カーネーション:再放送 (第21,22回・2018/4/26) 感想

連続テレビ小説「カーネーション」

NHK総合・連続テレビ小説『カーネーション』公式
第4週『誇り』 『第21,22回』の感想。


 私は本作を未見なので、ネタバレ等のコメントは無視します。
 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。


【第21回】
春太郎(小泉孝太郎)と一緒だった奈津(栗山千明)のことを心配しつつ、家へ帰った糸子(尾野真千子)。善作(小林薫)に洋裁教室やミシンのことを話すが、激しい怒りを買ってしまう。だんじり祭の日、糸子は奈津を見つけて春太郎とのつきあいを注意し、大ゲンカになる。ある日、善作が井戸端にいると、パッチ屋の桝谷(トミーズ雅)がやって来た。桝谷は、糸子が将来有望だと褒め、洋服がこれから主流になるだろうと話す。

【第22回】
善作(小林薫)は根岸(財前直見)に土下座して、糸子(尾野真千子)に洋裁を教えてほしいと頼む。ある日、糸子が家に帰ると、根岸が善作に謡を習っていた。根岸は、1週間だけ小原家に泊まり謡を教わる代わりに、糸子に洋裁を教えることにしたのだと言う。糸子は大喜びし、千代(麻生祐未)たちも洋食を作ろうとするなど、張り切って準備する。いよいよその日、洋服を着こなした根岸が、岸和田の街をさっそうと歩いて来た。
---上記のあらすじは[NHK番組表]より引用---

【第21回】アバンを含めて緩急を考え抜かれた構成

どうして、こんな面白い構成を考えられるんだろう。何が? って、歌舞伎役者の春太郎と奈津の密会の扱いのことだ。前回のラストでチラ見させて、今回のアバンタイトルで再び見せて、オープニング映像明けも、そのまま話が続くのかと思いきや、そうはならない。一度シリアスなシーンを挟んで…大喧嘩。緩急を考え抜かれた構成だ。

主題歌明けの 糸子を描く素晴らしいカメラ割りを解説

主題歌明けの糸子の導線が素晴らしい。ここで言う “導線” とはカメラに対して糸子が歩く道筋(歩く方向)だ。以前『[演出プチ講座] 映像の掟~画面内の人物の位置や視線(目線)の向きには意味がある~』と言う記事の中で書いた「映像の掟」がきちんと守られているのを説明しよう。

まず、糸子が父の善作にミシンのことを相談しようと意気込んで、画面奥からカメラに向かって真正面で向かってくる。このカットは、あくまでもアバンと違う糸子の表情を視聴者に見せるため。しかし、普通なら糸子はカメラに近づいてくるのだから、どんどんアップになるはずなのになっていない。

これ、近づく糸子に合わせてカメラがブームアウトしているのだ。これによって、糸子の背景に映り込む情景がどんどん増えて奥行きが深まり、糸子が手前に吸い込まれて行くような印象になる。そう、糸子は意気込んではいるが、これから善作に吸い込まれて(やり込められて)しまうような雰囲気を作った。

そして、次のカットのカメラは店の中から、上手(画面右)から下手(画面左)に歩くアングルになる。これで、気持ちは大きくなってはいるが絶望や敗北を予想している糸子が出来上がる。このカットが見事なのは、このカットのまま糸子が祖母のハルに反応するために、下手の位置で顔を上手に向きを変えることだ。

そのことで、不安はあるが勝機もあると感じている糸子が出来上がる。そして次のカットは居間でどーんとカメラを引いて、ほぼ画面中央に下手向きの糸子。それがだんだんと寄りになっていくことで、糸子の位置が画面中央から上手に寄って行くことになる。

これで、カット頭では勝気と弱気が半分ずつだったのが、途中からまだ説得出来る可能性は低いものの、強気であることが表現されているのだ。カメラの寄り方と糸子が何とか善作を説得しようと必死なことが、シンクロしていると言うわけ。そして「心斎橋」で善作の怒りが沸点になると、2人は各自のアップのカットになって、切り返すだけ。

これによって、2人の関係は壊れたことが分かる。そのことを更に強調したのが、2人が言い争う声は聞こえているのに、画面には2人はおらず、怖がる糸子の3人の妹たちだけのカット。もはや、修復不可能な父と娘の関係のようにオーバーな表現にしたからこそ、布団の中で1人泣いている糸子の口惜しさと悲しみが視聴者に伝わるのだ。

"晴れから雨降りになるだんじり" の場面転換が良かった!

