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カーネーション:再放送 (第35,36回・2018/5/11) 感想

連続テレビ小説「カーネーション」

NHK総合・連続テレビ小説『カーネーション』公式
第6週『乙女の真心』 『第35,36回』の感想。


 私は本作を初見なので、ネタバレ等のコメントは無視します。
 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。


【第35回】
イブニングドレス作りに気が進まない糸子(尾野真千子)だったが、同僚の川本勝(駿河太郎)は、これから踊り子たちが次々ドレスを作るはず、と励ます。まず安い布で試作品を作った糸子は、朝起きてビックリ。千代(麻生祐未)が試作品のドレスを着ていたのだ。千代は優雅に踊ってみせ、直すところを指摘した。仮縫いを何度も繰り返すはずだったが、サエ(黒谷友香)はそのドレスに大喜びし、そのまま売るように糸子に迫る。

【第36回】
サエ(黒谷友香)を怒らせたことで、糸子(尾野真千子)は店主(団時朗)に延々と叱られる。そんな糸子を川本勝(駿河太郎)が氷屋に誘う。勝の前では、糸子は素直に、商売を忘れてしまう自分を反省する。しばらくしてサエがまた現れる。イブニングドレスにかけるサエの思いを聞いた糸子は意気投合し、心をこめてドレスを仕上げるが、サエの意中の相手を知って仰天してしまう。そして奈津(栗山千明)の運命が変わろうとしていた。
---上記のあらすじは[NHK番組表]より引用---

【第35回】今回もアバンタイトルと本編の使い方が上手い!

しっかし、今回もアバンタイトルと本編の使い方が上手い。まず、アバンでサエがかなりの曲者であることを印象付けて、主題歌明けに糸子が気が進まないことでそれを受け、同僚の川本が珍しく気が抜けた糸子に発破をかけるくだりに加えて、最後は糸子の表情がガラリと変わって、商売人の顔になる過程が。

駒子のエピと似ているのに、新鮮さがあるワケ…

巧みだなぁって思うのは、本作は「糸子の一代記」なのだが、描くべき主軸が2つあると思っている。1つは、糸子の洋裁を含めたファッションのセンスや才能。もう1つは、糸子の商売人としての金銭感覚や勘の鋭さ。

これが、恐らく本作の両輪だと思う。それらを同時に描ければ良いのだが、2つは似ているようで違う。違う2つの魅力を持ち合わせている(ことになるだろう)から、糸子を応援したくなる。

そこで、この度のサエからのイブニングドレスの注文は、この2つを何とか同時に描こうとしているエピソードに見えて来た。だから、前回の感想で書いたように、エピソードが妙に新鮮なのだ、きっと…

貞子ばあちゃんの涙に、こっちまでもらい泣き…

さて、糸子が今回の仕事が上手く行けば、もっと大きな商いになると知って、俄然とやる気を出して、一晩掛けて安い布で試作品を縫い上げた。「安い布」で "商売人としての金銭感覚" を描き、「一晩」で "洋裁のセンスや才能" を同時に描いてしまった。

更に、糸子が朝起きると、千代が試作品のドレスを着ていて、自分が踊って見せて、修正箇所を指摘した。ここまでで10分。このシーンが何気に良いのは、敢えて口うるさい善作を絡めずに、ハルと千代と妹たちと言う女性陣だけで、イブニングドレスの美しさや機能性を語らせた点だ。

何せ、芸達者で超ベテランの正司照枝さんと、かつては『ドリフ大爆笑』のコントで名をはせた麻生祐未さんがダンスを踊るのだから、面白くないはずがない。いや、本作だから見られる面白さだ。

その上、さらりと、神戸の裕福な家で育った設定を活かして、若い時分には舞踏会へ行き、イブニングドレスも仕立てて貰っていたと言う華やかな生活を送っていたことまで描いてしまった。普通なら、自分で自分の過去を語るのだから説明台詞になるはずなのに、糸子が聞きたがっていることがしっかりと描かれているから、説明になんて全く感じない。

