わろてんか (第65回・12/15) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『わろてんか』(公式)
第11週『われても末に』
『第65回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
てん(葵わかな)と藤吉(松坂桃李)は、姿を消した団真(北村有起哉)を必死に探す。そのことを知ったお夕(中村ゆり)は団吾(波岡一喜)の制止を振り払い風鳥亭に駆けつける。夜半、亀井(内場勝則)が川をぼーっと眺めていた団真を連れ戻って来るが、お夕は当てつけがましく失踪なんかするより、ちゃんと落語の稽古をしろと団真を責めたてた。二人の仲を取り持ちたいてんは、藤吉(松坂桃李)にあるお願いをする。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
『ドクターX』と『刑事ゆがみ』の秀逸な最終回直後で…
昨夜は仕事で帰宅時間が遅く、今朝早くに『ドクターX』と『刑事ゆがみ』の秀逸な最終回を録画で見て堪能したことを感想に書き上げた直後に、『わろてんか』を見ると、本作の完成度の低さにキーボードを叩く指先にも力が入らない。決して、貧乏性で暖房費をケチって寒いからではないと思うのだが…
お夕の言動の支離滅裂さにも言及せざるを得ない!
さて、前回では「最近のリリコの存在の無意味さ」に言及したから、敢えて避けて書かなかったのだが、やはりお夕の言動の支離滅裂さにも言及せざるを得ない。もちろん、そこには団吾と団真の言動のおかしさも関わってくるのだが。まずはお夕を片付けちゃおう。とは言え、お夕の駆け落ちそのものに興味が無いから確認するが…
そもそも、お夕が団真を連れ出すように駈落ちしたのだが、その行為によって団真が落語で食えなくなるのを覚悟していたのかってこと。覚悟があるなら、先日の主人公に助けられるくだりがおかしくなるし、何よりお夕は団真の落語が好きだと言っていたのだから、「団真が噺家を続けられる駆け落ち」を目指さないとおかしいような…
また、お夕がボロ布のようになった団真を捨てて…のくだり。途方に暮れて1人どこかへ旅立ちでもするなら話は分かるが、団吾にとっては待ってましたと言わんばかりに速攻で団吾の所に転がり込んだ理由が分からない。更に毎日違う綺麗なべべを着せてもらって、団吾の別宅で待つ女として居座っているのは何のため?
なぜ、藤吉を夜の外へ団真捜しに行かせなかったのか?
主題歌明けのお夕、雰囲気は元ダメ夫の団真が皆さんに迷惑を掛けて…みたいな上から目線になっているのも解せないが、お夕にばかり気を取られていると、すかさず視聴者の目を盗んで適当なことを書くのがこの脚本家。今回も主人公にこんな↓ことをサラリと言わせてきた。
てん「今 みんな 手分けして捜してるさかい」
え~と、「みんなで手分けして」いるらしいが、藤吉は?なぜ藤吉は探しに行かないの?まさか、席主が電話番?外、夜でしょ。灯りが点いているから。で、風鳥亭に何人の従業員がいるのか知らないが、夜の外を探すなら男手でないとね。確かに席主だからどーんと座って吉報を待つと言うのもなくもない。
藤吉が団吾は好きでも団真のことを良く思っていないからと言うのもあるとは思う。ただ、命に関わる行方不明なのだ。少なくとも一度は風鳥亭の高座に上がった男だ。自分の妻も心配している男だ。だとしたら、これこそ藤吉の “人でなし感” を払拭するためにも、例えば亀井が飛び出していくのを止めて「俺が行く」じゃないの?
第60回(12/9)でも「団吾と団真を高座で直接対決」させるなどして、“芸や笑いにも違いがある” のを表現して上で、藤吉どちらの落語家を選ぶのかを描いて “風鳥亭の色” を描くタイミングを逃したばかり。今回は藤吉の “人でなし” を払拭できた絶好のチャンスでありタイミングだったのに…
お夕のせいでなくて、主人公が火付け役じゃないの?
藤吉の人でなしっぷりを書いていたら、今度はお夕がこんな↓ことを言い出した。
お夕「全部 うちのせいや…」
おいおい、「うちのせいや…」と言っていたが、主人公が団真にお夕が団吾の所にいると告げ口したから団真は家出したのじゃないっけ? なのに主人公は豆鉄砲食らったような顔でお夕を見ているだけ。もちろん、人でなしの藤吉は案山子のように立ん坊で…。僅か5分でこれだけ意味不明。何なのこれ?
今回も "古株芸人たち" の "オマケ感" が大いに役立った!
それにしても、前回で書いた、古株芸人たちが良い意味で “本筋に影響を与えないオマケ” 程度に仕上がっていることの大切さが今回でもよ~く分かった。お夕のくだりが意味不明で、藤吉が人でなしでも、古株芸人たちは四銃士として成長した。だから物語が前進しているように見せるのに一役を買ったのだ。
なぜ今迄、藤吉を芸人の気持ちが分かる席主に描かない?
しかしだ。この脚本家は、ちょこっといいことをするとすぐに大罪を犯す。それが、藤吉が、団真が高座に上がるのを許すくだりのこの↓台詞だ。
藤吉「俺も 元は芸人や。団真の気持ちも よう分かる」
再びそもそも論で恐縮だが、藤吉って元芸人なの? 私には「芸人崩れ」でもなく「芸人もどき」の印象しかないのだが。でも藤吉本人が「元芸人」で「芸人の気持ちが良く分かる」なら、これまでのような “人でなし” でなく、そう言う人に描くべきじゃなかったのかな?
団真の落語をお試しで聞こうとした時もお客が座る座布団を敷いて眠っていたり、生死が関わる家出なのに電話番したりとか。芸人の辛さや芸への執着心や思うようにいかない時の屈辱感とか、「よく分かる」なら、溺れる団真を助けるために夜中の川の中に飛び込む位の藤吉を描かないと、これまでの負のイメージは無くならないと思う。
あとがき
私が当blogで足のしびれを切らして「団吾と団真を高座で直接対決」を提案したのが、丁度1週間前の第60回(12/9)です。ホント、ダラダラと3週間も描き過ぎですよ。それに今回も取って付けたような主人公のお手柄で事柄が前進しちゃう。連ドラなのに連続していませんので(怒)
最後に。前回の感想に、55回ものWeb拍手と、たくさんの応援コメントを頂き、ありがとうございました。どうせ、明日はハラハラさせてるつもりで何とか団真が高座を務め、お夕も一安心。お夕は元さやに戻って暫し退場。団吾は専属契約をして風鳥亭は大繁盛なんでしょ、ね?
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【これまでの感想】
●「わろてんか」なぜ視聴者を “場違いの笑いと置いてけぼり” を続けるのか?(2017/10/15)
第1週『わろたらアカン』
1 2 3 4 5 6
第2週『父の笑い』
7 8 9 10 11 12
第3週『一生笑わしたる』
13 14 15 16 17 18
第4週『始末屋のごりょんさん』
19 20 21 22 23 24
第5週『笑いを商売に』
25 26 27 28 29 30
第6週『ふたりの夢の寄席』
31 32 33 34 35 36
第7週『風鳥亭、羽ばたく』
37 38 39 40 41 42
第8週『笑売の道』
43 44 45 46 47 48
第9週『女のかんにん袋』
49 50 51 52 53 54
第10週『笑いの神様』
55 56 57 58 59 60
第11週『われても末に』
61 62 63 64
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