わろてんか (第97回・1/27) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『わろてんか』(公式)
第17週『ずっと、わろてんか』
『第97回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
藤吉(松坂桃李)が夢見た新しい万歳が完成した3日後、容体が急変する。てん(葵わかな)は病室のベッド脇で、ずっと藤吉の手を握り静かに見守っていた。目を覚ました藤吉は夢を見ていたとてんに話す。昔てんが実家の蔵に閉じ込められた時、自分だけに見せてくれた笑顔がまぶしかったこと、その後もてんの笑顔に勇気づけられて人生を楽しく生きてこられたことなど、藤吉はてんに対するあふれんばかりの思いを語り始める。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
ドラマとしては藤吉が "死ぬ気満々" にしか見えなかった!
さて、どこからどう書いて良いのやら。とにかく、まず書いておくべき、いや言うておくべきは、「松坂桃李さん、やり過ぎや!」ってことだろうか。
そもそも、脳卒中で今回で倒れるのが3度目の割にこれまでも手足の一部の麻痺はあったものの、そこそこ喋れてもいる状態から、息を引き取るの不思議であり、ドラマとしては “死ぬ気満々” と言わざるを得ない。
てんと一緒に "藤吉のボソ声の長台詞終わり待ち" か?
とにかく、殆どの家庭やスマホのテレビに字幕機能があるから良かったから放送事故を免れたような、藤吉のボソ声の長台詞に唖然としてしまった。
その長台詞を視聴者に聞かせるために、医師も看護師も不在にし、主人公も相槌を打つ程度のリアクションで、視聴者と一緒に藤吉はんの台詞終わり待ちって…これが “わろてんかポイント” なの?
臨終場面の提案1:風太が藤吉から預かった手紙を読む
こんな臨終場面なら、私であれば2通り策がある。1つは、『マッサン』でエリーが亡くなる前に「私が天国に行ってから」読んでとマッサンに手紙を渡すくだりをアレンジ。さっさと「ナレ死」で葬儀も終えた晩にして、藤吉から手紙を預かっていると風太が言い出し、風太が涙で読めなくなったらトキが読む。これなら作者の言いたいことは伝わる。
臨終場面の提案2:てんが一方的に話して藤吉は目で返事
もう1つは、既に病床の藤吉は末期で医師と看護師が病室から出て行く場面から始まって、喋ることの出来ない藤吉に主人公が一方的に話しかけることに、藤吉は目だけで返事をするとか。これぞこれまで書いてきた「藤吉の余命を引き伸ばす展開」の究極ヴァージョンであり、「藤吉の臨終を引き伸ばす展開」は流石に長~い蛇足と言うしかない。
藤吉の長台詞の字幕より、てんの存在感が薄くて唖然!
さて、10分近く臨終の藤吉の傍にべったりだった主人公の存在感が、藤吉の台詞よりも存在感が薄かったのにも唖然とすると共に、『あさが来た』での新次郎はんや、『マッサン』でのエリーの臨終は良く出来ていたと思い出した。3か月半も毎日見続けた登場人物の死だ。込み上げてくるものがあって当然だとも思うが、3度見直しをしたが何の感慨も無かった…
喪服アップからの、トキの着付け場面の "待ってましたって感"
死んだ藤吉の病床の俯瞰カット(上から下向きに撮影)に、白装束のアップが直結されてのにも驚いた。普通は病院の中庭辺りに咲く花一輪のアップのインサートカットがあっても良さそうだが。そんな1カットが無いから、死ぬまでは引き伸ばして、“いざ死んだら待ってました ” と言う印象になる。
更に意味深に白装束を強調するから、主人公の祖母・ハツから母・しず、そして主人公へ引き継がれた由緒ある喪服からの連想ゲームで、藤吉の姉・頼子が喪服を粗雑に扱ったシーンまで思い出してしまい、頼子は今何処へ?と無駄なことまで考えてしまった。
更に更に、私がブライダル業界に足を突っ込んでいるから感じるのかも知れないが、トキの着付け姿が 白無垢や色内掛を着せているように見えて、益々 “いざ死んだら、待ってました ” と言わんばかり。もう、15分間の尺を埋めるのに必死でしょうがないと言うのが見え見えなのだ。
最後の最後に "家族で香典整理" は生々しくない?
そして、最後の最後に “家族で香典の整理” か。一応、主人公の夫が亡くなって妻が仏前で悲しんでいるのに。確かに、リアリティーはある。「伊能はん、ぎょうさん入ってるでぇ」みたいなのが普通の現実だ。
しかし、ここは止すべきだったのでは?下品と言うか、下世話と言うか、俗的で生々しいと言うか。普通に、茶でもすすりながら、うなだれているだけで良かったような…
あとがき
結局、てんと藤吉が夫婦で生きている内に、主人公が藤吉と二人三脚で北村笑店を大きくしていくのを観たいと思い、最上部のサムネイル画像にそんな願いを込めたのですが、寄席の拡大は藤吉が一方的に進め、主人公はたまに何かを閃くだけで終わってしまったのが残念でした。
最後に。前回の「 勝手に引用したり真似するのは良くないですよ?「」と突っ込まれた感想にも関わらず、60回もの Web拍手や数々のコメントを頂戴し、ありがとうございます。
こんな内容ですから、似たような感想になりますよ。褒めるか愚痴かですもの。まっ、いいです。とにかく、藤吉がいなくなったのですから、いよいよ「てんの女一代記」へ衣替えすべきです。時期を間違えたらおしまいです…
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[読書] 吉本せいと林正之助 愛と勇気の言葉 (坂本 優二/著・イースト・プレス) 感想
【これまでの感想】
●「わろてんか」なぜ視聴者を “場違いの笑いと置いてけぼり” を続けるのか?(2017/10/15)
第1週『わろたらアカン』
1 2 3 4 5 6
第2週『父の笑い』
7 8 9 10 11 12
第3週『一生笑わしたる』
13 14 15 16 17 18
第4週『始末屋のごりょんさん』
19 20 21 22 23 24
第5週『笑いを商売に』
25 26 27 28 29 30
第6週『ふたりの夢の寄席』
31 32 33 34 35 36
第7週『風鳥亭、羽ばたく』
37 38 39 40 41 42
第8週『笑売の道』
43 44 45 46 47 48
第9週『女のかんにん袋』
49 50 51 52 53 54
第10週『笑いの神様』
55 56 57 58 59 60
第11週『われても末に』
61 62 63 64 65 66
第12週『お笑い大阪 春の陣』
67 68 69 70 71 72
第13週『エッサッサ乙女組』
73 74 75 76
第14週『みんなの夢』
77 78 79
第15週『泣いたらあかん』
80 81 82 83 84 85
第16週『笑いの新時代』
86 87 88 89 90 91
第17週『ずっと、わろてんか』
92 93 94 95 96
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