カーネーション:再放送 (第93,94回・2018/8/1) 感想

連続テレビ小説「カーネーション」

NHK総合・連続テレビ小説『カーネーション』公式
第17週『隠しきれない恋』の『第93,94回』感想。


 私は本作を初見なので、ネタバレ等のコメントは無視します。
 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。


【第93回】
ピアノを欲しがる三姉妹は、自作の小物を店で売ろうとする。しかし、あきれた糸子(尾野真千子)が片づけてしまう。三姉妹をガッカリさせまいと、千代(麻生祐未)は全部売れたのだと工作する。周防(綾野剛)に呼び出され、糸子は着ていく服を選ぼうとするが、すべてに「ピアノこうて」の紙片が付いていて、あぜんとする。周防は仕事中に足にケガをし、働けなくなっていた。周防は糸子に、三浦(近藤正臣)の驚くべき提案を話す。

【第94回】
周防(綾野剛)は、オハラ洋裁店で紳士服の仕立てを受け持つことに。その穏やかな顔を見て、糸子(尾野真千子)はほっとする。三姉妹にオルガンを買ってやったものの、弾く順番を巡りケンカが絶えない。ある日、糸子が三姉妹を安岡美容室に迎えに行くと、見覚えのない中年男性(ラサール石井)が奈津(栗山千明)を迎えに来ていた。洋裁店に周防のミシンが届き、みんなで和やかに棚卸し作業をしていたとき、その男性が現れ…。
---上記のあらすじは[NHK番組表]より引用---

【第93回】戦後の未亡人のヒロインの恋心を描くのは新鮮

前回のラストの続きで、事務所のドアを開けたのが周防だったため、気まずい雰囲気の3人。だが、組合長の三浦が気を利かせたお蔭で糸子は事務所を出る。この場面での尾野真千子さんのあたふたした演技が私のツボに嵌ってしまった。やはり、この人はちょっとオーバーアクションの演技が上手いし、可愛らしく見える。

三浦が周防をちらりと睨め付けるのも、さり気なくて良かった。家路につく糸子のモノローグだが、心の声と実際の動作が交互にカット処理されて、全体がシンクロしていて、とても映像的な処理…

糸子(M)「それは ほんまに たまたまでした」

まず、この↑モノローグのあとに、前述の三浦が周防をちらりと見るカットが入って、息をのむ周防。そして、歩く糸子に…

糸子(M)「けど こんな ごっつい たまたまは そうない。
     こら もう あれちゃうか
     運命ちゅうやつちゃうか ちゅう気が…」

ここで、ふと糸子は振り返るが、周防が追い掛けて来る気配はない…

糸子(M)「したんやけど」

「運命だと思った」糸子が、来た道を少し戻って曲がり角まで戻って見るが…

糸子(M)「周防さんが追いかけてきてくれるような事は
     ありませんでした」

がっくりと肩を落として家まで来ると、母の千代が三姉妹の作った小物を店先に並べて売る気満々。どうやら自分たちでお金を貯めてピアノを買うらしい…

この辺りの糸子の女心の描写は、私は結構好き。やはり、朝ドラと言えども、大人の女性の複雑な恋心を丁寧に描くのは良いこと。それも、戦争で好きだった(恋愛感情抜きにした人たちも含めて)男たちを失った戦後の未亡人のヒロインの心情を恋心で描くのは新鮮にも思う。

特に、朝ドラ史上で最も男勝りなヒロインと思われる糸子の恋心だから、オジサンの私でもちょっと覗いて見てみたいって言う好奇心も湧いて来る。もちろん、放送尺として長々と描かれては困るが、どうやら『隠しきれない恋』とのサブタイトルから、そう長くは描かれなそうだから、このまま静観してみたい。

「ごんた」を描いてくれると、本当に楽しい

さて、再放送が中3週空いたからだろうか、とても久し振りに三姉妹の「ごんた」を見たような気がする。でも、こうして改めて「ごんた」を描いてくれると、本当に楽しい。

楽しいばかりではない。長女の優子と次女の直子が洋裁の才能があることが描かれたことで、また「オハラ洋装店」のエピソードに拍車が掛かりそうな期待感も創出したし。

それに、千代のおっとりとしてはいるが心優しい人柄が、これまた久し振りに見られてホッとした。そんな気を遣う千代のことをお客にこうして説明する糸子の千代への評価も楽しい。

