カーネーション:再放送 (第50,51回・2018/6/7) 感想

連続テレビ小説「カーネーション」

NHK総合・連続テレビ小説『カーネーション』公式
第9週『いつも想う』の 『第50,51回』の感想。


 私は本作を初見なので、ネタバレ等のコメントは無視します。
 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。


【第50回】
糸子(尾野真千子)が臨月を過ごすことになった松坂家では、家業の紡績工場が軍需品を作らざるを得なくなり、清三郎(宝田明)や貞子(十朱幸代)が苦慮していた。店が気になる糸子は、こっそり様子を見に戻ろうとして、電車の中で陣痛が始まってしまう。道中出会った木之元(甲本雅裕)に助けられて自宅に担ぎ込まれ、難産で苦しむ糸子。勝(駿河太郎)、善作(小林薫)、千代(麻生祐未)らが心配する中、次女の直子が誕生する。

【第51回】
昭和15年秋、いよいよ統制が厳しくなり、糸子(尾野真千子)の洋装店も金額に上限が設けられてしまう。糸子は、もうけを度外視してオシャレな服を作るが、代金の代わりに野菜などの食料をもらうことが増えていく。さらなる問題はやんちゃな次女・直子で、預け先の手を焼かせて断わられてしまう。仕事がはかどらない糸子を善作(小林薫)が呼び出し、困っている問屋から販売禁止のぜいたくな生地を買い取ってやれと言いだす。
---上記のあらすじは[NHK番組表]より引用---

【第50回】前回の勘助と平吉に触れたかった…

第50回は、第9週『いつも想う』の火曜日。土曜日に結婚して第1子が誕生、月曜日は勘助の出征を描いて、この火曜日は第2子の臨月で始まった。本当は前回での「安岡勘助君を見送る万歳三唱」のくだりにもじっくり触れたかった。

特に、勘助のそばにいた平吉の描写なんてすごく丁寧だったし、勘助自身の表情の作り方も素晴らしかったから。しかし、そんな細かい部分の良さを取り上げるよりも、あまりにも拙速な展開に “悪い意味で” 目を奪われてしまったのだ。

このあとどう進もうと、一旦落ち着きを描くのは良いこと

さて、第50回。アバンタイトルは、臨月を迎えても働きづめの糸子が、家族たちに諭されて、神戸の松坂家で静養することになったものの、仕事を奪われた形になったために時間を持て余し、「暇や」とこぼすシーンから始まった。

これ悪くない。とにかく、先週の金曜あたりから、脚本も演出も拙速で、全体のテンポが速過ぎたから、アバンで少なくとも糸子がのんびりしているのは悪くない。このあとどう進もうと、一旦落ち着きを描くのは良いことだ。

糸子の着る物への執着心やプライドの高さは、祖母の貞子譲り

さて、主題歌明け。糸子の祖父母・清三郎と貞子たちが、「松坂紡績」の名を残すために軍需工場になるのかを苦慮しているくだりで、糸子の叔父・松坂正一が軍の衣料品作る工場としててでも生き残ることを提案し、清三郎は渋々賛成するが、貞子が反対するくだりが印象的だった。

貞 子「私は 嫌や。何でや?
    何で 松坂紡績が軍服なんか作らなあかんのや?
    そんな事したら おじい様、お父様に申し訳が立てへん。
    『しょうもない事しよって』言うて
    お墓の中で お泣きになるわ」
清三郎「なあ 貞子。ええか? これが 時局ちゅうもんや。うん。
    そら お父様も お分かり下さる…」
貞 子「あなたは 養子やらから そんな簡単な事 言えるんです。
    軍服なんか 嫌いや! あんなカメムシみたいな不っ細工なもん
    うちの会社は死んでも作りません!」

このシーンの直後は、店のことが心配な糸子のシーンだ。どうやら、糸子の仕事や着る物への執着心やプライドの高さは、祖母の貞子譲りのようだ。こう言う描写はとっても大事。サクサクと進む中でも、ちゃんと “血の繋がり” を描くことは、ホームドラマにとって重要なことだから。

