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カーネーション:再放送 (第62,63回・2018/6/19) 感想

連続テレビ小説「カーネーション」

NHK総合・連続テレビ小説『カーネーション』公式
第11週『切なる願い』の 『第62,63回』感想。

 私は本作を初見なので、ネタバレ等のコメントは無視します。
 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。


【第62回】
赤ん坊が生まれて1週間。やけどの養生中の善作(小林薫)の世話は千代(麻生祐未)ではかなわないことが多く、糸子(尾野真千子)は妹や縫い子たちをしったして、仕事と子育てと看病を切り回す日々。ある日、清三郎(宝田明)と貞子(十朱幸代)が見舞いに訪れる。清三郎が名付け親となって赤ん坊の名は聡子と決まり、一同はようやく和やかな時を過ごす。帰りに何気なく貞子のモンペを見て、糸子にあるアイデアがひらめく。

【第63回】
貞子(十朱幸代)のモンペは、最高級の大島の着物から作ったものだった。確かに“モンペでも女性がオシャレをしたい気持ちは同じだ”と、糸子(尾野真千子)は一張羅からモンペを作り、着物に戻せる作り方を考え始める。縫い子たちと研究を重ね、モンペ作りの教室を開いたところ、最初の客はサエ(黒谷友香)だった。サエをはじめ女たちは、鮮やかな着物に大胆にハサミを入れてモンペを作る。オハラ洋装店はにぎやかさに包まれる。
---上記のあらすじは[NHK番組表]より引用---

まえがき

大阪北部地方を中心に発生した地震により、被害に遭われた被災地域の皆さまに心よりお見舞い申し上げます。被災地においては一日も早い復旧を心よりお祈り申し上げます。

【第62回】糸子は31歳。2か月半で20年経過してる…

放送が3日間も空いたので、振り返ってみると、先週から戦争を描き始め商売も徐々に上手く行かず、そんな中で糸子の父・善作が不慮のボヤで火傷を負い自宅療養中。しかし、糸子には第3子が生まれて、糸子は小原家の “絆” を感じていた…これが前回まで。あれから1週間後…がこの第62回。

ところで、糸子は劇中で何歳なのか? と調べたら、31歳。序盤でたんじり大工に憧れていたのが11歳だから、既に20年経過したことになる。放送開始から約2か月半だ。比較しても無駄だが、『半分、青い。』が実に歩みがのろく、内容がスッカスカであるかは一目瞭然だ。

第3子誕生から1週間後の状況説明の始まり始まりぃ…

さて本編。序盤から療養中の善作や子どもたちの描写で笑わせてくれたが、今回は明らかに、赤ん坊が生まれてから1週間後の状況説明である。自分の気持ちを余すことなく正直に喋ってくれる主人公がこう言っている↓のだから、間違いなく状況説明だ。

糸子(M)「日がな一日 赤ん坊は泣く。直子は暴れる。
     お父ちゃんはかんしゃく起こす。
     お母ちゃんは メソメソ。おばあちゃんは ヨロヨロ」
糸  子「こっちまでガタ来てまいそうやわ」
糸子(M)「こんで せめて 商売だけでも
     うまい事いってくれりゃ ええのに
     年明けすぐ 衣料切符の点数が引き上げられてから
     客は めっきり減ってしもてました」

ここまで台詞と語りで説明しているのに、まだ本作の主人公は喋る、喋る。質素倹約を戒めるために、今回もやって来た日本婦人会の女性たちに、糸子が顎に手を当て肘をついて不貞腐れながらこう言う。

糸子「こないだ子どもを産んだばっかしで」
澤田「まあ 産後の肥立ちでも悪いんですか?」
糸子「その前の日ぃに 火事があって お父ちゃんが 大やけどして
   ガラスが割れて 畳が水浸しんなって
   おばあちゃんが腰抜かして
   おかげさんで 今 家の中 ガッタガタですわ!」

「因果応報」と「バリハラ的描写」の組合せが新鮮!

喋りながら元気を取り戻すあたりは実に糸子らしい性分で、最後は声を荒げて澤田らを睨み返した。そんな糸子の愚痴に対して、澤田も負けていない。恐らく今後の展開に於ける “重要なキーワード” と思える言葉を発した。

澤田「まあ そら大変でした。けど まあ こう言うたら 何ですけど
   ふだんの心がけちゅうか 何事も因果応報
   悪い事が続く時は 大概 自分に原因があるもんです。
   ご自分を省みる よい機会やないんでしょうか? お大事に」

まるで、捨て台詞のように澤田は言って店を出て行く。そのキーワードは「因果応報」。説明するまでも無いが、因果応報とは原因としての善い行いをすれば,善い結果が得られ、悪い行いは悪い結果をもたらすと言う仏教用語。

史実に於いても、糸子のモデルとなった「コシノ3姉妹」を育て上げた小篠綾子さんの波乱万丈の人生を描くとなれば、間違いなく、やったことが自分自身にブーメランのように帰って来る「因果応報」が、糸子の人生をも紆余曲折にして行くに違いない。

なぜ、この「因果応報」を第62回の中盤で、唐突に挿入して来たのか、作者の意図は良く分からないが、序盤と中盤で描かれた重傷の善作で笑わせると言う、NHK教育の『バリバラ~障害者情報バラエティー~』的なシュールな描写に含ませるのは、かなりブラックジョークでもあり、えぐい表現。

本作では、これまであまりこの類の表現は見なかっただけに、ともすると単に状況描写で 10分もの時間が過ぎてしまいそうだった今回に、“気付く人にだけ効き目があるスパイス” を振り掛けたのは新鮮だった。

