カーネーション:再放送 (第113,114回・2018/9/25) 感想

連続テレビ小説「カーネーション」

NHK総合・連続テレビ小説『カーネーション』公式
第20週『あなたを守りたい』の『第113,114回』の感想。


 私は本作を初見なので、ネタバレ等のコメントは無視します。
 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。


【第113回】
卒業後、東京の百貨店に店を構えた直子(川崎亜沙美)だが、直子の服はデザイン重視で実用性がなく、店員ともうまくいかない。糸子(尾野真千子)は上京して、客のための服を作るよう直子を諭し、手伝う。源太(郭智博)ら若いデザイナーたちに、ごちそうしてやりながら、世界に広がるその夢をまぶしく思う糸子。岸和田に戻ると、北村(星田英利)が聡子(安田美沙子)をデザイナーとして育てたいと申し出て、糸子はあきれる。

【第114回】
優子(新山千春)は娘を預けてオハラ洋装店で働き始める。直子(川崎亜沙美)は自分の店で店員たちに愛想を尽かされ、弱り切ってしまう。助っとを出す話になると優子は、直子の才能を理解できるのは糸子(尾野真千子)ではなく自分だと言いきる。直子の服を奇抜としか思えない糸子は、反論できない。結局優子が娘を連れて上京し、直子の店を立て直すことに。騒ぎのなか、聡子(安田美沙子)はテニスの大阪府大会で優勝していた。
---上記のあらすじは[NHK番組表]より引用---

【第113回】

凹んだ直子を励ます、強くて優しい糸子の言葉が秀逸

本放送時は、2012年2月16日(木)で、第20週『あなたを守りたい!』の4回目。時は、昭和35年(1960)5月。4月から東京の百貨店内で、店を始めた直子が、毎晩のように実家へ電話を掛けて来る。祖母の千代は、直子が東京で凹んでいないか心配。そこで、糸子は完成したばかりの「新幹線こだま」に乗って東京へ。

糸子が銀座の百貨店内の店を訪れると、そこへ「先日買ったパンタロンが歩き難いから、作り直して」と言う客が現れる。糸子は、原因をポケットだとすぐに見抜くが、直子は「このデザインは このポケットがついて初めて完成するんや」と泣き出す。そんな弱音を吐く直子に、糸子らしい言葉が飛び出す。

糸子「アホか。服がポケットで完成するかいな。
   服ちゅうんはな 買うた人が気持ちよう着て初めて完成するんや
   ほれ やり直し。手伝うちゃるさかい」

こう言うのが良い。糸子の途絶えない洋服への拘りを描くと共に、洋服を通して母と娘の心のやり取りを描く。更に言えば、糸子が、娘たちを理解し始めたのが分かるから。1つの台詞に複数の意味を持たせるのは難しいことだが、ここではあっさりと脚本家がやってのけた。素晴らしい。

「女一代記」の面白さが垣間見れる、素敵な糸子の台詞

また、その夜に、糸子は直子の下宿先に行き、そこへ集まった直子の友人たちのために、景気よく寿司の出前を取る。昼間、百貨店の支配人に叱られてバツの悪い直子を見なかったことにしたのがバレる糸子が、話を逸らそうとしつつ、若者たちと本音で喋り出すこの台詞↓が良かった。

糸子「ほんでも 何ちゅうか
   おばちゃんも このごろちょっと賢こなってな。
   若い子のやる事は自分に分からんからて
   間違うてるとは 限らんちゅうことを覚えたんよ。
   要はな 外国語みたいなもんなんや。
   うちには 分からんでも
   それで通じ合うてる人らがいてることは 分かる。
   ほんでな 相手が どんくらい本気か
   気持ちを込めて言うてるかちゅうんも
   何とのう分かるもんなんや。
   あの鉄くずは 本気なんやなあて思うたで」

