カーネーション:再放送 (第66,67回・2018/6/21) 感想

連続テレビ小説「カーネーション」

NHK総合・連続テレビ小説『カーネーション』公式
第11週『切なる願い』の『第66回』と、第12週『薄れゆく希望』の『第67回』感想。

 私は本作を初見なので、ネタバレ等のコメントは無視します。
 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。


【第66回】
ようやく回復してきた善作(小林薫)が無理をしないかと、糸子(尾野真千子)は不安でしかたがない。そこへ、善作の友人の木岡(上杉祥三)が石川県への温泉旅行を持ちかける。糸子や千代(麻生祐未)は心配するが、善作は旅行を楽しみにしており、しかたなく糸子は国民服を新調し、酒を持たせて送り出す。その夜、善作が書いたらしい「店主・小原糸子」の字を帳簿に見つけ、物思いにふける糸子のもとに、善作危篤の電報が届く。

【第67回】
危篤を知った糸子(尾野真千子)は隣家に駆け込むが、旅先にいるはずの善作(小林薫)の幻を見たと言われ、死を悟る。3日後、骨つぼを抱えて戻ってきた木之元(甲本雅裕)らを前にし、糸子は世話をかけたとわび、立派な葬式を出すと決意する。通夜でも気丈にふるまう糸子。だんじりの時の写真を前に、思い出話に花が咲く。しかし、手伝いに来た女性たちは、潤沢にある食料を怪しむ。そうとも知らず、改めて善作を思う糸子だった。
---上記のあらすじは[NHK番組表]より引用---

まえがき

大阪北部地方を中心に発生した地震により、被害に遭われた被災地域の皆さまに心よりお見舞い申し上げます。被災地においては一日も早い復旧を心よりお祈り申し上げます。 と言いつつも、我が千葉県も先ほど震度3発生。先週末から地震続きで心配です。

【第66回】脚本家と演出家が意識している時は…

第11週『切なる願い』の 土曜日だ。前々回で悪化、前回で快方に向かっていただけに、ついに善作が…と言った内容の第66回。

基本的に本作は「1週間縛り」を意識していないと書いているが、逆に脚本家と演出家が意識している時は、土曜日と月曜日でガッツリとドラマを盛り込んでくる。第67回は未見で書いているが、恐らくそうなるだろう。

通常回とは明らかに違う雰囲気が、心をざわつかせる…

とにかく、いつもの必要以上に自分の感情を台詞とモノローグで喋りまくる糸子は、一旦封印して、通常回とは明らかに違う雰囲気を序盤から醸し出して来た。この辺の、視聴者の煽り方や期待感の高ぶらせ方が本当に上手い。と言うか、今回のような物語の一大局面の時は、モノローグが極端に少ないのが、パターンでもあるのだが。

そして、劇中は昭和18年(1943)4月、ちょっと元気を取り戻した善作と孫たちの賑やかな朝のシーンから始まった…

糸子「ちょっと元気になったからって
   朝から ガミガミ ガミガミ…」

だって、糸子のこの台詞↑直後に、履物屋・木岡保男からこんな話題↓が展開されるなんて、誰が想像するだろうか?

保男「石川県のヤマギワ温泉ちゅうとこや」

なんと、完治していない善作を保男が温泉に誘い始めた。保男が友だちとして誘って気分転換させたいって気持ちも分かるし、地図やガイドブックを広げて幸せそうに寝ている善作を見た糸子が、渋々認めるのも実に自然な流れ。

以前の糸子なら善作と大喧嘩をするお約束なのに、ここでは善作の気持ちを考えて行動する。糸子の成長も、さりげなく描いているに違いない。

さりげないフラグの立て方が絶妙過ぎる!

そして、ドラマとしては、先程の「ガミガミ」の台詞のあとのモノローグの中で…

糸子(M)「罰当たりな事 言えるんも ここへ来て やっと
     お父ちゃんの具合が ようなってきたからやけど」

こんな↑フラグを立てられるのが、この脚本って本当に巧みだなって思う。先にフラグを立てておいてから、娘が父を思う気持ちを描いて、フラグっぽさを薄めている。だから、「しゃあない」「お守り代わりや」と国民服を縫う糸子の気持ちに、視聴者も寄り添えるし、軽快なミシンの音が糸子の気持ちを代弁しているようにも見える。

本作のキービジュアルになっている、その昔に善作が大枚を払って買って来たミシンが、久し振りに夕日に輝いて映ったのも、心にジーンと来た。

出納簿の文字を指でなぞる糸子に心がほんわかした…

糸子の知らぬ間に、勝のあとを継いで善作が書いていた店の出納簿? に、善作が「オハラ洋裁店 店主 小原糸子」と書いたと言うくだり。

(肝心な時の)言葉が少ない善作らしさを描くのに成功しているし、その自筆の文字を指でなぞりながら声を出して読む糸子で、善作が一人前に認めたと言う視点から、糸子が成長していることも描いている訳で、ちょっとしたシーンだが心がほんわかする、いいシーンだ。

雨の使い方も亡霊も天晴れ! これがテレビドラマだ!!

