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義母と娘のブルース (第6話・2018/8/14) 感想

義母と娘のブルース

TBS系・火曜ドラマ『義母と娘のブルース』公式
第6話『さらば愛しき人よ! 最後に届く奇跡とは!?私、背中で魅せます』の感想。
なお、原作:桜沢鈴「義母と娘のブルース」(ぶんか社)は未読。


9年後。高校3年生のみゆき(上白石萌歌)は友人・ユナ(水谷果穂)らと女子校生活を満喫中。亜希子(綾瀬はるか)は‘生活の質を落とさない節約’を心掛け、主婦業に向き合っていた。ある日、亜希子は進路についてみゆきの考えを聞くが、みゆきは亜希子のようにのんびり暮らせたらと言うばかり。みゆきの将来が心配な亜希子は、自ら仕事の大切さを伝えようと、近所の寂れたパン店「麦田ベーカリー」で働くことを決める。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---


原作:桜沢鈴「義母と娘のブルース」(ぶんか社)
脚本:森下佳子(過去作/ごちそうさん、天皇の料理番)
演出:平川雄一朗(過去作/とんび、天皇の料理番) 第1,2,3,5,6
   中前勇児(過去作/天皇の料理番、銀と金) 第4
音楽:高見優(過去作/仰げば尊し、BG~身辺警護人~)
主題歌:MISIA 「アイノカタチ feat.HIDE(GReeeeN)」 (アリオラジャパン)

「ついに」が、何かに引き寄せられる気分で描かれた

2009年9月。もう、冒頭2分間見ただけで分かる。この1時間も至極の時間をくれるってのが。小学生のみゆきと “デブ” こと大樹のやり取りに始まって、職員室から出て来て教師が「宮本 あのな…」と階段に駆け上がるみゆきに声を掛ける。

みゆきのアップへの滑らかなズーム、階段の上から一人ぼっちのみゆきをズームバック、セミの鳴き声に合わせて一度フェードアウトして暗転(←この暗転の尺が絶妙)。そして、おもちゃの世界のようなミニチュア風に撮影した街の全景から、リアルな宮本家の和室の引きのカットへ。

既に喪服を着た亜希子とみゆきが、敷かれた布団の横に正座をしている。ここまで僅か2分数秒間。テンポが良いと言うよりも、「ついに」の部分を描くに際して、冒頭の他愛もない子供たちのケンカから、さ~っと、まるで私が何かに引っ張られるように連れて来られた感じ。

これって、「死」を描かなければならないドラマ(映画も)には、とても良いこと。強引でなく自然に。これが冒頭で出来るのなら、あとは見なくても仕上がりの良さは明白だ。

感情を制御するスイッチが壊れたように涙が止まらない亜希子

そして、描く…描く、良一の葬儀。亜希子は悲しみを見せずに、いつも通りにロボットのようにテキパキと “形式的に” 葬儀の準備を進め、親族対応も当然順調に進めていく。一方のみゆきについては、序盤の大樹と女子の友だちとのやりとりで涙涙…。亜希子の元部下たちの噂話に反応するみゆきと大樹も実にいいコンビ。

そんな中で、格式ばった対応をし続ける亜希子に放たれた、噂好きおばちゃん・和子と亜希子のやり取りから、物語の歯車がまた回り始める…

亜希子「線香の番は 親族が行うものですから」
和 子「バカなのかい? あんた バカなのかい?
    キャリアウーマンってのは。
    あんたの役目は そんなことじゃないだろ?」
亜希子「そんなことではないとは?」
和 子「悲しむことだよ みゆきちゃんと一緒に。
    あんたのやってることは 形ばっかりで
    供養にも何にも なっちゃいないよ」
亜希子「しかし… 私が そんなことをしていては
    葬儀は 総崩れになるのでは…」
和 子「なんないよ! 葬儀屋はプロだし
    段取りなんて 私達だって いくらでも手伝えるんだから
    でも… 母親は あんたしか いないんだよ
    みゆきちゃんの母親は あんたしか いないんだよ」

和子に、ここまで言われても、いつも通りの口調でしか、一人で洗い物をしているみゆきに声を掛けられない亜希子が、みゆきのこの台詞で “過去の自分” と “目の前のみゆき” を重ねて、気持ちが化学変化を起こす…

みゆき「パパ死んじゃったから
    亜希子さん いなくなっちゃうでしょ?」

みゆきをうしろから抱きしめる亜希子。今後の2人の関係をどうするかを亜希子は、みゆきに尋ねるが泣いているだけ。そこで、亜希子の腕の中から飛び出したみゆきが、向かい合う亜希子をじっと見る。