場面転換もいい。夜通し泣いたかもしれない描写は入れずに、だんじり祭り本番の場面にパッと転換。ここまでの6分間は、この糸子の語り↓のためにあった訳だ。

糸子(N)「だんじり 見とったら
     ちっこい事で悩んでるんが アホらしくなります」

この割り切りの良さと言うか、切り返しの速さも糸子の良いとこ。それを「ミシン教室のチラシ」から「だんじり」に場面転換しただけで、糸子の特徴も描いた上に、本作が強調したり印象付けようとする場面で使う “雨降り” を、ここでも使って来た。以前は大雨の中で善作が千代の簪を二階から投げ捨てたが、今回は何なの? と期待が高まる。

そこへ、なんと糸子の視界に着物姿の奈津が入って来る。不穏な劇伴。春太郎との付き合いを止めろと言う糸子と反発する奈津も面白いが、泰蔵に仲裁に入られて逃げだす奈津も面白い。もしかして、奈津は男運が悪いと言う設定なのかも? その辺も今後の展開が楽しみだ。

だんじり祭りが落ち着いた夕方の井戸端で…

面白い構成と言えば、だんじり祭りが落ち着いた夕方の井戸端で、善作とパッチ屋の桝谷のやり取りの中の演出のアイデアも面白い。最初の頃の枡谷の言葉は、不況を理由に糸子をクビにしたのを申し訳なく思って、ちょっと善作におべっかを使っているように描いて、途中からシリアスな劇伴が流れた途端…

本当に糸子が有望で、これから到来する洋服が主流の時代を生き抜く力を自分(枡谷)より持っていることを、善作に諭すように見せた場面だ。これで、枡谷と言う男が、他人の裁縫の才能と、商才(商いのセンス)が良い事を描いた。

もし、のちに、糸子と枡谷が "ミシン" で再会したら…

今後の展開は、当然糸子が裁縫を進めていくに違いないし、糸子はミシンを買えないのだから、「本当の洋服の時代」がやって来た時に、糸子と枡谷が “ミシン” を介して再会したら、これもち密な脇役の設定が為せる業だ、とその時に称賛したいと思う。

【第22回】糸子に降参したから、帽子を脱いだ善作

前回の終盤で、心斎橋の根岸のミシン教室にやって来た善作。お馴染みの高級パーラーで根岸を待つ善作。最初はいつものようにカンカン帽を被っているのに、根岸が向かいに座っているカットになったら帽子を取ってコーヒーを飲んでいるのが、これから何かが起こる予感だ。カンカン帽で大腕を振って大来を闊歩するのが善作スタイルだから。

善作「もうそろそろ 降参ですわ」

そうか、善作は糸子の執念のような熱い夢への思いに “降参” したから、帽子を脱いだのか。結構、展開が速くて驚いた。と言うのも、偶然に現在放送中の『半分、青い』も今日が第22回。あちらはやっと主人公が漫画を描き上げただけ。でも、こちらの主人公は自分の夢を見つけ、周囲や家族らが応援をし始めている。

比べる意味は無いが、違いは明らか。断然、本作の方が筋が通っていて、話が前進している。もちろん主人公がどんな人物であるかも明瞭。もう一度書く。特に比べる意味は無いが…

あの幼少期の団子屋にコミカルな劇伴で、まるでコント!

さて、勘助が中卒で就職した紡績工場をクビになった。自分と同じ無職の身分になった勘助を嬉しそうに見に行こうとする糸子が可愛い。でも、既に勘助は近所の和菓子店に再就職していた。それもあの幼少期の団子屋に(笑) コミカルな劇伴のお蔭で、まるでコント。そりゃ、尾野真千子さんと濱田マリさんと尾上寛之さんなら、楽しくなるわなぁ。

ホントに、犬猿の仲同然の祖母のハルと根岸が仲直りするかも?

で。え~~っ! 根岸が帰京の前1週間の休暇を取って、善作から謡を教えて貰うことになった上に、1週間小原家に泊まって糸子に洋裁を教えるのか! 面白いことを考えるなぁ。先日の感想で、犬猿の仲同然の祖母のハルと根岸が仲直りしたら面白いのにと書いたが、これで本当にお膳立てが出来ちゃったではないか。それにしても正司照枝さんも芝居、上手いなぁ。

あとがき

この2回は、根岸が糸子に洋裁を教えることになる経緯を丁寧に、且つコミカルに魅せてくれたってことですね。笑いあり、怒鳴りあり、土下座あり(無かったか?)、笑顔ありの30分でした。流れが自然ですね。テンポ良く進むのに、ご都合主義とか説明不足が無い。もちろん過剰説明も無い。飽きない程度に情報を小出しにして前進させている印象です。

最後に。前回の感想に、114回もの Web拍手と数々のコメントを頂き、ありがとうございます。シリアスもコメディも出来る両刀使いの俳優さんたちが集まっていることを、最大限に生かした脚本と演出で魅せた第21,22回。満足度が高いです。さて、明日が週末2回分ですよね。そろそろ、洋服を着た糸子が登場するのかなぁ。楽しみ楽しみ…
(何とか、今日中に感想が間に合って良かった良かった…)

ご本人は気付かずに(だと思いますが、結果的に)ネタバレをコメントに書いている人が、多くて困っています。ホント、ネタバレは止めて下さい! 私以外にも、今回が初見で番組と感想を楽しみにしている読者さんがおられるので。引き続き、ご協力お願いいたします。
※しばらくの間、テンプレです(謝)

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【これまでの感想】
第1週『あこがれ』
1,2 3,4 5,6
第2週『運命を開く』
7,8 9,10 11,12
第3週『熱い思い』
13,14 15,1617,18
第4週『誇り』
19,20

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