糸子「うん うちのお母ちゃんはな ごっつい気は遣うんや。
   そやけど 遣(つこ)たら遣いっぱなし。
   遣たもんの あと 片付けるて事せんよってな」

気って、遣ったら後片付けしなくちゃいけないんだ。ちっとも気が利かない私には、片付けるものが無いから気付かなかった。こんな、娘が母親をどう思っているのかを台詞で描くのは面白い。そして、やはり、朝ドラで “元気な女性たちを見るのは楽しい” ものだ。

それに、若かりし頃の糸子自身も、よく徹夜をして、祖母のハルに怒られていたのに、自分の三人娘が徹夜したのを注意して、その上、平気を装って嘘をついた糸子が本当のホンマのおばちゃんに見えたのも楽しかった。これこそ、連ドラの醍醐味だ。

肝の座った、ど根性おばちゃんのヒロインらしい選択

物語の舞台は、洋服で出掛ける母親に嫌がらせをするように洋服と言う洋服全てに「ピアノこうて」のメモを貼り付けられて、周防に呼び出されてルンルン気分なのに洋服で着飾って行くことが出来なくなった和装の糸子が向かった岸和田にある喫茶店「太鼓」へ。

糸子が店内に入ると、足を怪我した周防が待っていた。で、周防は糸子に、三浦の驚くべき提案を話し出す。

周防「小原さんが事務所に来とった日
   おいは ちょうど あん日に けがして
   病院に行く途中に寄ったところやっとです」
糸子「ああ そやったんですか」
周防「やっぱい もう 組合長に甘えるしかなかって 思たけん
   頼みに行ったとです。そしたら
   組合長が 自分じゃなくて 小原さんに雇ってもらえと」
糸子「はあ。えっ 何で?」

ここで、周防と三浦との、夕日の差し込む中で酒を酌み交わしながらの会話の回想。

三浦「かけたったら ええやないかい迷惑」
周防「は?」
三浦「人生 そうそう ないぞ。
   ほれた女から好きやて 言われるよな事。
   周防よ…。外れても 踏みとどまっても人の道や。
   人の道ちゅうのはな 外れんために あるもんや。
   けど 外して 苦しむためにもあるんや。
   なんぼでも苦しんだらええ。
   あがいたらええ。悩んだらええ。
   命はな 燃やすために あるんやで。
   外れても 踏みとどまっても 人の道。
   これ 五七五になっとんな」

近藤正臣さんならではのコミカルな芝居と、いくら活きの良い若者が好きな男だと言え、ちょっと無責任な三浦の台詞がマッチして、“ドラマ” としては面白かった。そして、不倫は許さない派の私としては、不倫肯定派の人たちの論理回路はこう言うものなのかなと、少し納得。もちろん共感はしないが。

自分の店で働きたいと言う周防に困り果てる糸子の着物の袖から、周防が「ピアノこうて」のメモ紙を見つける。そのメモをクルクルと丸める内に糸子の心が決まる。「死んでくれたら別れてやる」と啖呵を切るような小者とは違う、肝の座った、ど根性おばちゃんのヒロインらしい選択だ。

糸子の2年分の思いを、やさしく美しい映像で魅せた

そして、ラストシーンは周防の前ではかっこいいところを見せた糸子が、自宅で桶の水で足を洗いながら、自問自答するシーン。

糸子(M)「それが ええ事なんか 悪い事なんかは
     さっぱり分かりませんでした。
     ただ一つ 自分でも よう分かったんは
     周防さんと おれる。
     その事を この2年間 うちは 心の中で
     ず~っと 夢みてたんやなちゅう事です」

雑巾を絞る度に、1つ1つのモノローグが積み重なって、糸子の2年分の思いが語られた。何度も書くが不倫も不倫を描くのにも共感しないが、糸子の心情をアンバー(橙色)系のやさしい色合いの映像の中で、ソフトフォーカスの糸子で魅せたのは美しく見事だった。



【第94回】意味深な台詞だが、朝ドラらしい

本放送時は、2012年1月25日(水)。劇中の時は、昭和23年6(1948)月。周防がオハラ洋装店の柱時計のネジを巻いているカットに、こんな糸子のモノローグが被る…

糸子(M)「高いところの仕事は 全部 周防さんの係になりました」

これも意味深な台詞だ。聞きようによっては「小原家の大切な男手の1人」とも「糸子の一番大切な人」とも「オハラ洋装店の一員」とも受け取れる。まあ、この位にボカシて描くのが朝ドラらしいかも知れない…

オルガンを弾く順番での三姉妹のケンカが面白過ぎる!

