない。このシーン、いつもより引きの画(その場所全体が映り込むようなカメラサイズのこと)が多いだけで気になるのに、劇中ではそれなりに重要な話を秋風と裕子がしているのに、その背景となるアシスタントや鈴愛に対する演出的な配慮が…酷い。

まず、裕子のアップのずっと後ろにピンボケのアシスタントの男性が映り込む必要性は無い。冒頭で書いた喫茶店の女性客と同じで、画面に集中させない役割しか果たしていない。なぜ、こんなことをするのか全く分からん…。もしかして秋風の「単行本になった時に直しておきなさい」の通りに、総集編とDVD化で修正するの?

結局、演出と編集と俳優が "ポエムな台詞" の犠牲者に

結局、脚本家は “ポエムな台詞” ばかりに拘り、演出家は真意が分かり辛い “ポエムな台詞” の解釈に困って抵当な雰囲気作りで撮影し、そんな映像だから編集はさらに困って、今回のようにブツ切れの連続みたいになっちゃう。俳優が気の毒なのは間違いないが、視聴者としてそんなことを言って見ている訳には行かない…

あとがき

まるで、裕子が今さっき漫画家生活の怖さを知ったかのような口っぷりで熱弁をしていましたね。それに対して鈴愛もここぞとばかり漫画愛を爆発させていましたが、ここに至る過程、経緯が見たかったのです。なぜ裕子が辞めるに至ったのか。なぜ、鈴愛は裕子を必死に止める気持ちになったのか。そこが見たかったのに、結果だけ見せられてもなぁって感じでした…

最後に。前回の感想に、60回の Web拍手や数々のコメントを頂き、ありがとうございます。作家は漫画家と言う職業や、当時の女性の結婚観など、ちゃんと調査して書いたのでしょうか。でも、今回の唯一の救いは、秋風が言ったことが結構まともだったことです。それだけに秋風以外の台詞が空を切って終わって残念です…

【追記 2018/06/21 15:00】
冒頭の喫茶店のシーンで、ボクテの背後にいた女性2人は、第69回でボクテのファンとして登場していました。私の度忘れでした(謝)
しかし、あれれ?さんの拍手コメントで目が覚めました。最近、ほぼ惰性で見ている上に、ボクテの話ななんてどうでも良いと思いながら見ているので、忘れるのです。このミスで、今週いっぱいで感想を打ち切るか決める決心がつきました。永野芽郁さんを応援し続けたい気持ちは今でもありますが…

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カーネーション:再放送 (第64,65回・2018/6/20) 感想

連続テレビ小説「カーネーション」

NHK総合・連続テレビ小説『カーネーション』公式
第11週『切なる願い』の 『第64,65回』感想。

 私は本作を初見なので、ネタバレ等のコメントは無視します。
 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。


【第64回】
善作(小林薫)は木之元(甲本雅裕)たちの助けを借りて病院通いを続けていたが、恥ずかしさのあまり、周囲には“人助けをしようとしてのやけど”だと偽っていた。一方、戦地の勝(駿河太郎)からハガキが届き、糸子(尾野真千子)はやはり無事を祈らずにはいられない。ある日、モンペ教室に八重子(田丸麻紀)が現れる。戸惑う糸子の前で、八重子は黙々とモンペを作る。帰る前に八重子は、泰蔵の出征が間もなくであると告げる。

【第65回】
泰蔵(須賀貴匡)の出征の日。八重子(田丸麻紀)に頼まれた糸子(尾野真千子)が見送りに向かう傍ら、善作(小林薫)は自ら歩いて行くと言い張る。やけどに驚く泰蔵に、善作は偽ることなく、自分で出した火事だと告げる。万歳を叫んだ善作が倒れ、介抱しようとする糸子。そこで糸子は、物陰にたたずむ奈津(栗山千明)の姿を目にする。見送り以来、善作は一層弱ってしまう。糸子は絶対に治すと誓い、仕事と子育てにまい進する。
---上記のあらすじは[NHK番組表]より引用---

まえがき

大阪北部地方を中心に発生した地震により、被害に遭われた被災地域の皆さまに心よりお見舞い申し上げます。被災地においては一日も早い復旧を心よりお祈り申し上げます。

【第64回】今回も称賛に値する15分間だった

第11週の木曜日で、劇中は昭和18年(1943)3月だ。これまでも「神回だ」とか「秀作と言わざるを得ない」などと本作の1話を称賛して来たが、またそんな1話が増えたと感想の冒頭で書いておく。今回が称賛に値する点は幾つもある。

