カーネーション:再放送 (第99,100回・2018/8/27) 感想

連続テレビ小説「カーネーション」

NHK総合・連続テレビ小説『カーネーション』公式
第18週『ライバル』の『第99,100回』の感想。


 私は本作を初見なので、ネタバレ等のコメントは無視します。
 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。


【第99回】
朝、優子(新山千春)・直子(川崎亜沙美)・聡子(村崎真彩)らは、小学校から高校までそれぞれの学校に出かける。優子の絵の先生が洋服を作るためにやってくるが、東京の美大に行きたいという優子の話になり、糸子(尾野真千子)は改めて優子の進路を考える。糸子は、優子の画家になる覚悟を問いただし、はっきりしない優子に美大を受けるなと言う。優子は泣きじゃくり落ち込むが、これ見よがしの様子に糸子はまったく動じない。

【第100回】
優子(新山千春)は美大受験日を翌々日に控え、ついに糸子(尾野真千子)にどうすればよいかと泣きつくが、糸子は突き放す。千代(麻生祐未)が、はからってこっそり受験に送りだし、糸子は内心ほっとする。実は気にしていた直子(川崎亜沙美)も同様だった。ところが優子はその足で北村(星田英利)を訪ね、自分は画家になりたいのではなく糸子に認めてほしいのだと打ち明ける。結局、優子は大阪の洋裁専門学校に通うことに。
---上記のあらすじは[NHK番組表]より引用---

【第99回】正直、頭の中がなかなか切り替わってくれない

本放送時は、2012年1月31日(火)で、第18週『ライバル』の2回目。時は、昭和29年(1954)の12月。前回が秋だったから、また時間経過だ。とにかく、前回で一気に6年間も時間経過をし、糸子の三姉妹が子役から大人の女優へ切り替わったため、正直、頭の中がなかなか切り替わってくれない。

連ドラ、特に毎日の積み重ねがある朝ドラでは、脳内の先入観の書き換えには時間が掛るのだ。そう言う意味でハッキリ言うと、物語を動かして欲しくない。現状に慣れるまで、あれこれと重ねて描いて欲しくない。これが本音。そして、物語が動かない分、丁寧に説明をして欲しい。

こう言う描写が『カーネーション』らしい丁寧さ

私は説明過多のドラマは大嫌いだが、ここまで総入れ替えみたいになると、そんなことは言っていられない。とにかく、咀嚼してこの変化を説明して欲しいのだ。その視点で見ると、冒頭の糸子のモノローグなんて悪くない。

糸子(M)「あんなけ寝ぼすけだったうちが
     毎朝きっかり6時に目ぇ覚ますようになるんやさかい
     年ちゅうもんも 取ってみるもんです」

自分の状況をおしゃべり好きの糸子が、どんどんしゃべる。視聴者に伝える。周囲の状況が時間経過しているだけでなく「糸子もちゃんと歳をとってるよ」って表現。こう言う描写が『カーネーション』らしい丁寧さだ。

懸命に子役時代と同じシチュエーションを作って…は、評価したい

さて本編。三姉妹が朝寝坊で、朝ご飯の食べっぷりが良いとか、未だに安岡美容室に通っているとか、懸命に子役時代と同じシチュエーションを作って、そこに新3女優を置いて、変化を描いているのだ。このこと自体は、前述の通りに評価したい。

「美大を受けたい優子」の出番が早過ぎる

しかし、それらと同時にやって欲しくない「変化」が描かれた。それは、美大を受けたいと言う優子の存在だ。もちろん、描かれた内容が間違っているとかそう言う意味ではない。今回の美大云々のくだりが、前回が『カーネーション』の第1回なら、私は容認出来る。「育ち盛りの三姉妹を育てる剛腕母ちゃんの一代記」の第1回目なら…だ。

でも、よ~く考えてみて欲しい。このくだり、糸子が「小原呉服店」を嫌だと言い、学校を中退しパッチ店に就職したくだりと酷似してはいないだろうか。確かに、女学生の糸子の時代は、男女の差別が絡んではいたが、基本的には「呉服は嫌で、洋服が良い」が理由だった訳で…

その部分については「洋服屋は嫌だから、美大」と大差ない。コピペとは言わないし、“似た者母子” と言う捉え方も出来なくはないが、やはり私は、以前の「善作 VS 糸子」を今度は「糸子 VS 優子」でやるの? と思ってしまった。

「善作 → 糸子、ハル → 千代、糸子 → 三姉妹」となったのでは、「新章」にした意味が無いのでは? 次回に期待するか。



【第100回】北村で「母と娘のエピソード」を仕上げた名シーン

時は、昭和30年(1955)の2月。11分過ぎに描かれた北村と優子の以下の会話に、今回の全てが集約されていたように思う。

優子「美大に行ったら…
   お母ちゃんに また誉めてもらえる思てたんやけど…」
北村「ほらのう… あのおかあちゃんは
   ほれだけでは誉めてくれへんやろのう」
優子「…」
北村「そんなん誉めてほしいんやったらよ
   『洋裁屋 継いじゃるわ!』ちゅうちゃったらええねん」
優子「せやから それは 嫌や」
北村「何でよ? それ言うたら
   あの 鬼のおかんも ちっとは褒めてくれるど。
   『あんたは 親孝行やな』言うてよ」
優子「うちは 親孝行なんかしたい訳 ちゃう。
   そんなんやのうて認めて欲しいんや。
   もっと本気で うちの事を」
北村「面倒くさいのう お前ら! 何や もう 飲め 飲…
   未成年か。面倒くさいのう。もう 食え!」
優子「はあ」
北村「食え 食え いっぱい」
優子「ふ~ん… どうしたら認めてもらえるんかのう?」