糸子の無邪気でやんちゃな笑顔がいい

そして、貞子、清三郎、正一達が皆で紡績工場へ行くことになった場面もほのぼのムード。清三郎たちを見送る糸子が大きいお腹を見せないバストショットになって、尾野真千子さんが子供時代の糸子の笑顔を再現した。もう、あの無邪気でやんちゃな笑顔がいいね。あの何かを企んでいるに違いない笑顔が…

もう先を見なくても大よその想像はつくような仕掛けになってる。こう言う、視聴者に先を勘ぐらせて映像が後追いで答え合わせをする手法も、以前は良く使われていたテクニック。これがあると、視聴者は自然と物語に入っている感じを味わえる。どうやら、火曜日から少しずつ以前の本作に戻しているのかも知れない…

第2子では、敢えて「おんなし事」と糸子に言わせて…

そして、突然の陣痛発作で、こんな糸子のモノローグが入る。

糸子(M)「ほんまに うちは何回 おんなし事 やってんや」

これだよね。本作はワンパターンを繰り返すのだが、その度に違った感動を与えてくれるってやつ。第1子誕生の時は意外な程に淡白に且つ普通に描かれた陣痛から出産シーンだったが、第2子では、敢えて「おんなし事」と糸子に言わせて、思いっきり違うことを入れて来た。それも、糸子の母・千代で笑いを。

なかなか産まれないことを心配し出す糸子の父・善作と夫・勝。そこへ千代が血相を変えてやって来て一言喋って泣き崩れる。

千代「糸子が…」
善作「糸子が どないしたんや!?」
千代「『スルメ 持ってきて』て」
 勝「ス… スルメ?」
千代「おなか すいてんのに食べられへんさかい
   せめて スルメしゃぶっとくて。かわいそうに!」

固まる善作と勝に、犬の遠吠え。正に、コントである。でも、こうやって第1子との違いを描く。これ、正しいことだ。

無事に誕生した後も、名優たちのコントは続く…

更に、無事に誕生した後も、名優たちのコントは続く…

善作「ほう 女の子か。かいらしいのう」
千代「ほんま かいらしいなあ」
ハル「かいらしいか? 猿みたいやんか」
 勝「そら さっき 僕が『猿の子でも育てる』言うてしもうたさかい」
善作「せや わしも ついな 女の子でも何でもええ言うたさかい
   神かみさんが怒って こんな猿みたいな顔にしたんや」

実に、微笑ましいシーンだ。第2子誕生でこれをやるから、第1子はあっさり目立ったのかも知れない。そして、そんな無責任な父親らの会話を階上の部屋で聞いている糸子の落ち着いたトーンで言うモノローグが、出産の大変さを物語っていた。

糸子(M)「失礼やな」

「子宝」と「松坂紡績」の将来が重なっていく…

そして、清三郎と貞子も駆け付けた。産まれた孫を手にして言う、清三郎のこの台詞↓が、「松坂紡績」の将来を案じる清三郎と貞子の心情に重なって行く…

清三郎「お手柄や。大手柄や! わしらの宝が また増えた
貞 子「宝や 宝や 子宝や」
清三郎「ありがたいこっちゃ。わしらは こんだけ 宝に恵まれとんや。
   少々のもん無くしても なあ 何も怖がる事はない」

その後の、墨で潰されていない勘助からの葉書に、何か違和感を覚える糸子。確実に話が前進しているのはいつものことだが、ここ数日の拙速さがだいぶおさまって良くなって来た。とは言え、結婚から第2子出産まで3回分(45分)しか時間は割かれていない事には驚かされる。

【第51回】昭和15年(1940)と言えば…

時は、昭和15年(1940)。益々、戦時色が色濃くなり、1月には調理及び医療用以外の暖房電熱器、家庭用電気冷蔵庫、電気風呂等の電気器具の使用が禁止され、7月には「七・七ぜいたく禁止令(奢侈品等製造販売制限規則)」が発令された頃のお話である。こんなことを、アバンタイトルを見ていて思い出したのだが…。

私が「こうなって欲しい」と言う方向に、ちゃんと進む

主題歌明け、正に「七・七禁令」から話が始まった。単なる「昭和15年(1940)」のテロップと商品の無い和菓子店だけで、「七・七ぜいたく禁止令」を視聴者に想像させて、いや多くの視聴者がそうだとは分からないが、少なくとも私の感覚と脚本家や演出家の感覚はシンクロした。

