半分、青い。 (第9回・4/11) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『半分、青い。』(公式)
第2週『聞きたい!』
『第9回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
晴(松雪泰子)と大げんかの末、家を飛び出した鈴愛(矢崎由紗)。行くあてもなく、たどり着いたのは律(高村佳偉人)の家だった。和子(原田知世)から連絡を受け、鈴愛を迎えに来た晴は、律の口から自分に隠し事をした鈴愛の真意を聞く。娘の思いやりに心を打たれ、鈴愛と晴は母子の絆をより一層深めることに。翌朝、鈴愛が耳の不調を訴える。貴美香(余貴美子)の紹介で、名古屋の大学病院で精密検査を受けることになり…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
家族の大切さを描くなら、鈴愛を探しに行くべきでは?
どうして鈴愛を探しに行く場面から始まらなかったんだろう? 今回の疑問はこれ一点。母親・晴が怒っており、更に「どうせ行く所がない」と判断しているから動かないのは筋が通るとして、カセットテープの録音を聞いている時間を含めて、前回のラストで鈴愛が家を出てから一定の時間経過はあるはず。
なのに、どうして、父親・宇太郎と祖父・仙吉は鈴愛を探しに行かないの? カセットテープに録音するとか口裂け女を出したいがためなの? それが理由でも、アバンタイトルで父親と祖父がふくろう商店街を捜し歩く数秒間の映像があれば、完全に違和感を払拭できるのに。何か、何かなぁ
立ち合い分娩の理由が会話で回収されたのは良かった!
さて、ちょっと良かったことがあった。律の家で律の母・和子(原田知世)が母親の有難味を鈴愛に話すくだりの中に、晴の武勇伝があり、そこで第1週で描かれた1970年代には珍しい夫立ち合い分娩で鈴愛が生まれた理由が明かされた。私も引っ掛かっていただけに、会話の中で回収したのは良かった。こう言うのが繰り返されると良い…
きちんと台詞で事情説明をするようになってきた!
今回でかなりハッキリしてきたのが、きちんと台詞で事情説明をするようになってきたことだ。これまでは立ち合い分娩の件のように一旦スルーをしたり、雰囲気で誤魔化していたりしたのを、登場人物の台詞で言わせてきた。もちろん、全体を通してみると “今更感” が無い訳でもないが、脚本家がこう言う手法だと分かれば、今後納得できる。
例えば、ブッチャーが鈴愛をからかう理由を律が晴に説明し、ブッチャーを悪者にしない姿勢を描いて、律の優しくてまじめな性格をきちんと描いた。また、晴に「律君みたいな子が友達で鈴愛は幸せやね」と律に直接言わせて、“鈴愛の良き理解者” であることを描いた。
仙吉のいろんな意味での "まともさ" が描かれた!
また、こんな仙吉と晴のやり取りもあった。
仙吉「元気にならんとな。孫にまで心配させちゃいかん」
晴「鈴愛の糸電話?」
仙吉「うれしかった」
「孫にまで心配させちゃいかん」と言うなら、なぜ自分は孫の心配をして真っ先に夜の街に孫を探しに行かなかったのかと言う疑問に帰着はするが(だから、冒頭で探しに行くべきだった)、これまでぼんやりとしか孫への思いが描かれなかった仙吉のいろんな意味での “まともさ” が台詞で表現された。
こう言う具体的な台詞による積み重ねが大事なのだ。特に半年も続く朝ドラは。
鈴愛の "思い立ったら即実行" が左耳の違和感で活かされた!
11分頃、ついに鈴愛が自分の左耳の異変に気付いた。鈴愛が自ら異変に気付いて母の晴に言うと言う流れだった。勝手な予想で何らかの大病が原因で片耳難聴になると思っていたから、ちょっと驚いた。
しかし、この流れのお蔭でこれまでの “思い立ったら即実行” の鈴愛が踏襲されたし、“自分の道は自分で切り開く” と言う部分にも繋がるように描かれた。
聴覚検査室でボタンを握りしめる鈴愛の表情がせつない…
自立性の強い主人公が誕生した瞬間と言って良いのでは? それだけに聴力検査室に入った時の、検査音を聴くためにボタンを握りしめる鈴愛の真正面からのバストショットの何とも言えぬ、これまで見せなかった鈴愛の表情がせつない…
いよいよ物語が動き出す予感をたっぷり漂わせた第9回。若干テンポは遅いが、これまでで一番見応えがあった15分間だ。
あとがき
脚本の北川悦吏子さんは、2012年、左耳が突発性難聴と診断され、その後に聴神経腫瘍と判明して現在は左耳が完全失聴しているそうです。実は私も2012年に左耳が突発性難聴になりました。私の場合は入院もせず投薬だけで、運良く聴力はほぼ改善しました。でも、あの聴力検査室に入った時の不安感や耳の違和感は今でも忘れません。
おっと、個人的な話はどうでも良いですね。今回は本文に書いた通り、親たちが鈴愛を探しに行かなかった不自然さだけ気になりました。でも、何となく本作は遠回りに後出しで、いろいろ描いていくことが今回で分かったのは良かったです。
最後に。前回の感想に、57回ものWeb拍手や数々のコメントを頂き、ありがとうございます。前回は「次の感想は月曜日で良いのかもなぁ」なんて書きましたが、ちゃんと感想を書くべき内容で良かったです。いよいよ物語が動き出しますね。それが主人公の片耳難聴から始まるのをどう捉えるか? こうなると、やはり演出次第ですかね。
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