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コウノドリ[2] 「第11話/最終回 15分拡大SP」の感想 ~かなり濃厚な第2弾~

コウノドリ[2]

TBSテレビ系・金曜ドラマ『コウノドリ[2] 命についてのすべてのこと』公式
第11話/最終回 15分拡大SP『チームが起こす最後の奇跡!それぞれが進む未来』の感想のかなり濃厚な第2弾
なお、原作:鈴ノ木ユウ「コウノドリ」(漫画)は未読。


中国人旅行者の妊婦が緊急搬送されてきた。サクラ(綾野剛)や小松(吉田羊)らが急いで対応に当たる中、懐かしい顔が病院に戻ってくる。赴任先が決定した白川(坂口健太郎)は、今橋(大森南朋)に報告。下屋(松岡茉優)は実習生時代から苦楽を共にしてきた白川がいなくなることに寂しさを覚える。そんな中、サクラたちは小松と同期の助産師で妊婦の武田(須藤理彩)を診察する。一方、故郷から帰ってきた四宮(星野源)は迷いの中にいて…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---


脚本:坪田文(過去作/コウノドリ 第7,8話) ※第1,3,6,10,最終
   矢島弘一(過去作/毒島ゆり子のせきらら日記) ※第2,4,7,9話
   吉田康弘(過去作/映画「ヒーローショー」「黄金を抱いて翔べ」) ※第5,8話
演出:土井裕泰(過去作/コウノドリ、重版出来!、逃げ恥) ※第1,2,5,8,最終
   山本剛義(過去作/Nのために、夜行観覧車) ※第3,4,7,10話
   加藤尚樹(過去作/コウノドリ、ホワイト・ラボ) ※第6話
   韓哲(過去作/ATARU、IQ246~華麗なる事件簿~) ※第9話

まえがき

一部の読者の皆さん、たいへんお待たせしました。さて、最終回の放送が終わり既に2日以上が経過し “コウノドリ・ロス” に悩まれている読者さんも多いのでは? また、既に多くの感想や評論をあちこちで読んでいると思います。そこで、いつも通りの「濃厚版」でが、最終回は特に私なりの解釈に拘って書いてみようと思います。

本作も『ドクターX』の最終回も、登場人物達が自立を目指す

さて、『ドクターX~外科医・大門未知子~(第5シリーズ)』をご覧になっていただろうか?今期の連ドラで最高視聴率を獲得し、5本もシリーズ化されている大人気医療ドラマだ。なぜ、私が『コウノドリ[2]』の最終回の感想に、敢えて『ドクターX』を引用したか?

ご存知の通り両作は同じ医療ドラマではあるが、『ドクターX』は西部劇の荒野のガンマンのような主人公医師が、行く手を拒む敵と闘いながら患者を救っていく物語なのに対し、『コウノドリ』は主人公はいるもののチーム医療が中心で、医師らが自らの内面と闘いながら患者を救っていく物語と、ほぼ真逆な内容だ。

しかし、興味深いのは、2作の最終回が、「登場人物たちが次なる活躍の場に巣立ち、更なる自立を目指す」と言う展開になったことだ。ただ、『ドクターX』は基本的に定住しないジプシードクターで、『コウノドリ』の面々はそれぞれが次の定住の地を模索すると、個々の最終回コンセプトは異なるが。

"サクラがペルソナに残る意味" を「幸せとは何か?」で考える

また、『ドクターX』は主人公自身が次なる活躍の場に旅立ったが、『コウノドリ[2]』の最終回での主人公・鴻鳥サクラは、ペルソナに残ると言う選択を提示した。当然『3』への伏線や期待感を高める設定だと想像するのだが…

そこで私は、“サクラがペルソナに残る意味” を「幸せとは何か?」と言う視点で考えてみた。そうすると、意外や意外、鴻鳥サクラと大門未知子に意外な共通点を見出したのだ。いや、本作のゲストを含めたすべての登場人物にとって「幸せとは何か?」と考えながら見てみると、もう1つの『コウノドリ』が見えて来るかも知れない…

基本的に妊娠・出産時に(ジェルに限らず)ネイルがNGな理由

最終回の最初のお産は、旅行中の中国人夫婦。まずは、本作お馴染みの医療情報提供だ。これから年末年始で旅行に行く妊婦が多いからタイミングも抜群。基本的に妊娠・出産時に(ジェルに限らず)ネイルがNGな理由は、以下の主に6つ。出産は病気ではないとは言え、いつ何が起こるかわからないものだから細心の注意を払うべき。