最近では、サンローランの新作のデザインに納得できなかったり、今の流行の良さが分からなかったりと、時代と自分とのギャップに悩んでいる糸子。しかし、戦争中では、よく “世間” の建て前や理不尽なやり方に怒っていた。そんな糸子も “おばちゃん” になって変わったと言うことだ。何か、「女一代記」の面白さが垣間見れてホッとした。 木之元役の甲本雅裕さんの存在感が15分間を鮮やかに締め括る

そして、終盤の舞台は、木之元栄作が経営を始めた「喫茶・太鼓」。北村と聡子と糸子が集まって話している。北村は聡子を一流のデザイナーに育て上げると言い出す。なぜ、北村が聡子を選んだのか良く分からないが、そんなことよりも、木之元を演じる甲本雅裕さんの存在感が素晴らしくて面白くて、しっかりとオチまでついてお見事だった。



【第114回】

朝ドラの家族は、助け合ってこそ

冒頭の糸子のモノローグが無ければ、最近の中では「神回」と言っても良い位だったのに…。モノローグについては後述するとして…。物語としては、とても良く出来ている。

優子には娘が出来て、娘を預けてオハラ洋装店で再び働き始める。一方の直子は、自分の店の店員たちに愛想を尽かされ、凹んでしまう。そこで本作の素敵な展開が始まる。孤独な直子を励ますために、助っ人を送り込もうと言う話になるのだ。実に朝ドラで描かれる家族らしくていい。だって、朝ドラの家族は助け合ってこその家族だから。

そして、言い出すのを悩んでいた優子が、直子の才能を理解できるのは糸子でなく “自分である” と言い切った。娘を旦那の実家に預けてでも、直子を助けに行くと言ってきかない優子。

前回でも描かれた、若い娘たちの考えやセンスや才能を “理解を示し始めた” 糸子ではあるが、まだ直子の奇抜な服を完全に理解出来ない糸子は、優子の意見に反論が出来ない。結局、優子が娘を連れて上京し、直子の店を立て直すことになる…。で、そんな騒ぎの中、聡子はテニスの大阪府大会で優勝していたと言う15分間だった。

優子が直子の才能を認めて褒めるシーンは、見応えあり

母として長女として成長した優子を描き、孤軍奮闘する直子を描き、そんな2人を糸子と聡子が応援すると言う、実にいい感じのホームドラマだ。中盤で、こんなやり取りがあった。優子の結婚式で直子が来た洋服をみんなが “オウム呼ばわり” したことを持ち出して、優子が糸子に対して、直子の才能を認め褒めるシーンだ。

優子「うん。常識で言うたら ただのオウムや。
   けど あれが あの子の才能の形で
   それは すごいもんなんや。悔しいけど…」

突然に優子が直子を褒めたのだから、そばにいた聡子も驚くはずだ。しかし、こうやってその場にいない直子のことを優子が話し、聡子が存在を感じ取ることで、三姉妹の存在が描かれるのだ。

特に9分過ぎから最後までは、濃縮されたホームドラマ

そして、母・千代に見送られて、娘を抱っこした優子が実家を後にする。完全に優子に言い負かされた糸子は、炙ったイカに怒りを込めてヤケ酒を飲むながら、聡子に直子の服がカッコ良いと思うか聞くと、聡子はあっけらかんと「うちも あんなん着たい」と即答。ホームドラマらしい微笑ましいワンシーンだ。

そして、場面は東京へ。自信に満ち溢れて東京に進出した直子が一人ぼっちになり、次々と訪れる女性客たちには悉く才能を認めて貰えない。落ち込む直子のもとへ優子がやって来て、が久し振りの姉妹の再会。涙をぼろぼろと流す直子に対して、言葉をかけるでもない優子の微笑みにグッと来た。