善作の描き方が良かった

1つは、序盤での善作の描き方。病気療養中で前回のような “バリハラ的” な少々シュールな使い方にも驚いたが、今回では、混雑して座れない病院の待合室で座るための作り話で、善作らしい小心者の癖に見栄っ張りな性分を描いた。

善作「周りの みんな若い奴が お国のために戦うて
   大ケガして 帰って来てよ
   このわしだけが『ボヤで やけどた』て
   そんなお前 大の男が 恥ずかしくてよう言わんでえ」

前回まで、満足に言葉を発せない善作が、ずる賢い考えと戦地に行った若者たちへの気持ちをきちんと台詞で言ったことで、心身共に快方に向かっていることが見ても聞いても分かる仕掛けになっていたのは、なかなか巧みだ。その上、この戦地に行った若者の話の繋がりで、勝からの手紙に話が流れて行くのも、とても自然で良かった。

糸子のモノローグと「語り」がとても少なかった

良かったと言えば、2つ目の称賛すべき点は、糸子のモノローグ、「語り」がとても少なかったことだ。今回は、この後も、いつもならバンバンとナレーションで感情説明が入りそうな展開なのに、珍しく夫・勝から葉書への思いに集中させたのが、とても良かった。

更に、私が本作で気に入っている、モノローグから台詞にそのまま感情を繋げる表現が、“思わず力が入って生地を破いてしまう” と言う糸子の行動原理にしっかりとなっていたから。

糸子(M)「うちにとっては腹立つ浮気旦那でも
     子どもらにとっては恋しい父ちゃんです。
     無事で帰って来てくれんと困まります。
     どうか無事で… いや…どんだけ変わり果てた姿になったかて
     帰ってさえきてくれたら
     どっさり食べさして ゆっくり寝さして 元気にさせて
糸  子「ほんでから こってり 油 絞っちゃるんや!」

その時その時の感情を喋り過ぎる傾向がある主人公には、正直少々困る時がある。困る理由は、視聴者に対して感情を映像化すると言うのは、本来は台詞で聴覚から訴えかけるのでなく、俳優の演技や芝居や存在感によって創出される登場人物が描く視覚情報であるべきだと思うから。

視覚情報を最大限に活用するのがテレビドラマであり、聴覚情報に頼るならラジオドラマで良いだけの話だ。

だから、今回のように、「もしも夫の進が帰って来たら…」と言う想像を「モノローグ」で表現するのは正しいし、そのモノローグの直後に浮気疑惑夫へのお仕置きと言う現実は「台詞」にして、生地を破く動作に繋げたのはお見事だし、こう言う “モノローグと台詞の正しい棲み分け” は、いろいろな脚本家にも学んで欲しい。

「ドラマの方向性」が明示された糸子の台詞が良かった

さて、場面は大繁盛している「モンペ教室」へ。まず、驚いたのが久し振りに長谷ヤス子が登場したことだ。糸子が修行のため以前に働いた生地屋「末松商店」を大繁盛させるきっかけを作った客で、糸子が独立直後にもやって来て、糸子に立体裁断のみの依頼をごり押しした、大阪のおばちゃんらしいちょっと厚かましいキャラだ。

で、今回は自分は定員オーバーなのにゴリ押しして入ったのに、八重子に対して冷たく接する役で登場。ヤス子を演じる中村美律子さん(大阪出身の演歌歌手でもある)の演技がハマり過ぎて、八重子が不憫で不憫で堪らない…。そんな展開の中で、発せられた糸子のこの台詞↓が良かった。

糸子「皆さんには つつましい暮らしの中でも
   是非 おしゃれを楽しんでもらいたい。
   入学式や結婚式 はたまた
   息子さんへや旦那さんを戦地に送り出す日ぃに
   少しでも明るくパリッとした気持ちになれる
   そういうモンペを着てもらいたい。ほんな訳で
   この『着物に戻せるモンペ』ちゅうのを考えました」

今で言うプレゼンの冒頭のあいさつのようなものだが、「モンペ教室」の客の心を最初に掴むコメントとしても優れているし、「一話完結」の本作らしい作り込みの視点から見れば、この1回だけを見ただけで、糸子がどんなことを考えて、どんなことをしようとする人間なのか一目瞭然。