オハラ洋装店の経営は順調で、周防はオハラ洋装店で紳士服の仕立てを受け持つことになった。ある日、三女の聡子が2階でオルガンを弾いている。

糸子(M)「とうとう 根負けしました。
     けど ピアノやのうて 中古のオルガンちゅうとこが
     お母ちゃんの意地です」

「中古」のオルガンと言うのが、善作とミシンのエピソードを彷彿させた。そして、姉妹ゲンカをしないように、「オルガンを弾く順番」が紙が貼られているのも、如何にも “しっかり者” の小原家って感じ。

そして、お約束のように既にオルガンを弾いていた聡子と、学校から帰宅した次女の直子が、弾く順番でケンカを始める。面白過ぎる。三姉妹のケンカを宥める糸子も母親らしくて楽しい。

三姉妹の個々の個性をここまで描き分けたのは初めてかも…

で、安岡美容院に謎の風鈴の中年男性(ラサール石井)が登場。糸子も、そのけったいな男に気付く。そして、その中年男性が奈津にとって、どんな相手なのか気になる糸子。

場面は夜の小原家の2階。三姉妹が言い合いをしている。久し振りに、と言うか、もしかしたら、三姉妹の個々の個性をここまで描き分けたのは初めてかも知れない。こう言う描写が、もっともっと増えると良いと思う。

糸子の"恋心" の描き方が、丁寧で共感が持てる

ある日、2階に周防用のミシンが届けられる。ミシンを調整する周防。嬉しそうな糸子。1階で働く糸子や周防たちの映像に、糸子のモノローグが被る…

糸子(M)「二人だけで いてる時も
     みんなと いてる時も
     周防さんは 絶対 そばに来ようとしませんでした。
     そのかわり うちが ふと見てみてる時
     周防さんも必ず こっちを見てくれました。
     そんなけで うちは なんぼでも 頑張れる気がしました」

この前段で、糸子が周防の「ものづくり」の姿勢に共感しているような描写があった。そして、それがあったから周防のためにミシンを導入したような表現にもなっていた。ただの恋愛感情としての「不倫」でなく、昨日の感想にも書いた機関車「糸子」にとっての「恋心」が石炭と言うのが、更に強調された感じで悪くない…

あとがき

まず、第93回のこと。糸子と周防の物語、正直言うと時間経過はさせていますが、内容的にはかなり停滞していたので、第93回のラストを見て、どうやら前進するのが感じられて良かったです。

そして、第94回のこと。糸子と周防のことも一段落しそうですし、ピアノ購入も一件落着したようで良かったです。どちらも、今年に入ってから引っ張り続けてきた印象が強いエピソードだったで、週の半ばに結末が見えたのは良かった。

更に、第94回は謎の中年男性のネタ振り回の役割もありましたね。とは言っても、糸子の仕事のこと、周防のこと、三姉妹のこと、そしてラサール石井さんのネタ振りは、この位のバランスが丁度良いですね。今週に入って、ちょっとバランスが悪かったので心配でした。さて、謎の中年男は何者なのか…

最後に。前回の感想に 66回ものWeb拍手と数々のコメントを頂き、ありがとうございます。さて、糸子と周防は1回くらいは朝帰りをするのでしょうか。とにかく、程々にして先に進んで欲しいです。だって、残り2か月で三姉妹がまだ子役なので、先は長いと思われます…

残念ながら、ご本人は気付かずに(だと思いますが、結果的に)ネタバレを書いて「教えてあげるよ」と言わんばかりの人が増えて、困っています。本当にネタバレは止めて下さい! 私以外にも、今回が初見で番組と感想を楽しみにしている読者さんがおられるので。引き続き、ご協力お願いいたします。 ※また、今週末までテンプレです(謝)

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★本家の記事のURL →  http://director.blog.shinobi.jp/Entry/11672/

【これまでの感想】
第1週『あこがれ』
1,2 3,4 5,6
第2週『運命を開く』
7,8 9,10 11,12
第3週『熱い思い』
13,14 15,1617,18
第4週『誇り』
19,20 21,22 23,24
第5週『私を見て』
25,26 27,28 29,30
第6週『乙女の真心』
31,32 33,34 35,36
第7週『移りゆく日々』
37,38 39,40 41 42
第8週『果報者』
43 44,45 46,47 48
第9週『いつも想う』
 49 50,51 52,53 54
第10週『秘密』
55 56,57 58,59 60
第11週『切なる願い』
61 62,63 64,65 66
第12週『薄れゆく希望』
67 68,69 70 71,72
第13週『生きる』
73,74 75
第14週『明るい未来』
76 77,78 79
第15週『愛する力』
80 81,82 83,84 85
第16週『揺れる心』
86 87,88 89,90 91
第17週『隠しきれない恋』
92

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