カーネーション:再放送 (第119,120回・2018/10/2) 感想

連続テレビ小説「カーネーション」

NHK総合・連続テレビ小説『カーネーション』公式
第21週『鮮やかな態度』の『第119,120回』の感想。


 私は本作を初見なので、ネタバレ等のコメントは無視します。
 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。


【第119回】
糸子(尾野真千子)は善作(小林薫)が呉服店の看板を自分に譲ってくれた経緯を思う。一方東京では、北村(星田英利)の前で優子(新山千春)と直子(川崎亜沙美)がケンカになる。“1つの店でやっていくことはできない”と優子は、岸和田に戻ることに。経営者にふさわしく成長した優子が戻った日、糸子は引退を決意し昌子(玄覺悠子)や恵(六角精児)を説得。八重子(田丸麻紀)と語らい、切なさをかみしめる糸子だった。

【第120回】
優子(新山千春)は、北村(星田英利)が持つ心斎橋の店舗物件で、自分の店を持ちたいと言い始める。糸子(尾野真千子)はオハラ洋装店を譲るつもりだと告げるが、優子は自分のやりたいことは、岸和田では出来ないのだと気持ちを変えなかった。せっかくの思いを無にされて悔しいが、糸子は娘の独立を見届ける決意をする。一方で、聡子(安田美沙子)が一人前になるまでは店主でいられることに、少しだけほっとする糸子だった。
---上記のあらすじは[NHK番組表]より引用---

【第119回】

「引退」の二文字を考え出した糸子の思いが前進した

本放送時は、2012年2月23日(木)で、第21週『鮮やかな態度』の第4回目。時は、昭和39年(1964)11月。糸子が、冒頭で自分の店の看板を見上げて昔を思い返し、その次に糸子が善作の遺影を見上げて、こんなことを呟きながら、大きなため息をつく…

糸  子「ええなあ お父ちゃん あんな格好ええ事でけて」
糸子(M)「今のうちは ああゆう訳にはいかん。
     うちが雇うてきた従業員がおる。
     つきおうてきたお客さんがおる。
     責任も義理も 山ほどある。あないバッサリはいかん
     店のためにも 優子の為にも
     やっぱし もっと こう… ボチボチと… 丸う丸う…」
糸  子「ああ~ しょうもな」

前々回から、糸子が「引退」の二文字を考え出した本作。更に糸子のその思いが前進したのを、本作お得意の台詞とモノローグの組合せに、更に回想を巧みに挟んで、さりげなく且つ印象的に描いた感慨深いシーンだ。こう言うのを見ると嬉しくなる。

妹を立てて身を引く "姉の頼もしさ" が、丁寧に描かれた

おっと、かなり端折った? 前回の感想で書いたように、この「超高速」と言いたくなるようなテンポ感は、普通の「女一代記」の速度ではない。なんと、凹んだ直子を励まし手伝いに上京した優子と、当の直子の関係がいつの間にか険悪なムードになっていたとは驚いた。

その不満はあとに書くとして、そこを乗り越えて見てみれば、姉妹の関係をなかなかリアルに、感情的に描いた良いシーンだ。

直子「知らん」
優子「はあ?」
直子「あんな店… うちは もう どうでもええ。
   とにかく…。うちは あんたが目障りなんや。
   あんたの おらんとこで 自分の力だけで 店やりたい」
優子「分かった。うちが店 辞める。ほんで ええやろ!」

直子が、大粒の涙を零しながら、自分の大切な店を「知らん」と言った場面はグッと来てしまった。そして、まだ、自分に素直になれない妹の直子に対して、自分が身を引く方を選択した優子の “お姉ちゃん気質” の描写もなかなか。確実に大人になっていく優子の姿には頼もしささえ感じるし…

昌子と松田に胸の内を明かす、糸子の台詞が良かった

場面は喫茶・太鼓。相変わらず端折りまくりの本作であるが、ここでもそれには目をつぶって見てみると、昌子と松田恵が糸子のこの発言↓に驚くのも無理はない。

糸子「いや けど 別にうちかて 辞めるわけちゃう。
   形で言うたら 今のまんまや。
   これまでどおり店に出て仕事すんで。
   けど… オハラの看板は もう あの子のもんや。
   大きい事は これから 全部 あの子が決める。
   うちは それを助ける役に回るちゅうこっちゃ。
   東京と岸和田 行き来してる間に あの子も もう一丁前や。
   いや 一丁前どころか 働き手としたら相当デカなってまいよった。
   一軒の店に うちとあれが同じ大きさで おってみ?
   あんたら 仕事しにくいで」

この台詞で良かった点が、2つある。1つは、糸子が店を優子に譲るに当たって、これまでの「客」と「従業員」のことを、糸子なりに考えて配慮したのが分かったこと。確かに、糸子の年齢と立場を考えれば当然だが、意外と「ヨイショッ」と力任せにやってしまうところがあったし、それが男勝りなヒロインとしての魅力でもあった訳で…

