わろてんか (第60回・12/9) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『わろてんか』(公式)
第10週『笑いの神様』
『第60回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
藤吉(松坂桃李)の不在中に出演予定の芸人が出番に間に合わず、てん(葵わかな)は困ってしまう。スト中の万丈目(藤井隆)たちは、代演を頼まれたらこれを潮時にストを止めようと期待するが、てんは団真(北村有起哉)を高座に上げることにした。団真は尻込みするが、お夕(中村ゆり)に背中を押され久しぶりに落語をやる決心をする。だが団真は噺(はなし)の途中でつまずき、客からやじを浴びせられて高座を下りてしまう。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
主人公の自己主張が "成長" に見えたのは良かった!
いろいろ書きたい事はあるが、今回で(「これまでに比べて」と敢えて断った上で)良かったのは、主人公が藤吉に対して自己主張した事。そして、それが少なからず “主人公の成長” に見えた事は良かった。
マイク性能が上がったの? 主人公の声がか聞き易くなった!
更に珍しく、主人公を誉めるとすれば、マイクの性能が良くなったのか、主人公が何を言っているのか聞き取り易くなったのも良い事。イントネーションや表情については、未だ改善の余地はあるが、良い事が増えたのは悪くない。
藤吉のマイクは、いつになったら改善されるの?
さて、主人公の一方で夫の藤吉は回を重ねる毎に、支離滅裂と言うか一貫性の無いキャラクターになっている。更に、何故か藤吉のマイクはまだ壊れているようだ(苦笑) 因みに下記↓の記事を読むと、松坂桃李さんが脚本を読んで藤吉をどう解釈して演じているか?そして、演じた藤吉が全体の流れに合わない事が分かる。
松坂桃李 朝ドラで自身演じる藤吉が「うらやましい」 | 女性自身
https://jisin.jp/serial/%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%A1/interview/31770
「細かいことの後先を考えずにまっすぐ進むところが藤吉の魅力であり、かっこいいところだと思います」(松坂・以下同)
「気持ちのぶつけ方もストレートで見ていて気持ちがいい。僕が怖くてできないようなことも、彼は跳ねのけていく強さと勇気がある。そこは男としてかっこいいと思いますね」
脚本家は自分が書いた藤吉の設定を忘れたの?
それにしても、藤吉が席主の妻である主人公に、こんな事?を言ったのには(言わせた脚本にも)驚いた。
藤吉「お前に 芸や番組の事は分からん」
うーん。脚本家の先生は自分が書いた藤吉の設定を忘れてしまったのだろうか? 言うまでもなく、藤吉に芸を見る目が備わっていない事や、藤吉が風鳥亭の番組を考えたのは席主としてやるべき事をやっただけ。主人公が芸や番組に関して才能が無いなど、描かれていない。それなのに…
理由無く妻を一刀両断した藤吉への不快感
なのに、妻を上から目線で一刀両断。これで、益々藤吉のおバカ加減は増し、好感度は下がるに違いない。なぜ、この脚本家はわざわざ逆効果な事をするのだろう?
なぜ、未だに "大切な事" を描かない?
古株芸人たちのストライキと団吾との契約を、2週間近くただただ引き伸ばしているだけで、“大切な事” を描かぬまま進むから、前述↑の台詞に全く説得力が無いのだ。次の章では、“大切な事” について書いてみる。
「なぜ、そこを描かずに進むのか?」と思う、その心は…
今回は土曜日で週の区切りだから、この2週間を振り返えると、根本的に「なぜ、そこを描かずに進むのか?」と思う。それは以前、 喜楽亭 文鳥 が藤吉に「寄席を作るなら “寄席の色” を決めるべき」とのニュアンスの話をしたくだりに関する事だ。そう、主人公と藤吉夫婦は、風鳥亭を “どんな色” に決めたのか? だ。
藤吉とてんは、"寄席の色" を "何色" にしたのか?
「伝統派」と呼ばれる150名以上の門下を抱える大看板の落語家が、藤吉に “寄席経営のいろはのい” を教えたのは記憶に新しい。しかし、その答えが視聴者に提示されないまま、 古株芸人たちや寺ギンからの派遣芸人、団吾と団真が舞台に上がるの上がらないのと話が進んでいる現状は、以前に書いた通りの “視聴者置いてけぼり” でしかない。
近い内に "風鳥亭の色" を描かないと、益々疑問が膨らむ
本当は、今週は、私が前回の感想で書いたように「団吾と団真を高座で直接対決」させるなどして、“芸や笑いにも違いがある” 事を表現した上で、どんな芸人を主人公と藤吉が選ぶのか? を、視聴者に見せる絶好のチャンスでありタイミングたったのだ。
それを逃した上でこの流れでは、恐らく「団吾と団真を高座で直接対決」は無いだろう。しかし、近い内に “風鳥亭の色” を描かないと、益々「藤吉の才能でどうして寄席経営が上手く行くの?」の疑問は益々膨らむに違いない。
あとがき
先日も書きましたか、次から次へと寄席を手広く経営して、のちに「笑いの帝国」を築く過程で、幾度もドラマチックなエピソードなんて実際には無いのでしょうね。あれば、とっくに脚本家が利用しているはずですから。
これ、要は、単純な “”エピソード不足” なんです。だから、物語を意味もなく引っ張るしかない。そう言う創作力不足がこの停滞感の根元では無いでしょうか?
最後に。前回の簡単感想に、85回ものWeb拍手と、たくさんの応援コメントを頂き、ありがとうございました。かなり好意的に見過ぎているかも知れませんが、いよいよ主人公が「吉本せい」のように商才を発揮して藤吉を引っ張って行く展開になれば、藤吉のダメンズっぷりも活きてくるかも知れません。週明けはまた戻る可能性はありますが…(困)
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吉本せいと林正之助 愛と勇気の言葉
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NHK連続テレビ小説 わろてんか 上
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【これまでの感想】
●「わろてんか」なぜ視聴者を “場違いの笑いと置いてけぼり” を続けるのか?(2017/10/15)
第1週『わろたらアカン』
1 2 3 4 5 6
第2週『父の笑い』
7 8 9 10 11 12
第3週『一生笑わしたる』
13 14 15 16 17 18
第4週『始末屋のごりょんさん』
19 20 21 22 23 24
第5週『笑いを商売に』
25 26 27 28 29 30
第6週『ふたりの夢の寄席』
31 32 33 34 35 36
第7週『風鳥亭、羽ばたく』
37 38 39 40 41 42
第8週『笑売の道』
43 44 45 46 47 48
第9週『女のかんにん袋』
49 50 51 52 53 54
第10週『笑いの神様』
55 56 57 58 59
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