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僕らは奇跡でできている (第9話・2018/12/4) 感想

僕らは奇跡でできている

関西テレビ制作・フジテレビ系・『僕らは奇跡でできている』公式
第9話『楽しかった日々の終わり』の感想。



山田(戸田恵子)との平穏な日常を取り戻した一輝(高橋一生)。そんな一輝の元に、琴音(矢作穂香)が‘進路相談’をしたいとやって来て、樫野木(要潤)が代わると言っても固辞する。ところが琴音の相談とは、一輝が好きだから付き合ってというもの。さらに育実(榮倉奈々)が好きなのかと琴音に問われた一輝は困惑し、山田に料理を習うため家を訪れた育実自身にどう思うか聞く。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---


原作:なし
脚本:橋部敦子(過去作/フラジャイル、A LIFE~愛しき人~)
演出:河野圭太(過去作/HOPE~期待ゼロの新入社員~) 第1,2,5,8
   星野和成(過去作/あいの結婚相談所、ハゲタカ) 第3,4,6,9
   坂本栄隆(過去作/脳にスマホが埋められた!) 第7
音楽:兼松衆、田渕夏海、中村巴奈重、櫻井美希
オープニングテーマ:Shiggy Jr.「ピュアなソルジャー」
主題歌:SUPER BEAVER「予感」

斬新なセリフとスリリングな展開で一輝の複雑さを描く怒涛の1時間

前回で、一輝(高橋一生)と山田(戸田恵子)との母子関係が判明し、一輝は苦手なタコを食べられるようになった。そんな展開の続き、一輝と山田の平穏な日々の描写から始まると思いきや、第9話の冒頭シーンは幼少期の一輝と祖父・義高(田中泯)と亀のジョージだった。

この僅か1分程度のシーンを見ただけで、今回はとんでもないことが起こりそうな予感がした。その理由は、冒頭に現在で無く幼少期をさり気なく置いて、脚本家が視聴者を巧みにミスリードしようとしているのだと感じたから。

冒頭であの一輝を見せられれば、普通は自然と今の一輝も幼少期から繋がる “少年のような心を持った大人” と言う印象が付く。ここが上手い。最初に一輝を “少年のような大人” と擦り込んでおいて、その後、脚本家と演出家は、何度も我々視聴者の “踏み台” を外す。

踏み台を外される度に、一輝と言う登場人物は単純に “少年のような心を持った大人” でも “キラキラした大人” でもないことが突き付けられ続け、一輝は “世間体に捉われず、常に自分のやりたいことを追求したい大人” であり、ドラマのキャラクタとしては “非常に難解な大人” であることが見えて来て、ついにラストシーンでは、一輝がどんな選択をしたのかさえも、分らなくした。

とにかく、今回の1時間は、これまでで最も一輝を掘り下げた放送回であり、これまでで最も一輝の内面の複雑さを、斬新な台詞とスリリングな展開で描いた怒涛の1時間だった。

一輝は物事を「9つの気持ち」の内の1つで受け止めて…

さて、物語は幼少期の一輝の直後から、前回に続く展開だ。進路相談と嘘をついて自分との交際を要求する琴音(矢作穂香)に「つきあえません」と答え、育実(榮倉奈々)との関係を迫られると「考えたこと ありません」と答える。

樫野木(要潤)への返事からしても、この辺は正に一輝を “少年のような大人” のように描いている。恋愛に対してピュアな大人の男性って印象付けだ。育実をリスに例えて「リスは好きです」と繰り返す辺りもそうだ。まるで、オクテな少年と思春期のお姉さんな少女の恋バナのような可愛らしい描写。

母親に学生に告白されたことを言っちゃうのもそうだ。視聴者全員が、「一輝は一体育実をどう思っているんだ!?」と聞きたくてしょうがないところに、今回1発目の怒涛の台詞がやって来る。

一輝「すごいです。人の気持ちって目に見えないじゃないですか。
   そういうものに言葉を付けた人ってすごいです。
   うれしい 楽しい 悲しい つらい 怖い
   好き 嫌い 恥ずかしい 面白い」

と、来る。一見、一輝の突拍子もない発想と考え方を強調している台詞に思えるが、実は一輝は台詞中にあった「9つの気持ち」で自身の行動をコントロールしている可能性があるとも見える。

いや、ここはドラマとして一輝と言う人間は物事を「9つの気持ち」のどれか1つで受け止めて、近づいたり遠ざかったりしている可能性があると描いたと思う。なぜなら、この台詞までがアバンタイトルだから。本作はこれまでもその回の複雑な伏線のヒントを、必ずアバンに潜ませてきた。だから、今回も…

恋愛ドラマ風で、カモフラージュされているテーマとは!?