この類の「ドラマの方向性の確認」みたいなことはとっても大事。毎日見ている視聴者にとっても、作り手の側にとっても、本作のテーマを再確認出来るから。今放送中の『半分、青い。』なんて、極端に言えば主人公から一度も発せられたことはない。だから、同じ2か月半を過ぎる両作品が比較にならない訳だ。

糸子と八重子の関係を、よそよそしい敬語で見事に描いた

そして、「モンペ教室」に “あの八重子” がやって来る。ご存知の通り、糸子と八重子には深い因縁のようなものが存在する。だから、いつもの本作ならモノローグで八重子に対しての気持ちを大量に入れ込んできそうなものだが、今回は違った。

まず、「モンペ教室」中は、女優たちの演技と存在感で糸子と八重子のぎくしゃくした関係を視覚的に描いた。そして、教室終了後は、遠くのカラスの鳴き声が切なく響く中、こんな会話劇が繰り広げられた。

八重子「今日は おおきに」
糸 子「こっちこそ おおきに」
八重子「泰蔵さんが….。あさって 出征する事になりました。
    せやから 見送っちゃるためのモンペを
    ここで 糸ちゃんに教わって作りたかってん」
糸 子「そうでしたか…」

今度は、糸子と八重子のぎくしゃくした関係を、糸子と八重子の座る微妙な距離感と、よそよそしい敬語のやり取りで視覚と聴覚に訴えた。モノローグも入らないから、尾野真千子さんと田丸麻紀さんの芝居に、こちらも集中出来るし、たっぷりと堪能も出来た。

尾野真千子さんが、糸子の感情を演技で魅せた

この会話劇の終盤では、先に取り上げた糸子の台詞「少しでも明るく」が引用され、八重子が糸子の志に共感、共鳴したから、教室に来たし、依頼にも来たこと効果的に強調された。それがこのやりとりだ。

八重子「今どき 見送りは
    そない派手にしたら あかんやろけど
    せめて 戦地で思い出した時に
    ちょっとは明るい気持ちになれるような
    ええ思い出 作っちゃりたいなあと思て…
    糸ちゃん 一緒に 見送っちゃって もらわれへんやろか?」
糸 子「ええの?」

糸子の目から頬に一筋の涙が伝う。まず、下手(向かって右側)から。そして、上手の目からも。これが芝居だ。これが登場人物の感情を演技で魅せると言うことだ。

糸子のアイデアで、箪笥の肥やしになっている豪華な着物を、実用品に変身させると言うエピソードだけでも面白いのに、戦争と言う時代背景を、その時代の夫や子供を戦地に送り出す母親の気持ちと言う切り口から描いた第64回。見応え十分な15分間だった。



【第65回】全体的には意外に平坦な回だったが…

さて、大盛り上がりの回と意外と平坦な回が、交互にやって来る印象の強い本作とすれば、当然に今回は意外に平坦な回と言うことになる。しかし、序盤で描かれた泰蔵の出征の日のくだりは、平坦とは言えなかった。ハンディカメラを駆使して、狭苦しい路地での別れのシーンを、須賀貴匡さんの演技を中心に切々と描いた。

さりげなく見送る奈津のカットも入り、まだまだ戦争は続くと言う表現だろうか。戦争と言う時代を描いた朝ドラはたくさんあろうが、本作ほど物語にちゃんと組み込んで描くのは共感出来る。やもすると、時代の1ページ的な表現で済ませる作品もあるから。

しかし、あまり戦争時代を長く描くのもどうかと思う。やはり、物語は前進すべきであるから。終戦はいつになるのか。今後の展開が気になった出征の日だった…

問題山積の糸子を描けば、平坦にならざるを得ない

前回では快方に向かっていたように見えた善作の病状が、実はかなり悪化していたようだ。今回の15分間は、13分過ぎのこの糸子のモノローグに集約されていた。

糸子(M)「看病 子供 火事 商売。
     どれもこれも この先 どないしたもんか」

この「語り」の通りに、ラストの2分まで、「語り」通りに問題山積の糸子が描かれた。それも、前回とは打って変わって数多くのモノローグが入って。

しかし、今回はそれ程の大きな違和感は無かった。その理由は、今の糸子の置かれた立場を全てきちんと描こうとすれば、今回のような描写になるのが当然だから。むしろ、前回のように「糸子と八重子の劇的な再会」に絞り込んだのが特例のようなものだ。だから、平坦な15分間ではあるが、満足度は高い。

