わろてんか (第88回・1/17) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『わろてんか』(公式)
第16週『笑いの新時代』
『第88回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
てん(葵わかな)の献身的な看病もあり、意識を取り戻した藤吉(松坂桃李)だが、体に麻痺(まひ)が残り思うように動けず焦りを感じ始める。風太(濱田岳)はラジオ局から、天才落語家・団吾(波岡一喜)の出演を打診されるが、ラジオで芸を披露すれば寄席に客が来なくなると考え、その申し出を即座に断った。やっと藤吉の病状が安定した頃、京都からりん(堀田真由)と一緒にてんの母・しず(鈴木保奈美)が見舞いにやって来た。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
「家族」の描写が極端に少ないから、大きな違和感が…
昨夜は仕事で帰宅が午前様だったが、今日1月17日は阪神淡路大震災から23年目で、地震発生時の午前5時56分に黙とうをしようと今朝は早起きをして、拍手コメントのお礼と2本分の連ドラの感想を書いた後で、ちょっと眠気があったのだが、アバンタイトルでの隼也のこの↓台詞で目が覚めた。
隼也「お父ちゃんの跡継ぐいうても
お父ちゃんを超えられるとは思われへん。
僕は お父ちゃんを超えたいんや」
こう言う台詞を書くなとな言わない。ただ、書くなら十分に下地を作っておかないと、藤吉のどの部分を見て “超えられない” と判断したのか視聴者に分からない。父を超えることと冒険がどう関連するのかも中途半端。今さら言っても遅いが、「家族」の描写が極端に少ないから、こんな違和感が生まれるのだ。
風太は、「時代は漫才」じゃなかったの?
隼也とリンドバーグのくだりも意味不明のまま終了すると、今度はラジオ局が娯楽番組をどんどん放送しなければいけないとの理由で、団吾師匠をスカウトに来た。そんなラジオ局の担当者に風太が大声でこんなこと↓を言った。
風太「ラジオで落語流したら 寄席に客が来ぃひんようになる」
この↑風太の言い分、果たしてどう受け止め止めたら良いのだろう? だって、前回のアバンタイトルの冒頭でこんな↓藤吉と風太が今後の寄席経営についてぶつかる回想シーンのダイジェスト版があったのだ。
藤吉「落語のない寄席なんて寄席やないやろ」
風太「これからの時代は 落語より漫才や」
また、前回の藤吉の病室でのトキとの会話では、こんなこと↓も言っている。
風太「今は漫才を増やすのが肝心なんや。
それを落語落語って…」
風太は、何を根拠に「時代(客)は落語を求めている」と判断したのか良く分からぬが、少なくとも時代を考えて藤吉社長に意見した。そして、藤吉は「寄席には落語」と反対した。なのに、今回の風太はまるで “ラジオで落語が放送されたら、落語を聞きに来る客が減って、寄席の経営が上手くいかない” ようなことを言った。
団吾の一言で、風太と藤吉の意見が真逆に!?
さて、これを風太の矛盾と捉えるべきか、社長の言い分が正しいと考えて風太は心を入れ替えたと捉えるべきか?その判断に困るのは、ラジオ番組に出演しようかなと言った団吾に風太が怒った直後、団吾がこんなこと↓を言うからだ。
風太「そんなんしたら寄席に 客が来ぃひんようになります」
団吾「そうか?社長やったら喜んだかもしれんけどなぁ」
これで、完全に前回の藤吉と風太の言い分が真逆になった。思い付きで脚本を書くから、矛盾に気付かないのだろう。とにかく「落語派」と「漫才派」が対立すれば良いと言うレベルで書かれているのだろから。
伊能の先見性を活かせば、高橋一生さんの見所も作れた…
でも、私は思うのだ。こう言う時こそ、伊能栞を上手に利用したら良いと。例えば、ラジオ局員が来訪した時に偶然伊能もやって来て、風太に「料簡の狭い事を言ってはダメだ。藤吉君みたいに大胆になるべき。
きっと社長はもっと風鳥亭の芸人をラジオに出演させると考えているはずだ」とか言って、風太を説得するだけで、矛盾の解消だけでなく、伊能栞の存在意義まで描くことが出来る。
もちろん、高橋一生さんの見せ場にもなる。素人でも思い付くことをやるだけで、物語が丁寧になって、辻褄も合って、面白くなる可能性が出て来るのに、本当にざんねんでならない。
あとがき
終盤で、伊能が頑張っている主人公のことを病床の藤吉に語るシーンがありましたが、あんなの要ります?伊能の無駄遣いですよ。藤吉の手を握って目を見つめて「おてんさんを悲しませるな」って、どう言う立ち位置での台詞なのか、さっぱりピンと来ませんでした。本気で書くことが無いようですね(寂)
最後に。前回の感想に 55回ものWeb拍手やたくさんのコメントを頂き、ありがとうございました。折角、伊能栞の出番を作るなら、伊能ならではの経営者目線での意見でビシッとしたシーンが見たいです。いつまでも主人公に未練があるようなのはちょっと…と思うのですが。
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[読書] 吉本せいと林正之助 愛と勇気の言葉 (坂本 優二/著・イースト・プレス) 感想
【これまでの感想】
●「わろてんか」なぜ視聴者を “場違いの笑いと置いてけぼり” を続けるのか?(2017/10/15)
第1週『わろたらアカン』
1 2 3 4 5 6
第2週『父の笑い』
7 8 9 10 11 12
第3週『一生笑わしたる』
13 14 15 16 17 18
第4週『始末屋のごりょんさん』
19 20 21 22 23 24
第5週『笑いを商売に』
25 26 27 28 29 30
第6週『ふたりの夢の寄席』
31 32 33 34 35 36
第7週『風鳥亭、羽ばたく』
37 38 39 40 41 42
第8週『笑売の道』
43 44 45 46 47 48
第9週『女のかんにん袋』
49 50 51 52 53 54
第10週『笑いの神様』
55 56 57 58 59 60
第11週『われても末に』
61 62 63 64 65 66
第12週『お笑い大阪 春の陣』
67 68 69 70 71 72
第13週『エッサッサ乙女組』
73 74 75 76
第14週『みんなの夢』
77 78 79
第15週『泣いたらあかん』
80 81 82 83 84 85
第16週『笑いの新時代』
86 87
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