みゆきのギュッと握りしめていた “グー” の手が、ゆっくりと広がって “パー” になると、少し呼吸を荒げなたら亜希子のことを「お、お母さん」と何度も呼ぶ。今度は正面からみゆきを抱きしめる亜希子。同じ背丈だ。

感情を制御するスイッチが壊れたように涙が止まらない亜希子。通夜の晩も、告別式の昼も。泣きじゃくる亜希子。そして、霊柩車の運転手は、フーテンのダメ男・麦田章。火葬場に着いて、良一の棺が炉内に入り扉が閉まると、麦田が素敵な一言を言う…

麦田「あの子… もう 親孝行 できないんだよなあ」

みゆきの「奇跡みたいなタイミングで逝っちゃった」が愛おしい

冒頭から火葬場の扉が閉まるまで、およそ18分間。予想以上にしっかりと丁寧に葬儀を描いたと言う印象だ。そして、普通なら誰が見てもベタな主人公の1人の死の描写であり、子役も使ってのお涙頂戴で、誤解を恐れずに言えば誰もが簡単に泣けるエピソードだ。

しかし、本作は違った。これまでの「3人家族」を徹底的に丁寧且つ楽しく描いて来たからこその、葬儀の涙であり、亜希子とみゆきへの共感が生まれた。

そして、これまで「奇跡は わりと起きます」をキーワードに、様々な “奇跡” を積み重ねて描いて、火葬場からの帰路で父・良一の死を「奇跡みたいなタイミングで逝っちゃった」と例えたみゆきが何とも愛おしい。ここまででだけでも、かなり完成度は高い。

24分間の長編アバンで、見事に "奇跡" から "変化" を。お見事!

そして、物語は “奇跡” から “変化” へ。みゆきが赤い自転車に乗ったまま、時間軸が9年後になった。そして、みゆき役が横溝菜帆さんから上白石萌歌さんに変わった。何と自然な時間経過。ここでメインタイトル。24分間の長編アバンタイトルで、見事に “奇跡” から “変化” を導き出した。これはお見事としか言いようがない。

テロップが入っても季節や時間が不明な朝ドラがあるのに…

また、亜希子と杏奈の母・晴美のスーパーマーケットでの会話の中で、みゆきが高校三年生の9月で大学受験を控えていることをサラリと伝えるなんて脚本は、とっても好きだ。最近はテロップが入っても季節や時間が分からない朝ドラがある位に、文字情報に頼る脚本家が多い。だから、単純に嬉しい。

みゆきに働く姿を見せる事が "育児であり教育" も実に愉快

さて、これまでも本作が秀作であることは認めていたし、俳優の人気や、子役、病気ネタなどに一切頼らず、残りの人生をどう生きるかを考え抜いて生きた男と、その男と妻とその娘の義母になる人生を選択した女と言う “虚構の中の真実” を、如何に現実的に魅(見)せるかを、徹底的に追及し…

脚本や演出や俳優だけでなく、美術や衣裳や音楽の相乗効果で作品の濃度が高まって、その結果としてじわじわと視聴率を上げて来た。しかし、良一が亡くなってからの物語に心配があったのは事実。子役から大人に切り替わるし、主人公が1人欠ける訳だから。

でも、そんな心配は無用だった。上白石萌歌さんへのバトンタッチは見事であったし、竹野内豊さんから佐藤健さんに亜希子の相方がバトンタッチして、今度は「働く義母の物語」になった。

「第二章」「新章」になって、「病気」の部分が無くなった分だけコミカルな要素が増え、みゆきに自らの働く姿を見せることが、育児であり教育であると言う方向も実に愉快。こりゃまた、視聴率上昇間違いなしだ。

あとがき

高校生になった大樹も、全く違和感なし。そして「奇跡の主」として大樹が再登場する展開も良く出来てる。佐藤健さんが出演するドラマとして『半分、青い。』と比較すると雲泥の差だ。

イケメン、子役、幼馴染、病人、主人公アゲなど、やってる要素は似ているのに、1つ1つ順序を守り、丁寧に丁寧にエピソードを積み重ねては紡いでいるからこその劇中の世界への共感や共有が生まれる。それが本作は大成功し、朝ドラは大失敗している。

やはり、あれこれやっても最終的には「人間」を丁寧に描くのがドラマだと言うことを再認識させてくれました。次回にも大いに期待します。

最後に。前回の私の身勝手な感想に、62回もの Web拍手や感想を頂き、ありがとうございます。前回から1週間、家事全般が私の仕事になりました。そのために、妻が何気にやってくれていたことを、毎日たくさん気付きます。私には思いつかない小さな気遣い。そんなことも幸せなんだなと、昨夜も泣いては笑って本作を楽しんでいる妻の横顔を見て思いました。

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