本編のファーストシーンは、鮫島教授(小林薫)から代講を頼まれた一輝の講義風景。講義内容は “動物行動学” のはずなのに、あっと言う間に宇宙へ飛んだ。こう言う世間体や規制の枠に捉われないのも一輝の魅力だ。そして物語は一輝から育実へ展開を変える。

琴音からの当然の一撃を食らい、一輝をより意識するようになったと思ったら、ヤモリの登場。この辺も先程のオクテな少年と思春期のお姉さんな少女の恋バナのような可愛らしい描写だ。

本作はハートフルドラマではあるが、恋愛ドラマであるとは謳われていない。従って、この恋バナ風の一連の描写は、巧みに本作の本当のテーマをカモフラージュし、このあとの今回で2つ目の一輝の怒涛の台詞に繋がって行くのだ。

難解な一輝の感情を「面白いです」で表現した脚本の秀逸さ

そして、36分に2つ目の一輝の怒涛の台詞が発せられる。

一輝「つまり 僕は水本先生のことが…。面白いです」

ここで、もう1つ注目すべきは、CM前のシーンで樫野木の娘・香澄(矢崎由紗)に話した学生時代のフィールドワークでのクマと対峙した「怖い」体験談を育実にも話したことだ。

このことで、一輝は過去の記憶を「9つの気持ち」と結び付けて、新たに起こる事象に対しても過去の記憶と「9つの気持ち」と結び付けて自分の行動を決めると言う性質があることが見えて来る。思えば、一輝は同じ話を良くする。それは、常に “何かに怯えて” おり、防御本能が強いのか、それとも強烈な記憶が頭から離れないタイプなのか。

とにかく難解な一輝の感情や気持ちを、よくぞ「面白いです」と言う単純な一言で表したと思う。「面白いです」の前の “間” の演出も見事だ。そして、「面白い」を勘違いする育実も少女のように可愛かった…

一輝と正反対の人間として樫野木が描かれた…

42分過ぎからは、樫野木の話。ここも本当に良く構成されている。中盤までは学生と育実で恋バナ風を描きつつ、樫野木の娘・香澄でホームドラマ風を描き、終盤に来たら “世間体に捉われず、常に自分のやりたいことを追求し、興味を持った対象に愛情が湧く1大人” である一輝と正反対の人間として樫野木が描かれる。

きっと離婚した時点で夫婦や家族の歯車は狂い始めていたのは、樫野木の十分承知だったに違いない。そこから目を背けるために研究に没頭したのだろうが、結果的に一輝に対して “嫉妬” と “異質なものを排除したい欲求” を抑えられずに、暴言を発する。

人の気持ちは聞かなければ分からないし、答えは自分の中に

そう、樫野木こそが “世間体” なのだ。そして世間体に捉われないのが一輝。一輝が職場で零れるように目に溜めた涙、帰宅した際の山田への無反応な態度、ベッドで仰向けになり天井を見る一輝と傍らでそっと生きるジョージ。ここで、冒頭での祖父・義高のあの台詞にドラマがフィードバックする。

義高「カメは どうしたいのかな?」
一輝「カメに聞いてくる」

相手の気持ちなんて聞かなければ分からないのだ。だから、育実は一輝に聞いた。そして、樫野木は鮫島教授に真意を聞く…と、繋がる。結局、育実が一輝から「面白いです」と思われる要因も、樫野木が問題の擦り替えや責任転嫁をしてしまう要因も、全て本人の中にあると言うこと。

となると、樫野木から「ここから消えて欲しい」と言われた要因も、一輝の中にあると言うことになる。だが、一輝は単純であり複雑な人間だ。だから、一輝がどんな選択をするのか、とても気になる。しかし、その答えは一輝の中にしかない。普通のドラマなら、あれこれ推測する楽しみがあるが、本作は違う。

一輝がどうするのか? ではなく、「一輝は どうしたいのかな?」と最終回の一輝を見るしかないのだ。最終回を見ることでしか完結しない連ドラ。本当に良く出来た連ドラだ。

あとがき

樫野木から「ここから消えて欲しい」と言われた一輝の心情は、簡単に想像出来ません。しかし、切ない涙であったことは、自分の流した涙から何となく想像出来ます。そして観終えた後の程良い癒し…。いよいよ最終回ですが、どんな奇跡を魅せてくれるのか楽しみです。そして、出来れば連ドラで続編を作って欲しいです。

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Author : みっきー

★管理人:みっきー

★職業:宴会/映像ディレクター(フリーランス)

★略歴:東京下町生まれ千葉県在住。ホテル音響照明映像オペレータ会社を経て、2001年独立。ホテルでイベント、パーティー、映像コンテンツ等の演出を手掛ける。活動拠点は都内と舞浜の有名ホテル等。

★ブログについて:フリーの宴席/映像ディレクターが、テレビ,映画,CM,ディズニー,音楽,仕事等を綴ります。記事により毒を吐きますのでご勘弁を。

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