海月姫 (第4話・2018/2/5) 感想

海月姫

フジテレビ系・月9『海月姫』公式
第4話『緊急出動!落ちこぼれ達が起こす大逆転劇!』の感想。
なお、原作:東村アキコ「海月姫」(講談社「Kiss」所載)は既読で、2014年12月27日公開の監督・川村泰祐/主演・能年玲奈の映画『海月姫』は鑑賞済み(感想なし)。アニメは未見。


蔵之介(瀬戸康史)に会おうとしてオシャレ人間が集まるクラブに迷い込んだ月海(芳根京子)ら‘尼~ず’は、彼の友人・琴音(最上もが)から格好をばかにされ、改めて彼とは住む世界が違うと気付く。そんな中、蔵之介は琴音から、今度プロデュースするミュージックビデオにクラゲのドレスを使いたいと依頼される。そこで蔵之介は、別の衣装を天水館に持ち込み、これを基に3日で10枚のドレスを作ろうと月海らに話すが…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---


脚本:徳永友一(過去作/HOPE~期待ゼロの新入社員~、僕たちがやりました)
演出:石川淳一(過去作/リーガル・ハイ、リスクの神様、フラジャイル) 第1,2
   山内大典(過去作/キャリア~掟破りの警察署長~、櫻子さんの足…) 第3,4

冒頭の "尼~ず" の「蔵之介、男性疑惑?」が面白過ぎる!

既に、第3話までが予想外の仕上がりの良さだったから、何の心配もなく見始めた第4話。冒頭の蔵之介(瀬戸康史)が “尼~ず ” に、「男ではないか?」と嫌疑がかかるくだりなんて、本当に本作らしい展開。

まず、喫茶店でしどろもどろの蔵之介で一度ハラハラさせてから、蔵之介がスックと立ち上がりシャンデリアを背負って「鯉渕蔵子よ」と強引にその場しのぎ。で、天水館では千絵子(富山えり子)の “オスカル比喩” で潜り抜ける。

これだけでも楽しいのに、その間で繰り広げられていたまやや(内田理央)とばんば(松井玲奈)の再現劇場からの「北京ダック」経由で、オシャレ人間が集まるクラブに迷い込む。まるでバタフライが舞うような美しいスムーズさだね。

"あっち側とこっち側の橋渡し役" の蔵之介が魅力的!

そして、今回の物語は6分頃の蔵之介が発したこの台詞↓から動き出す。

蔵之介「誰って… 友達」

そして、蔵之介が蔵之介の友人・琴音(最上もが)が、まややとばんばの格好をばかにしたことを謝る。何もなかったように、自分のオタクの殻に閉じ籠る2人。

蔵之介「ごめんな。あいつらが失礼なこと」
まやや「はあ? 何のことだ?
    俺たち 失礼ちっくなこと言われましたかのう?」
ばんば「さあ?」

蔵之介も一安心して、改めて今夜の目的地である高級中華店に誘おうと、2人の背中をポンと叩くと、意外な反応が返って来る。

ばんば「わしは 天水館に帰る」
蔵之介「ばんばさん?」
まやや「俺たちも帰る。行くぞ、月海殿」
月 海「はい」

いいねぇ。前回までは、 未だに現代社会に上手く適合できずに賢く世の中を歩けないが、自分が認める世界の中では生き生きと自分らしく生きている人たちの代表として、謂わばアイコン的に “オタク” や “オシャレ美男子” や “童貞エリート” たちが描かれた。

しかし、今回はそこから一歩踏み込んで、月海から見て蔵之介を「あっち側の人間」として描いた。本当は蔵之介も「こっち側の人間」の要素を十分に持った人間なのに。この月見の勘違いを巧みに利用して、第4話は構成された。蔵之介を “あっち側とこっち側の橋渡し役” に仕立てたのだ。

自分たちの殻に閉じ籠ること(=刺激のないぬるま湯のような暮らし)が “安心” であり “アイデンティティー” でもあるとする “尼~ず” たちの殻に、ほんのちょっぴり風穴を開けて、風通しを良くしてあげる蔵之介の “いいヤツ” っぷりが半端ないし、月海(芳根京子) と 修(工藤阿須加)の三角関係に悩む姿も切なく可愛い。

月海の裁ちバサミに洋服の神様が降臨するシーンは感動的!

その後、物語は紆余曲折あるものの全員参加で、バックダンサーたちの衣裳作りが始まる。38分頃の、月海の裁ちバサミに洋服の神様が降臨するシーンなんて、如何にも少女漫画チックで感動的。裁ちバサミを日本刀に見立てた際の目が座って覚醒した月海を演じた芳根京子さん自身の演技も覚醒していた。

人間の尊厳まで描く「ギャグ満載のシンデレラ・ラブコメ」だ!

結果的に、今回は “オシャレ美男子” が女装する理由や心も美しいワケ、“童貞エリート” が実は芯のある男である一面、そして “尼~ず” が、自分たちが内面でなく外見で差別されていることと、“あっち側とこっち側 ” に厚い壁などないことに気付いたことが描かれた。

これ、単純に「ギャグ満載のシンデレラ・ラブコメ」とジャンル分けしちゃだめだね。しっかりと人間性や人の尊厳まで背後で描いているから。恐るべし今期の月9『海月姫』。

主題歌をドラマや演技を殺すような場面で使うのは反則!

褒めまくった感想の最後に、1つだけ不満を。28分頃、修(工藤阿須加)が翔子(泉里香)の部屋から出て行き、翔子が「童貞のくせに」と愚痴るあたりから主題歌のイントロが始まる。場面はその後、寒空の下、待合せ場所で待ちぼうけを食らう月海のもとへコートを持った蔵之介が走り寄る。

月海の修への気持ち、蔵之介の月海への思いを、芳根京子さんと瀬戸康史さんが最高の芝居で魅せているのに、大切な台詞が聞き取り難くなるような甲高いヴォーカルの音量を上げたのか信じられない。主題歌を流すなとは言わない。しかし、ドラマや演技を殺すような場面で使うのは反則だ。この一点だけ残念だった。

あとがき

第4話の視聴率は、投稿時点では未発表ですが、『突然ですが、明日結婚します』を下回る視聴率で打切りも…なんてニュースもありますが、私は質の高いドラマだと思います。食わず嫌いで未見の方、観れば良さが分かります。

それにしても、人間を描こうとしている脚本、俳優さんたちの演技を活かし、ギャグとシリアスのバランスのよい演出、そして観る度に登場人物も演者も好きなっていくドラマです。あとは、主題歌のタイミングとラブコメ風味をどこまで押し出すか? 次回にも大いに期待します。

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【これまでの感想】
第1話 第2話 第3話

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