カーネーション:再放送 (第37,38回・2018/5/29) 感想

連続テレビ小説「カーネーション」

NHK総合・連続テレビ小説『カーネーション』公式
第7週『移りゆく日々』 『第37,38回』の感想。


 私は本作を初見なので、ネタバレ等のコメントは無視します。
 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。


【第37回】
奈津(栗山千明)の父が亡くなり、吉田屋は若おかみの奈津が支えることに。強がりの奈津に、糸子(尾野真千子)は、いらだちさえ覚える。一方、勝(駿河太郎)が予想したとおり、糸子が作るドレスは踊り子の間で評判になり、紳士服ロイヤルは大繁盛。糸子は自宅でもミシンを踏む日々。だが店主(団時朗)はドレスを見下していて、糸子は面白くない。そんなある日、泰蔵(須賀貴匡)の幼い長男が迷子になり、奈津の前に現れ…。

【第38回】
踊り子のサエ(黒谷友香)の進言で、糸子(尾野真千子)は善作(小林薫)に、自分で洋裁の店を開きたいと頼む。しかし酒を飲み過ぎているフシがある善作は、もう一軒別な店を繁盛させたら考えてやってもよいと答え、糸子をいら立たせる。突然辞めると言いだした糸子に、紳士服店の店主(団時朗)は頭を抱えてしまう。一方、入籍を控えた奈津(栗山千明)は玉枝(濱田マリ)のもとに髪を結いに行き、そのさりげない優しさに触れる。
---上記のあらすじは[NHK番組表]より引用---

【第37回】鈴愛が秋風の原稿を盾にして脅迫した頃…

第37回は、第7週の月曜日、本放送時なら 10/3 スターで 11/14 の地点。『半分、青い。』では、鈴愛が秋風の原稿を盾にして脅迫した頃だ。さて、2週間の再放送休止を目論んでいたかのように、アバンタイトル無しで始まった第37回。椎名林檎さんの主題歌で、一気に世界観への引き戻された。

提灯の前で糸子と勘助が喋る場面が、丸々アフレコの理由

劇中は昭和8年。主題歌明けの奈津の父の通夜の晩のシーンで、玄関先の提灯の前で糸子と勘助が喋る場面が、丸々アフレコになっていた。原因は分からないが、意図的にやった理由を想像してみると…。この場面は背景の音がたくさんある。虫の音、読経の声と木魚の音、足音、着物のこすれる音など。画面奥から善作が声を掛けるがこの音声は自然。

ってことは、この善作の声の音量に合わせて、他の全ての音のバランスを取り直したと考えるのが自然だ。録画を見直してみると、布がこすれ合う音が若干大きめになっており、通夜の家の前で声を出して(活かして)口喧嘩するより、布のこすれ合う音を活かして糸子の迷う気持ちを表現したと思う。なかなか凝った音の演出だ。

「和服」と「洋服」の "差" や "違い" を視覚的に表現

通夜の次の場面は「紳士服ロイヤル」。客の待合室を俯瞰(上から)で撮って、そのままカメラは下手(左)にパーンして採寸室へ。ここのスタジオセットもよ~く考えられて作ってある。普通は下手から上手(画面の右)に行くに従って、いろいろなものは流れるのが普通。

例えば、パッチ店の撮影では、店内での場面では多くのカット割りが入口や賄い部屋は下手にあって、画面の一番上手にミシンがあった。でも、「ロイヤル」は上手が待合室で下手に行くにしたがってバックスペースになっている。これ、考えようによっては、「和服」と「洋服」の “差” や “違い” を視覚的に表現しているとも言える。

この少し後のシーンに「ロイヤル」の縫製場が登場するが、あそこは「和服」と同じになっている。そりょそうだ。あそこは、相変わらずの「男性社会」だから「和服」と同じで良いのだ。因みに、髪結い屋も店内と言う考え方を用いれば、入口が奥、髪結い場が下手で、生活の場が上手で人の流れは下手から上手。考え過ぎだろうか。

ヒロイン・糸子への共感、物語への感情移入へ繋がる仕掛け

さて、本編。糸子がまた新しいことを考えて実行した。型紙を作らずにお客さんの身体に直接布を当てて裁断し始めた。普通なら、方法を編み出す過程の試行錯誤を描くのだろうが、そこはテンポの良い本作。いや、きっとこの先描くべきことがたくさんあって、今はたくさん時間を割くべきでないと言う全151回の構成の賜物だろう。

でも、予定調和に見えては意味が無いから、脚本家は手抜きをしない。糸子のこんなモノローグで、ちょっとだけ視聴者をハラハラさせた。

糸子(M)「はよ仕上げる事が できるんやけど…」

と、心の声で言わせておいて、あとで声に出して「大丈夫や」と言わせた上にモノローグで「この方法は いけんで!」まで言わせて、視聴者をホッとさせる。こう言う細やかな配慮が積み重なって、視聴者の心の中のガッツポーズも積み重なり、それがヒロイン・糸子への共感、物語への感情移入へ繋がるのだ。