と、優子は、北村が用意した寿司を食べながら呟く。“お母ちゃんに褒めてもらいたい” 、 “お母ちゃんに認めてもらいたい” と思う優子の気持ちを、北村を通して「母と娘のエピソード」に上手く仕上げたと言う感じだ。

第三者のフィルターを通すことで、そこに居ない人物をあぶり出して描くのは良くある手法だが、北村のキャラクターとほっしゃん。さんの存在感が、程好く活かされており、久し振りに? 本作らしい丁寧な映像を観たと思う。

17年前の色鉛筆、7年前のピアノ、今回の成績表では物足りない

ただ、前半で描かれた糸子と直子のエピソードが、イマイチだったのが残念。「三姉妹だから3人均等に描け」なんて無茶を言うつもりはない。しかし、先週までメインに描いていた「糸子と周防の不倫関係」で、ずっと欠落していた「糸子と三姉妹の母子関係」が復活したとするなら、かなり残念と言わざるを得ない。

だって、私の記憶の中で印象に残っている最後に描かれた「糸子と三姉妹の母子物語」は “色鉛筆” だ。あの放送が、第12週『薄れゆく希望』の 『第70回』(2011年12月22日(木))で、年末年始を挟んで1か月ちょっと前の話。なんと、劇中時間では、17年と5か月ぶりなのだ。

更に言えば、三姉妹の「ピアノ 買うて下さい!」で始まった笑いネタのくだりは、第16週『揺れる心』の『第90回』からで、本放送時は2012年1月12日(木)だから第100回の2週間以上前で、劇中時間は約7年前になる。

17年前の色鉛筆、7年前のピアノ、そして今回の成績表。やはり「女一代記」の中での「子育て奮闘記」の物理的な尺としても、印象的な強さとしても、私には物足りない。

普通に楽しめているが、これ以上の脳内補完は好ましくない

でも、完全に本作への評価を下げた訳では無い。「糸子と周防の不倫関係」以前に、小原家の家族の描写が優れていたから、私の中でも十分に脳内補完も脳内補強も出来る。それも、偶然かも知れないが子役から入れ替わった「新章」、いや「別の新・朝ドラ」と言う解釈で好意的に見れば、普通に楽しめているのは間違いない。

でも、これ以上の脳内補完は好ましくない。なぜなら、子役時代の糸子と3人の娘たち(個々を含めて)のエピソードが圧倒的に不足した結果の脳内補完だから、これに頼って脚本を書いてはダメだと思う。これから描かれるであろう「新たな糸子と三姉妹の母子物語」に大いに期待したい。

美大を諦めた優子が、洋裁学校へ行く事になった経緯は?

それと、美大の受験を諦めた優子が、洋裁専門学校へ行く事になった経緯が、ほぼ省略されたのも驚き。まあ、糸子から卒業祝いで鞄をプレゼントされたのだから、優子に蟠(わだかま)りはないのだろうが、ちょっと解せない…

あとがき

これで、残りの放送が約2か月になった訳です。糸子の何歳までを描いて終わるのか知りませんが、三姉妹が成人するまでの「糸子と三姉妹の母子物語」の描写不足がここへ来て、ちょっとボディーブローのようにじわじわと効いて来ている感じがします。でも、まだ2か月ありますから、最初の2か月の秀逸さが戻って来るのを期待します。

また、9月9日(日)~9月23日(日) に大相撲9月場所が開催されます。従って、この再放送も本日から、来週の9月7日(金)で一区切りになりそうです。

最後に。前回(8/3)感想に 81回ものWeb拍手と数々のコメントを頂き、ありがとうございます。前回の時は驚きで終わった「子役時代」ですが、再放送は3週間も間が空いたので、「新ドラマ」のような感じで受け入れることは出来ましたが、逆に3週間もあったので、新山千春さんが「優子」であることに馴染むには、少し時間が掛るかも知れません。

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★本家の記事のURL →  http://director.blog.shinobi.jp/Entry/11784/

【これまでの感想】
第1週『あこがれ』
1,2 3,4 5,6
第2週『運命を開く』
7,8 9,10 11,12
第3週『熱い思い』
13,14 15,1617,18
第4週『誇り』
19,20 21,22 23,24
第5週『私を見て』
25,26 27,28 29,30
第6週『乙女の真心』
31,32 33,34 35,36
第7週『移りゆく日々』
37,38 39,40 41 42
第8週『果報者』
43 44,45 46,47 48
第9週『いつも想う』
 49 50,51 52,53 54
第10週『秘密』
55 56,57 58,59 60
第11週『切なる願い』
61 62,63 64,65 66
第12週『薄れゆく希望』
67 68,69 70 71,72
第13週『生きる』
73,74 75
第14週『明るい未来』
76 77,78 79
第15週『愛する力』
80 81,82 83,84 85
第16週『揺れる心』
86 87,88 89,90 91
第17週『隠しきれない恋』
92 93,94 95,96 97
第18週『ライバル』
98

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