まんぷく (第86回・2019/1/14) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『まんぷく』(公式サイト)
第16週『あとは登るだけです!』の
『第86回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
自宅と家財、土地を担保にして、町工場への融資金を確保したいという萬平さん。福ちゃんはその願いを受け入れ、反対する鈴さんを説得していると、克子姉ちゃんが訪ねてきます。連日モデルを呼んで、美人画を描く忠彦さんのことが気がかりなようで、福ちゃんは頭が痛くなるばかり。そんな中、萬平さんの元に、資金援助を受ける銀行から連絡があり…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
演出家が、本作初担当の松岡一史氏に交代した
アバンタイトルの編集で判断するのは、ちと難しいが、劇伴の付け方が明らかにこれまでの『まんぷく』に無かった選曲であり演出だった。クレジットを見ると、演出担当が「松岡一史」とあった。
因みに本稿執筆時点(2019/01/14 13:40)で、公式サイトにも名前は無い。調べれば、『てっぱん・総集編』のリサーチャーや『べっぴんさん』のフロアディレクターらしいから、恐らく朝ドラ本編の演出は本作が初担当だろう。
演出家の交代で、別の作品のようになった(なってしまった)
そして、主題歌明けのシーン。完全に先週の第85回までとは完全に違う雰囲気。いや、別の作品のようになった(なってしまった)。
アバンの劇伴は、まるで萬平が勇者の如く新たに歩み出すような勇ましい曲調で、続いた福子と鈴の会話シーンでは、不穏な雰囲気を漂わせつつコミカルな曲調で、まるで呑気なホームドラマを演出するかのようだった。これまでと違うのは劇伴だけでない。「福子は楽天家」で「鈴は心配性」を今更ながら強調してきた。
タカがドラマの案内役で "香田家の現状" を赤裸々に報告(失笑)
その後に立花家にやって来たタカと克子の会話も、まるで忠彦を小馬鹿にしたような喜劇調の劇伴でダ~ラダラ。
私は以前にも香田家のくだりは、良くも悪くも本作の中心である立花家が大トラブル発生中なのだから不要だと言って来ているが、今週の香田家の扱い方は不要どころか、タカがドラマの案内役となり “香田家の現状” を赤裸々に報告し、福子(と鈴)は単なる愚痴の聞き役に成り下がった。その上、タカの台詞で「克子も楽天家」であることを強調した。
萬平の真意、真一の不安、町工場の意地も、一応描かれた
その後の立花家のシーンも、鈴と孫たちのやり取りと萬平の子どもらを思う気持ちが描かれたし、直後の池田信用組合に喜多村がやって来るシーンでは、萬平の強い意志と真一の不安がきちんと描かれた。劇伴も暗雲立ち込める雰囲気で。
続く、織田島製作所シーンは、前回までは萬平が中心人物だったのに、今回は万能調理器開発の立役者を社長、社長の息子と妻と明確に描いた。そして、梅田銀行が資金援助決定する過程も、何とか辻褄合わせが出来たと思う。
今回に限っては、萬平からの朗報を聞く福子も、電話番に見えなかったし、ラストの母子のシーンも劇伴を含めて悪くなかった。
面白いか楽しいかは別にして、雰囲気だけは観易くなった
さて、上記の通りに、これまでの85回分と決別するかのような演出で、まるで良く出来た朝ドラ、ホームドラマのように見えた第86回。もちろん、これが面白いか、楽しいと言えるかとは別の話だ。演出を見ずに脚本だけ観察すれば、ご都合主義だらけと言えばそうだし、これまでの展開を完全に無視しているとも言える。
ただ、良くも悪くも “今回の激変” が演出家の交代だけで成し遂げられたとも思い難い。明らかに、脚本の台詞やナレーションの書き方から、中途半端やモヤモヤが消えて、明瞭明確になっている。
もしかしたら、クレジットに明記はされていないだけで、裏では何らかの工作が行われているか、演出家への現場での脚本改変への許可が大きくなったのかも知れない。とにかく、雰囲気だけは、これまでよりも観易くなったのは確かだ。
福子が、顔芸と怒哀楽の4種類の表情だけでは物足りない
また書くが。面白いかは別にして、こうして演出にメリハリや緩急が付き、見た目がドラマらしくなると、以前にも書いた通りに、福子、と言うか安藤サクラさんの演技プランなのか、演出家の演技指導の結果なのかは知らないが、顔芸と数種類しかない表情で福子を表現するのは無理だ。
もっと、福子の表情を盛り込むべきだし、喜怒哀楽の4種類の表情だけでは物足りない。この演出が暫く(2週以上)続くなら、早急に安藤サクラさんは対応すべきと思う。
あとがき
相変わらず、家を担保にする萬平も、それを快諾する福子も、あんな万能調理器で融資決定する銀行も、自分の家族の恥をさらすタカも、その他の諸々が腑に落ちません。それを、朝ドラらしい演出で上手に誤魔化したとも言えます。
とは言え、これがNHKのテコ入れであり軌道修正なら、これまでの展開を無かったことにしても良いかな? と思いました…
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【これまでの感想】
第1週『結婚はまだまだ先!』
1 2 3 4 5 6
第2週『…会いません、今は』
7 8 9 10 11 12
第3週『そんなん絶対ウソ!』
13 14 15 16 17 18
第4週『私がみつけます!』
19 20 21 22 23 24
第5週『信じるんです!』
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第6週『お塩を作るんですか!?』
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第7週『私がなんとかします!』
37 38 39 40 41 42
第8週『新しい冒険!?』
43 44 45 46 47 48
第9週『違うわ、萬平さん』
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第10週『私は武士の娘の娘!』
55 56 57 58 59 60
第11週『まんぺい印のダネイホン!』
61 62 63 64 65 66
第12週『絶対何とかなるから!』
67 68 69 70 71 72
第13週『生きてさえいれば』
73 74 75 76 77
第14週『理事長!?』
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第15週『後悔してるんですか?』
80 81 82 83 84 85
第16週『あとは登るだけです!』
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