まんぷく (第19回・10/22) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『まんぷく』(公式)
第4週『私がみつけます!』の
『第19回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
福ちゃんと萬平さんが結婚して1年がたった昭和19年の春。「戦争はまだまだ続く!」という勇ましい新聞記事とは裏腹に、庶民の生活は苦しくなるばかりです。食料が少ない中でも、萬平さんにおいしいものを食べさせてあげようと工夫する福ちゃん。萬平さんはそんな福ちゃんが大好きです。ある日、福ちゃんはホテルの先輩・恵さんと久しぶりに待ち合わせをして…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
演出家が交替。でも、行進曲の使い方が良かった
ハープの音色で始まったアバンタイトル。先週末のまるで最終回のような大団円で終わった結婚式と、これから描かれるであろう波乱万丈の夫婦の物語を予感させる内容だったが、行進曲風の劇伴から同じく行進曲風の主題歌への流れがとても自然で新鮮だと思ったら、ついに第4週目にして演出家が渡邊良雄氏から安達もじり氏へ交替。
最初の3週間が同一演出家と言うのも珍しいが、この演出家交替が吉出るか凶と出るかも、この月曜日の見所になりそうなアバンだった。
1年の時間経過のため、台詞での説明過多は残念だった
主題歌明け、時は昭和19年(1944)春。ナント、福子と萬平が結婚してから1年も時間経過をさせて来た。先週までの描写になぞらえて考えれば、1日位は新婚ホヤホヤを描くと思ったのだが、それよりも「戦中」であることの描写を中心に始まった。やはり、1年分の時間経過の影響は、状況説明過多として如実に表れた。
特に、ナレーションの多用は如何なものかって感じだ。
中盤では、本作で重要なことが2つ描かれた
だが、中盤では、本作で重要なことが2つ描かれた。1つは先週から描いている「食べることの大切さ」。もう1つは今週から描けるようになった、恵が言った「似た物夫婦」。
このような視聴者へのインプットがとても大事だ。事ある毎に描くことで摺り込まれる。唐突に「実はそう言う設定でした」なんて後出しジャンケンをする駄作が多い中で、しっかりと物語を紡いで行こう、積み重ねて行こうと言う脚本家や演出家の意志が見える。これは本当に良いことだ。
戦地に居る男性たちの描写を手抜きしなかったのは正解
さて、その恵と福子の会話の続きで描かれたのは、「福子の応援団」の内の多くの男性たちが、徴兵され戦地に送られてしまっていることだ。しかも、台詞だけで終わらせずに、世良の戦地での姿までシーンを立てて描いた。15分間の後半では、忠彦と真一の戦地での姿も挿入された。こう言う丁寧さも大切だ。
福子と恵の会話が、ドラマとして大きな緊張感を与えた
そして、この福子と恵の会話の構成の妙に触れておこう。まず最初に「似た者夫婦」との触れ込みをしておいて、次に同世代の男性たちが戦地にとられていることを描き、次に恵の間近に迫った出産の話だ。更に今回は序盤から「戦中」であることを、これでもか! と言う位に描いている。
このことで、あることを感じないだろうか? そう、戦争を描くドラマ(特に朝ドラ)では、決まって数名の男性の登場人物が戦死することを。13分過ぎには鈴に「うちの娘たちは こうも男運が悪いのかしら」とまで言わせた。本作がどう展開するのかは分からない。しかし、ドラマとして大きな緊張感を与えたのは事実。
「男性の登場人物が戦死しない朝ドラ」があっても良い
これまでの3週間で視聴者たちの共感と信頼を得て来た「福子の応援団」の男たちの中から戦死する者が出るかも知れない恐怖や悲しみを「1年の時間経過」をしたことで表現しているのだ。もちろん、全くそんなことは感じなかった人もいるに違いない。しかし、感じた人は、「この朝ドラだけは…」と願ったに違いない。
それこそが、福子と萬平だけでなく、『まんぷく』そのものを純粋に応援していることになるのだ。それを視聴者に再認識させる仕掛けが、2人の会話には仕組まれていたと思う。しかも、とてもさり気なく…だ。
誰一人欠けることなく来週を迎えることを信じたい
そして、14分過ぎに、また3か月が時間経過し、北九州に空襲が。本作はフィクションだが、史実とすれば北九州の八幡の空襲は昭和19年6月16日。因みに大阪への空襲が昭和20年(1945)2月だから、このテンポだと週の半ばで疎開して、土曜日には終戦だろう。誰一人欠けることなく来週を迎えることを信じたい。
あとがき
ちょっと説明過多になったのは残念でしたが、感想の冒頭で書いた演出家の交替劇ですが、ほぼ違和感はありませんでした。いや、これって半年も続く朝ドラでは実に大切なことです。今回は、それが分かっただけでも良かったです。
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