新春ドラマスペシャル 娘の結婚 (2018/1/8) 感想

テレ東系・新春ドラマスペシャル『娘の結婚』(公式)
『人生の大きな決断のひとつである「結婚」。悩み、葛藤した父娘がたどりついた小さな奇跡と大きな感動。主演・中井貴一が贈る、多くの人の共感を呼ぶ傑作ホームドラマ!』の感想。
なお、原作:小路幸也『娘の結婚』(祥伝社文庫刊) は未読。
國枝孝彦(中井貴一)は娘の実希(波瑠)と2人暮らし。妻・佳実(奥貫薫)亡きあと男手ひとつで娘を育ててきた。そんな娘に変化が訪れる。「会ってほしい人がいるの」…紹介したい男性がいるという。しかしある理由で会う決心がつかない孝彦は、友人の柴山善郎(段田安則)に心情を吐露。相手はかつて住んでいたマンションの隣人、古市敏之(光石研)、景子(キムラ緑子)の息子で幼なじみの真(満島真之介)だった。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:小路幸也(過去作/映画『東京公園』、連ドラ『東京バンドワゴン』)
脚本:水橋文美江(過去作/夏子の酒、ホタルノヒカリ、つるかめ助産院)
演出:松本佳奈(過去作/東京センチメンタルSP~千住の恋~、東京オアシス)
音楽:平沢敦士(過去作/最後から二番目の恋シリーズ、三匹のおっさんシリーズ)
エンディングテーマ:竹内まりや「人生の扉」(ワーナーミュージック・ジャパン)
チーフプロデューサー:中川順平(過去作/最上の命医シリーズ、警視庁ゼロ係シリーズ、模倣犯)
チーフプロデューサー・中川順平氏の配役の的確さ手腕が冴えてる!
孝彦が朝ゴミ出しをする時に、ただ一言孝彦に「おはようございます」と声を掛けて走り去るスーツ姿の男役に、声の良くて眼鏡に七三分けならこの人の金剛地武志さんを配したり、孝彦が「おととい30パーだったけど、今日20パー?」と話し掛けるスーパーの店員役に、お笑い芸人のアキラ 100%さんを配したりする遊び心…
こんな序盤から感じた “名も無き脇役の配役の的確さ” が当然メインの登場人物たちの配役にも活かされており、まずは『最上の命医』『警視庁ゼロ係』『模倣犯』等のチーフプロデューサー・中川順平氏の手腕が冴えている。とにかく、ここまで脇役含めて違和感のない、ごく自然で当たり前のような配役のドラマは久し振りだ。
『東京センチメンタル』や鉄道員(ぽっぽや)』等の雰囲気も…
また、脚本は、「家族」それも「家族の再生」を書いたら、独特の世界観で突き進む水橋文美江氏。演出はテレ東では『東京センチメンタルSP~千住の恋~』を担当し、個性的な俳優陣を上手く使いこなしつつ、リアルでライブ感のある作風の松本佳奈氏。音楽は『最後から二番目の恋シリーズ』を担当した平沢敦士氏が手掛けた。
従って、何となく全体の雰囲気は『東京センチメンタル』風で、中井貴一さんと劇伴の組合せで『最後から二番目の恋』風にも感じたり。また、父と娘のほんわかした雰囲気はどことなく高倉健主演映画『鉄道員(ぽっぽや)』を、結婚する娘を思う気持ちは広末涼子主演映画『秘密』を彷彿させたり…
超ベタなドラマを、上質で秀作なホームドラマにした秀逸な演出!
しかし、様々な作品との既視感は全く邪魔にならず、偶然に偶然が重なり過ぎる展開もむしろ原作の大胆さと緻密さの程好いバランスを感じさせたし。でも、称賛すべきは演出だろう。
序盤で料理が得意で豆なお父さんであることや、鮭の切り身が2切れのパックを堂々と見せちゃって、誰の目にもオチを想像させちゃうように仕掛けておいて、丁寧に丁寧に登場人物たちの心理を描き重ねて、超が付くようなベタでオーソドックスなホームドラマを、上質で秀作なホームドラマに仕上げたのだから。
あとがき
久し振りに、「原作・脚本・演出・俳優」の四位一体と言いたくなるような完成度のテレビドラマを観ました。クレジットを見ると、脇役の配役の妙に驚かされました。Blu-ray化されないようなので我が家は永久保存版にしました。テレ東さん、スゴ過ぎます!
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【2018年のスペシャルドラマの感想】
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最後から二番目の恋 Blu-ray BOX
鉄道員(ぽっぽや) [Blu-ray] 高倉健
秘密 デジタルリマスター版 2枚組(本編ブルーレイ+特典DVD) [Blu-ray] 広末涼子
娘の結婚 (祥伝社文庫) 小路 幸也
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