まんぷく (第77回・12/28) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『まんぷく』(公式サイト)
第13週『生きてさえいれば』の
『第77回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
萬平さんの不当逮捕に対する国への批判が高まる中、財務局から福ちゃんたちに訴えを取り下げれば、萬平さんを釈放すると司法取引が持ちかけられます。でも訴えを取り下げれば、罰金10万円を支払うということになり、萬平さんは裁判で争うと言って譲りません。裁判が始まったら、萬平さんが出所できるまで何年かかるのか。それを聞いた福ちゃんが…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
前回のラストに続く萬平の台詞が本作の今後の命運を分ける
前回のラストは、面会に来た東弁護士が解決策を見つけて、萬平に「やりましたよ 立花さん!」と言った後に、萬平が「嫌です。僕は訴えを取り下げません」のあとに、何か言いたげな萬平のアップで終わった。
年内最後の放送だから、あのあとに続く萬平の台詞が、本作の今後の命運を分けるような気がして、注目していた。すると、アバンタイトルでこんな台詞が続いた…
萬平「あの金は 僕だけのものじゃない。
泉大津で塩を作り
ダネイホンを作った みんなの汗の結晶なんです。
ここで僕が折れたら 彼らに対して申し訳が立ちません」
脚本家は萬平を "常に、皆のことを考えている男" と書いた!
さて、どうだろう。明らかに萬平は、解散はしたものの「たちばな栄養食品」の社長としての責任感や起業家としてのプライドを、東弁護士にガツンとぶつけた。やはり、萬平は自分の身のことだけでなく、家族はもちろん辞めさざるを得なかった社員たちへの気持ちを、いつも考えていた…と言うことになる。
まあ、今回の騒動も若い社員の学力のことを考えての結果だから、ここ最近では描写が少なかったものの、やはり萬平は “常に、みんなのことを考えている男” であると脚本家が書いたのだ。こうなると、主題歌明けの福子はどんな反応をするのか大変気になる…
福子は "他人任せで、金で解決する人でなし妻" と書くか!?
で、主題歌明けだ。萬平の「みんなの汗の結晶」の気持ちを敢えて福子に伝えない東弁護士。ここから、本作の命運が分かれるような展開になる。まず、なぜ東弁護士が萬平の真意を福子に伝えなかったのか?
これは私の推測だが、東弁護士は萬平とは違う思考回路の女性だから、今言うとヒステリーを起こすのでないかと思ったのではないだろうか。ただ、恐らく脚本家はこのあとの飛んでも無い福子の台詞で、福子がどんなに萬平に帰ってきて欲しいかを伝えたつもりなのだが…
福子「いやいや いやいや そんなことしなくていいです。
萬平さんを返してくれるなら お金は惜しくはありません」
どうだろうか。この福子の台詞を聞いて、「福ちゃんは、無一文になっても萬平さんと一緒に居たいと願っている愛情溢れる奥さんだなぁ」と感激する視聴者がどれだけいるだろうか。
少なくとも私は、「ついに福子は、何でも他人任せで、いざとなったら金で解決する “人でなし妻”」にしか見えなかった。それに、「いやいや」を連呼した時の福子の顔、あんな恐ろしい金の亡者の顔に演技指導するのも、どうかと思う…
夫唱婦随より「夫を励ます、夫と協働する妻」が見たい!
そして、克子や世良たちに、すぐに釈放される方法を選択しない東弁護士の本音を聞き出すように責められた福子が、東弁護士に電話をする。
そこで、福子が「あの金は 僕だけのものじゃない」と言う萬平の言葉でなく、東弁護士が萬平の真意を変換した「釈放させてもらえるのに 負けを認めるのは 信念に反すると」(あまり正確な変換だとは思わないが)を聞いて、こう答える…
福子「そうですか…。そういう人なんです あの人は」
そして、刑務所へ萬平を説得しに来た福子は、こうも言う。
福子「よう分かります。
萬平さんの気持ちは ほんまに よう分かります」
ドラマとしては、間違っている訳では無い。「夫唱婦随=夫が言い出し、妻がそれに従うこと。」を脚本家は書いているつもりなのだ。確かに、字面だけ読めば、夫唱婦随だ。
しかし、本作の、昨今の朝ドラのヒロインに求められるのは、夫唱婦随よりも、女性として妻として1人の人間として独立した主人公であり、本作で言うなら「夫に従う妻」でなく「夫を励ます妻」であり「夫と協働する妻」でないのだろうか。その意味で、あくまで私にとっては魅力の無いヒロインになった。
果たして福子は、本当に萬平の気持ちを理解しているのか?