   ●爪の色で健康状態を判断するから
   ●酸素飽和濃度の測定器を指に付けるから
   ●電気メス術の時、ジェルネイルは感電の恐れがあるから
   ●ジェルネイルに金属が使われていると、MRIで加熱するから
   ●そもそもジェルネイルは取れにくいから
   ●長い爪が赤ちゃんを傷つけてしまう可能性があるから

まあ、妊娠週数にもよるが基本的には長期遠出の外出は避けるべき。その延長線上で、出産時はノーメイクが基本。産科医や助産師は、妊婦の顔色やむくみ方などを見て、貧血等の危険の有無を判断しながらお産を進めるから。従って、健康状態を確かめると言う点で妊婦健診も薄化粧が望ましい…by 我が家の助産師

コウノドリ最終回

それにしても、最初のこのお産のシーンでチームワークをさり気なく描き、次の能登にいる四宮に繋げつつ、それぞれの道に進むエンディングへのネタフリになっているのも上手いところだ。

海辺の四宮を中心とした7カットで演出のお勉強をしよう

で、父の葬儀で能登に帰っている四宮。実は海辺に座る四宮を中心とした回想シーンを含めた7カット(四宮の手のアップは敢えて無視する)の四宮と四宮の父・晃志郎の画面内の配置と目線を見れば、この時点で四宮が父の跡を継いで能登で産科医を続けるのは分かる。

最初の2カットの四宮は上手(画面右側)に位置し、目線は下手(画面左側)を向いている。もう幾度か書いているが、『[演出プチ講座] 映像の掟~画面内の人物の位置や視線(目線)の向きには意味がある~』によれば、まずこの上手に四宮で “父を看取った安心感” を表現しつつ、下手目線で “絶望や敗北感” を表す。

コウノドリ[2] 「第11話/最終回 15分拡大SP」の感想 ~かなり濃厚な第2弾~

コウノドリ最終回

コウノドリ最終回

しかし、この直後にへその緒が入った小箱を開けるカットの直後の四宮は、既に下手に位置し上手目線になる。これは下手の位置で “不安や寂しさ” を表現し、上手目線で “希望や上昇志向” を表すが…

コウノドリ最終回

本作では更に、回想シーンで位置と目線が真逆の四宮と父を見せて、更にベッド上の父と四宮を同じように下手の位置で上手向きにして、完全に父の遺志と息子の意思が重なったことを表現している。

コウノドリ最終回

コウノドリ最終回

コウノドリ最終回

そして、最後は最初の超ロングショット(写体が周辺環境で特に小規模に見えるようなカット)で、しかも画面の真ん中を通る水平線よりもずっと下に四宮を置くことで、四宮の葛藤はとっくに終わり、次の自分が置かれる立場を荒海に重ねて見ているように映った…のは私だけだろうか。

コウノドリ最終回

土下座する大澤院長の回想シーンと、おでこの怪我に驚く

第8話で医療ミスに悩んでいた白川を励ました新生児科医の新井がペルソナに帰って来た。ペルソナ総合医療センターの院長・大澤が、新井が勤め先のNICUへ復帰するのを聞きつけて、先方の院長に頭を床に擦りつけて土下座をして引き抜いて来たのだ。

コウノドリ最終回

白川が抜けた穴を埋めるために新井に目を付けたと言う訳だが、ここで驚いたのは、きちんと大澤院長が土下座をして願い出る場面を回想シーンで挿入し、且つおでこに怪我をしてNICUに登場すること。回想シーンの有無で院長の医師たちの成長やペルソナの未来をちゃんと考えていることが明確に見える。手間を惜しまないのは良いことだ。

アバンタイトルの最後のシーンでのサクラの表情がいい

最終回のアバンタイトルの最後のシーンは、朋友であり戦友の白川がペルソナを出て行くことに不安を感じる下屋が、サクラに「鴻鳥先生は、ずっとペルソナにいますよね」と尋ねるシーンとなった。

コウノドリ最終回

サクラは口頭での即答は避けるが、遠くの空を見ながら僅かだけ頷いているように見える。この微妙な演技が良いなと。ここで大きく頷いてしまったら、ドラマ全体の印象がペルソナを旅立つ登場人物の物語になってしまうから。あくまでも本作の主人公はサクラ。やはりサクラの選択こそを見所に残すのは当然だ。

