健康で文化的な最低限度の生活 (第2話・2018/7/24) 感想

関西テレビ制作・フジテレビ系・『健康で文化的な最低限度の生活』(公式)
第2話『不正受給疑惑!高校生の秘密』の感想。
なお、原作の柏木ハルコ「健康で文化的な最低限度の生活」(小学館)は未読。
阿久沢(遠藤憲一)の件を解決したえみる(吉岡里帆)が担当する日下部家は、聡美(江口のりこ)が父の介護をしながら、高校生の欣也(吉村界人)と中学生のリナ(瑞城さくら)を育てている。家庭訪問で聡美に褒められ、気を良くしたえみるは、欣也にアルバイトを提案した。後日、課税調査の結果が出て、そこに欣也の名前を発見したえみるはがくぜん。生活保護世帯では前もって賃金を申告しないと「不正受給」となってしまい…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:柏木ハルコ「健康で文化的な最低限度の生活」(小学館)
脚本:矢島弘一(過去作/毒島ゆり子のせきらら日記) 第1,2話
岸本鮎佳(過去作/演劇「艶∞ポリス」)
演出:本橋圭太(過去作/サイレーン 刑事×彼女×完全悪女) 第1,2話
小野浩司(過去作/リテイク 時をかける想い)
音楽:fox capture plan(過去作/ヤメゴク~ヤクザやめて頂きます~)
オープニング曲:安田レイ「Sunny」(SME Records)
主題歌:AAA「Tomorrow」(avex trax)
前回よりも実態を正確に描き、制度の問題にも切り込んだ
第1話は、「なぜ主人公がケースワーカーになったのか?」を描き過ぎるあまり、ケースワーカーや生活保護受給者の実態の描写について疎かになり、少々残念な仕上がりだった。
しかし、この第2話は、だいぶ初期設定の説明が無くなったお蔭で、前回よりもケースワーカーや生活保護受給者の実態を正確に描き、且つ生活保護制度の様々な問題にまで切り込んだ点は大きく評価したい。
元受給者の「生きる力」も、丁寧に且つ面白く描かれた
特に良かったのが、主人公・えみるがケースワーカーとして初めて深く関わった(元)受給者の阿久沢の使い方。受給者の現状を描くのに留まらず、生活保護から抜け出して、自らの力で生き始めた中年男性を通して、「生きる力」が丁寧に面白く描かれたのは良かった。
平日の夜9時に "放送する意味がある作品" になっている
全体的には好みが分かれる作品だ。平日の夜9時に重過ぎると思う視聴者もいるだろし、話が難し過ぎると感じる視聴者もいるだろう。
しかし、少しは現実のケースワーカーや生活保護受給者のことを知る私としては、生活保護制度そのものを知って貰うには平日の夜9時放送は、多くの人の目に触れる意味で大変有効だと思うし、この先、ケースワーカー、ソーシャルワーカー、社会福祉士等の違いなど、現在の社会保障制度で働く人たちへの理解も深まって欲しいと願う。
あとがき
まだまだ「情」をキッパリと捨て切れずに、生活保護制度と言う社会保障システムを “如何に誰にも平等に与えるか” について、真面目に取り組みながら「情」と葛藤し、「正」を見つけるために苦悩する主人公が、とても魅力的に描かれていて良いです。
同僚や受給者の意見もしっかりと描かれ、主人公の成長物語としても、お仕事ドラマとしても、生活保護制度を再考する情報番組としても見て損はないと思います。次回に期待します。
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【これまでの感想】
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