カーネーション:再放送 (第52,53回・2018/6/8) 感想

連続テレビ小説「カーネーション」

NHK総合・連続テレビ小説『カーネーション』公式
第9週『いつも想う』の 『第52,53回』の感想。


 私は本作を初見なので、ネタバレ等のコメントは無視します。
 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。


【第52回】
ぜいたく品として禁止されている布を問屋から買い取った糸子(尾野真千子)。布に一筋入っている金糸を黒リボンを縫いつけて隠し、逆にアクセントにすることを思いつく。できあがった服を静子(柳生みゆ)らが着ると、たちまち評判となり、客が客を呼んで大量の布は順調にさばけた。だが、生地問屋で面倒を見てもらっていた直子が、あまりのやんちゃぶりについに返されてしまい、糸子と勝(駿河太郎)は預け先を探し途方に暮れる。

【第53回】
糸子(尾野真千子)と勝(駿河太郎)は、直子を勝の弟夫婦に預けることに。後ろ髪を引かれる思いで店に戻った二人だが、直子が気になってしかたない。とうとう夜通し歩いて様子を見に行くが、やっと慣れたところだからと断られ、思い直す。それからの糸子は懸命に働き、年末までに大量の布を使い切り、ようやく大みそかに直子を迎えに行く。正月、オハラ洋装店の服で着飾った女性であふれる神社で、糸子は喜びもひとしおだった。
---上記のあらすじは[NHK番組表]より引用---

【第52回】1週間を前後で分け、3回で1つのエピソードを紡ぐ

この第9週は、先週末から月曜に掛けて相当な迅速さで結婚から第1子出産までを描いて、私を少々落胆させたが、火曜日から水曜日に掛けて信じられないような巻き返し振りで、やり過ぎず物足りなさ過ぎずに主人公の日常と戦争を盛り込んで来た。

さて、そんな週の後半戦の始まりの木曜日がこの第52回だ。実は、こう思っている。本作の脚本家は、1週間を前後で分けて、3回で1つのエピソードを紡いできた痕跡がある。特に第7週までは、それが顕著だった、そう考えると、巻き返しの第9週も、この木曜日に当たる第52回で後半を魅せるかどうかの肝になるはずだ。

出し惜しみをしない素早き展開

そんな思いで観始めたのだが、うん、やはり良い滑り出しだ。僅か50秒のアバンタイトルで、前回からの引継ぎをやった上に、早速、糸子のアイデアウーマンぶりを盛り込んだ。

糸子(M)「金糸の上から 黒リボンを縫いつけて
     黒い線のデザインとして活かす。
     残りの部分で 身頃とったら無駄も出さんと 使えるはずや」

これなのだ。拙速とは明らかに違う、出し惜しみをしない素早き展開だ。この50秒のアバンを見ただけで、今回が見たかった内容になることが予想できる。

主題歌の時間を糸子の作業時間の経過に充当

ここも見事だ。主題歌の時間を糸子の作業時間の経過に充当させて、主題歌明けで既に糸子のアイデアは固まった状態。そう、糸子が軽快にミシンを操るところを見たいのではないのだ。糸子らしい仕事っぷりが見たいのだ。

その意味では、これまでも「立体裁断」などは映像化されて来たが、オハラ洋装店の縫い子・昌子を使って縫い終えた生地をあて採寸を取り始めた。そこから洋服が完成するまでは、王道の時間経過の表現を使って安定感のある映像。

奇を衒わずにドキュメンタリー風に真面目に描いた直後には、いつも通りに糸子にお説教する昌ちゃんと、全くお説教を聞き入れずに、更に先行く糸子の楽しい掛け合いだ。

昌子「聞いてました? 今の うちの話」
糸子「しばらく これ着て 店出て」
昌子「はあ?」
糸子「マネキンさんや。よう似合うてるし」

それにいいじゃないか。静子たちも、まるで昌子のことを他人事のように思って、糸子のアイデアを褒めた直後に、「あんたらもやで」としらっと言うのが。そして、店員のマネキン化が5分過ぎには効果を発揮。完全に「枡谷パッチ店」や「紳士服ロイヤル」の頃に戻った感じだ。

糸子の才能を "噂が伝播する映像" で見せた

本当に、今回は時間経過が上手くやれている。

糸子(M)「ちょっと間したら 店の子らは
     もう 着物で働いても ええようになりました」

この糸子のモノローグ↑とその映像化だけで商売が順調なのが良く分かるし、その後の近所のおばちゃんたちの会話の中で、敢えて描かなかった、金糸をどうやって隠したかの種明かしを入れたことで、如何に糸子のアイデアやセンスが客を喜ばせる良いものかを、“噂が伝播する映像” で見せた。