2つ目は、“力任せ” を敢えて使わずに、糸子自身が一歩引いて、長女の優子を一人前として見ていた…としたこと。まあ、この「超高速展開」では、そうでもしないと全体が釣り合わないのだが。それでも、糸子が優子を一人前の商売人として認めていたことが描かれたのは良かった。これを端折られたら困ってしまったところだから。

連ドラならではの醍醐味を、木之元の表情で描いたのは秀逸

そして、台詞で無いが、この場面でとっても良かった描写が、1つあったから触れておく。それは、度々当blogの感想でも触れてきた、木之元を演じる甲本雅裕さんの存在感が素晴らしさだ。糸子が昌子と松田に心の内を明かして、明かされた2人が思い留まるように言う場面で、カウンターの奥で寂しそうにしていた木之元。

小さい頃から糸子を知っている木之元らしい、糸子の引退の受け止め方でもあり、きっと善作が糸子に店を譲った時の善作の気持ちも思い出して、重ねていたのかも知れない。そんな朝ドラならではの長い時間の描写、そう、連ドラならではの醍醐味を、木之元の表情で描いたのは褒めたいところだ。



【第120回】

前回と今回での、安田美容室の描き方が秀逸

前回では、糸子が自分の店を優子に譲ると聞いて、糸子の髪を切りながら涙した八重子が描かれた安岡美容室。そして、今回では、 糸子が安田美容室で玉枝と八重子の前で泣いた。

この糸子の台詞↑が、とっても心に響いた。自分が持っている、そして育み続けて来た大切なプライドが、優子の独立話で、あっと言う間に消えてしまったようなものだから。

そこへまた、「何が心斎橋や! 何が物件や! 北村のボケ! 優子のアホ!」と言う台詞を被せることで、独立を決意した優子と、パリ留学を決心した直子の2人の娘の成長を、実は心の中では喜んでいるのが良く分かるからだ。

聡子で、年を跨いで、物語が次の段階へ進むのを醸し出した

優子の独立を認めた糸子が、優子の新しい店の内装工事の施工業者に直談判をしているシーンも見応えがあった。案の定、お得意の凄みをきかせて、強面の現場監督に条件を飲ませてしまう。「女性経営者とはなんぞや」を母が娘に実戦で見せた格好だ。この辺の描写の楽しさは、本作らしくてとても良かった。

しかし、それ以上に良かったのは、そんなやりとりのあとだ。糸子が店に戻ると、聡子が接客をしている。そのシーンに、昭和40年(1965)元旦の場面を直結させたこと。ここは「超高速展開」とは言わない。なぜなら、そのあとの 優子と直子と聡子が3人だけになった部屋のシーンが良かったから。

相も変わらず姉妹喧嘩をしている優子と直子、そんな姉ちゃん2人を気にしない聡子。その様子で、三姉妹の今の関係性や状況を描いて、今後の方向性が決まった優子と直子に対して、まだ先が見えない聡子に物語が集中するような流れを作ったから。

更に褒めれば、最後の最後に、糸子が散らかった部屋を片付けるように聡子に言ったシーンは、ドラマが次の段階へ進む予感を上手に醸し出したと思う。

あとがき

第120回で描かれたような、喧嘩をする優子と直子、そんなのを気にしない聡子、聡子を叱る糸子。こう言う「物語の流れ」を端折らずに、台詞と演技の積み重ねで、もっともっと人間関係の変化を描いて欲しいのですよ。年内の内(周防が登場する以前)は、きちんと出来ていたのに。

最後に。前回の感想に 52回もの Web拍手と数々のコメントを頂き、ありがとうございます。楽しいのは認めますが、時折、物語を端折って中抜け状態にしちゃうのが残念です。

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★本家の記事のURL →  http://director.blog.shinobi.jp/Entry/11923/

【これまでの感想】
第1週『あこがれ』
1,2 3,4 5,6
第2週『運命を開く』
7,8 9,10 11,12
第3週『熱い思い』
13,14 15,1617,18
第4週『誇り』
19,20 21,22 23,24
第5週『私を見て』
25,26 27,28 29,30
第6週『乙女の真心』
31,32 33,34 35,36
第7週『移りゆく日々』
37,38 39,40 41 42
第8週『果報者』
43 44,45 46,47 48
第9週『いつも想う』
 49 50,51 52,53 54
第10週『秘密』
55 56,57 58,59 60
第11週『切なる願い』
61 62,63 64,65 66
第12週『薄れゆく希望』
67 68,69 70 71,72
第13週『生きる』
73,74 75
第14週『明るい未来』
76 77,78 79
第15週『愛する力』
80 81,82 83,84 85
第16週『揺れる心』
86 87,88 89,90 91
第17週『隠しきれない恋』
92 93,94 95,96 97
第18週『ライバル』
98 99,100 101,102 103
第19週『自信』
104 105,106 107,108109
第20週『あなたを守りたい』
110 1111,112 1113,114 115
第21週『鮮やかな態度』
116 117,118

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