以前にも書いたが、本作を面白く感じる点の1つに、私が「こうなって欲しい」「こう描いて欲しい」と言う方向に、ちゃんと進むことがある。それが、久し振りに戻って来た。これは良いことだ。

日本国への庶民の気持ちをさらりと描いたのも良い

まず、序盤の5分間で、糸子の仕事の現状と、戦時下である今の糸子の商売に対する考え方を描いた。これも久し振りだ。

しかも、戦争の悲惨さや戦時下の苦労を、妙なメッセージ性を加えて仰々しく描くのでなく、営業方針に自信たっぷりの糸子に対して言う勝の一言から始まる静子らとのやり取りで、日本国への庶民の気持ちをさらりと描いた。

そして、先日の縁側で爪を切っているだけで大笑いをした勝の明るいキャラクターが、ここへ来て輝き始めたのも良いことだ。

 勝「また 適当な事 言うとるで」
静子「昼間 言うてたんと全然ちゃうやん。昼間は
   『栗まんじゅうも 食えんような国 勝てる訳ない』
   言うちゃったで」

ここで一旦足を止めて、糸子の日常を描いて欲しい

そして、ここ数日の本作と比べると、やはり “唐突に” と言わざるを得ない感じで、糸子の、小原家の子育てが描かれ始めた。しかし、ホントいいね。やはり、時間経過を前面に出して話を進めるのは、ここで一旦足を止めて、糸子の日常を描くようだ。それも、子育てを描いて、その合間に仕事、このバランスも良い。

河瀬と言う善作の古い友人で生地問屋の大将の願いを受け入れるのと引き換えに、猛獣の子守り役を依頼するなんて、2週間ほど前の本作が戻ったようだ。商魂逞しくアイデアウーマンの糸子の再来だ。

再び「糸子の成功物語」で楽しませてくれそうな予感

そして、ラストのこの糸子の台詞↓が、再び本作らしい「糸子の成功物語」で楽しませてくれそうな予感を描いた。これ、停滞気味だったここ数回は、あくまで、第3子誕生までのイレギュラーと捉えるべきかも知れない…

糸子「どないかなる。絶対 何か方法があるはずや」

あとがき

この第50,51回は、本作に明るい光を差し込みましたね。良かった良かった。何となく、第52回も面白そう…

最後に。これまでの称賛ばかりの内容と違う前回の感想に 75回ものWeb拍手と数々のコメントを頂き、ありがとうございます。第7週までの『カーネーション』に戻って来ましたね。時間経過も大事ですが、立ち止まって主人公の気持ちを描いてこそドラマです。

ご本人は気付かずに(だと思いますが、結果的に)ネタバレをコメントに書いている人がいます。「この後あの役を誰が演じる」と言うのも困ります。ホント、ネタバレは止めて下さい! 私以外にも、今回が初見で番組と感想を楽しみにしている読者さんがおられるので。引き続き、ご協力お願いいたします。 ※しばらくテンプレです(謝)

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【これまでの感想】
第1週『あこがれ』
1,2 3,4 5,6
第2週『運命を開く』
7,8 9,10 11,12
第3週『熱い思い』
13,14 15,1617,18
第4週『誇り』
19,20 21,22 23,24
第5週『私を見て』
25,26 27,28 29,30
第6週『乙女の真心』
31,32 33,34 35,36
第7週『移りゆく日々』
37,38 39,40 41 42
第8週『果報者』
43 44,45 46,47 48
第9週『いつも想う』
 49

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コメント

No title
>祖母の貞子譲りのようだ
まあ、これは、もっと早い段階でも描かれていますが。第4週の心斎橋で貞子が勇と一緒にショッピングしているのに出会う。これが、買い物などした事が無い心斎橋百貨店の制服を数日で作り上げる伏線。神戸名家令嬢ならではのセンスの良さと大阪岸和田生まれならではのバイタリティの融合。この辺りが「べっぴんさん」との差。

今は幼い娘達にも、こういった要素は受け継がれますが糸子には本人が無自覚の、もう一つ凄い才能があり第5週以降、発揮されています。ただ、この才能は行き過ぎると悪い結果も招きます(第6週参照)。
  • 2018-06-11│08:40 |
  • 巨炎 URL│
  • [edit]

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