まんぷく (第23回・10/26) 感想

連続テレビ小説「まんぷく」

NHK総合・連続テレビ小説『まんぷく』公式
第4週『私がみつけます!』の 『第23回』の感想。


 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。


昭和20年春。疎開先の生活にも慣れ、元気になり始めた萬平さんの元へ、赤紙がやってきます。日本の戦局はもはや絶望的。福ちゃんは役場の人から、「今戦地に駆り出される兵隊さんは、みんな生きて帰れない」と聞いていました。覚悟を決めた萬平さんでしたが、翌朝、激しい腹痛が襲ってきます。腹膜炎と診断され、薬で治るかどうかは「五分五分」と言われた福ちゃんは…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

ナレーションを、もっと丁寧に精査して欲しい…

昨日の内容が、とても良かったので今回もその調子で進んで欲しいと願ったのだが、残念ながらアバンタイトルの最初のナレーションに引っ掛かってしまった。それは本作の時間軸、時間経過の表現の甘さだ。

前回(第22回)は疎開から1か月経過した時点で、その列車で疎開して来た前々回(第21回)が昭和20年(1945)の3月。で、今回が昭和20年(1945)の春。えっ? 疎開して来たのが3月で、それから1か月なら電気ショック漁をやったのは4月か5月と言うことになる。確かに、子どもたちも川に入っていたから、まあ「春」と言うことだ。

なのに、今回敢えて「春」って? 空襲の史実をここで列記するつもりはないが、「疎開先の生活にも慣れ」を描きたいなら、「初夏」が適切ではないだろうか。夏だと服装が明らかに変わらないとおかしいが、「初夏」なら春の装いでもおかしくない。

とても小さなことだが、これはナレーションの不手際と言わざるを得ない。この辺の最終段階での精査を演出家や編集段階で取りこぼすことが無いようにお願いしたい。

長めの鈴のアップが、とても心情描写に効果的だった

さて、気分を切り替えて内容へ。アバンタイトルで、戦争激化を描きつつ、描写不足の “福子と萬平のイチャイチャ” を描いて、鈴の萬平への気持ちの変化もチラリと描いた。そこへ、ついに萬平に召集令状が届く。

ハッとし表情の鈴のアップを若干長めにしたことで、明らかに鈴の萬平への不信感への変化と、この先の娘・福子を案じる母の心情がよく描かれた。どうやら、問題はナレーションだけだったようだ。

5つのアップで、赤紙が届いたショックを見事に描いた!

本編。赤紙が届く。「僕だけ ここで安穏としているのは忍びないよ」と萬平が言う時は、3ショットで全体を見せて、その後は萬平 → 福子 → 鈴 → 萬平とアップが一回りする。その時に話しているのは萬平だけ。福子は声を出して泣き、鈴は苦渋の表情で涙を堪える。そして、既に覚悟を決めているような清々しい微笑みにさえ見える萬平。

このアップの繋ぎ方はなかなか見事。その4つのアップを活かすために、もう1つアップを加えた。それが夕食の鍋のアップ。これがあると無いとでは大違い。鍋のアップがあるから、福子と鈴がどんな思いを抱きながら、あの鍋料理を作ったのかが描けるのだ。

鍋のアップが無ければ、単純に赤紙到着から夕食と言う時間が経過しただけで終わってしまう。どうやら、週の後半になって安達もじり氏の演出も冴えて来たと言う感じだ。

いつもと違う "ブラック咲姉ちゃん" の使い方が秀逸!

夕食を終えた夜。安藤サクラさんが演じた萬平を案じる福子の寝姿で十分に表現されているのに、ここでまた要らぬナレーションが入ったのは気になったが…

夜の場面で面白かったのは、咲姉の幽霊がいつもは鈴の気持ちを代弁して背中を押す役割を果たすのに、今回は “ブラック咲姉ちゃん” として登場し、鈴の心の内の善と悪の内面を鋭く突く役割。そして、それを否定し撥ね除けた鈴。

「武士の娘」を自分のプライドにして頑固に生きつつも、様々な環境の変化に懸命に付いて行こうとする鈴の気持ちがよく描かれたシーン。こう言う変化球があるなら、咲姉の幽霊も悪くない。

村人たちの優しさがとても愛おしい場面

翌朝。萬平が腹痛を訴える。福子が遠くの医者まで山中を走っている頃、萬平のもとには大勢の村人たちが集まっていた。それぞれが体験した腹痛と萬平の腹痛を比べて、腹痛の原因を何とか探ろうとする村人たちの優しさがとても愛おしい場面だ。

作品によっては、突然の空襲で余所者を防空壕に一緒に匿ってあげることで、市井の人たちの暖かさや一致団結力を描くものもあるが、1人の余所者の病気に全員で対応する姿でそれを描くのは新鮮だし、映像的に苦しさや暗さが無くてよい。

畑の土の高さから撮った農民と牛の6秒が、もたらした効果

そして、鈴の「福子を 未亡人にしないで」の台詞きっかけで、医者らと福子が戻って来る展開も、素早くて良かった。ここで帰路を描く必要はないし、とにかく鈴と村人と視聴者は、萬平の腹痛を何とかして欲しいと一丸となっているのだから、このスピーディーな編集は良いと思う。

そして、素晴らしかったのは、激痛で気を失った萬平への治療を直接描かずに、畑の土の高さ(低さ)ギリギリに置いたカメラで、草ナメ(越し)の牛を引く農民が下手(画面左)から上手に歩くカットを6秒間も入れたこと。これによって、治療が簡単でないことが表現された。

しかし、下手から上手に歩く農民で明るい結末が予想されることも描いた。「南無阿弥陀仏」の念仏も、その後の鈴の行動に結びつく民間信仰が根付く田舎の雰囲気をよく醸し出したし…

鈴の心情の変化と、村人たちとの交流が丁寧に描かれた

そして、ここでも「神社は どこですか?」の鈴の台詞きっかけで、ドラマが動く。お百度参りを始める鈴だ。眠っている病床の萬平に寄り添い看病する福子。そこへ良き頃の回想シーン。そして再び、鈴のお百度、涙の福子と続いて、第23回が終わった。

今回は、鈴の言動で物語が動き出し、鈴の心情の変化と、村人たちとの交流が丁寧に描かれた。どうかこのまま、戦争が終わって欲しいと思う15分間だった…

あとがき

今回も見応えのある15分間でした。前回の電気ショック漁と同様に、戦時中の緊張感と束の間の息抜きをバランス良く描きながら、3人の親子を丁寧に描いてくれました。今週の前半は冷や冷やしましたが、中盤以降が安定して来たので一安心ですね。

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【これまでの感想】

第1週『結婚はまだまだ先!』
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第2週『…会いません、今は』
7  8  9  10  11  12
第3週『そんなん絶対ウソ!』
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第4週『私がみつけます!』
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内容昭和20年春。疎開先での生活も慣れはじめた福子(安藤サクラ)萬平(長谷川博己)たち。そんなある日、萬平に赤紙が届く。福子、鈴(松坂慶子)は。。。。。その直後、萬平に異変が!敬称略ドラマ自体は、面白いネタだ。前回の魚を捕るネタと同じで、緊張感を盛りこみながら時代を表現し。それでいて。。。優しさを感じる“朝ドラ”らしいネタだ。赤紙による緊張感を表現したり、苦悩を表現したり。最終的に、鈴が萬平...

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