視聴者をドラマに参加している気分にさせる

10分過ぎに駒子が糸子を訪れる場面や、高級料亭「吉田屋」で奈津が母に話し掛ける場面でも、俯瞰めなカット(やや上から見下ろすようなアングル)が効果的に使われていた。和服の帯の美しさや、女性のうなじの色気を表現するのに効果的だが、そのカットで見えていない部分を視聴者に想像させる意図も含まれる。

今回であらば、「奈津は父親が亡くなって、結婚も入籍だけになり、本当に平気でいるのか?」と心配する糸子や、奈津本人の気持ちとか。上手く言えないが、“視聴者をドラマに参加している気分にさせる” と言えば良いだろうか。

【第38回】物語を、糸子の人生を、前進させる強い意識

上手いなぁ。前回のラストで印象的だった奈津と泰蔵の再会の場面を、今回のアバンでやり直さずに、敢えて前回と似たような場面から始めるなんて。何が何でも、物語を、糸子の人生を、前進させようと言う意識が見える。これまでもそうだった。

紆余曲折や失敗成功を繰り返しはするが、必ず物語も糸子の人生も前に進む。確実に前に。葛藤があって先に進むから予定調和に見えない。むしろ、“応援したくなる程の自然なとんとん拍子” と言うのが正しいか。

絶妙なタイミングでの風鈴の音

今回のサエの「自分の店を出せ」と言う進言ももっともだし、糸子の “家族を支えている証” に電気扇(扇風機)を買うのも糸子らしい。酒徳利の本数で、酒を飲んでいる時の善作の怒りっぽさを表現するなんてのも洒落ている。

劇伴で糸子の決心を盛り上がずに、絶妙なタイミングでの風鈴の音と、もったいぶった善作の言い回しで、糸子の募るイライラを丁寧に慎重に描いていった。そして、「もう一軒別な店を繁盛させたら考えてやっても良い」と言う決定的な善作の言葉尻で、例の劇伴が入って、糸子のイライラが沸点に到達し、また物語が動き出す予感…

玉枝の "女心を知る大人の女性のさりげない優しさ" に涙…

そして、一晩明けると本当に物語が動き出した。展開が速くて気持ちが良い。しかし、このまま進めない。前回同様に、終盤に奈津を持って来る構成で、「奈津の泰蔵への幼き恋のお話」へ。で、いいじゃないか。

女学生の頃のように髪を下した奈津が、玉枝に泰蔵が初恋の相手だったことを打ち明ける場面で、外から八重子と子供たちの声が聞こえたのを察知した玉枝で描かれた “女心を知る大人の女性のさりげない優しさ” のシーンが。

8割が糸子で、2割が奈津。だから2人が同時に輝く

8割は糸子を描いて、2割程度は奈津を描く。だから、それぞれがヒロインと脇役で輝く。2週間ぶりに見た『カーネーション』。『半分、青い。』のお口直しには、味が濃過ぎるのが玉に瑕だが、朝ドラの可能性を思い出させてくれる作品だ。

あとがき

『カーネーション』と『半分、青い。』では、描かれる時代が違いますから、鈴愛が幼稚なのはしょうがないとしても、やはり、物語の芯がハッキリしている点と、ヒロインの性格が明確に描写されている点で、圧倒的に本作に軍配が上がりますね。

最後に。前回の感想(5/11)にナント 195回ものWeb拍手と数々のコメントを頂き、ありがとうございます。『カーネーション』の再開を待ち望んだ読者さんたちの気持ちの表れだと思います。うん、やっぱり断然面白いですね。明日からも楽しみです。

2018年5月23日、椎名林檎トリビュートアルバム 『アダムとイヴの林檎』が発売されました。殆どの収録曲が想定内のカヴァーですが、宇多田ヒカル & 小袋成彬の『丸ノ内サディスティック』は新鮮です。でも最も素晴らしいのが井上陽水さんの『カーネーション』のカヴァー。この1曲のためだけでも “買いの1枚” です。

ご本人は気付かずに(だと思いますが、結果的に)ネタバレをコメントに書いている人が、多くて困っています。ホント、ネタバレは止めて下さい! 私以外にも、今回が初見で番組と感想を楽しみにしている読者さんがおられるので。引き続き、ご協力お願いいたします。 ※しばらくの間、テンプレです(謝)

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【これまでの感想】
第1週『あこがれ』
1,2 3,4 5,6
第2週『運命を開く』
7,8 9,10 11,12
第3週『熱い思い』
13,14 15,1617,18
第4週『誇り』
19,20 21,22 23,24
第5週『私を見て』
25,26 27,28 29,30
第6週『乙女の真心』
31,32 33,34 35,36
第7週『移りゆく日々』

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