コウノドリ最終回

武田にあまり口出ししないサクラと、厳しい姿勢の四宮

場面は小松の友だちの元助産師の武田の妊婦健診。小松が前回の健診よりも体重が3kgも増えていることを指摘される。劇中ではコミカルに描かれているが、実際は妊娠後期の赤ちゃんの体重増加が200~300g/週だから、お母さんは300~500g/週以内に抑えるのが一般的。それ以上はお母さんの肥満。出産にとって良いことは何もない。

コウノドリ最終回

まあ、「医者の不養生」と言う言葉があるが、バース・コントロール(産児制限)指導をする助産師が “デキ婚” をする時代だから、助産師でも体重管理ができないのも今や普通の時代。まあ、厳しく言うならサクラの妊婦管理が手緩いとも言えるのだが(苦笑)、ここはサクラらしく専門家にあまり口出ししないと言うことにしておく。

四宮「少なくともペルソナでの出産を希望している以上、
   リスクは最小限にしえおいて下さいよ」

しかし、本作が良く出来ているのは、四宮にこの↑台詞を与えていること。だって、誰が見ても肥満傾向な妊婦が街を歩いていれば、あの病院は体重管理がずさんな病院と言うレッテルを貼られることにもなるし、安全なお産をするには妊婦の自己管理が無くてはならないものだから、四宮の仲間にも言うことは言う姿勢は素晴らしい。

実は「オランダへようこそ」を引用するのか気になっていた

実は、前々回から出生前診断とダウン症を描いて来た本作が、いつ引用するのか気になっていたのが、エミリー・パール・キングスレイ作の詩「オランダへようこそ」。知る人ぞ知る詩である。

コウノドリ最終回

作者は1970年テレビシリーズ「セサミ・ストリート」の作家デビューし、1974年にダウン症の長男を出産。「セサミ・ストリート」の登場人物に障がい者を含めるように促した人としても知られている。「オランダへようこそ」は1987年に書かれた。このシーンでは今橋が透子を励ますことに利用され、中盤では小松のシーンで引用される。

やはり、最終回で引用して来たかと言う感じ。本来ならドラマの脚本は、あまり有名な故事や諺は引用せずに済ませた方が毒にならずに、オリジナリティーが高まって良いのだが、要は脚本家と演出家の使い方次第であることが、この最終回で証明された。その理由は小松のシーンで書く。

今回はダウン症の赤ちゃんを産む透子夫妻に敢えて触れない

今回の「濃厚版」では劇中で描かれたダウン症の赤ちゃんを産む決心をした高山透子たちのことには、敢えて詳しくは触れないことにした。私の気持ちは既に「通常版」の感想で書いたから。そして、この放送直後に劇中に登場した既にダウン症の子供を育てている先輩ママ・弓枝役の奥山佳恵さんのこんな話題が取り上げられたのをご存知だろうか。

奥山佳恵、ダウン症の息子を通常学級へ入れる思い - 芸能 : 日刊スポーツ
     https://www.nikkansports.com/entertainment/news/201712220000707.html

女優の奥山佳恵(43)が、ダウン症であることを公表している次男の就学について「通常の学級に行こうと思っています」との考えを示した。

「ライちゃんにとって『通常の学級』へいくことはチャレンジです。みんなに助けてもらうと思う。でもそれも、ミライの『自立』!!」と奥山。「イケイケどんどん!そして様子を見続けて シンドそうなら、合わないようなら 変えることだってできるから! やらないで後悔するよりひとまずやってみまーす!案ずるよりも産んでみまーす!」と前向きな思いをつづった。

世の中の表面的な反応は概ね「多くの親から温かい声が」だが、現実的には以下のような意見(直後↓にリンク先あり)があるのも確か。

個人的には、ドラマと現実が連携して見えるようなタイミングで心情を明らかにするのはどうかと思うが、考える機会を与えると言う意味で、奥山さんは効果を狙ったとしたら成功したかも知れない。そして、それだけダウン症の子どもの子育ては大変だと言うのは間違いないと思う。

Ceron - 奥山佳恵、ダウン症の息子を通常学級へ入れる思い - 芸能 : 日刊スポーツ
奥山佳恵、ダウン症の息子を普通級に。だって | ママの交流掲示板 | ママスタ☆BBS

