まんぷく (第78回・2019/1/4) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『まんぷく』(公式サイト)
第14週『理事長!?』の
『第78回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
福ちゃんの説得で、萬平さんは財務局に対する訴訟を取り下げ、釈放されました。罰金を支払ったため、経済的には苦しくなりましたが、久しぶりに家族でゆっくり過ごせるかと思われましたが、不当逮捕で国を訴えた萬平さんはいつの間にか世間のヒーローに。新聞社の取材申し込み、活動家からデモ参加の誘いなど、周囲が騒がしくなります。そんな中、訪ねてきたのは…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
理事長就任まで、どれ程に楽しく描いて見せてくれるか…
さあ、2019年、本作の後半戦、そして、たった2日間しかない第14週『理事長!?』が始まった。予告編では驚く登場人物のカットばかりで構成させていたが、誰がどう考えても『理事長!?』の対象者は萬平しかいない。
従って、後半戦の運命を分かるかなんて視点で今回(と次回)を見るならば、視聴者が当然分かり切っている内容を、釈放から理事長就任まで、どれ程に楽しく描いて見せてくれるか…その一点に絞っても良いと思う。
こんな仕上がりのアバンで後半戦に期待を寄せるのは無理…
先週に続いて演出は、安達もじり氏だ。従ってこの段階で過大な期待は禁物だ。何せ、ネタ不足で迷走中の脚本を自らのアイデアで補強せずに。そのまま文字通りに映像化してしまった安達氏だから。
そして、アバンタイトルだ。まあ、つまらなかった12月を1分40秒のダイジェスト版にしても、年末に放送された本作の『総集編 前編』の後半 1/3 がつまらなかったのと同じであることは当然だ。
誤認逮捕された萬平の苦悩や、奔走した東弁護士の活躍はそっちのけで、泣き落としで萬平を “完落ち” させた福子だけをクローズアップしたダイジェスト編集。これがイカンのだ。育児まで他人任せでメソメソしてばかりの電話番が、おいしいところだけを持って行く。これでは、ヒロインへの共感もストーリーへの信頼も無くなって当然。
確かに、年頭で、まだ正月休みの人も多いから、話を進めづらいから、適当にダイジェストで…となる気持ちは分かる。でも、この出だしで期待するのは無理である…
本編も人数ばかり集めて騒々しいだけで、楽しくない!
本編だ。やっと一家の主が帰って来て(克子の家に居候中だが)、一応慎ましやかな生活を送っている福子と萬平のもとへ、萬平の噂を聞き付けた輩が次々とやって来て…。どうやら、「一難去ってまた一難」を本作なりに “面白おかしく” と言うよりも “ほのぼの楽しく” と解釈して映像化したような描写だ。
その後の会話にしても同じ解釈で作ったに違いない。しかし、また何の根拠もない「萬平さんは ちゃんと考えてます」の福子の台詞や、忠彦とタカの太巻きのやり取りなど、人数ばかり集めたが、内容は面白くも楽しくも無く、賑やかと言うより騒々しいだけ。
「視聴者も萬平を英雄視しなさい」と言われると腹が立つ!
それにこの前半での、アバンのナレーション、2組の訪問者、タカ子と忠彦、そして福子が、想像以上に国を訴えつつ釈放された萬平を “台詞で” 英雄扱いするから、「視聴者も萬平を英雄視しなさい」と言われているようで、正直しゃくに障る。そっちが一方的に送信して来る映像を見て、こっちがどう見るか決めるのだ。
当時(劇中)の合格発表の時期は、寒く無いのか?
さて、後半の最初に神部がやって来た。中庭向きの障子ガラス戸は開けっ放しだし、カーディガンを羽織っている克子以外は、羽織りものを着ていないから季節は何時? かと思いつつ観ていたのだが、神部が合格発表を見て来たと言うのだから寒い時期で無いのか?
歴史的なことは分からないが、それこそ「昭和〇年 〇月」のテロップを入れたら良かったのでは? それに今年最初の放送なんだし…
本作に於ける瀬戸康史さんが、不憫だし残念…
そして、本作に於ける瀬戸康史さんが不憫でならない。昨年の『管理人みっきーが独断と偏見で選んだ「2018年地上波の連ドラ ベスト10」』で、見事第10位に輝いた『海月姫』での女装した美少年・鯉淵蔵之介役と…
第2位に輝いた『透明なゆりかご』での強い意志と優しさを兼ね備えた産婦人科医・由比朋寛役で存在感も演技力も魅せてくれた彼が、本作ではどんどん魅力が薄れ、ついに今回では若手のお笑い芸人がやるようなことまでさせられて。
これを見て、9分過ぎまで見てもな~んにも感じないのは、“面白おかしく” や “ほのぼの楽しく” と言う解釈の映像化が完全に空回りしているってこと。やろうとしていることと、表現されていることに相当なギャップが存在しており、残念なのは、作り手たちがそのことに余り気付いていないように見えてしまうことだ。
鈴が、視聴者の代弁者から煩い脇役に降格して残念…
そして、もう一つ残念なのは、これまで「視聴者の代弁者的役割」だった鈴が、ただの煩い脇役に降格したことだ。ここまでの経緯からも、鈴は萬平の才能で飯を食わせて貰った訳であり、希望通りに孫も2人もつくったのだから、妄信中の福子になれとは言わないが、そろそろ萬平の味方になっても良いと思う。
もちろん、あれこれと娘夫婦に口を出すのは、ホームドラマとしては間違っていないし、楽しければそれで良い。しかし、自分の立場もわきまえずに、ただ口煩いのは話の腰を折るだけ。ハッキリ言ってつまらない。
あとがき
昨年の『紅白歌合戦』、例年なら放送中の朝ドラ推しの内容になるのに、昨年は『半分、青い。』関連の出演者の方が多かったですよね。5年振りの出場が期待されたドリカムは欠場で、安藤サクラさん以外の共演者の出演も無ければ、特別映像も特別コーナーも無し。『あさが来た』や『ひよっこ』は凝った企画で楽しませてくれたのに。
今作はテコ入れを兼ねて何か仕掛けて来るかと思いましたが何も無し。NHKも触らぬ神に祟りなし…と言うことでしょうか。どうか、そんな消極的な姿勢でなく、前向きに10月期の頃のような、朝から楽しくて元気がもらえる『まんぷく』に戻すべく頑張って欲しいです!
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【これまでの感想】
第1週『結婚はまだまだ先!』
1 2 3 4 5 6
第2週『…会いません、今は』
7 8 9 10 11 12
第3週『そんなん絶対ウソ!』
13 14 15 16 17 18
第4週『私がみつけます!』
19 20 21 22 23 24
第5週『信じるんです!』
25 26 27 28 29 30
第6週『お塩を作るんですか!?』
31 32 33 34 35 36
第7週『私がなんとかします!』
37 38 39 40 41 42
第8週『新しい冒険!?』
43 44 45 46 47 48
第9週『違うわ、萬平さん』
49 50 51 52 53 54
第10週『私は武士の娘の娘!』
55 56 57 58 59 60
第11週『まんぺい印のダネイホン!』
61 62 63 64 65 66
第12週『絶対何とかなるから!』
67 68 69 70 71 72
第13週『生きてさえいれば』
73 74 75 76 77
第14週『理事長!?』
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