カーネーション:再放送 (第29,30回・2018/5/8) 感想

連続テレビ小説「カーネーション」

NHK総合・連続テレビ小説『カーネーション』公式
第5週『私を見て』 『第29,30回』の感想。


 私は本作を初見なので、ネタバレ等のコメントは無視します。
 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。


【第29回】
無事、制服の納品を間に合わせた糸子(尾野真千子)。正月セールでそれを身に着けた店員を見て感激する。糸子は、手伝いの礼に訪れた安岡髪結い店で奈津(栗山千明)に会い、見合いの話を聞くが、奈津が片思いしている泰蔵のことを口にして怒らせてしまう。一方、制服の後に新しい仕事が入るでもなく、小原呉服店はますます左前になっていく。しかも妹の静子(柳生みゆ)が、就職せず糸子を手伝いたいと言い始める。

【第28回】
静子(柳生みゆ)が取ってきた仕事は、一晩でパッチを100枚仕上げるという、とんでもないもの。引き受けた糸子(尾野真千子)に善作(小林薫)は激怒し、家族の手伝いを禁じる。ハル(正司照枝)たちは隙を見て手伝おうとするが、うまくいかない。しかし、夜中に居眠りをする糸子に善作は焦り、結局、寝ないように見張ることに。早朝、なんとか仕上がったパッチを点検していた善作は、とんでもないことに気づき、大騒ぎになる。
---上記のあらすじは[NHK番組表]より引用---

【第29回】早くも冒頭で、胸の奥~の方がザワザワした!

スゴイな、『カーネーション』って。朝ドラで、しかも最終回でもなくて、胸の奥~の方がザワザワしたのって、いつ以来だろう。何日も徹夜して仕上げた制服を無事に納品して、検品中に眠ってしまう糸子も可愛いし、家に帰っても寝っ放しの糸子もそっとしといてやりたいし、でも、糸子と一緒に新しい制服を身に纏った女店員も見てみたいし…

なんて、思って見ていた。すると、開店挨拶の支度を整えた、あの糸子を最初に花村に通した入口の店員らが糸子の制服を着て並んでいる。

店員「あけましておめでとうございます。
   それでは 心斎橋百貨店 開店でございます」

そう言って、全員が一礼をして扉が開いて、静子、清子、糸子の順番で嬉しそうな顔で店員たちの姿を見ながら店に入って行く。あの店員と糸子が僅かな挨拶を交わす。この場面だ。私の胸の奥~の方がザワザワしたのは。何て言うのか、登場人物に共感するとか、脚本の展開が感動的とかでなく、ドラマとしてどうこう言うものでもない。

言うならば、私たちの、普通の、日常生活に於ける “苦労が報われた瞬間の喜びと開放感” だ。それをリアルな描写とドラマチックな描写を上手に組み合わせて、テレビの中の『カーネーション』が体験させてくれた。もう一度書こう。スゴイな、『カーネーション』って。

朝ドラお約束の "立ち聞き" も、本作は "必然" になる!

朝ドラお得意の “立ち聞き” も、本作に掛かると全く “お約束の” って感じがしない。

和服を着た女性客が花村の下へ近づいて、新しい制服を褒めて帰る。そのやり取りを真っ白で妖艶なヴィーナスの石像の横で、嬉しそうに “立ち聞き” していた糸子の純粋さ、その気持ちに、指で小さなOKマークを作って応える花村のお茶目さが “お約束の” を “必然な” に変えた。

糸子と奈津の着物と傘の色の "補色" について考える

次に私の目が釘付けになったのが、糸子と奈津が路地裏で話すシーンでの、衣装と高道具の色使いの妙だ。文字で説明するのは大変難しいが、出来るだけ噛み砕いて書いてみる。まず、2人の衣装と傘の大まかな色使いは、こんな感じ。

   ●糸子の着物は黄色と橙色の中間あたりで、傘は黄緑色。
   ●奈津の着物は黒がベースで濃いめの赤紫色がアクセントで、傘は青色系。

美術には「補色」と言う概念がある。色相環の対面同士の色の組み合わせのことで、「補色」の関係の色同士は互いを目立たせる効果がある。例えば代表的な「補色」関係にはこんなものがある。※色を文字に当て嵌めたので、若干見辛いが…

   ● 青緑
   ● 橙色
   ● 黄色
   ● 赤紫
   ● 水色朱色

どうだろう。奈津の着物と糸子の傘が「赤紫」で、糸子の着物と奈津の傘が「橙色」になっているのが分かるだろうか。この場面は、以前に奈津が人気歌舞伎役者の中村春太郎と遊んでいるのを怪訝に思った頃から、仲良しの幼馴染の仲が悪くなっていることの延長戦上の話。要は糸子と奈津は対照的な関係だ。それを衣装と小道具で魅せたのだ。

実は「補色」については、第9回でバッチ店の箪笥の上の小さな武将らしき人形の足元の青色で触れた。着る物を描く朝ドラだから、いろいろなものを美しく映すのは当然だが、その美しさの表現の中に、ちゃんと演出意図がある。決してそれは「見なさい!」なんて強く訴えずに、何気に視聴者に伝わる仕掛け。これをニクイ演出と私は言いたい。

日記を読んでいる風の淡々とした「語り」が心地良い!