重要な内容を「あったかのように装う」のは感心出来ない

で、感想を冒頭の糸子のモノローグへ戻そう。まずは、こんなモノローグだった。

糸子(M)「とにかく上機嫌が身上やった勝さんの血ぃを
     一番引いてんのが 聡子で
     上の2人が取っ組み合いをしてる横で
     いっつもヘニャヘニャ笑てるような子ぉやったさかい
     聡子の事を 格別何か心配したちゅう覚えがありません
     そらまあ そないシャキッと出来のええ子とは ちゃうけど」

単純に言ってしまえば、本作に於いて、かなり重要な部分をどうしてモノローグで済ませちゃったの? ってことだ。このモノローグが言いたいことは、糸子はこれと言った子育てをしたつもりはなく、親の背中を見て育ったようなものだ…と言うことだと思う。多分、糸子の子育てはそう言うものだったのだろう。

しかし、私が問題だと思うのは、「糸子の子育て」そのものが殆ど描かれていないのに、これをモノローグで代用したことなのだ。「たいそうな子育てはしなかった」ことと、「子育てを描かなかった」こととは明らかに違う。

例えば「母子ベッタリの子育て」とか「放任主義」とか、やはり描いて貰わないと困る。重要な内容を「あったかのように装う」のは、毎日コツコツと映像での描写で積み上げるべき朝ドラでは、あまり関心出来ることでは無い…

あとがき

いよいよ、聡子も描かれ始めて来たので、糸子と三姉妹の描写のバランスが良くなってきたと思います。さて、直子の助っ人となった優子が、どんな活躍をするのか楽しみです。

最後に。前回(9/5)の感想に 80回もの Web拍手と数々のコメントを頂き、ありがとうございます2週間以上ぶりの再放送の再開なので、話が繋がるかなと心配しましたが、物語の骨格がしっかりしているので無用な心配でした…

【今後の放送予定について】
NHK番組表によりますと、以下のようになるようです。
   9月26日(水) 第115,116回を放送
   9月27日(木)第51回日本女子オープンゴルフ選手権で中止
   9月28日(金)第51回日本女子オープンゴルフ選手権で中止
   10月1日(月) 第117,118回を放送
   10月2日(火) 第119,120回を放送


残念ながら、まだ、本人は気付かずに “ネタバレ” を書いて「教えてあげるよ」と言わんばかりの人がいます。本当に “ネタバレ” は止めて下さい! 私以外にも、この再放送が初見で、番組と私の感想を楽しみにしている読者さんがおられるので。引き続き、ご協力お願いいたします。 ※暫く、テンプレです(謝)

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★本家の記事のURL →  http://director.blog.shinobi.jp/Entry/11905/

【これまでの感想】
第1週『あこがれ』
1,2 3,4 5,6
第2週『運命を開く』
7,8 9,10 11,12
第3週『熱い思い』
13,14 15,1617,18
第4週『誇り』
19,20 21,22 23,24
第5週『私を見て』
25,26 27,28 29,30
第6週『乙女の真心』
31,32 33,34 35,36
第7週『移りゆく日々』
37,38 39,40 41 42
第8週『果報者』
43 44,45 46,47 48
第9週『いつも想う』
 49 50,51 52,53 54
第10週『秘密』
55 56,57 58,59 60
第11週『切なる願い』
61 62,63 64,65 66
第12週『薄れゆく希望』
67 68,69 70 71,72
第13週『生きる』
73,74 75
第14週『明るい未来』
76 77,78 79
第15週『愛する力』
80 81,82 83,84 85
第16週『揺れる心』
86 87,88 89,90 91
第17週『隠しきれない恋』
92 93,94 95,96 97
第18週『ライバル』
98 99,100 101,102 103
第19週『自信』
104 105,106 107,108109
第20週『あなたを守りたい』
110 111,112

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コメント

No title
本家につながらないので、やむを得ずこちらで。久々ですが、やはり面白いです。賞状の筒での聡子の心情描写が実に上手いと思います。直子の助っ人として優子が登場したシーンの二人の表情も良かったです。
  • 2018-09-26│06:12 |
  • tak URL│
  • [edit]

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