そして、千代のちょっと呑気な性格を描いて、糸子が聞きたい肝心な部分は、元気になった貞子にバトンタッチ。その上、家族思いの糸子まで描いちゃったし。ホント、上手いなぁ。貞子ばあちゃんの涙に、こっちまでもらい泣きだ。

やはり、イブニングドレスの話は女の話なのだ

こんなに詰め込んでも、残り3分もある。で、何を描くかと思いきや、仮縫いを何度も繰り返す予定の試作品のドレスをサエが大お気に入り。試作品をこのまま売れと我儘を言い出す。そもそも月とスッポンみたいに相性の良くない2人が店の中で喧嘩を始める。そのやり取りが面白い。

サエ「これで 高(たか) 売ったらええやろ!」
糸子「こんな安物 高(たこ)うなんか 売れるかいな!
   うちの仕事はな 詐欺師ちゃうんや。洋裁師や!」

ここで、今回の15分間のポイントとなる台詞も、サエから発せられる。

サエ「女同士の話なんや」

そう、イブニングドレスの話は女の話なのだ。だから、善作はチラリとも登場しないし、糸子とサエの喧嘩も男たちはカーテン越しに立ち聞きしていた。

糸子の "プロ意識" が描かれ始めたのも新鮮!

そしてラスト。サエをプロの踊り子だと思っていた糸子だが、そうでないことを知る。サエへの落胆が言葉になった時、ついに糸子の口からプロ意識の片鱗が語られた。それがこの糸子の啖呵↓だ。

糸子「うちは 本気で作るんや。本気で着てもらわな 嫌や」

今回の感想の序盤で、本作が描くべき主軸は、糸子の洋裁を含めたファッションのセンスや才能と、糸子の商売人としての金銭感覚や勘の鋭さと書いた。しかし、よ~く考えれば、その両輪の上に乗っかっている、謂わば「車体」に当たる "プロ意識" が重要なのだ。商売人としても洋裁師としてもプロ。それが、今後描かれることが見えた第35回だった。

【第36回】素直な糸子が、自分を冷静に見つめて…

さて、当然アバンは無しで、前回の終盤での糸子とサエの揉め事を、店主が凍る場面から。2回分を連続で見ると、余計に展開の速さが際立って見える。そして、序盤から描くべきを描く。それも敢えて逆説の台詞を言わせて…

糸子「すぐ 儲けっちゅうもんが 頭から飛んでしまう」

これ、常に糸子は「儲け」を考えているってことの裏返し。要は、糸子の商売人としての金銭感覚や勘の鋭さが確実に芽生えて、育っている証拠になる。それも、プロの商売人として尊敬している父親を引き合いに出すことで、画面には登場せずとも、善作を含めたホームドラマであることも描いた。もちろん、それらと同時に "素直な糸子" も描いた訳だが…

川本勝なる男、もしかして…?

ところで、この川本勝なる男、もしかして糸子と結婚する? だとしたら、いいな、こう言う登場のさせ方って。先日は「ロイヤル」は今回限りの舞台かと考えたが、それだけに終わらない "糸子の人生にとって大切な場所" になる訳だから、開始1か月過ぎで、それもさりげなく未来の夫を登場させたのなら、一足お先に天晴と言いたい! もちろん、ネタバレ厳禁で…

心を開いていくサエと本気の糸子のやり取りに感動!

蛇の目傘を差した "場末のダンスホールの踊り子" のサエが、雨の中「ロイヤル」にやって来た。そして、来たね。やっぱり、この言葉が…。だから、この脚本家と気が合うと言いたくなるのだ。

サエ「あんたには 踊りの勘ちゅうもんがある…」

サエが自分の踊りをプロの目に、こう↑言われたと言うくだりだ。「勘」だよね、やっぱり。サエも自身の "踊りの勘" を信じているのだ。しかし、サエはそれを鍛えようとはしなかった。だからきっと、自分より先に自分を鍛えプロ意識の高い糸子に嫉妬し怒りをぶつけたに違いない。