それだけに、突然の「小原さん、電報です」にはビックリだ。何となく察しはついていたものの、土曜日の残り3分弱でいきなりは、かなり驚いた。その後の展開は見た通りだ。本作は「雨のシーン」の使い方が絶妙なのは承知しているが、今回のラストも見事に雨を悲しみの象徴として描いた。

ラストの3分まで、決して主人公の糸子だけを目立たせるのでなく、温泉話を持ち込んだ保男に然り、終盤の保男の妻・美代に然り、きちんと糸子を中心に、善作は当然のこと、周りの登場人物たちを善作の温泉旅行に絡めて描いたからこその感動。善作の亡霊が登場しても、全く違和感を覚えない展開。

いや、むしろ最期の善作を見ることが出来たと言う安心感と言うか、満足感と言うか、い~や、やはり愛おしいキャラクターであった善作を失った悲しみと、糸子への共感を最大限に高めた脚本と演出と演技。これが、テレビドラマと言うものだ。こう言うのが毎日15分間を見続けて来たから味わえる朝ドラ視聴の醍醐味だ、と声を大にして言いたい。



【第67回】土曜に続いて、衝撃的な月曜日だ!

『薄れゆく希望』と題された第12週の月曜日だ。何がスゴイって、月曜日のアバンタイトルで土曜日の振り返りを入れるかと思いきや、アバン無しで、主題歌明けに土曜日のラストシーンをそのまま直結して来たことだ。

これ、本放送時はかなりセンセーショナルな月曜日に感じられたのではないだろうか。こうして再放送で連続して見ていても相当に衝撃的。これこそ、月曜日だから先週の総括を…なんて展開でなく、前回の感想の冒頭で書いたように、土曜日と月曜日でガッツリとドラマを盛り込んでくるパターンだ。

全体的に少々やり過ぎ感はあるが、こんな名シーンがあると…

さて、本編。予想通りにガッツリとドラマを盛り込んで来た。それも、善作を失った糸子の強い悲しみと、亡くなった善作の優しい人柄をここまで描いてしまうと、流石に予告編を見ている身としては、今週はまだまだあれこれ描く訳で、残りの5回分とのバランスを考えると、ちょっとやり過ぎ感を覚えてしまった。

とは言え、美代がまるで善作の幽霊とのやり取りを懐かしむように、静子、清子、光子に話す場面ではグッと来たし、こう言うシーンがあれば、やり過ぎ感も薄まるのは確か…

美代「「『これからも よろしい頼むで。
   うっとこの糸子は とにかく馬力だけの アホやさかい』」
静子「ほんま そんなん言うたん?」
美代「うん。とにかく『糸子を頼むで』ばっかし
   何回も言うてなあ…」

いいじゃないか! このラストシーン。毛布や目頭の涙とか…

そして、ラストシーン。疲れて祭壇の前で眠ってしまっていた糸子に千代が毛布を掛け、糸子の頭を軽く撫でる。すると、眠っている糸子の目から涙が流れた跡が見える。それを見た千代も涙ぐみ、ふと祭壇の遺影を見ると、写真の中のカンカン帽を被り、小原呉服店の半被を着た善作が笑っていた。

いいじゃないか! このラストシーン。千代が毛布を掛ける仕草や、眠っている糸子の目頭から今にも涙がこぼれそうな描写とか…

"善作の死" のラストを、遺影の笑顔だけで魅せたのはお見事!

もしかしたら、参列者や妹たちの会話で善作の優しさを語るのでなく、それこそいつも通りに糸子のモノローグと回想を交えて、やんわりと雰囲気重視で描いた方が、週明けの月曜日には優しかったかなと思う。土曜日と月曜日が強過ぎた印象ってこと。

でも、2回に跨がれて描かれた “善作の死” のラストシーンを、糸子と千代に台詞を与えずに、遺影の善作の笑顔だけで魅せたのはお見事。まだまだ、本作は私の期待を裏切らないようだ。

あとがき

第11週のサブタイトルの『切なる願い』は、八重子のことだと思っていましたが、まさかの展開でビックリしました。そして、 第12週は『薄れゆく希望』。今回、町内会長の一言から糸子が葬儀の準備を始めるくだりで、失意のどん底にある糸子が、それでも踏ん張る姿が描かれてのが良かったです。

それにしても、脚本家の思いが前面に出ずに、登場人物たちで物語が紡がれているのは楽しいし面白いです。「名作」と呼ぶファンが多いのも頷けます。今のところ…(苦笑)

最後に。前回の感想に 144回ものWeb拍手と数々のコメントを頂き、ありがとうございます。まさか、善作が亡くなるとは思わなかったので驚きました。予告編によると、益々暗い展開が続きそうですが、どうなるのか楽しみです。

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★本家の記事のURL →  http://director.blog.shinobi.jp/Entry/11512/

【これまでの感想】
第1週『あこがれ』
1,2 3,4 5,6
第2週『運命を開く』
7,8 9,10 11,12
第3週『熱い思い』
13,14 15,1617,18
第4週『誇り』
19,20 21,22 23,24
第5週『私を見て』
25,26 27,28 29,30
第6週『乙女の真心』
31,32 33,34 35,36
第7週『移りゆく日々』
37,38 39,40 41 42
第8週『果報者』
43 44,45 46,47 48
第9週『いつも想う』
 49 50,51 52,53 54
第10週『秘密』
55 56,57 58,59 60
第11週『切なる願い』
61 62,63 64,65

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