まんぷく (第21回・10/24) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『まんぷく』(公式)
第4週『私がみつけます!』の
『第21回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
昭和20年3月、福ちゃんと萬平さんと鈴さんは、危険の迫る大阪から、兵庫にある上郡という土地に疎開。萬平さんのはとこの八重さん宅の離れに住まわせてもらうことになりました。いろりのある昔ながらの一軒家。でも、電気が通っていないと知った萬平さんは、ご近所さんからあるものを分けてもらい…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
席の譲り合いで、3人の個性や特徴が見えて来た
アバンタイトルの劇中は、昭和20年(1945)の3月。映像は、福子と萬平と鈴が列車に乗って大阪から兵庫へ疎開する途中だ。目の前の老夫婦へ、最初に福子が席を譲り、それを見た萬平が席を譲り、福子から重い荷物を頼まれてから気付く鈴、立っているのが辛そうな萬平に気遣う福子、その様子を見て落胆するだけの鈴。
こんな描写からも3人の個性や特徴が見えて来る。そして、どうやら今週の演出担当の安達もじり氏は鈴の描写に偏りがあるように思うのだが…
駅前に降り立つカットは、前3週を踏襲されており良かった
主題歌明けは、「上郡(かみごおり)駅」に降り立つ福子たちから始まった。ここで第3週までに “本作らしいカット” となった、登場人物を遠くに配して真正面から奥行き感のあるカットで見せる主張が踏襲された。演出家が交替しても、こう言う映像的な “らしさ” を継承するのはとっても大事だ。
不自然な位に、前半の8分間で印象に残るのは鈴だけだった
場面が進むと、オープニング映像のロケ地に見える山林の中を歩く3人の図。ここでも、鈴が我儘を…。そして一行は疎開先の兵庫県黒竹村に到着。そして、ここでは八重さんたちに相手にされない鈴…。八重夫婦にまで「私は武士の娘」と言う鈴…。とにかく、不自然な位に前半の8分間で印象に残るのは鈴だけ。
以前にも書いたが、私はお嬢様がそのまま大人になったような人。私は鈴と言う母親を可愛いと思うが、あまり前に出し過ぎると、(既に)ちょっとイタイ人に映ってしまっている。せっかく結婚を許した名場面があるのだから、鈴への過剰な描写は程々にした方が良いと思うし、ここまで推す必要があるのかは甚だ疑問だ。それは、脚本にも演出にも…
列車から夕食と点灯まで、約13分間も必要だろうか?
その後は、電球と電線を求めて近所を訪ね歩く福子と萬平から始まって、福子と鈴が夕飯を作り、萬平は “離れ” に電気を引き込む作業が描かれた。煮込みうどんが完成し、“離れ” の電灯が点くまで3分46秒。3人の疎開生活1日目を丁寧に描いたと言えば聞こえは良いが、果たしてアバンから考えれば約13分も要して描くことだろうか。
土曜日から水曜日で、新婚生活2年分を端折った
なぜ、敢えてこんなことを書いたのかには理由がある。本作は、第19回で、「昭和19年(1944)春」が結婚1年目と描かれていたから、放送上では土曜日から月曜日で1年、月曜日から水曜日で更に1年時間経過したことになる。今、福子と萬平は結婚2年目だ。その間、所謂「新婚生活のイチャイチャ」を端折って来た。
なぜ2年分を端折った後で「新婚生活のイチャイチャ」を描くのか?
なのに、今回はある意味で全編が「新婚生活のイチャイチャ」だ。別に描くなとは思わない。むしろ描くのが自然だし、描いて欲しいし見たかった。しかし、本作は新婚1年目をすっ飛ばした。2年目もすっ飛ばした。そして今回の疎開先でやっと描いた。
先日書いた「福子さん」から「福子」への変化、今回の「イチャイチャ」と、実はこの夫婦にも端折った2年間にいろいろな変化があったはずなのだ。もしかして、それをこの疎開先を描く中で小出しにして行くのか? 後出しジャンケンをするのか? と言う不安…。
全体的な印象、特に演出によるものが前3週と違い過ぎる
もちろん、脚本がこう書かれている可能性もある。しかし、全体的な印象が前3週と違い過ぎる。福子と萬平夫婦のことも鈴のことも。やはり、今週の演出については不安が残る…
あとがき
不安ばかりの感想になってしまいました。しかし、良い所もありました。朝ドラでは疎開先で意地悪をされたりする描写も少なくないですが、本作に登場する戦中の市井の人々は、余所者を大らかな心で受け入れ、お互いに助け合って暮らしていたことを優先させて描かれました。そこにホッとしました。やはり、この戦争をどう乗り切るかで本作の方向性も決まりそうですね。
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