わろてんか (第49回・11/27) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『わろてんか』(公式)
第9週『女のかんにん袋』
『第49回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
てん(葵わかな)と藤吉(松坂桃李)に長男・隼也が生まれて一年。風鳥亭の客足も順調に伸び、寄席の仕事と子育てに頑張るてんは息つく暇もない。藤吉は家族のために売り上げを増やしたいと伊能(高橋一生)に相談し、もう一軒寄席を買収して収入を増やそうともくろむ。だが藤吉が寄席探しに出かけるようになり、てんは仕事に忙殺され子守りもままならず、ちょっと目を離した隙に隼也の姿が見えなくなって風鳥亭は大騒ぎになる。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
これのどこが "ドラマとして" 面白いの?
今週の演出家は、第6週『ふたりの夢の寄席』担当の川野秀昭氏…なんて、もはやどうでも良いのである。とにかく月曜日から3分10秒以上のアバンタイトルを見て感じたのは、本当につまらない。この一言。主人公と藤吉が苦労して風鳥亭を繁盛させ、子宝にも恵まれて順風満帆。これのどこがドラマとして面白いのだろう?
週明けから申し訳ないが、今回のアバンタイトルを見て、脚本と演出、そして主演俳優に絶望しか感じなかった。その理由は、のちの章で書くことにする。
最初に刷り込まれた5つがある限り、小手先の描写は無駄
主題歌明けも、敢えて拾う必要もない他愛のないシーン。面白くも何ともない、とにかく藤吉が頑張って寄席経営をしていることと、主人公が内助の功でがんばっているのを何とか強引に視聴者に植え付けようと必死な描写としとしか受け取れない。しかし、世の中そんなに甘くない。
だって、私(たち視聴者)は、2か月程前に既に以下の5つがインプリンティングされているのだから。因みに「インプリンティング」とは。小鳥が親を認識するのは繰り返しと一定の時間の持続は不要で、一瞬で記憶(認識)が決まってしまうこと=刷り込み)。
●藤吉に “商才” と “笑いのセンス” は無い
●主人公は、他人のアイデアを盗み、手柄を横取りする
●主人公と藤吉は「努力」と無縁で、
「ツキの良さ」と「タナボタ」で生きている
●主人公と藤吉は、行儀や態度がよろしくない
●イントネーション、白塗り、滑舌、固い笑顔など俳優の問題
だから、今さら、何を描いて「今はこうなっています」と描写したところで、潜在意識的な部分で上記の5つがあるから、とにかくあれこれ都合良く進んでいるのが不自然にしか見えていないのだ。もうこれは連ドラとして致命的、いや崩壊寸前と言っても良いかも知れない。
深酒で眠る男が "すまし顔" で "お行儀良い" はずがない!
そんな風に考えていても、何とか好意的に見ようとするのだが、そうしている時に限って、こんなシーンを描くから不信感が倍増する。藤吉が伊能に相談するくだりで、藤吉が伊能を夜の自宅に呼び出す。相談するなら自ら出向け!って話だ。そして、藤吉から伊能への相談内容はバッサリと削除で結論のみを提示(失笑)
しかし、問題はまだ続く。本作お約束の主人公と伊能を二人きりにするために藤吉を寝させるくだり。こう言うのも工夫すべき。だって寝ている藤吉を見てよ。深酒して眠っているのに “すまし顔” (苦笑) 客人がいるから?ワハハ。普通、大口開けて手足を広げていびきの1つでもかくだろうに。
演出家も俳優もどうかしてるぜ!
演出家も俳優もどうかしている。これだから、いつまで経っても藤吉のキャラクターが見えて来ない。俳優もきちんと演技を提示するべきだし、演出家も藤吉らしい演技指導をすべき。せめて「豪快」なのか「繊細」なのか、「真面目」なのか「抜けている」のか、「お利口さん」なのか「おバカさん」なのか?
何も決め手がない主人公の相棒役なんて魅力ゼロ。さっさと、決めて演技をさせたらいいのに。そして出来なければ、主人公と一緒に晩年は2人の俳優をきちんと演技の出来る大人の俳優と女優に交代させるべき。今はその方法が、インプリンティングを消す唯一残された手段だと思う。
あとがき
明日のアバンか主題歌明けに「久し振りに風太がやって来ました」みたいなナレーションで始まるのかな?劇中ではそれなりの時間経過があっても、私の感覚では「また風太が誰かと揉めるためにやって来ました」としか思えません。今日のラストの描写では、酔っぱらいの藤吉が口喧嘩の相手と予想しておきます…
最後に。前回の出勤時間の都合で尻切れ気味の感想にも関わらず、105回ものWeb拍手と、たくさんの応援コメントを頂き、ありがとうございました。寄席経営も結婚生活も、取り敢えず全て都合良く進んではいますが、これを見て面白いと思う人っているのでしょうか?
少なくとも、私は退屈でしょうがないです。むしろ、本編が終わったあとの『みんなのえがお』の一般の人たちの1枚の写真の方が、よっぽど楽しく微笑ましいですし、そこに写る家族たちの人生を想像ができて退屈しませんが…
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【これまでの感想】
●「わろてんか」なぜ視聴者を “場違いの笑いと置いてけぼり” を続けるのか?(2017/10/15)
第1週『わろたらアカン』
1 2 3 4 5 6
第2週『父の笑い』
7 8 9 10 11 12
第3週『一生笑わしたる』
13 14 15 16 17 18
第4週『始末屋のごりょんさん』
19 20 21 22 23 24
第5週『笑いを商売に』
25 26 27 28 29 30
第6週『ふたりの夢の寄席』
31 32 33 34 35 36
第7週『風鳥亭、羽ばたく』
37 38 39 40 41 42
第8週『笑売の道』
43 44 45 46 47 48
第9週『女のかんにん袋』
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