相棒 season16 (第10話/元日スペシャル・2018/1/1) 感想

テレビ朝日系・『相棒 season16』(公式)
第10話/元日スペシャル『サクラ』の感想。
イベント会場で発砲事件が発生。奇妙なことに、加害者のみならず被害者も行方をくらましてしまう。残された銃弾から、制服警察官に支給されている拳銃“サクラ"だと判明。その直後、交番で銃が持ち去られているのが発見される。広報課長の美彌子(仲間由紀恵)は、混乱を避けるため発表を控えようとするが、何者かが緊急災害速報メールの発信元をハッキングし、サクラ盗難の証拠を拡散してしまう
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
「1時間枠に収めればそれなり」と毎年恒例の感想しか…
脚本:太田愛/演出:内片輝(敬称略)
どうせ、毎年恒例の元旦スペシャルは無駄に話を広げるパターンなのは諦めているし、1時間枠に収めればそれなりに面白い作品であるのも、見る前から身構えているから、観始めて1時間15分でほぼ全容が姿を現したら、残りの1時間はやけに広げ過ぎた回収を待つだけ。
結局、1時間枠なら面白味があったかも知れないが、流石に元旦スペシャルにするために風呂敷を広げ過ぎな感じは否めなかった。
現実問題を『相棒』に持ち込むなら "らしさ" が欲しい
確かに、ハッキングや高校生たちのネット犯罪、特定秘密保護法など、様々な情報社会の闇を1話に詰め込んで、視聴者への問題提起をする意味は無くもない。ただ、現実の問題を『相棒』と言うフィクションの世界に持ち込むなら、もう少し “らしさ” が欲しかった。
右京が警察の拳銃の捜査より、美禰子の事情を優先?
まず、本作では高校生は悪人にならないのだからハッカーは大学生設定が無難だったろうが、今回で最も “らしさ” が欠如していると感じたのは、杉下右京が社美禰子の個人的な事情の保護を、盗まれた警察の拳銃の捜査よりも優先させたこと。
確かに普通のドラマ、一般的にも特命係が、社美禰子を考えるのは間違っていないが、杉下右京って普通とは違う選択肢や考え方で行動するのが魅力では?これでは、事件の捜査全体を特命係がけん引しているように見えてしまって、アウトロー性が物足りないのだ。
美禰子と幸子と "私的な部分" を描くなら右京を描くべき!
また、これは今回の脚本家・太田愛氏に限らないが、それぞれの脚本家が描く最近の「杉下右京」と言う人物像の人間的な魅力不足が否めない。“単独行動をして事件を解決する特命係のリーダーの部分” は共通して描かれいるが、「杉下右京」の “個人的な部分” の描写が少ないから、どうしても物足りない。
今回を見れば、月本幸子の自宅が描かれたが、脇役の “私的な部分” を描くのは悪くないが、それなら杉下右京の “私的な部分” も、もっと描いて活かしたストーリー展開は出来なかったのか?美禰子の “私的な部分” をも利用した話だったけでに、『相棒 season16』の後半スタートのSPとしては肩透かしと言わざるを得ない。
あとがき
右京の正義が暴走しなかったり、高校生を諭させるエンディングにしたりなど太田愛さんにしては無難な脚本でしたね。「正月だから」とチャンネルを合わせたような視聴者には楽しめたかも知れません。しかし、ダメ元でも『元旦SP』こそ、杉下右京の毒気たっぷりの濃厚版を見たい…です。
右京「絶大な権力を握る者が自らルールを破り、
己に都合の良いルールを
人々に強要しようとする方が、
大罪だと僕は思いますが…」
これ↑は、右京が内閣審議官・有馬に対して言う台詞だが、警察官である杉下右京や特命係の “こう言う↑部分” を魅力的に描くのが本来の『相棒』では?言っていることと描こうとしていることが解離、相反してない?…(苦笑)
で、次回は陣川君の登場で同窓会気分を味わわせてくれるって寸法ですか…
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【これまでの感想】
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