わろてんか (第99回・1/30) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『わろてんか』(公式)
第18週『女興行師てん』
『第99回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
てん(葵わかな)は伊能(高橋一生)や風太(濱田岳)の支えもあって、北村笑店社長の重責を果たしていたが、世間からお飾りの女社長と見られていることが気になっていた。それを知った伊能は、女性ならではの視点で新しいスター芸人を発掘するべきだとてんを焚(た)きつける。子育てのため会社を休職中のトキ(徳永えり)が芸人発掘の手伝いをしたいと駆けつけて、てんは女興行主として芸人発掘への挑戦を始める。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
中途半端な火曜日に「4年間」も時間経過するなら…
N「藤吉が亡くなって はや4年」
「まだ、藤吉をやるの?」と言う苛立ちと、中途半端な火曜日に「4年間」も時間経過するなら、飛鳥の誕生まで土曜日で済ませても良かったのでは?と言う残念さと、目の前に映る主人公が昭和9年で41歳前後である驚きで始まったあと1回で100回となる第99回のアバンタイトル。
残念ながら、脚本家は確信犯的に、完全に視聴者置いてけぼりにしたのが、応援する身としては無念でならない…
先代より "てん社長時代" の方が順調に見えて良いの?
N「おトキと風太の支えもあって 北村笑店は ますます大繁盛」
そして、この↑ナレーションを聞き、2分40秒近くのアバンを観た限りでは、藤吉社長時代よりも「描かれなかった4年間」の北村笑店の方が経営が順調に見えるし、女社長となった “てん社長時代” の方が会社組織としてもまともに見えたのだが、果たしてこれで良いのだろうか?
「おトキと風太」の名前の順序も、12分過ぎを見たあとでないとおかしいだろ?
今回のてん、お世辞にも屋台骨を支えた女社長に見えず!
何か、何かなぁ。思っていたのと全然違う。序盤では4年間の業績が良かったのは藤吉社長のお蔭と言わんばかりに描いておいて、伊能が登場すると屋台骨を支えて来たのは主人公だと言う。しかし、風太の「全国大万歳大会」と伊能の「歌謡シヨウ」への主人公の無反応っぷりを見ると、お世辞にも屋台骨を支えた風には見えない。
伊能は、"主人公の閃きのヒント役" になっては困る!
前回の感想で、女性ゆえに世間からお飾り社長と呼ばれる主人公の孤軍奮闘を描く「笑いの帝国を気付いた女社長の一代記」を始めて欲しいと書いたが、完全に伊能が一定方向に話を進める役になっているのが本当に残念。だって、私が観たかったのは、私が観たいのは “てんの閃き” であって、伊能が言うこんなこと↓ではないのだ。
伊能「おてんさん自らの手で 新しいスタアを発掘するんだ」
主人公が女社長として世間から認められるには、「新たな企画」や「新たな業態」であって、今の時点で伊能が「女興行師としてしかできないこと」までお膳立てするのは、明らかにやりすぎ。4年間をすっ飛ばしたなら、表面上の経営は順調でも、 “主人公の心の中は満たされない ” ことを描いてから、伊能が「次のスタア探し」のヒントを出すべきだった。
既に主人公が「新しいスタアを発掘した話」になっている!?
燕團治 「ごうりょうさんなら大丈夫」
柳々亭燕團治のこの台詞↑も、完全に一言多いパターン。風太の「隼也が跡を継ぐまでのつなぎ」も一緒。そもそも、4年間だけでなくその前の主人公の働きっぷりすら、まともに描かれていないし、それを言うなら藤吉の働きっぷりも、隼也がどうなっているのかも描かれていないのに、話は主人公が「新しいスタアを発掘した話」になっている。
主人公自体が "わろてんかのお飾り” になっちゃった!
うーん。やはりダメか?本作がこの4か月を無視して再出発できる絶好のチャンスなのに、自ら藤吉や隼也の話を引っ張って、強引に北村笑店の発展だけを描こうとしているし、この主人公自体が『わろてんか』の “お飾り ” になってしまった。だから、今回の終盤におトキが主人公に力を貸すことになって、「シュッとしたおなごの万歳」を閃いても感動がない。
冒頭のナレーションでの「おトキと風太」への違和感、伊能のウインクへの違和感、突然「おなご」を言い出すおトキの違和感の中では、“閃き” と言うより “当然の思い付き ” にしか見えない。リリコの再登場も同じ。先のレールが見えちゃったのは、これまでよりも悪化しているとしか言いようがない。
あとがき
脚本家が敷いたレールの上を歩いているだけにしか見えない主人公を応援する気がかなり減りました。だって、普通なら自分が田舎から「母親代わり」みたいにして連れて来た「安木節乙女組」のことを少しは思い出すとかしても良いでしょ?
それに一部の視聴者サービスか知りませんが、あの展開で伊能が主人公にウインクするのは絶対におかしい。せめて、高橋一生さんのアドリブでないことを祈るばかりです…
最後に。前回の感想に、72回もの Web拍手や数々のコメントを頂戴し、ありがとうございます。折角、主人公の閃きの連続で物語が進んで行くのかと思いきや、全部お膳立てありきなんですね。がっかりです。
この先の望みは、今回の展開が今週限りなのかどうか。もしずっと続くようなら、予定調和の連続になるでしょう。折角、NHK自信がモデルはいてもフィクションだと明言しているのに…
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★「北村(藤岡)てん」のモデル「吉本せい」のについて書かれた本の感想
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[読書] 吉本せいと林正之助 愛と勇気の言葉 (坂本 優二/著・イースト・プレス) 感想
【これまでの感想】
●「わろてんか」なぜ視聴者を “場違いの笑いと置いてけぼり” を続けるのか?(2017/10/15)
第1週『わろたらアカン』
1 2 3 4 5 6
第2週『父の笑い』
7 8 9 10 11 12
第3週『一生笑わしたる』
13 14 15 16 17 18
第4週『始末屋のごりょんさん』
19 20 21 22 23 24
第5週『笑いを商売に』
25 26 27 28 29 30
第6週『ふたりの夢の寄席』
31 32 33 34 35 36
第7週『風鳥亭、羽ばたく』
37 38 39 40 41 42
第8週『笑売の道』
43 44 45 46 47 48
第9週『女のかんにん袋』
49 50 51 52 53 54
第10週『笑いの神様』
55 56 57 58 59 60
第11週『われても末に』
61 62 63 64 65 66
第12週『お笑い大阪 春の陣』
67 68 69 70 71 72
第13週『エッサッサ乙女組』
73 74 75 76
第14週『みんなの夢』
77 78 79
第15週『泣いたらあかん』
80 81 82 83 84 85
第16週『笑いの新時代』
86 87 88 89 90 91
第17週『ずっと、わろてんか』
92 93 94 95 96 97
第18週『女興行師てん』
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