そんなサエのイブニングドレスに賭ける思いに、少しだけプロ意識の先輩である糸子が、グッと来る言葉をサエに言う。

糸子「人は 着るもんで 変わるんや」

そうだ、根岸先生の言葉だ。そして、糸子は自分も駒子も変えて来た。そんな糸子だからサエに言えた心の叫びがこれだろう。

糸子「うちが ほんまの本気で ドレス 作っちゃる。
   ごっつい上物(じょうもん)の 一流のドレスや。
   あんたは とにかく それ 着ぃ。
   毎日着て 毎日踊って ちょっとずつでも
   うちのドレスに 釣り合うだけの踊り子になり」

この時の糸子の表情がとても良い。凛として優しくて。劇伴もスゴイ。ファルセットの女性の歌声に、雷の音に、固い握手。そして、糸子が心を込めた作ったドレスが仕上がった。しかも、その完成品は視聴者には見せないまま。流石、「起承転結」の「結」だ。胸の奥がザワザワするようなクライマックスが待ち構えている予感がしてならない…

春太郎のオチから、奈津の父の死まで急転直下な構成の妙

そして、正に「オチ」が、モダンカンカンの劇伴で顔出しした、カンカン帽を被った春太郎ってか! あぁ、面白い。

と思ったら、いきなり奈津の父親の死。メリハリとか緩急なんてもんじゃない、急転直下の展開だ。今回も、きちんと次週を見たくなる構成で終了。週の後半で描かれた紳士服専門店「ロイヤル」の4回分、見事な「起承転結」でドラマを魅せてくれた。第6週もお見事だった。

あとがき

駒子のエピソードと間を開けずに、似たような洋裁の依頼のエピソードで、どうやって差別化するのかと思ってみましたが、当然、似たような部分も多いですが、展開の速さと日に日に糸子が進化するので、既視感や類似性はあまり感じませんでした。

ただ、今後も仕事の依頼を請け負って納品すると言う一連の流れは何度も登場するはずです。そこの既視感を払拭するのが、今後のポイントになるかも知れません。その意味では、テンポの良さはキープしながら、もっと丁寧に違った角度から、糸子の洋裁を含めたファッションのセンスや才能と、糸子の商売人としての金銭感覚や勘の鋭さを描いたら良いと思います。今後に期待します。

最後に。前回の感想にナント今回も 151回ものWeb拍手と数々のコメントを頂き、ありがとうございます。15分間×4回分ですから、ちょうど1時間ですよ。濃厚過ぎます。そして面白い。早く次回を見たいですが、次回の放送は、5月28日(月)だそうです。2週間、夕方は仕事に集中します(労働者なら当然ですね…苦笑)

ご本人は気付かずに(だと思いますが、結果的に)ネタバレをコメントに書いている人が、多くて困っています。ホント、ネタバレは止めて下さい! 私以外にも、今回が初見で番組と感想を楽しみにしている読者さんがおられるので。引き続き、ご協力お願いいたします。 ※しばらくの間、テンプレです(謝)

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【これまでの感想】
第1週『あこがれ』
1,2 3,4 5,6
第2週『運命を開く』
7,8 9,10 11,12
第3週『熱い思い』
13,14 15,1617,18
第4週『誇り』
19,20 21,22 23,24
第5週『私を見て』
25,26 27,28 29,30
第6週『乙女の真心』
31,32 33,34

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Author : みっきー

★管理人:みっきー

★職業:宴会/映像ディレクター(フリーランス)

★略歴:東京下町生まれ千葉県在住。ホテル音響照明映像オペレータ会社を経て、2001年独立。ホテルでイベント、パーティー、映像コンテンツ等の演出を手掛ける。活動拠点は都内と舞浜の有名ホテル等。

★ブログについて:フリーの宴席/映像ディレクターが、テレビ,映画,CM,ディズニー,音楽,仕事等を綴ります。記事により毒を吐きますのでご勘弁を。

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