居酒屋でのサクラの表情が、言葉少ない何ともサクラらしい

居酒屋でサクラと四宮の恩師で隠久ノ島病院の院長を務める荻島が、サクラと四宮が集うシーン。進路に迷う四宮のためにサクラがセッティングした酒席だと思うのだが。

コウノドリ最終回

荻島「どれだけ医療が発展しても、
   全ての命を助けることはできないんだから。
   急いで行きたいなら、一人で行きなよ。
   遠くへ行きたいなら、みんなで行きなよ。
   アフリカの言葉。俺の先輩が言ってたよ。
   同じ産科医、場所は違っても心意気は同じ。
   そりゃあ、こっちと島じゃ同じ設備って訳にはいかない。
   けどな、どこへ行っても独りぼっちで戦わなきゃ
   いけないなんて、そんなことはないんだ。

恐らくサクラは、荻島に四宮の背中をポンと押して欲しかったに違いない。荻島の「独りぼっちで戦わなきゃいけないなんて、そんなことはない」こそが、サクラの四宮に伝えたかったことではないだろうか?この↓四宮の表情をさり気なく伺うサクラの表情が、言葉少ない何ともサクラらしいと思う。

コウノドリ最終回

今橋と白川に、本当に助け合うチームを見た

深夜のNICU。遅番の今橋に当直の白川が声を掛けるシーンは、最終回で好きなシーンの1つだ。「先生の一番弟子になれましたかね?」と今橋に質問する白川に、今橋がこう答える。

今橋「白川先生は、僕の弟子じゃない。
   頼りになる僕のパートナーだよ。
   今日は家で眠ることにしようかな。任せたよ」

コウノドリ最終回

今橋に「頼りになるパートナー」と言われ、先日は「また戻って来て欲しい」と言われた白川の久し振りに見る自信に満ちた笑顔と、そんな白川を見てホッとする新井の笑顔も印象的。本当に助け合うチームなのだ。

コウノドリ最終回

コウノドリ最終回

仙道部長の言葉に、空寝をしながら涙する下屋がいい

コウノドリ最終回

夜中の救命科の医局。救命科部長・仙道のこの↓言葉を寝たふりをしながら聞いている下屋が、ポロリと涙を流して微笑むのもとても印象的だし、この笑顔の1カットだけで、下屋の頑張りがちゃんと見えて来るように演出も演技もなっているのも素晴らしい

仙道「面白いよね。ガッツだけで何とかやっていけるもんなんだ」

コウノドリ最終回

4分弱の『オランダへようこそ』を、ほぼ完全再現してみる

保育園に休日である小松が遊んでいる子どもたちを見ている。そこに、向井がやって来て声を掛ける。すると、ここで小松が意外なことを言い出す。ここからは、4分弱の『オランダへようこそ』を当blogで、ほぼ完全再現してみる。途中ナレーションになる部分は、誰の声か不確かではあるが。とにかく、じっくりと読んで欲しい。

小松「ねえ、向井さん。
   『オランダへようこそ』って詩、知ってる?」
向井「知ってますよ」
小松「私さ。この詩みたいな助産師になりたい」

コウノドリ最終回

小松「オランダへようこそ。私はよく、
   『障がいのある子を育てるのってどんな感じ?』と、
   聞かれることがあります」

コウノドリ最終回

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透子「そんな時私は、障がい児を育てるという
   ユニークな経験をしたことがない人でも、
   それがどんな感じかわかるようにこんな話をします」

コウノドリ最終回

小松(M)「赤ちゃんの誕生を待つまでの間は、
      まるで、素敵な旅行の計画を立てるみたい。
      例えば、旅先はイタリア。
      山ほどガイドブックを買いこみ、
      楽しい計画を立てる」
透子(M)「コロシアム、ミケランジェロのダビデ像、
      ベニスのゴンドラ。
      簡単なイタリア語も覚えるかもしれない。
      とてもワクワクします。そして何ヶ月も待ち望んだ
      その日がついにやってきます」

コウノドリ最終回

コウノドリ最終回

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小松(M)「荷物を詰め込んで、いよいよ出発。
      数時間後、あなたを乗せた飛行機が着陸。
      そして、客室乗務員がやってきて、こう言うのです。

コウノドリ最終回

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透子「『オランダへようこそ!』『オランダ!?』
   『オランダってどういうこと??
   私は、イタリア行きの手続きをし、
   イタリアにいるはずなのに。
   ずっと、イタリアに行くことが夢だったのに』
   でも、飛行計画は変更になり、
   飛行機はオランダに着陸したのです。
   あなたは、ここにいなくてはなりません」  

コウノドリ最終回

コウノドリ最終回

コウノドリ最終回

透子(M)「ここで大切なことは、飢えや病気だらけの、
      こわくてよごれた嫌な場所に
      連れてこられたわけではないということ。
      ただ、ちょっと『違う場所』だっただけ」
※もしかすると、彩加(高橋メアリージュン)かも?

