土曜ドラマ「母、帰る~AIの遺言~」 (2019/1/5) 感想

NHK総合・土曜ドラマ『母、帰る~AIの遺言~』(公式サイト)
『病死した母が息子と夫のために自分の記憶をAIに移植してのこした。AIは父子の仲を取り持とうとあれこれお節介を焼き始めるが…。近未来を舞台にした切ないホームドラマ』の感想。
直人(柳楽優弥)は父(奥田瑛二)との養子関係を解消しようと実家を訪れる。母(岸本加世子)が臨終の時、酒屋にいた父が許せずにいたのだ。が、父は直人の屈託などお構いなしにスマートフォンを差し出す。「ただいま!」懐かしい母の声が聞こえてきた。母が自分の記憶をAIに移植して遺していたのだ。父子の仲を修復させようとあれこれおせっかいを焼くAIはやがて「あなたはお父さんの実子よ」と直人に驚くべき告白をする…!
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:三國月々子(過去作/とげ 小市民 倉永晴之の逆襲)
演出:小谷高義(過去作/そんじょそこら商店街)
音楽:吉森信(過去作/そんじょそこら商店街)
制作統括:海辺潔(過去作/精霊の守り神シリーズ)
舞台が富山県、台詞が富山弁の理由は不明だが、悪くない
本作の脚本家・三國月々子氏の故郷でも無いのに、舞台が富山県の新湊で、台詞が富山弁になっているのかは不明だが、富山県と富山弁に馴染みのない私にとっては、それがまた本作を日本の何処かにもこのような話があるかも知れないと言う現実味を感じさせてくれた。
発想もオチも悪くないが、「AIの母」以外の工夫が欲しかった
内容は、父親の身勝手さに養子関係を解消しに実家を訪れた息子が、その父から母の記憶をAIに移植したアプリをインストールされたスマホを見せられ、次第に「AIの母」の声が父と息子の関係を修復して行く…と言う、SFチックで、ミステリー要素もある、ど真ん中のホームドラマだ。個人的には「AIの母」以外の工夫が欲しかった。
5人の演技の素晴らしさと、橋上でのラストシーンは心に刻まれた…
登場人物は、ほぼ5人だけ。主人公で息子・野田直人 役の柳楽優弥さん、直人の養父・野田誠二 役の奥田瑛二さん、直人の母・野田ゆり 役の岸本加世子さん、誠二の姪で直人の義理の従姉・布村よし子 役の市川実日子さん、心療内科の医師で介護AIの記憶主治医・君塚恭敬 役の野間口徹さん。
個々の演技の素晴らしさは当然ながら、配役が絶妙過ぎる。亡き母を演じた岸本加世子さんの明るい声、柳楽優弥さんの切ない表情、奥田瑛二さんの鬼気迫る姿など、観終わっても目の裏に焼き付く程の強烈さ。あの見事な橋の上でのラストシーンは、私の心にいつまでも残り続けると思う。
あとがき
物語の基礎設定がかなり特殊なので、好みは分かれる作風だとは思います。ただ、近い将来、金銭や土地などの遺産でなく、感情的な「生きてる内には伝えにくかったこと」を遺言として人工知能(AI)に託して…なんて時代は、まんざら架空のお話で無いような。様々な問題提起をしつつ、俳優の力で見せたホームドラマでした。
年老いた母と別居している私には、とても心にグサッと刺さったドラマでした。観る人の立場で評価が変わる作品だと思いますが、家族がお茶の間に集まって見られる可能性が高い正月の5日に放送した意義はあると思います。最後に、私がおススメの「AI」関連の映画をご紹介します。
【本作を見逃した方へ、再放送があります】
2019年1月12日(土)の午前1時10分~1時59分(金曜深夜)に、総合テレビで再放送が予定されています。良かったら、見てみて下さい。
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