さて、小原呉服店と言う店名なのに呉服の代わりにミシンがあると言うくだり。実は、本作は朝ドラの中でも「語り」が多い部類の作品だ。私は「語り」は必要最小限に留めるべきと考えるから、『半分、青い。』のようにモノローグは感情的だし、「語り」は視聴者に媚を売るように語り掛けるのは大嫌い。言っちゃった!

しかし、本作の「語り」は鼻につかない。なぜか? それは、「語り」の主が主人公である点と、まるで本人が書いた日記を読んでいるような、淡々としたトーンで語られるからだと思っている。

また、生の台詞と「語り」のメリハリが、糸子の内面をより深く表現するのに役立っている。この辺は、脚本と演出と俳優の三位一体が創り出す独特な世界観だ。

展開は速くても、描くべきことはしっかりと描かれている

あらら、予想通り妹の静子が、就職せず糸子を手伝いたいと言い出した。でも、気の強さは姉妹で争えないようで、仕事が無くては手伝わせられないと言われた静子が、四の五の言わずに「仕事 取ってきます」と走り出したのが面白かった。で、僅か1時間で仕事を取って来たと言うのだから、どんだけ展開が速いんだ。だから、気持ちが良いのだが。

糸子「今の小原呉服店は仕事選べる立場ちゃうよって」
善作「何やと?」
糸子「むちゃな仕事かて 受けていかな 家族7人 食べていかれへん!」

一晩でパッチ100枚と言うとんでもない仕事を請けた糸子に、善作は “善作なりの仕事論” で攻撃するが、一方的に断れと言わないのも良い。そして、そんな “善作なりの仕事論” に対して、「家族の生活」が懸かっていることで反論するこのやり取り↑が素敵。夢を追っているようで、ちゃ~んと現実も見ている働く女性に成長しつつある糸子だ。

展開は速くても、描くべきことはしっかりと描かれている。そして、毎回毎回、次回を見たくなるような構成になっている本作。今回は本来なら第5週の金曜日分。従って、次回の土曜日分で、大きな区切りが付きそうだ。次回が待てな…おっと、すぐ見よう。

【第30回】ハルと千代の糸子応援部隊が面白過ぎる!

家族は一切手伝わせない宣言をした善作と、自分のプライドを賭けた一晩で100枚のパッチづくりの一騎打ち。さぞ、緊張感溢れる描写でスタートするかと思いきや、ここはしっかりとホームドラマらしいコミカルな表現を入れて来た。そう、祖母のハルと母・千代の糸子応援部隊のくだりだ。芸達者が集まると、下手なコントよりずっと面白い。

あくまでもホームドラマであることを貫く展開…

で、笑いのあとは、すぐに涙。本当に緩急あるのが気持ちが良い。そして、静子が想像以上に糸子のことや世間の事情を知り考えているのに驚いた。呑気な(ふり?)の千代との対比も面白い。そして、あくまでもホームドラマであることを貫く展開が続く。親子三代に亘る2階の床の下で繰り広げられている攻防戦だ。

しかし、意気込んでいたハルは早々に寝てしまい、「語り」をしている糸子も寝入ってしまっていると言うのが実に愉快。その後の顛末は見ての通り。結局、家族総出で作ったら数時間で済んだって訳だ。それが分かっていて喧嘩を仕掛けた善作と、それにまんまと引っ掛かった糸子の関係も面白いし、仕立て代が倍になったのも、超ご褒美って感じ。

楽しく、慎ましく、家族愛に溢れ、仕事を大切にする小原家

どこまでも楽しく、どこまでも慎ましく、どこまでも家族愛に溢れ、どこまでも仕事を大切にする小原家を描いたホームドラマ。それが『カーネーション』。更に、幼き頃に団子を盗んでいた勘助が、団子泥棒の子供を追っ掛けるくだりまで、おまけに付けたうえで、更に更に糸子と静子の今後が楽しみになるようなエンディング。お見事! の一言だ。

あとがき

予告編の秀逸ですね。ネタバレし過ぎず、興味関心はきちんと惹かせる。最近は、見せ過ぎ、バレ過ぎの予告編と、実際に見てみると予告編で十分だったみたいな朝ドラが多いので、それも関心します。次週も楽しみです。と言っても、明日ですが(笑)

最後に。前回の感想にナント 147回ものWeb拍手と数々のコメントを頂き、ありがとうございます。もう、『半分、青い。』の感想は週1回にして、『カーネーション』に集中しようかと思うほどです。それにしても、“名作の予感” は、まだまだ続いています。これからが、本当に楽しみです。

ご本人は気付かずに(だと思いますが、結果的に)ネタバレをコメントに書いている人が、多くて困っています。ホント、ネタバレは止めて下さい! 私以外にも、今回が初見で番組と感想を楽しみにしている読者さんがおられるので。引き続き、ご協力お願いいたします。 ※しばらくの間、テンプレです(謝)

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【これまでの感想】
第1週『あこがれ』
1,2 3,4 5,6
第2週『運命を開く』
7,8 9,10 11,12
第3週『熱い思い』
13,14 15,1617,18
第4週『誇り』
19,20 21,22 23,24
第5週『私を見て』
25,26 27,28

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