まんぷく (第50回・11/27) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『まんぷく』(公式サイト)
第9週『違うわ、萬平さん』の
『第50回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
新しい栄養食品「ダネイホン」作りに没頭する萬平さん。でもほったらかしの塩作り社員たちの不満はたまるばかり。従業員の間でタカちゃんを巡る争いも明らかになって、たちばな塩業はバラバラになりそう…。そして福ちゃんも、源ちゃんが熱を出しても心ここにあらずの萬平さんに不満が募ります。そんな中、「ダネイホン」の試作品が完成し…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
アバンで、福子が "普通の浪速のオバハン" を強調してどうする?
今回のアバンタイトルのラストカットで福子が深く溜め息をついていたが、正直こちらが深い溜め息をつきたくなる。だって、今回のアバンで印象付けられたのは、仕事に没頭する夫の萬平へ不満を持っていることと、育児をしているだけになってしまったから。
夫の愚痴と育児…では、正直普通の登場人物だ。ヒロインや主人公らしい役割でも魅力でも何でもない。普通の当時の女性像だ。いや、ハッキリ言っちゃうと “大阪弁のちょっと変なありきたりな浪速のオバハン” になってやしないか?
もちろん劇中の時代背景を考慮すれば、当時の夫婦なんてこんな感じだったに違いない。萬平が仕事一筋で家や家族を蔑ろにするのも。でも、今回が第50回で、ついに全体の 1/3 を迎えた時点だと考えると、朝ドラのヒロインとしてキャラが弱過ぎると思うのだが…
神部とタカのやり取りを、朝ドラらしく清々しく描けないか?
主題歌明け、またタカを巡る塩軍団のくだりだ。私にはどこが面白いのか全く分からないが、6分過ぎに描かれたような神部とタカのやり取り位は、せめて朝ドラらしく清々しく描けないものだろうか? 恋愛要素を入れて視聴者を喜ばせようと言う目論見だろうが、そんなことより発明の話を進めて欲しいのだ。
福子が家や会社を放り出し病院へ行ったように映っちゃった
そして、今度は源が熱っぽいから病院へのくだりで、“普通の浪速のオバハン” が登場。孫を心配する鈴の方が共感出来ちゃうから、まるで福子が家や会社を放り出して病院に行ってしまったように映ってしまった。こう言うちょっとした場面での福子の表情への演技指導も、実は雑になっているのがとても気になる…
赤津でなく福子に「塩作り組」の不満に気付いて欲しかった
子育てが大変なのは分かる。しかし、なぜ福子でなく赤津に立ち聞きさせたのだろう?
源の熱発なんて入れずに、福子が何となく従業員たちの様子がおかしいことに気付いて、ヒロインお得意の立ち聞きや盗み見を駆使して、研究で大忙しの「ダネイホン組」と、ほったらかしで不満が鬱積中の「塩作り組」との “従業員格差” 的な騒動の火種に、研究に没頭して気付かない萬平の代わりに福子が気付くべきだった。
子育てしているだけの福子を見るだけでは、つまらない。なんて思ったら、赤津からの情報提供で福子が「塩作り組」の堪る鬱憤を萬平に告げる展開になっちゃった。これ、見ようによっては社長に直接言い難い赤津が、居ても立っても居られなくて福子に願い出たとも見えてしまう。
働き詰めの夫を解放させる為に「塩作り組」の話をしたの?
これでは、福子のマネージメント能力の表現にはならないのだが。更に問題なのは、従業員の不満を知った福子がそのことで動かずに、新しい栄養食品「ダネイホン」が思い通りに出来ない萬平を励ましちゃう。妄信的に萬平を信じるだけ。
マネージメント能力も見せず、問題解決能力も見せず、やっと11分過ぎに仕事に没頭し過ぎる萬平を気遣う流れで、「塩作り組」の問題を話す展開になってしまった。別にこの流れが間違っていると言う訳では無い。しかし、これでは働き詰めの夫をちょっと研究から解放させようと「塩作り組」の話題を出したように見えてしまった。これで良いのだろうか?
萬平と福子が、他人のお金を軽んじて見えるのが嫌なのだ!
終盤での「私たちは夫婦なんやから」と泣いて訴えた福子を見て、こんなことを考えてしまった。そもそも、萬平が研究に没頭し周囲が目に入らず不機嫌だと怒鳴るのも、ただ妄信的に夫の発明家の才能を信じるだけの福子が、夫に相談もせずに三田村会長からの3万円と世良からの1,500円も融資を勝手に受け取ってしまったからでは無いのかと…
だから、萬平は潤沢な資金を背景に思う存分研究をしちゃうし、世良からも執拗に付き纏わられちゃう。こんな見切り発車な研究をダラダラと描くより、夫婦二人三脚で事業計画書を作成して三田村会長に見て貰う…みたいな描写を挟んだ方が良かったと思う。
もちろん、三田村は「好きにやりなさい」と言うだろう。ただ、どうも萬平と福子の夫婦が “お金は何処からか湧いて出て来る” と思っている節があるように見えるのが嫌なのだ。
あとがき
戦後の物の無い時代に、自分たちの出来ることで自分も周りの人も幸せになると言う点に於いては、『べっぴんさん』でのキアリスのベビー服販売の方が、真面目で真剣だったし、ヒロイン・すみれは従業員を大切にしていました。また、あの『わろてんか』のヒロイン・てんだってキースやキリコら従業員に慕われていました。
まさか、1か月前には、本作と『べっぴんさん』や『わろてんか』を比較するとは思いませんでした。どうして、以前の萬平の危機であった「憲兵隊に投獄された」時は、福子自ら動いて解決したのに、今回やらない(やれない)のは、単純に引き延ばされていると言うマイナスの印象しかありません。早く盛り返して欲しいです。
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