僕らは奇跡でできている (第5話・2018/11/6) 感想

関西テレビ制作・フジテレビ系・『僕らは奇跡でできている』(公式)
第5話『女ゴコロと虫歯のナゾ!?』の感想。
恋人の鳥飼とすれ違う育実(榮倉奈々)は仕事に没頭しようと子ども向けの歯磨きイベントを企画。衛生士のあかり(トリンドル玲奈)はそんな育実の焦りを感じ取る。育実と一輝(高橋一生)の関係が気になる山田(戸田恵子)はクリニックに偵察へ。一方、森でリスが通る橋を架ける作業に夢中な一輝は、学生や樫野木(要潤)らを誘うがうまくいかない。そんな中、一輝は虹一(川口和空)が歯磨きイベントに行くと知り、自分も参加する。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:橋部敦子(過去作/フラジャイル、A LIFE~愛しき人~)
演出:河野圭太(過去作/HOPE~期待ゼロの新入社員~) 第1,2,5話
星野和成(過去作/あいの結婚相談所、ハゲタカ) 第3,4話
坂本栄隆(過去作/脳にスマホが埋められた!)
音楽:兼松衆、田渕夏海、中村巴奈重、櫻井美希
オープニングテーマ:Shiggy Jr.「ピュアなソルジャー」
主題歌:SUPER BEAVER「予感」
ついに、本作で唯一の "気になる点" が改善された!
当blogでは「絶賛」の感想が連続の本作だが、前回の感想では、唯一の気になる点として “一輝と育実の接点を、もっと描かないと、育実の存在理由が無い” と厳しいことを書いた。すると、今回はどうだったろう?
脚本上では育実だけのシーンを減らして誰かと関わっている場面を増やしたり、山田さんと鮫島教授との会話に一輝と育実を登場させたり。また、演出上では育実が単独で映るカットを極力減らして、撮影・編集したのは明らかだ。
"気になる点" が改善され、また作品の質が一段昇格した
そのお陰で、育実自身が抱える問題については何ら変わっていないのだが、1つのドラマの中で一輝と育実が共存していることが、きちんと冒頭から視聴者へ意識されるような作りになった。
そのために、終盤辺りの一輝と育実のやり取りにも、独特の雰囲気の中で2人が関わり合っていることが表現されたし、その上で更に「一輝ワールド」とも言うべき、本作らしさが際立った。
これで、益々好みが分かれる作風になったのも確かだが、ドラマの進むべき方向性は正しいし、明確になったことで作品の質が、また一段昇格した。惜しむらくは、これが第3話辺りに行われていたら、視聴率にも変化がもたらされたかも知れないってこと位だ。
視聴者がス~ッと作品の中に飛び込んで行ける仕掛けも面白い
さて、本編。20分頃だろうか。終業のチャイムが鳴っても授業を続ける一輝と、席を立たずに一輝の授業をもっと聞きたいと思う学生たち。そして、一輝が課外授業もどき(森でリスが通る橋を架ける自主的な興味からの作業)への参加を促すと、手を挙げる学生たち。
一輝の魅力に惹かれていく学生たちと、「私も一輝先生の課外授業に参加したい!」と願う本作のファンの心理が合致する。恐らく脚本家はそこまで狙ってはいないだろうが、視聴者がス~ッと作品の世界の中に飛び込んで行けるようなシーンがあるのも、本作の面白さだ。
自分も「一輝ワールド」の一員になった気分。だから、例えば「コンニャク」のことを学生・新庄が育実に話すくだりで、育実が一輝からコンニャクを渡された理由を察した時、「私は知ってたよ」となって、ちょっぴり嬉しくなる。こう言う「参加型」的な仕掛けも本作らしくて面白いと思う。
一輝と育実を "類い稀な自由人と凡百な人" との対比が見事
中盤と、終盤の雨宿りをする小屋のシーンで描かれた一輝と育実の対比も興味深かった。一輝は “夢がない人” として、大学講師と言うお堅い肩書きがありながら、まるで自由人のように描かれた。
一方の育実は、親に敷かれた人生のレールの上を1人で必死に走りながら世間体や夢や願いに縛られて、自分が本来やりたいことが、ふと頭を過ると止めどもなく不安が溢れて来る。そんな中で、「誰かに愛されたい」「誰かに認められたい」と言う気持ちを表現すればする程に空回りしてしまう育実が描かれた。
ある意味で “唯一無二” の存在として描かれる一輝と、実は働いている人なら誰にでも当てはまるような “何処にでも居そう” な存在として描かる育実の対比。この真逆な人間同士の関係が、今回はとても良く描かれたために、最後の育実の涙の切なさが際立った。お見事!
あとがき
元から一輝と知り合いだった人たちは当然のこと、虹一を含めた学生たちや育実にとって、一輝との出会いは正に “幸福をもたらす奇跡” なんですね。一輝が知らず知らずに放つ光が周囲を少しずつ明るくして行く。そんな様子が丁寧に優しく描かれて癒されました。
また、今回は「数字」がテーマの1つになっており、最後のエンドクレジットの名前の「数字にまつわる文字」が白色以外に “色分け” されていたスタッフの遊び心も楽しかったです。次回にも大いに期待します。
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