半分、青い。 (第10回・4/12) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『半分、青い。』(公式)
第2週『聞きたい!』
『第10回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
耳鳴りをうったえ、精密検査を受けた鈴愛(矢崎由紗)。検査の結果が出るまで2週間を要するという。鈴愛自身も家族も、処方された薬を飲めば治ると信じていた。2週間後、結果を聞くために再び大学病院を訪ねた晴(松雪泰子)と宇太郎(滝藤賢一)。医師から告げられたのは、鈴愛の左耳は既に完全に失聴しており、もう二度と治ることはない、というものだった。何も知らない鈴愛に、晴と宇太郎が検査の結果を伝える…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
普通なら、あのまま病名を知らされ、家族一同落ち込んで…
ほぉ~。前回のラストで描かれた耳鼻科医院での聴力検査室のシーンをなぞってのアバンタイトルかと思いきや、いきなり鈴愛が教室で自分の左耳がおかしいことを、面白おかしく律ら同級生に絵まで描いて説明するアバンタイトルで始まった。普通なら、あのまま病名を知らされ、家族一同落ち込んで…と、進みそうだが。
そこをガラリと裏切って、鈴愛の感性が独特であることを重視して描いて来たのは驚いた。だって、前回の最後のナレーションも絶望的だったから。
片耳失聴は "1つの個性" に過ぎないと言う描き方に?
やはり本作は、病気で片耳失聴になった女の子が困難を乗り越えて成長していく物語でなく、ちょっとぼんやりしているけれど失敗を恐れない前向きな主人公が、個性的な感性を武器に70年代から現代まで生き抜く物語なんだ。このヒロインにとって片耳失聴は “1つの個性” に過ぎないと言う描き方になる予感。その方がいい…と思う。
診察室の俯瞰カットが印象的だった…
主題歌明け。大学病院の診察室内。医師、晴と宇太郎の3ショットを俯瞰でカーテンレール越しに切り取ったカットが印象的だった。あのカット1つで晴と宇太郎の驚きは戸惑いが表現できる。その直後にもドリー移動で3人を入れ込んだカットが続く。窓からの逆光を生かしつつ、晴と宇太郎の瞳に滲む涙にキャッチライトで、絶望感はほぼ皆無に見せてる。
決して、重苦しいシーンにならない演出的な配慮だろう。劇伴もやさしいエレピの音で、あくまでもこのシーンが両親にとって娘の一大事を受け止める修羅場の1つでなく、鈴愛の片耳失聴は “彼女が成長していく過程の1つ” に過ぎないように描かれているように、娘の病気も両親の子育ての過程に起きた1つの大きな出来事として描こうとされているように思う。
真実を知った鈴愛で、いろいろな顔が描かれた…
律の家のシーンを介して、夜の楡野家。両親がどうやって病名を鈴愛に告げるのかと思ったら、こんなせつない晴の台詞から始まった…
晴「もう のまなくていいの」
両親から真実を知らされた鈴愛の答えが鈴愛らしくてかわいらしい…
鈴愛「もう 海から帰ってこんか。
バイバイって言えんかったな…
元気な時の左耳に バイバイ 今までありがとなって
言えんかった。突然やった」
小学校3年生の鈴愛が現実をどこまで受け入れられるのか、受け入れられたのか知る由もの無いが、自分のことで弟が大好きなテレビを見られないことには配慮できるのが鈴愛。こんな時でも、1人で部屋の天井のシミを見て「あっ 龍や」と言えちゃうのも鈴愛なのだ。
天井を見る鈴愛の俯瞰カットも良かった!
そして、ラストカットも俯瞰で今度は鈴愛の1ショット。箪笥やカラーボックスが僅かに映り込む日常の空間で、突然聞かされた非日常を受け止めた鈴愛の心情を「これだ」と言わずに視聴者の心に投げたカットとナレーション。今回も脚本と演出が上手くマッチした15分間だった。
あとがき
鈴愛「右側だけ 雨が降ってるみたい。これ↑は、第1回の冒頭で高校生の鈴愛が突然降りだした雨の中、律から借りた傘を差して言う台詞です。今回の第10回のラストシーンの鈴愛とシンクロしましたね。回収したと言うより、ちゃんと繋がってる。前回から見違える程に普通に楽しめる朝ドラになりつつあると感じています…
でも これを悲しいと思うか面白いと思うかは その人次第。
そして 私なんかは ちょっとこれ 面白いなんて思うんだ」
最後に。前回の感想に、68回ものWeb拍手や数々のコメントを頂き、ありがとうございます。脚本と演出が上手く絡み出しましたね。あとは、もっと鈴愛の内面を直接描いて欲しいかな? 台詞や仕草で視聴者に想像させる場面がちょっと多いんです。そこが減ると、グッと鈴愛がどんな人間なのか見えてくる思うので…
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