問題山積の糸子に訪れた束の間の "平和な" ひと時にホッ…

そう思わせたのは、最後の2分間だ。

糸子(M)「人が こんな洋服を着れてた頃が確かにあったのに
     今では もう どっか よその国の話のようでした」

数年間に亘る “わだかまり” がほぐれた八重子がもたらした、問題山積の糸子に訪れた束の間の “平和な” ひと時。人生、辛い事ばかりでないことを、ラスト2分でさらっと描いた。決して涙や感動を押し付けることなく、あっさりと平坦に。だから、良いのだ。奇を衒わずとも、登場人物に共感出来るのだ。

あとがき

第64回と第65回での糸子は、台詞やモノローグの使い方こそ大きく違いましたが、糸子の日常をきちんと描き、糸子の喜怒哀楽を丁寧に描く点では同じでした。だから、今回も満足度が高かったです。さて、明日に放送予定の第66回が土曜日分ですから、サブタイトルの『切なる願い』が何なのか、とても気になります。八重子のことでは無いのは、今回で予想がつきましたので…

最後に。前回の感想に 127回ものWeb拍手と数々のコメントを頂き、ありがとうございます。濃厚とあっさり系の組合せでしたね。それでも、しっかりと登場人物を描き、連ドラとしての面白さも加味されていて良かったです。

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半分、青い。 (第69回・6/20) 感想

連続テレビ小説「半分、青い。」

NHK総合・連続テレビ小説『半分、青い。』公式
第12週『結婚したい!』の 『第69回』の感想。


 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。


鈴愛(永野芽郁)と裕子(清野菜名)が漫画家デビューしてから3年。鈴愛はギリギリの状態を保ちつつ連載を続け、アシスタントを雇うまでに成長。一方、裕子は一時は映画化の話も持ち上がるなどブレイクをしながらも、アイデアが底をつき編集部から連載の打ち切りを告げられてしまう。現状に耐え切れずすさんだ生活を送る裕子を秋風(豊川悦司)は心配するが、裕子は聞く耳を持たない。見かねた鈴愛はある人物に相談する…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

今回だけ見れば普通。でも、連ドラとしては面白くない!

前回の延長線上で、鈴愛は漫画を描くことが仕事になった日常をを普通に描き始めた第69回。しかし、つい先日に鈴愛の努力も葛藤も描かずに、2年経過して棚ボタ順送りでプロデビューばかりなのに、今回もプロデビュー後の努力や葛藤は3年も時間経過させた後に、数カットで描かれただけ。

それでも、今回だけを見れば、かなり普通。ただ、連続ドラマ、朝ドラしては過程が描かれ無さ過ぎて、面白くも楽しくもない。

ポエムな台詞と上っ面のシーンを繋げて、中身もスッカラカンでは困る!

今回だって、「語り」で出来事の箇条書きの淡々と説明するだけ。たまに、忘れたように歌を入れて時代感を醸し出すだけ。そして「北川悦吏子先生、お洒落な台詞書きますね!」と言われたいのか、相変わらず登場人物のほぼ全員が “ポエムな台詞” で “上っ面のシーン” を繋げてるだけ。本当、表面定期な描写に拘り過ぎて、中身がスッカラカン。

出演者目当ての数字、自身による炎上商法、提灯記事頼みか…

その上、ここ最近すっかり退場していた律が登場。なぜ、ここで? と言う疑問しかない。これ、以前に律が鈴愛に酷いことをしたを詫びてるとか、やはり鈴愛を忘れられないと言うのを、入れておきたかったの? 本当に意味が分からない。

結局、律やボクテ目当ての視聴者を切り離せず、また騒動の予感で終了。褒められるのは、物語が先に進んでいることだけ。脚本家自身による炎上商法と提灯記事の援護射撃頼みでは困るのだ。

あとがき

予告編で、裕子が結婚退職するのは分かっていますから、金曜日の退職まで裕子の葛藤を描いてるつもりなんでしょうね。だから、鈴愛は二の次で。 主人公を描かずして、な~んの意味もないと思います。