善作を登場させ、新たな笑いで朝ドラを描き切ったのは称賛

10分過ぎ、祖父・清三郎と祖母・貞子がやって来た。孫が可愛くてしょうがいない清三郎と貞子がひ孫の顔を見に来ないはずはないと言ったところだ。そして、糸子の第3子の名前を貞子が「聡子」と思い付く。

結局、状況説明で無かったのは、最後の2分間だけであったが、『バリハラ』が単独の番組になる前に、ある教育番組の1コーナーとして放送され始めたのが2010年12月だから、第62回の本放送時が 2011年12月13日であることを考えると、かなり挑戦的であることが分かる。

13分間が状況説明だった点は、面白かったから良かったものの、お世辞にも朝ドラとして、火曜日としてあまり褒められるものではないが、逆に13分間の中で、善作をきちんと登場させて新たな笑いで朝ドラを描き切ったのは称賛したい。そんな第62回だった。



【第63回】最初の数分間で、面白い話になりそうな予感…

さて、第63回は、前回のラストをそのまま引き継いで、最後まで見なくても面白い話になりそうなスタートだ。

貞子「モンペみたいな辛気くさいもんこそ
   上等な生地で こさえな あかんのや。
   そやないと はよ死んでしまう」
糸子「死んでまう?」
貞子「あんなあ 辛気くさいゆうはな ばかにしたらあかんでえ。
   おっそろしいほど 寿命を縮めるんや。
   あんたも 年取ったら 分かる。フフフフフ…」

年を取っても、いつも身綺麗にして若々しく生きる貞子だから言える台詞だ。だから、私を含めた多くの視聴者が頷ける。で、当然に糸子にも多いな影響を与えて、この台詞で物語が動き出す。

糸  子「辛気くさいんは 寿命を縮めんやて おばあちゃん」 糸子(M)「どんより 灰色だった目の前が 一気に晴れてました」

サエと教室の女性たちのやり取りの面白さも良かったが…

ここからは、私の野暮な解説なんて全く必要なしって感じの展開。大まかに言えば、主人公は戦争中でも肉を切らせて骨を切る…と言うような、自分自身も傷つく覚悟で、相手により大きな打撃を与えたってお話。でも、そう簡単なお話で終わらせない工夫がふんだんに盛り込まれていた。

岸和田のダンスホール「カンカンホール」の人気の踊り子だったサエと教室の女性たちのやり取りの面白さ。既に、糸子に影響を受けた彼女たち自身の先見の明を描がいたのも良いのだが。

最も良かったのは、糸子が「お洒落」をベースにして “アイデア・ウーマン” と言う糸子の強力な武器を最大限に活かして、戦時中でも女性たちを「お洒落」で明るくしていく様が、丁寧に且つ楽しく描かれたこと。

15分を女性たちの笑顔で括った第63回は、一話完結の秀作!

また、今回の「新しい教室」の開催の噂を聞いて、日本婦人会の女性たちが来なかったことから、教室ならば購買者の衣料切符から指定点数を切り取って販売しなくて済むと言うことも、ちゃんと背後に描かれ、糸子の “アイデア・ウーマン” っぷりが冴え渡った15分間。最後を女性たちの笑顔で括ったのもお見事、今回を「一話完結の秀作」としたい…

あとがき

火事で負傷して満足に動けず喋れずの善作を巧みにドラマに盛り込んだ第62回と第63回でした。善作に台詞らしい台詞が与えられていないのに、ちゃんと存在感がある。それが本作の脚本力と演出力の素晴らしさ。

だからこそ、もう少し「分の気持ちを余すことなく正直に喋ってくれる主人公」を抑え気味しても良いかなって思います。でも、喋り過ぎるのも本作らしさであることは確か。どちらが良いのか、まだ分かりませんが、面白いのは確かです。

最後に。前回の感想に 172回ものWeb拍手と数々のコメントを頂き、ありがとうございます。ほぼ全編が状況説明だった第62回と、ほぼ全編が糸子がお洒落で女性たちを明るくし、商売も成功させる第63回の組合せで見ると、本作が「一週間縛り」に拘っていないことと、「一話完結の面白さ」も追及しているように思います。

続けて見ても、1話だけ見ても楽しめる。『半分、青い。』に爪の垢を煎じて飲ませてみたいですが、腹を下すだけでしょうか。

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★本家の記事のURL →  http://director.blog.shinobi.jp/Entry/11503/

【これまでの感想】
第1週『あこがれ』
1,2 3,4 5,6
第2週『運命を開く』
7,8 9,10 11,12
第3週『熱い思い』
13,14 15,1617,18
第4週『誇り』
19,20 21,22 23,24
第5週『私を見て』
25,26 27,28 29,30
第6週『乙女の真心』
31,32 33,34 35,36
第7週『移りゆく日々』
37,38 39,40 41 42
第8週『果報者』
43 44,45 46,47 48
第9週『いつも想う』
 49 50,51 52,53 54
第10週『秘密』
55 56,57 58,59 60
第11週『切なる願い』
61

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コメント

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今日は本家につながらず。小林さんの火傷演技が見事すぎます。カーネは本当に演技派ぞろい。配役も最高ですね。
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Author : みっきー

★管理人:みっきー

★職業:宴会/映像ディレクター(フリーランス)

★略歴:東京下町生まれ千葉県在住。ホテル音響照明映像オペレータ会社を経て、2001年独立。ホテルでイベント、パーティー、映像コンテンツ等の演出を手掛ける。活動拠点は都内と舞浜の有名ホテル等。

★ブログについて:フリーの宴席/映像ディレクターが、テレビ,映画,CM,ディズニー,音楽,仕事等を綴ります。記事により毒を吐きますのでご勘弁を。

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