コウノドリ最終回

コウノドリ最終回

コウノドリ最終回

小松(M)「だから、あなたは新しいガイドブックを
      買いに行かなくちゃ。それから、
      今まで知らなかった新しいことばを覚えないとね。
      そうすればきっと、これまで会ったことのない
      人たちとの新しい出会いがあるはず」

コウノドリ最終回

コウノドリ最終回

コウノドリ最終回

小松(M)「ただ、ちょっと『違う場所』だっただけ。
      イタリアよりもゆったりとした時間が流れ、
      イタリアのような華やかさはないかもしれない。

コウノドリ最終回

コウノドリ最終回

透子(M)「でも、しばらくそこにいて、呼吸をととのえて、
      まわりを見渡してみると、
      オランダには風車があり、チューリップが咲き、
      レンブラントの絵画だってあることに気付くはず」
※もしかすると、新井かも?

コウノドリ最終回

コウノドリ最終回

小松(M)「でも、まわりの人たちは、
      イタリアに行ったり来たりしています。
      そして、そこで過ごす時間がどれだけ素晴らしいかを
      自慢するかもしれないのです。

コウノドリ最終回

コウノドリ最終回

小松「きっと、あなたはこの先ずっと
   『私も、イタリアへ行くはずだった。
   そのつもりだったのに。』と、いうのでしょう」

コウノドリ最終回

小松(M)「心の痛みは決して、決して、消えることはありません。
      だって、失った夢はあまりにも大きすぎるから」

コウノドリ最終回

透子(M)「でも、イタリアに行けなかったことを
      いつまでも嘆いていたら、
      オランダならではの素晴らしさ、
      オランダにこそある愛しいものを、
透      子「心から楽しむことはないでしょう」

コウノドリ最終回

コウノドリ最終回

これ↑について私が何も語る必要は無いが、映像的には小松と透子の語りを交互に入れて、これまでペルソナに関わった妊婦や赤ちゃんのカットを交えた心地良いイメージビデオ風に作られているのが良かった。きっと多くの人に言葉と思いが届いたに違ない。

透子「みんなで支えてほしいんです」
光弘「俺も一緒に精一杯頑張る。透子は一人じゃない。
   この子も一人じゃない。俺達の子供だ。
   よろしくお願いします」
澄江「こちらこそ、よろしくね。
   この子は、みんなの子だものね」

コウノドリ最終回

武田の出産については、私があれこれ語る必要も無かろう

武田の出産。ここも私があれこれ語る必要も無かろう。

コウノドリ最終回

コウノドリ最終回

コウノドリ最終回

コウノドリ最終回

コウノドリ最終回

コウノドリ最終回

ついに、四宮がペルソナを辞める時が来た

武田は子宮全摘したが、容態は安定。産科の医局で、ついに四宮が自分がペルソナを辞めて、能登で父の跡を引き継ぎ、金沢の大学で早剥の研究は続けると言う。そして、ここにも「一人じゃない」と言う台詞が登場する。

四宮「飛び込んでみるしかないと思ったんだ。
   怖がってるばかりじゃなくて」
鴻鳥「うん」
四宮「俺も、赤ちゃんが好きだからな」
鴻鳥「四宮は一人じゃない」
四宮「ああ」
小松「四宮先生、自分の行く道、決めたんだね」

コウノドリ最終回

続いて、小松もペルソナを辞める時が来た

そして、小松もペルソナを辞めると宣言する。「赤ちゃんを産む前も産んだあともお母さんの、家族の人生に寄り添いたい」とペルソナの外からサクラたちを支えると言う。

コウノドリ最終回

サクラにとっての家族がペルソナなのか!

