わろてんか (第53回・12/1) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『わろてんか』(公式)
第9週『女のかんにん袋』
『第53回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
ついに堪忍袋の緒が切れたてん(葵わかな)は、藤吉(松坂桃李)と一言も口をきかなくなり、仕事場でも亀井(内場勝則)を介して何とか会話が成り立つような状態になっていた。そんな二人のことを心配したトキ(徳永えり)や伊能(高橋一生)が仲裁に入るが、両者とも一歩も譲らず埒(らち)が明かない。そのころ風太(濱田岳)は京都に戻らないまま大阪にいつづけ、意外な人物の元に身を寄せていた。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
最も描くべきてんの1年間を僅か2つの台詞で補完した!?
トキ「隼ちゃん背負うて働いて どんなに大変でも わろてはる」
へえ、この↑トキの台詞が真実ならば、主人公はこの1年間子供を背負って働いていたらしい。そんな場面は殆ど記憶にないが、どうやら主人公は子守りもしながら泣き事も言わずに働いたと視聴者は記憶を修正しなくてはいけないらしい。更に、主人公からもこんな↓発言が…
てん「隼弥おぶって 親子三人 一緒に働いて
(ため息)苦労も楽しかったな」
えーと。主人公が隼也をおぶって苦労したそうだ。早速、おぶい紐1つせず、苦労した姿も見たことが無いと言う記憶も修正しなければ。それにしても、1年間で起こっていた一番大切な「仕事」の部分を描かずに、たった2つの台詞で片付けるとは恐れ入谷の鬼子母神だ。
実は "今の藤吉" はきちんと仕事をして成功を収めている
また、藤吉が酒を飲んでいるカットから始まったのはどうかと思うが、今度は伊能家を訪ねた藤吉がこんな↓ことを言う。
藤吉「俺は てんの事も 隼也の事も ちゃんと見てるし
一生懸命やってる」
そうなのだ。残念ながら藤吉もあまり働いている姿は描かれていないが、劇中の事実として、儀兵衛からの借金は1年で完済し、寄席も大繁盛、2軒目も出そうとするほど、実は藤吉はきちんと仕事をして成功を収めているのだ。また、母親になった主人公が強くなったから、帰り難いと自己分析までしている。
2つの違和感
ここで、2つの違和感を覚える。1つは、これまでの藤吉の印象は、商才も笑いのセンスも無く、失敗ばかりのクズ男。なのに、今回の藤吉はそれなりに仕事で成功した男、夫として描かれている違和感だ。
もう1つは、今の藤吉は、主人公が「堪忍袋」を破裂させるほどダメな男でも夫でもないのに、なぜか主人公は節句の兜を買い忘れたのをきっかけに怒り続けている違和感だ。
2か月分の刷り込みが消えるような工夫をすべき
今週に限って言えばドラマとしてはそれなり正しい(間違っていない)ストーリー展開になっているのは認める。
しかし、これまで刷り込まれた藤吉のクズ男の印象と殆ど仕事も子守りもしていない赤いべべ着た娘さんの印象がまだまだ強いところへ、突然に仕事が順調な藤吉を苦労をしてきた主人公が怒ると言うのが、何とも馴染まない、いや受け入れ難い展開だから納得できないのだ。だから、単純に面白くない。
これが、もう少し藤吉の酒飲みのカットを減らして、夫婦二人三脚で寄席を経営し、子育てをしてきたカットが増えていたなら、今よりは面白く思えたのでは?まっ、いずれにしてもこれまでの2か月分の刷り込みが残る限り、何を描いても違和感になる。早く壁の落書きを厚塗りのペンキで隠すしかないと思う…
あとがき
吉本興業の創業者夫婦がモデルなのですから、藤吉が「兜を買う金があったら寄席のために使う!それが商いや」みたいに言っても良さそうですよね。そして、主人公は「夫婦の約束は大事じゃないの?」みたいにケンカするなら分かりますが、忘れただけですよね。藤吉は寺ギンと契約交渉までデキる男になったのに…
最後に。前回の感想に、87回ものWeb拍手と、たくさんの応援コメントを頂き、ありがとうございました。当時の夫婦、それも商売人が家族団らんを期待して夫婦生活をしますかね。それも吉本の創業者が。
それと、前回の「あとがき」で “朝ドラなので清々しく心温まる話が見たい” と書きましたが、本作って当時の関西の文化や季節感が描かれないがとても残念。その辺が描かれないから、何となく主人公が現代っ子に見えるのかな?
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【これまでの感想】
●「わろてんか」なぜ視聴者を “場違いの笑いと置いてけぼり” を続けるのか?(2017/10/15)
第1週『わろたらアカン』
1 2 3 4 5 6
第2週『父の笑い』
7 8 9 10 11 12
第3週『一生笑わしたる』
13 14 15 16 17 18
第4週『始末屋のごりょんさん』
19 20 21 22 23 24
第5週『笑いを商売に』
25 26 27 28 29 30
第6週『ふたりの夢の寄席』
31 32 33 34 35 36
第7週『風鳥亭、羽ばたく』
37 38 39 40 41 42
第8週『笑売の道』
43 44 45 46 47 48
第9週『女のかんにん袋』
49 50 51 52
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