本作らしい戦争の描き方を評価したい

とにかく、今回を評価したいのは、本作らしい戦争の描き方。戦時下の庶民の苦しい、辛い、悲しい思いを真正面から描くのでなく、いろいろ面倒や辛いこともあるけれど、「それでも私は洋服を作る。作って、儲けて、みんなを幸せにしたい!」みたいな糸子らし切り口で、戦争を描いたのが素敵だ。

"猛獣・直子" が、糸子の母親の顔を描く格好のアイテムに

また、意見が対立したり独走したりもするが、結果的に皆でドタバタやっちゃうのはいつも通りだが、これもワンパターンに見えない工夫の1つだと思うが…

今回は久し振りに登場することになった、「ロイヤル」の職人たちを糸子の夫・勝の伝手を借りて参加させたりと、ちょっと忘れかけていた登場人物の使い方が巧みだから、連ドラの楽しさまで盛り込んだ結果となった。

善作は名前だけ、奈津はどうしたの? と言った根本的な疑問は残るが、「素直な子になるように」と善作が名付けた直子が、誰もが面倒を見るのを嫌がるほどの暴れん坊で泣き虫と言うのが実に面白い、そして、この幼少期の “猛獣・直子” の存在が、糸子の母親の顔を描く格好のアイテムになっている。

予告編でチラリと映った山のカットも、こう言うことだったのね、って感じで、正に「こう言うのが見たかった」に相応しい15分間だった。

【第53回】戦争らしさは、背景に匂わせに留まってる

久し振りに書こう、うん、良く出来てるって。第52回の感想では、幼少期の “猛獣・直子” の存在が、糸子の母親の顔を描く格好のアイテムになっていると書いたが、この第53回では勝の父親の顔もしっかりと描いた。今回が良く出来てると思うのは、このエピソードにきちんと背景の戦争があること。

戦争で七・七禁令が発令され、大量の金糸入りの贅沢な生地を売れなくなり困っていたところから、このオハラ洋装店の大繁盛っぷりも、直子の子守りの苦労も、どちらも端を発しているのだ。でも、戦争らしさは、背景に匂わせているに留めている。

普通に生きる人たちの日常は、いつもそんなに変りはしない

そして、本作がここへきて重点的に描いているのは、こうだと思う。

戦時中だろうが、平常時だろうが、ちょっぴり贅沢をしてみたいと言う気持ちや、家族を大切に思う気持ちや、相伴を繁盛させて金儲けしたい気持ちや、自分の仕事に誇りをもって生きていきたい気持ち、もちろんお洒落をしてみたいと言う気持ちなど、いつどんな状況下でも、庶民なら誰でも自然に湧いてくる気持ち。

そう、普通に生きている人たちの日常は、いつもそんなに変りはしないってこと。

これが、ホームドラマなんだと思う

それを、今回は “猛獣・直子” と “金糸の生地で作った洋服” の2つで、丁寧に且つ感動的に描いた。いや、描き切ったと言っても良い。これが、ホームドラマなんだと思う。偉人や有名人と普通の人たちの日常なんて、本当はそんなに違いは無いのだ。

だから、誰もが知っている人物がモデルになっている朝ドラに、視聴者たちが共感出来るのだ。それを、この2回がしっかりと見せてくれた。数回前の不安が嘘のような状況に、本作の可能性を改めて見たような気がした。

あとがき

主人公の日常を普通に描く。普通に描くから共感出来る。共感するから面白い。第1子の子育て奮闘記が描かれていたら、今回の感想も変わった可能性はありますが、終わり良ければって思いました。さて、次の放送は、第9週から第10週への週跨ぎですね。さて、次は第3子の誕生か、それとも終戦か。楽しみです。

最後に。前回の感想に 82回ものWeb拍手と数々のコメントを頂き、ありがとうございます。数回前が嘘のように、巻返してますね。第52回と第53回の組合せは良かったと思います。

ご本人は気付かずに(だと思いますが、結果的に)ネタバレをコメントに書いている人がいます。「この後あの役を誰が演じる」と言うのも困ります。ホント、ネタバレは止めて下さい! 私以外にも、今回が初見で番組と感想を楽しみにしている読者さんがおられるので。引き続き、ご協力お願いいたします。 ※しばらくテンプレです(謝)

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【これまでの感想】
第1週『あこがれ』
1,2 3,4 5,6
第2週『運命を開く』
7,8 9,10 11,12
第3週『熱い思い』
13,14 15,1617,18
第4週『誇り』
19,20 21,22 23,24
第5週『私を見て』
25,26 27,28 29,30
第6週『乙女の真心』
31,32 33,34 35,36
第7週『移りゆく日々』
37,38 39,40 41 42
第8週『果報者』
43 44,45 46,47 48
第9週『いつも想う』
 49 50,51

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