わろてんか (第67回・12/18) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『わろてんか』(公式)
第12週『お笑い大阪 春の陣』
『第67回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
藤吉(松坂桃李)は団吾(波岡一喜)を念願の専属芸人に迎え、寄席は連日大入り満員。てん(葵わかな)も忙しさにうれしい悲鳴を上げていた。ある日、寺ギン(兵動大樹)が差配する芸人が怪我(けが)をして、その妻・富(宮嶋麻衣)が藤吉に借金を頼み込む。だが、寺ギンの芸人に金を貸すのは筋違いになると藤吉は断った。伊能(高橋一生)は大阪郊外で宅地開発を進め、映画館を中心にした娯楽施設を作る構想をぶち上げる。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
どうして繁盛している理由を曖昧にするの?
N「大正の好景気も相まって」
どうして、時間経過をする度にこの↑「好景気」を北村笑店の繁盛の理由の1つに加えるんだろう? アバンタイトルで団吾が大看板になったことと、キースたちの芸も人気が出て来たこと、大勢の客が笑っていることで、十分に繁盛しているように見えているのに。
ナレーションだけ先録りしていて上手く編集出来なくても、上↑の部分だけ削除するだけで大分ドラマとして正常に見えるのに…。だって、繁盛している理由が「好景気で」なのか「藤吉と主人公の采配で」なのかは、物語上で大きな差になると思うのだが…
てんが経理、藤吉が商才アリに、どうしても見えない!
それにしても、脚本も脚本だが、今週も演出、演技指導が雑だ。アバンでのそろばんを弾く主人公1つにしても、ナレーションだけで「寄席の数を3つに増やし」と説明しただけで、期間も良く分からぬ時間経過を(予想通りに)するから、応援する気が起こらない。だって、経理と言うより金勘定している風にしか見えないから。
藤吉もそう。普通なら「スゴイな」と思いたいところだが、余りにも偉そうにしているからこれまた応援する気が起こらない。何とか新喜劇風の劇伴でごまかしたり、主人公に「藤吉はんの思うような番組」と言わせて、“偉そうなのは当然” に見せかけてはいるが、未だに “寄席の色” を描いていない時点で何の意味もないし…
突然現れた富に、これを言わせちゃダメでしょ?
先週までのお夕に続いて、今週から突然割って入って来た寺ギン所属の芸人・佐助の妻・富。お夕役の中村ゆりさんにしても、富役の宮嶋麻衣さんにしても何か似ている雰囲気。制作統括のお好みか? まっ、そんなことはどうでも良い。問題は、富のこの↓台詞だ。
富「風鳥亭さんは 芸人を 大事にしてくれはるいうんで」
確かに、先週の終盤で団真やお夕、古株芸人たちに対してそう言うムードが無きにしも非ずだったが、結局、大きく時間経過をしてしまった上で富にこんなことを言わせてしまうと、解釈のしようによっては芸人仲間の間では、周知の事実と言うように聞こえてしまう。本当にそうなの?と藤吉と主人公に聞きたくなる…
"芸人の心をガッチリ掴んだ" を3か月間描くべきだった!
えーと。NHKが何と言おうと本作の主人公のモデルは “吉本せい” だ。そうなると、吉本せいさんを描くに当たって重要な要素に “芸人の心をガッチリ掴んだ”がある。そこに通ずるのが「芸人を大事にしてくれはる」と言う描写のはずだ。しかし、残念ながら本作は先週末以外でそんなことは描いて来なかった。
本作の脚本家を褒めるつもりはない。しかし今の停滞状態、先への期待感の乏しさの責任は、脚本家を上回って演出家だと思っている。脚本に書かれていなくても、何をどう描けば主人公や藤吉が “人でなし” に見えないかを、この3か月間ずっと考えて演出すべきだった。
その努力をせずに、脚本の雑な時間経過を良いことに、これまでを無視して解釈しろと言わんばかりの演出を続けてはダメだ(もはや、他の言葉が見つからない)。
何とか、主人公と藤吉の "負のイメージ" を払拭して(願)
どうにかして3か月間で焼き付いた主人公と藤吉の “負のイメージ” を払拭するしか無いのだが、今回のアバンを見る限り、毎週月曜日のアバンで演出家の采配で強引に2人のイメチェンをさせる希望も薄まったし…。ホント、年明けからの後半戦をどう巻き返すつもりなのか?
あとがき
今週の演出担当は、本木一博さんと高橋優香子さんの2人体制になりましたね。ベテランと新人の組合せのようですから、ベテラン×2のような期待は出来ません。団吾もあれだけ引っ張った割に、ただの客寄せパンダ扱いになりました。伊能とリリコのくだりも余りにも唐突ですし。思い付きで書いているようにしか思えません…
最後に。前回のたいへん投稿時間が遅れた感想にも関わらず、57回ものWeb拍手と、たくさんの応援コメントを頂き、ありがとうございました。ただただ、このまま順調に北村笑店は勢力を広げ、芸人たちが集まって行くだけなのでしょうか?順風満帆過ぎて、ちっとも面白味が無いのですが…
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【これまでの感想】
●「わろてんか」なぜ視聴者を “場違いの笑いと置いてけぼり” を続けるのか?(2017/10/15)
第1週『わろたらアカン』
1 2 3 4 5 6
第2週『父の笑い』
7 8 9 10 11 12
第3週『一生笑わしたる』
13 14 15 16 17 18
第4週『始末屋のごりょんさん』
19 20 21 22 23 24
第5週『笑いを商売に』
25 26 27 28 29 30
第6週『ふたりの夢の寄席』
31 32 33 34 35 36
第7週『風鳥亭、羽ばたく』
37 38 39 40 41 42
第8週『笑売の道』
43 44 45 46 47 48
第9週『女のかんにん袋』
49 50 51 52 53 54
第10週『笑いの神様』
55 56 57 58 59 60
第11週『われても末に』
61 62 63 64 65 66
第12週『お笑い大阪 春の陣』
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