まんぷく (第82回・2019/1/9) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『まんぷく』(公式サイト)
第15週『後悔してるんですか?』の
『第82回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
町工場への融資を決めて以来、残業続きで、毎晩帰りが遅い萬平さん。ある日、萬平さんがいない間にアメリカ帰りの世良さんが訪ねてきます。福ちゃんたちと土産話で盛り上がっていると、萬平さんが会社を定時退社しているにも関わらず、帰ってきてないことが判明。世良さんから浮気の可能性を疑われ、福ちゃんは反論。しかし内心は…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
福子の怖い目つきに加えて、萬平の人相も悪くなっている…
前回の感想の「あとがき」で、福子の目つきが怖いしキモイと書いたのだが。今回のアバンタイトルで、織田島製作所の青年が熱く製品の紹介をしているのを聞いていた萬平が夜の寝床で、「あの子たちは(中略)ダネイホンを作った僕を知らない」と福子に言う。
あの時の萬平の表情が、「ふん! 俺様があの立花萬平だと知ったら驚くぞ!」的な悪人に見えてしまった。脚本の台詞も良くないが、演技指導や撮影、要は演出も良くない。私には、萬平と福子を視聴者たちが応援したくなるような登場人物に見せようとの気合いが全く伝わらないのだ。
最近、リアルタイム視聴を止めた…
そう言えば、最近はリアルタイム視聴を止めた。一番の理由はタイトル映像を見たくないから。あれを見ると、何とか 1日掛けて湧いて来た本作への期待感が削がれるからだ。そんなことまでして保った期待感だが、主題歌明けに早くも音を立てて崩れ落ちた。
喫茶店での福子の「あの晩」の回想シーンは必要か?
前回の感想でも書いた通り、未だ「ほぼ不正融資」であるにも関わらず、早速親友の敏子が “福子アゲ” したからだ。そして、福子は相変わらず「萬平さんを信じている」の繰り返し。そして意味居不明なのが、喫茶店での福子の「あの晩」の回想シーン。
誰の目にも萬平が理事長から発明家に戻るフラグにしか見えないのだが、あの場面で必要だろうか? 悪いが、そろそろ福子が、萬平は理事長職よりも発明&事業家の方が、金を借りられるし儲かりそう…と企んでいるようにしか見えないのだが…
真一が退社時間過ぎに理事印を貰いに来るのは不自然過ぎ!
それにしても、まだ 3分なのに気になることが多過ぎる。夕刻の池田信用組合のシーンだ。なぜか、真一が退社時間を過ぎて理事長の決済印を貰いに来た。これが、劇中の「この日だけ」ならいざ知らず、秘書は「最近」と言っていたから、数日以上は定時退社していたはずだ。そして、真一は萬平の良き片腕のはず。それも、身内。なのに…
秘書役を画面に登場させなければいけない大人の事情もあるのだろうが、全く必要のないシーンに2分近くも割くのは馬鹿げている。それこそ、誰もいない社長室のドアを開けた真一のカットに「最近 萬平さんは定時に仕事が終わると すぐに帰っていました」のナレーション 1つで済んだのでは?
世良の 8年間は、ナント全部台詞で説明して終了…
4分過ぎ、久し振りに世良が登場した。萬平と福子の 8年間はざっくりと端折っておきながら、世良の 8年間は、ナント全部台詞で説明。半年に一度渡米していることも、結婚も 5歳の息子がいることもぜ~んぶ台詞。1カットも回想シーンは無し。映像的には缶詰を並べただけ。
予算不足で渡米中の映像が撮影出来なくても、真っ暗なスタジオで映画を観ている風のカット位は撮れそうだが。
工夫して、楽しく見せてよ
まあ、本当にこの4分間もの台詞だけの「世良の8年分の補強コーナー」に必要なのは笑い。それこそ、映画『七年目の浮気』の話の時に、鈴の着物が風で開(はだ)ける妄想カットなんかインサートして、「お母さん、何おかしなこと想像してんの?」と福子がツッコミを入れるとか、少しは視聴者を楽しませる工夫をしろと言いたい。
客人の前でソファーに肘を付き煎餅を食べながら喋る福子に幻滅
それと、細かいことは言いたくないが、世良がオイルサーディンを「塩利いてて うまいで」と言っていたが、確かにオイルサーディンは高塩度の水にサーディン(鰯)を漬けるが、オイルに浸すし加熱もする。一般的に缶詰で塩気が美味いのは、非加熱の塩漬けにしたカタクチイワシであるアンチョビだと思うのだが。
更に言わせて頂けば、いくら親しい世良とは言え、客人の前で、福子がソファーの肘付きに肘をのせて煎餅を食べながら喋る姿は美しくないし、目の前の子供たちへの教育上もよろしくないし、英語が苦手な世良を見下したような偉そうな態度も合わせて、益々福子が「福ちゃん」と呼ばれていた時代から遠ざかった。
なぜ萬平は "モノづくり" に協力しているのを福子に隠すの?
やっと、9分過ぎとなった。世良が言った「16年目の浮気」のネタの回収だ。本来なら「夫婦あるある」みたいな感じで、微笑ましいシーンになって当然なのだが、全くそんな風にはなっていなかった。だって、劇伴の選曲がおかしいから! いいや、そうじゃない。
そもそも萬平は織田島製作所の製品開発へ興味を持っていることも、発明への野心も福子に全て話してあるのだから、信用組合の理事長として「融資」するのとは別に、個人的に手伝いたいと言うのが、普通の展開では? もちろん、福子が「理事長職に専念して!」と釘を刺しているならともかく…
喫茶店での無意味な回想のお蔭で、福子が反対しないことは、最初の2分でバレバレなのだ。もはや、こんな稚拙なフラグ立てと回収も出来ないなんて、先日、ドラマとして「ほぼ破綻しかけている」と書いたが、どうやら「ほぼ」を取る日も近そうだ…
あとがき
終盤での、織田島製作所を訪れた時の福子の不審者風の演技も酷かったですね。どう言う演技指導をして、どんな演技プランを立てたら、あんな芝居になるのでしょう? それに、あの場面で気が動転しているとは言え、工場の奥さんに「私がここへ来たことは内緒にして下さい」と言うのが妻の優しさでは?
また、世良がたくさんの缶詰をテーブルに広げた時に、鈴が「戦前にはホテルの野田さんから、たくさん缶詰を頂いたわね」と言わせて、福子が照れながら止めさせる…って言う演出も出来ましたよね。
結局、15分間で描いたのは、強引にではありますが「我慢している萬平を心配して止まない良妻の福子」だけ。万能調理器の完成に萬平が一役買うのは、誰の目にも明らかなのに…
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【これまでの感想】
第1週『結婚はまだまだ先!』
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第2週『…会いません、今は』
7 8 9 10 11 12
第3週『そんなん絶対ウソ!』
13 14 15 16 17 18
第4週『私がみつけます!』
19 20 21 22 23 24
第5週『信じるんです!』
25 26 27 28 29 30
第6週『お塩を作るんですか!?』
31 32 33 34 35 36
第7週『私がなんとかします!』
37 38 39 40 41 42
第8週『新しい冒険!?』
43 44 45 46 47 48
第9週『違うわ、萬平さん』
49 50 51 52 53 54
第10週『私は武士の娘の娘!』
55 56 57 58 59 60
第11週『まんぺい印のダネイホン!』
61 62 63 64 65 66
第12週『絶対何とかなるから!』
67 68 69 70 71 72
第13週『生きてさえいれば』
73 74 75 76 77
第14週『理事長!?』
78 79
第15週『後悔してるんですか?』
80 81
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