また、違った見方をすると、果たして福子は本当に萬平の気持ちを理解しているのか? と言う疑問が湧いて来る。なぜなら、これまで福子は、自分の周囲の人間に “同調” したり “思いやり” を見せたりしたことが “ほぼほぼ殆ど無い” のだ。
“同調” や “思いやり” は、かつての「福子の応援団」の十八番(おはこ)であり、福子はそれに頼りっ放しの人。いや、心の中では “同調” や “思いやり” があったとしても、表面的な言動で表さなければ、無いのと同じ。
せめて、塩軍団のための慰労会のような描写がもっともっとあれば、「そういう人なんです」も「萬平さんの気持ちは ほんまに よう分かります」も真実味を帯びたのだが。
前回まで無かった "福子への不快感" が込み上げて来た…
だから、福子に共感し辛いし、応援する気になれない。そんな状況で、金網の向こうにいる萬平に、「あなたらしく働け」と励ましても、悪いが「罰金10万円を払っちゃうから 働いてもらわんと困る」と命令しているようにしか見えなかった。
どうやら、幸を抱っこして泣きながら懇願した福子が、本作の今後の命運を分けたような気がする。だって、前回ではまだ抱かなかった “福子への不快感” が込み上げて来たから…
鈴と克子とタカが薙刀で「エイヤー」の所へ萬平が帰って来たら…
でね、今回のラスト。釈放された萬平と福子を香田一家と鈴と源が家の前で待っていたが、電話が無い香田家に釈放が伝えられたってことは、またまだ乾物屋の電話を借りたってことだ。
この際、どうでも良いのだが、年内最後だし、今週2回もやったのだから、ここは鈴と克子とタカは薙刀、忠彦と源はホウキかなんか持って、「エイヤー」とやっているところに、ふらっと帰って来た方が良かったのでは? それがコントのオチだし、ドラマとしても本作らしい「萬平の帰還 “喜” 劇」になったと思う。
この程度のアイデアも浮かばない脚本家と演出家なら、今後一切、小ネタはやらない方が良い。小ネタを挿入しても生かせないなら、真面目に丁寧に遊ばずに作るべき。今や、それすら厳しいとは思うが…
あとがき
次週の予告編を見る限りでは『ひよっこ』のパクリでもやるのでしょうか。どうやら、今週で完全に最初の1か月と別のドラマになってしまいましたね。ですから、年明けから新作『まんぷく2』が始まると言う気持ちで向き合います。
それにしても、「朝ドラの魔のラスト1か月」とは言いますが、「朝ドラの最初の1か月は信用するな!」も定番になるかも知れませんね。
これで、年内の連ドラの感想は全て終わりました。あとは年内のスペシャルドラマ数本と、元旦の『相棒SP』です。今年も、たくさんのコメントや拍手を頂き、ありがとうございました。年内もテレビドラマの感想以外の投稿を毎日しますので、そちらも楽しみにして頂けるとうれしいです!
と言う訳で、連ドラと朝ドラファンの皆さんは、良いお年を…
当blogの愛読者さんは、まだまだ続きます…(笑)
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【これまでの感想】
第1週『結婚はまだまだ先!』
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第2週『…会いません、今は』
7 8 9 10 11 12
第3週『そんなん絶対ウソ!』
13 14 15 16 17 18
第4週『私がみつけます!』
19 20 21 22 23 24
第5週『信じるんです!』
25 26 27 28 29 30
第6週『お塩を作るんですか!?』
31 32 33 34 35 36
第7週『私がなんとかします!』
37 38 39 40 41 42
第8週『新しい冒険!?』
43 44 45 46 47 48
第9週『違うわ、萬平さん』
49 50 51 52 53 54
第10週『私は武士の娘の娘!』
55 56 57 58 59 60
第11週『まんぺい印のダネイホン!』
61 62 63 64 65 66
第12週『絶対何とかなるから!』
67 68 69 70 71 72
第13週『生きてさえいれば』
73 74 75 76
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