わろてんか (第78回・1/5) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『わろてんか』(公式)
第14週『みんなの夢』
『第78回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
藤吉(松坂桃李)と風太(濱田岳)は乙女組の踊りに艶っぽさが足りないと感じ、リリコ(広瀬アリス)を臨時講師に頼むことにした。乙女組の面々はリリコの厳しい教え方に反発し、抗議しようと稽古場に押しかけるが、そこでてん(葵わかな)とリリコが彼女たちについて真剣に話し合う姿を目撃する。そして、プロの端くれならお客さんを喜ばせるために踊りの稽古に打ち込めと、てんからハッパをかけられ、ついにやる気になる。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
僅か約100秒のアバンタイトルにあった "6つのいいこと"
好みの問題は別にして、今回の約1分40秒のアバンタイトルが “まるで朝ドラみたい” に見えたのは私だけだろうか? 珍しく「いいな」と思ったのは、以下の6点。
●前回の振り返りを入れなかったこと
●5人いても、台詞は主人公、藤吉、風太だけにしたこと
●音楽も耳障りでなく、物語が前向きに進みそうな雰囲気だったこと
●主人公と夫婦の目と目を合わせるカットがあったこと
●藤吉が仕事(乙女組)について悩む(考える)姿があったこと
●主人公の “閃き” で物語が次に進みそうな必然性あるアップだったこと
本当はどれも当たり前のことばかりだが、北村笑店を回しているのが主人公、藤吉、風太で、夫婦が二人三脚で経営をしつつ、主人公の “閃き” で道が開けていくのが見えて来たのは良いことだ。
リリコのように既存の登場人物は、適材適所で描くべき!
主題歌明けも悪くない。気が強くて芸ができるリリコのキャラを上手に活かしているし、リリコとおトキに翻弄される女の扱いに慣れていない風太のコミカルさも良い感じ。こう言う風に既存の登場人物を使うなら、乙女組の先生役のような適材適所で描くべき。今回はそれが上手くいっている…
残念ながら伊能栞が登場して物語に急ブレーキが掛かった!
と褒め続けたかったのだが、残念ながら伊能栞が登場して物語に急ブレーキが掛かってしまった。少なくとも今回のアバンからの流れを考えれば、明らかに不要。もちろんリリコとのやり取りも。いい加減、視聴率稼ぎに毎回伊能を登場させるのは止めた方が良い。何度も書くが、今回みたいに褒められる回では絶対に止めるべき。
主人公が乙女組をちゃんと見守っているのが表現された!
伊能とリリコの会話のシーンが無かったら、さぞかし良いシーンに思えたのが、その直後の「風ひな寮」のシーン。乙女組の4人が初舞台に向けて自覚を持って頑張る姿が見えたし、何より良かったのが朝ドラのお約束 “立ち聞き” で主人公が乙女組をちゃんと見守っているのが表現されたこと。こんな積み重ねが重要なのだ。
主人公の取締役経理らしい言動だけでなく風格も見えた!
そして、翌朝の風鳥亭では乙女組たちが “立ち聞き” で主人公とリリコが安木節を踊っているのを見てしまうと言うのも朝ドラらしい。立ち聞きしていたのがバレて、主人公の前に出て来る乙女組に言う、この↓台詞が良かった。前夜の立ち聞きがきちんと物語にフィードバックされたのも褒めたいところ。
てん「何や 言いたい事があるんやろ」
とは言え、前回までの主人公と比べると若干唐突過ぎなくもないが、乙女組の世話係としてだけでなく、北村笑店の金庫番、取締役経理らしい言動だけでなく風格まで描かれた。その姿にリリコも驚いた表情を見せて、心を動かした。前回の違和感ありまくりの「成長」が嘘のような急展開。
極力藤吉の出番を減らし、てんが物語を引っ張るべき!
もう少し上手くやれよと言いたいところだが、寄席を広げる以外のくだりは、今回のように極力藤吉の出番を減らして、主人公を前に出して主人公に物語をけん引させた方が良い。やり方次第で可能なことは、今回の伊能が登場した約90秒以外が証明したのだから。
あとがき
今回みたいに、今後は主人公を前面に押し出して、物語を進めた方が良いと思います。当然、まだまだドラマとしての面白味はありませんが、主人公が活躍した方が少なくともドラマらしく見えます。まずはそれから。「あと3か月しかない」と捉えるか「あと3か月もある」と捉えるか。私は暫く後者の立場で見ようと思います。
最後に。前回の感想に 60回ものWeb拍手やたくさんのコメントを頂き、ありがとうございました。やはり「朝ドラ」はヒロインが活躍するのが良いと言うのが証明されましたね。藤吉がいなくても『わろてんか』は成立したのですから。さて、本作の作り手たちも「あと3か月もある」と考えてくれているのか…
★「北村(藤岡)てん」のモデル「吉本せい」のについて書かれた本の感想
[読書] 笑いを愛した吉本せい - 吉本興業創業者の波乱万丈記 (洋泉社) 感想
[読書] 吉本せいと林正之助 愛と勇気の言葉 (坂本 優二/著・イースト・プレス) 感想
★ケータイの方は下記リンクからご購入できます。
笑いを愛した吉本せい (洋泉社MOOK)
吉本せい お笑い帝国を築いた女 (中経の文庫)
吉本せいと林正之助 愛と勇気の言葉
連続テレビ小説 わろてんか Part1 (NHKドラマ・ガイド)
NHK連続テレビ小説 わろてんか 上
NHK連続テレビ小説「わろてんか」オリジナル・サウンドトラック
★本家の記事のURL → http://director.blog.shinobi.jp/Entry/10870/
【これまでの感想】
●「わろてんか」なぜ視聴者を “場違いの笑いと置いてけぼり” を続けるのか?(2017/10/15)
第1週『わろたらアカン』
1 2 3 4 5 6
第2週『父の笑い』
7 8 9 10 11 12
第3週『一生笑わしたる』
13 14 15 16 17 18
第4週『始末屋のごりょんさん』
19 20 21 22 23 24
第5週『笑いを商売に』
25 26 27 28 29 30
第6週『ふたりの夢の寄席』
31 32 33 34 35 36
第7週『風鳥亭、羽ばたく』
37 38 39 40 41 42
第8週『笑売の道』
43 44 45 46 47 48
第9週『女のかんにん袋』
49 50 51 52 53 54
第10週『笑いの神様』
55 56 57 58 59 60
第11週『われても末に』
61 62 63 64 65 66
第12週『お笑い大阪 春の陣』
67 68 69 70 71 72
第13週『エッサッサ乙女組』
73 74 75 76
第14週『みんなの夢』
77
- 関連記事