四宮と小松がペルソナを辞めると聞いたサクラが、自分がなりたい理想の医者像を語り出す。

鴻鳥「離れてたって、僕達が目指す場所は同じだ。
   それに僕はいつでもペルソナにいて、
   みんなをつなげていく。
   お母さん、赤ちゃんと社会を、
   そして、それぞれの場所で頑張る仲間達をつなげていく。
   そういう医者に僕はなりたい。
   それは、赤ちゃんとお母さんの笑顔に、
   つながっていくと思うから」

コウノドリ最終回

そんなサクラの気持ちを知って、四宮は「夢みたいなことを言うやつがいないと、先には進めないからな」と応援し、小松は「家族みたいじゃん!」と喜ぶ。そして、サクラは「ペルソナが僕の家族か…」と再認識する。うん、ペルソナがサクラにとっての家族と言うのは、親がおらず施設で育ったサクラにとって大切な宝物と言う訳だ。

コウノドリ最終回

コウノドリ最終回

コウノドリ最終回

吾郎が、産科に進むことを決める

そして、いよいよ若者たちが新たな道を選ぶシーン。まず吾郎が産科に進むことを決める。

吾郎「産科は病院の中で唯一おめでとうって言える場所だから」

コウノドリ最終回

そして、理想の新生児科医になるため小児循環器科のある講談病院へ移る白川がペルソナを去るシーン。『1』から見ている視聴者としては、研修時代から苦楽を共にした同期の下屋が、「俺は寂しいよ」と下屋に気持ちを伝えるが、あくまでも下屋の前では「頑張れよ!」と気丈な態度。

コウノドリ最終回

しかし、白川の背中を見送りながら堪えていた涙をポロリと流したシーンは感動的だ。

コウノドリ最終回

サクラの「ペルソナは任せろ」は、全視聴者の心にも届いた

サクラと四宮の別れのシーンは病院の屋上。サクラの「ペルソナは任せろ」の言葉が、四宮だけでなく全視聴者の心にも届いたと思う。2人が固い握手をしたのが印象的だ。

コウノドリ最終回

吾郎は "ペルソナ・ファミリーの赤ちゃん" だった!?

最終回なのに一番最終回らしくないシーンと私が思うのが、サクラの差し金で?地域医療研修医として能登の病院に派遣されてきた吾郎に対して、「邪魔はするなよ、ジュニア君」と悪態をつく四宮。しかし吾郎も四宮の手の内は勝手知ったる雰囲気で、すかさず「体当たりで学ばせていただきます」と返す。

そんな、頼もしくなった吾郎を見て、四宮が吹き出すように笑う。

コウノドリ最終回

それにしても、吾郎と言う登場人物は実に重要なキャラだった。最終回を終えて思い返せば、小松が言った “ペルソナは家族” であるならば、吾郎は “ペルソナ・ファミリーの赤ちゃん” だったと。吾郎は産科、新生児科、救命救急科の何処にいても、いつも誰かが傍にいた。

どことなく赤ら顔で幼くて、発言も表情も素直で、時に場を和ませたり、時に場を苛立たせたりと全く役立たずのように見えて、悩んだり悲しんでいる人の傍に寄り添うことはできる。やはり吾郎は赤ちゃん的存在だったのだ。

上↑のシーンで四宮が吾郎を受け入れたのも、吾郎が赤ちゃんに思えたから、赤ちゃん好きな四宮受け入れたかも知れない…

サクラの独白の「僕はここにいる」が心にズシーンと響き渡った

BABYがピアノを弾きながら、みんなの現在を映し出すラストシーンは感動的だった。特に、サクラのモノローグ中の「僕はここにいる」が心にズシーンと響き渡ったラストシーンだった。

鴻鳥(M)「奇跡のあとには、現実が続いていく。
    苦しくて心折れそうになることもあるかもしれない。
    進む道に迷うこともあるかもしれない。
    けれど、僕はここにいる。
    ここで、赤ちゃんと家族の人生に寄り添っていく。
    ようこそ、この世界に。
    生まれてきて、おめでとう。
    そして、すべての命にありがとう」

コウノドリ最終回

幸せとは、好きなことをやって気持ち良くなること

さて、冒頭でフラグを立てておいた「幸せとは何か?」だが、私自身が自分のやりたいことを仕事にしているフリーランスの人間だから余計に思うのかも知れないが、「幸せとは、好きなことをやって気持ち良くなること」と言う答えは強引過ぎるだろうか? えい! いつも通りに私の思う方向で話を強引に進めよう。

四宮、小松、下屋、白川(追ってサクラも)に共通するのは「意地がある」と言うこと。モヤモヤした今の自分から抜け出すために、意地を張って好きなこと(やりたいこと)を選択し、その目的を達成する喜びを味わう道を選んだ。

そして恐らく、達成したその瞬間に、また次の好きなことを見つけて…を繰り返す。もちろん、その過程で挫折しそうになったりしたり誰かの援助が必要になった時、必ず助けてくれる人がいたら、もっと幸せを感じるに違いない。そう、実は「幸せになる」ために大切なのは “必ず助けてくれる人” がいるかどうかなのだ。

サクラの幸せは "必ず助けてくれる人" になることでは?

