わろてんか (第96回・1/26) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『わろてんか』(公式)
第17週『ずっと、わろてんか』
『第96回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
藤吉(松坂桃李)とてん(葵わかな)は、キース(大野拓朗)とアサリ(前野朋哉)の新しい万歳が完成したと風太(濱田岳)から知らされ楽しみにしていた。見舞いに訪れた伊能(高橋一生)は藤吉から北村笑店の役員になって欲しいと告げられ、さらにてんのことをどう思っているのかと尋ねられて驚く。キース・アサリの新しい万歳を披露する日。風鳥亭にはてんと藤吉のほか、リリコ(広瀬アリス)たち懐かしい仲間が駆けつけた。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
願えば願う程に、逆の結果が毎日見せられる…(涙)
「どうか、こうやって!」や「どうか、そうはやらないで!」と願えば願う程に、逆の結果が毎日見せられる本作。今回はそれの集大成と言わんばかりの内容だった。特に良くなかったのは、キースとアサリが良い感じで万歳を披露しているのに、仰々しい劇伴を流した割りに、藤吉が万歳を聞きながら死ななかったことだ。
万歳を聞きながら息を引き取れば良かったのに…
ここの脚本と演出は次の2択だと思う。1つは万歳に劇伴を被せて徐々に万歳の音を小さくしながら、藤吉は万歳を聞き笑顔で涙を流しながら静かに息を引き取り、万歳と劇伴の終了のタイミングで、主人公らが藤吉の死に気付く。これは、完全に視聴者を部外者(傍観者)として客観的な立場で、藤吉の死を見届けるパターン。
もう1つは、万歳に一切の劇伴を被せず、主人公や風太や伊能たちの笑い声のみで進行し、藤吉の意識が遠のくのに合わせて劇伴の音量が上がる。こちらの演出だと視聴者が主人公たちと同じ北村笑店の関係者としてその場に存在し、藤吉の死を一緒に向かえると言うパターン。
今さら「週単位」に拘る必要性なんてあるのか?
しかし、実際は前回と同じで「藤吉の余命を引き伸ばす展開」を更に踏襲した。結局、藤吉の死は土曜日で、週明けの月曜日は葬儀が終わった時点からのスタートになるに違いない。私が言いたいのは、もはやこんな状態で「週単位」に拘る必要性なんてあるのか?ってこと。
キースとアサリの万歳の最中に藤吉が静かに息を引き取ったら、どんなにスカッとするか? いや、さっさと藤吉が退場すれば良いと言うのでない。「週単位」に拘るあまりダラダラするより、物語も主人公も早く次の段階へ進んだ方が得策だと思うから。
どうせまた、明日の藤吉は病院の病床にいて、長々と回想を交えて主人公との思い出話をやるのだろう。いくら蔵に閉じ込められたエピソードや店を手放す時に励まされた映像を流しても、主人公にも藤吉にも思い入れも感情移入もないから、赤の他人の思い出ビデオを見せられているのと同じ。だから、今回でおしまいにするべきだった。
藤吉と伊能が会話は「蛇足」以外の何物でもなかった…
今回の前半で寝床の藤吉と伊能が会話するシーンもあったが、「蛇足」以外の何物でもなかったような。特に、伊能のこの台詞↓に、白々しさと恥ずかしさを感じたのは、私だけではなかったのでは?伊能が独身を貫いている理由だそうだが、視聴者のどれだけが伊能に共感したろうか?
伊能「おてんさん以上に魅力的な女性にであっていないからな」
夫が生死の縁を彷徨っていても献身的な看病をしたような印象はないし、退院後の藤吉を慣れない手つきで介護した記憶もないし、どんな人も主人公の笑顔でパーッと幸せになるような感じでもなかった。もちろん、自分よりも家族を大切にして来たとは描かれてさえいない。そんな女性を魅力的って…
伊能のたった1つの台詞で、てんの魅力を描いたつもり?
これまで描いていなことを、たった1つの台詞であったことのようにするのは強引過ぎる。視聴者の好意的な脳内補完に頼り過ぎだ。私は無茶なことを言っているだろうか? 単純に「笑顔で周囲を幸せにしてしまう家族や仲間思いの魅力的な女性」を3か月半描き続けるだけで良かっただけだと思うのだが。
あとがき
やっと明日で藤吉が退場し、月曜日が葬儀と伊能の役員就任で、トキの出産まで行っちゃうかも知れませんね。とにかく1日も早く、主人公のてんが「女興行主ならではの閃き」でドラマをけん引して欲しいです。それが始まったら、これまでは無かったことにしますから(願)
最後に。前回の簡単な感想に 42回もWeb拍手やたくさんのコメントを頂き、ありがとうございました。早く来週になって、主人公の “女興行主ならではの閃き” で笑いの殿堂が出来るまでの朝ドラの再出発をして欲しいです。少し光が射して来たと思うことにして、明日はじっと我慢の子で見てみます。
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★「北村(藤岡)てん」のモデル「吉本せい」のについて書かれた本の感想
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[読書] 吉本せいと林正之助 愛と勇気の言葉 (坂本 優二/著・イースト・プレス) 感想
【これまでの感想】
●「わろてんか」なぜ視聴者を “場違いの笑いと置いてけぼり” を続けるのか?(2017/10/15)
第1週『わろたらアカン』
1 2 3 4 5 6
第2週『父の笑い』
7 8 9 10 11 12
第3週『一生笑わしたる』
13 14 15 16 17 18
第4週『始末屋のごりょんさん』
19 20 21 22 23 24
第5週『笑いを商売に』
25 26 27 28 29 30
第6週『ふたりの夢の寄席』
31 32 33 34 35 36
第7週『風鳥亭、羽ばたく』
37 38 39 40 41 42
第8週『笑売の道』
43 44 45 46 47 48
第9週『女のかんにん袋』
49 50 51 52 53 54
第10週『笑いの神様』
55 56 57 58 59 60
第11週『われても末に』
61 62 63 64 65 66
第12週『お笑い大阪 春の陣』
67 68 69 70 71 72
第13週『エッサッサ乙女組』
73 74 75 76
第14週『みんなの夢』
77 78 79
第15週『泣いたらあかん』
80 81 82 83 84 85
第16週『笑いの新時代』
86 87 88 89 90 91
第17週『ずっと、わろてんか』
92 93 94 95
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