最後に。前回の感想に、57回の Web拍手や数々のコメントを頂き、ありがとうございます。今度は3年の時間経過。プロデビューも簡単に済んじゃうし、デビュー5年後の就業率うんぬんがあったのに、軽~く3年過ぎてるし。一体、何を描着たのか未だに見えません。鈴愛の人生を普通に描けば良いのに…

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半分、青い。 上 (文春文庫)


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花のち晴れ~花男 Next Season~ (第10話・2018/6/19) 感想

花のち晴れ~花男 Next Season~

TBS系・火曜ドラマ『花のち晴れ~花男 Next Season~』公式
第10話『最終決戦愛とプライドを賭けた武道大会!F4の西門も』の感想。
なお、原作:神尾葉子「花のち晴れ~花男 Next Season~」(集英社)は未読。


晴(平野紫耀)が好きだと気付いたものの、その思いに蓋をして天馬(中川大志)と向き合うと決めた音(杉咲花)。紺野(木南晴夏)はそんな音に立腹しつつも、「答えは自分の中にある」と諭す。一方、晴と天馬は武道3種目で試合をすることに。晴の父・巌(滝藤賢一)の提案によるもので、晴は負けたら音を諦めると約束させられていた。そのことを知らない音が天馬を応援する中、2人の勝負は英徳と桃乃園の戦いの様相を呈し…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---


脚本:吉田恵里香(過去作/恋するイヴ、男水!)
演出:石井康晴(過去作/花より男子シリーズ、逃げるは恥だが役に立つ) 第1,2,3,6,9
   坪井敏雄(過去作/カルテット、わにとかげきす、監獄のお姫さま) 第4,10
   岡本伸吾(過去作/隠蔽捜査、TAKEFIVE、ナポレオンの村、99.9) 第5,8
   松木彩(過去作/わにとかげぎす) 第7
音楽:大間々昂(過去作/家族ノカタチ、地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子)
   平野義久(過去作/ゆとりですがなにか、先に生まれただけの僕)
主題歌:King & Prince「シンデレラガール」

音が「いい子ぶりっ子」で「周りを振り回すウザい子」に!

折角、前回で第7,8話で描かれちゃった音への気持ちがブレブレの晴がいなくなって、晴の “恋に一途で不器用な王子様” 度数が上がったのに、その代償として、“見ようによって” は音が若干ウザいキャラになってしまったのだが…

今回は、その “見ようによって” が外れて、誰の目にも「いい子ぶりっ子」で「周りを振り回すウザい子」になった第10話。次回が最終回だと言うのに、これで良いのか?

決闘3戦そのものを引っ張ったのは、つまらな過ぎる!!

それにしても、あとは、音が晴と天馬のどちらを選ぶのか? だけなのに。そのために、この第9話では、単純に2人の男性の魅力に翻弄する音と、最終決着までの過程、要は初戦と第2戦を丁寧に楽しく描けば良いだけなのに。決闘そのものを引っ張るとは、有り得ない展開。

そのお陰で、西門総二郎(松田翔太)と「F4」も、これまでもほぼ描かれずに来た「C4」もほぼ取って付けたような、客寄せネタに。その上、前回はそれなりの役目があった近衛仁とメグリンは蚊帳の外状態。

ついに "音の葛藤" を描かず、音は不誠実で悪役になった!?

予告編のお蔭で、西門総二郎が登場することが事前に分かっていたから、そこを期待して見た部分が大きいから、物語そのものが西門総二郎を活用した展開にはなっていたので、それなりの楽しさはあったが…

晴の気持ちを知っていて天馬を応援する音が、本当に表面的にだけ描かれただけだし、無駄に決闘を引っ張ったお蔭で、最終回直前なのに一体何を描きたいの状態。普通に、晴と天馬の違いを、音への気持ちの違いを練習と決闘までの過程で描きつつ、本気で描くべきは “音の葛藤” だったはず。

なのに、今回の音は、不誠実で悪役になった。これで良いはずで無いのは間違いない。

あとがき

今回なんて、西門総二郎の出番の数分間と最後の15分間くらいあれば十分だったのでは? 肝心の三角関係の描写が少な過ぎて困ってしまいました。放送回毎に仕上がりの差が激し過ぎますね。原作から離れてからのオリジナル・ストーリーの部分の音や愛莉のキャラの変化が悪過ぎます。とにかく、音が悪役みたいに描かれているのは宜しくないです。

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