では、サクラはどうしてペルソナに残ることを選んだのか? それはきっと、サクラの周りの人(患者や赤ちゃんも)が「幸せとは何か?」を模索して悩み苦しみ助けが必要となった時の “必ず助けてくれる人” になることが、サクラにとっての幸せだからでないかと思うのだ。だから、サクラはペルソナに居続けたい。

そう考えると、鴻鳥サクラと言う登場人物は、なんと心の広い、懐の深い主人公であると思えて来る。決して誰よりも目立つ存在でもなく、声を荒げて主張する訳でもないが、全ての登場人物を優しく包み込むような包容力を持つ主人公。そんなサクラの優しい包容力こそが、本作の魅力であると再確認した最終回だった。

赤ちゃんの幸せにも "必ず助けてくれる人" が不可欠だ

そして、「幸せになる」ために大切なのは “必ず助けてくれる人” がいるかどうかは、産まれてくる赤ちゃんにとって、サクラたち周産期医療に関わる全ての人や、もちろん母親、父親、家族のことでもある。そう考えると、『コウノドリ』が「幸せとは何か?」について真摯に向き合った作品であることも再認識できた…

あとがき

「一人じゃない」「僕はここにいる」と言うメッセージを繰り返し伝えて来た『コウノドリ』。妊娠、出産、育児と言う難しいテーマを、テレビドラマそれも連ドラで、可能な限りリアルに且つ優しく真面目に温かく描けるスタッフやキャストがいること自体が奇跡であり、だから見たあとに現実も捨てたものじゃないなと思える作品でした。

大袈裟かもしれませんが、少子高齢化が加速する日本の社会を『コウノドリ』が訴えた「一人じゃない」「僕はここにいる」と言う誰もが寄り添って生きていく社会にしていけたら良いなと思いました。まずはこれまでよりも積極的に、手を貸して欲しそうな人に優しく手を差し伸べることからやってみよと思います。

最後に。第10話の感想の「濃厚版」に 122回、最終回の「通常版」に 82ものWeb拍手やたくさんのコメントを頂き、ありがとうございました。ついに最終回を迎えてしまいました。完全に「コウノドリ・ロス」状態です。また、このメンバーで「第3シリーズ」が放送されるのを期待します。最終回までお付き合いありがとうございました。

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【シーズン1の感想(本家blog)】
第1話 第2話 第3話 第4話 第5話 第6話 第7話 第8話 第9話 最終回


【これまでの感想】
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コウノドリ 第2シーズン 最終回「チームが起こす最後の奇跡!それぞれが進む未来」

最初のシーズン、最終回は、サクラ(綾野 剛)の出生の事情とリンクして見事な感動作でしたが、第2シーズンは、仲間達が、力を併せて困難に立ち向かい…だけど、それぞれの前進があって、成長感がお見事だったかな?ラストに出産後、妊婦が大出血して生死をさまよう大困難に面しましたが、救命にいった下屋(松岡茉優)も駆けつけ、部署を合わせた頑張りが感動的でした。それにしても、小松(吉田羊)の「戻ってこい」のパ...

コウノドリ #11 最終回

『チームが起こす最後の奇跡!それぞれが進む未来』
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Author : みっきー

★管理人:みっきー

★職業:宴会/映像ディレクター(フリーランス)

★略歴:東京下町生まれ千葉県在住。ホテル音響照明映像オペレータ会社を経て、2001年独立。ホテルでイベント、パーティー、映像コンテンツ等の演出を手掛ける。活動拠点は都内と舞浜の有名ホテル等。

★ブログについて:フリーの宴席/映像ディレクターが、テレビ,映画,CM,ディズニー,音楽,仕事等を綴ります。記事により毒を吐きますのでご勘弁を。

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