わろてんか (第94回・1/24) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『わろてんか』(公式)
第17週『ずっと、わろてんか』
『第94回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
庶民の生活の中に万歳のネタがあることを実感したキース(大野拓朗)とアサリ(前野朋哉)だが、それを上手く新しい万歳の形にすることができない。そこでてん(葵わかな)は、万丈目(藤井隆)に台本を書いてもらうことを思いつく。アメリカから突然帰国した啄子(鈴木京香)は、てんや藤吉(松坂桃李)と久しぶりに再会し、大きく成長した北村笑店を見て驚く。つかの間の家族団らんを楽しむ啄子は、藤吉にある思いを告げる。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
楓と万丈目の場面の "回想1カット" が入れられないか!?
先日、突然に楓が現れて、万丈目に記事を書いて欲しいと願い出た際に、主人公が同席すると演技力の差が出るから止めた方が良いと書いた。しかし、今回のアバンタイトルの構成で、キースとアサリがネタに困っていると言うくだりの途中で、主人公が万丈目にネタを書いてもらえば良いと閃く場面があった。
今回の冒頭、藤吉が画面に映らず、番組を構成する主人公から始まって、“主人公の閃き” まで基本的な不自然さは無かった。と言うことは、既に藤吉は退場しても問題なし。だから言いたのだ。1カットで良いから楓と万丈目が話をしているのを聞いている主人公の回想があれば、“主人公の閃き” で物語がけん引されたのに…
本作は、今やこう言う視聴者への細かく丁寧な印象操作を散りばめて、藤吉の余命で物語を引き延ばしているような悪印象を何とか払拭すべき。物語をけん引するのは“主人公の閃き” でなければならないのだ。
2度目の「藤吉の余命を引き伸ばす展開」にウンザリ気味!
しかし、アバンの後半で啄子が帰国した。そして主題歌明け、時代も不明、年齢不詳の登場人物3人が揃った違和感だらけのシーンから始まった。幾年アメリカに住んでいたのか知らないが、全く英語訛りがない啄子(苦笑)。まあいいや。完全なる蛇足だ。でも主人公の夫の母親だから大目に見よう。
それに、朝ドラの最近作では、『あさが来た(2015年)』でもヒロイン・白岡あさの実在のモデル・広岡浅子さんは夫が先に亡くなるが、ドラマではご存知の通りに新次郎は最終週まで引き伸ばされた。しかし、あれはあれで最後の最後まで夫婦の絆を描き続けた感動があった。では、本作はどうだろう?
お分かりの通り、「藤吉の余命を引き伸ばす展開」はこれが2度目。1度目は病床に倒れて息子の隼也の後継ぎ話と、新しい時代を北村笑店がどう乗り越えるかで、終わっているのだ。なのに、ここで2度目の “引き延ばし” だ。長生きするのに越したことはないが、結局、先週は無駄話を見せられたと言うことだ。
入院が無駄話だった…倒れて往診程度が無難だった!
先にも書いたように、藤吉の余命で物語を引き延ばしているような悪印象を何とか払拭すべきなのにだ。だったら、先週は事務所でふらついて、医師の往診を受ける位に留めておくべきだった。そうすれば、現役に復帰して「新しい何か?」を藤吉が見つけようとするくだりも、伊能を励ましたのも納得できるのだ。
ホント、やっていることは大きくは間違っていないが、細かい部分の詰めが甘すぎて、結果的に全体がぼやけて、ディティールには雑さが目立っているのが今の『わろてんか』。
私が見たいのは藤吉と同じ、家族や仲間が挑戦する姿!
恐らく、脚本家らは「藤吉の余命を引き伸ばす展開」を丁寧に描いているつもりなのだ。贔屓目に見たら確かにそうだ。しかし、視聴者が観たいのは、いつまでも長生きする藤吉でも、ささっと退場する松坂桃李さんでもないのだ。
視聴者が観たいのは、藤吉が思い残す、妻や息子や仲間たちが新しいことに挑戦して北村笑店を、風鳥亭をどうして行ってくれるのか?ではないだろうか。
何度も書く。方向性はハズレてはいない。ただ、物足りないし違和感もあるし、何よりつまらないのだ。「藤吉の余命を引き伸ばす展開」は今週で決別して、視聴者が観たいものを描くべきだ。それ以外に本作の評価を上げる手立てはない。
あとがき
啄子が主人公に「スマイル」の話をするシーンも、取って付けたようでしたね。でも、脚本家は描くべきことは分かっているし、やっているつもりなのは、あの台詞から理解出来ます。ただ雑なだけ、ただ俳優に恵まれていないだけ。だから、もっと劇中に笑顔を増やして、登場人物たちを生き生きとえがくべきなのですが、それが出来ていない…
最後に。前回の感想に 43回もWeb拍手やたくさんのコメントを頂き、ありがとうございました。藤吉が退場するまで、もっと夫婦の夢を描く必要がありますね。そのツボさえ押さえておけば、藤吉亡き後で、巻き返せる可能性はあります。さて、やれるかどうか。
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[読書] 吉本せいと林正之助 愛と勇気の言葉 (坂本 優二/著・イースト・プレス) 感想
【これまでの感想】
●「わろてんか」なぜ視聴者を “場違いの笑いと置いてけぼり” を続けるのか?(2017/10/15)
第1週『わろたらアカン』
1 2 3 4 5 6
第2週『父の笑い』
7 8 9 10 11 12
第3週『一生笑わしたる』
13 14 15 16 17 18
第4週『始末屋のごりょんさん』
19 20 21 22 23 24
第5週『笑いを商売に』
25 26 27 28 29 30
第6週『ふたりの夢の寄席』
31 32 33 34 35 36
第7週『風鳥亭、羽ばたく』
37 38 39 40 41 42
第8週『笑売の道』
43 44 45 46 47 48
第9週『女のかんにん袋』
49 50 51 52 53 54
第10週『笑いの神様』
55 56 57 58 59 60
第11週『われても末に』
61 62 63 64 65 66
第12週『お笑い大阪 春の陣』
67 68 69 70 71 72
第13週『エッサッサ乙女組』
73 74 75 76
第14週『みんなの夢』
77 78 79
第15週『泣いたらあかん』
80 81 82 83 84 85
第16週『笑いの新時代』
86 87 88 89 90 91
第17週『ずっと、わろてんか』
92 93
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