わろてんか (第47回・11/24) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『わろてんか』(公式)
第8週『笑売の道』
『第47回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
父の死のショックを乗り越え、てん(葵わかな)は再び寄席の商売に身を入れて働く。その姿を見た風太(濱田岳)は安心して京都に戻って行った。ある日てんは、藤吉(松坂桃李)と啄子(鈴木京香)に寄席の入場料を半額にすることを提案する。半額でも客が増えれば儲けは増えるというてんの考えに納得した藤吉と啄子は、この大きな勝負に打って出る覚悟を決めた。そんな時、京都からおトキ(徳永えり)が突然やって来た。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
まえがき
今週は11月22日が「いい夫婦の日」、11月23日が「いい夫妻の日」で、週末まで多忙につき、基本的に簡単感想で。←今週限定のテンプレです。
強引で不快なアバンが無くなっただけで観易くなった!
今回もアバンタイトル無し仕様。うん、これで良いのだ。本作のこれまでを思い返せば、次回を見ていない視聴者向けのアバンとしても、若干盛ってる部分もあったし、とにかく強引な編集やらもあって、不快感を増強する役目の方が大きかった。それを考えれば、アバンが無いだけで、だいぶ観易くなったと言える。
松坂桃李さんが腹から声を出し、自然な笑顔を作るべき!
主題歌明け。前回の予想では、「冒頭で「てんは、父・儀兵衛の死を乗り越え…」みたいなナレーションを入れて、葵わかなさんに一瞬歯を食い縛る演技をさせて、あとはまた未だにぎこちない笑顔で、主人公が寄席の仕事に励む姿を演じさせるんでしょ?」と書いたが、良い方向で裏切られた。
耳障りなナレーションは無かったし、主人公のぎこちない笑顔も無かった…。おっと、ここは説明が必要だ。これまで恐らく書いたことはないと思うが、藤吉役の松坂桃李さんが腹から声を出しておらず、表情も泣き顔みたいな印象だから、主人公を演じる葵わかなさんがマシに見えているのだ。
てんと藤吉が父の死を乗り越えた "空元気の笑顔" は無し!
てん「うちの笑顔も おまけで つけときますさかい」
だから、今回のこのシーンに限り、この↑主人公の台詞は “実” がある。まっ、台詞と演技が釣り合っていると言って良い。それだけに、藤吉にも “悲しみを乗り越えて” の空元気を見せて欲しかった。
もちろん、私は主人公の笑顔も、もっと “父の死を乗り越えた空元気” に見えたら良かったのは間違いないがが、後述するように “てん” は新タイプのヒロインだから、父の死も何のそので、か~るく乗り越えてしまうらしい。何とも、現代的と言うか殺伐していると言うかだが…
敢えて「儀兵衛の伝言死」の翌日に放送する必要がある?
それにしても、突然の父の死をたった一晩でまるで無かった事のように、翌日から働ける主人公と藤吉、何も行動を起こさない啄子に、私は「人情」を感じないし、そんな人間が「笑い」で成功するとは考えにくいのだが…と、いつものように躊躇している私(たち一部の視聴者も?)を置いてきぼりにするのが本作。
ナント、藤吉がどこから聞いた知識なのか「風鳥亭の会社化」を言い出した。そして、事のついでに啄子から「主人公と藤吉の結婚」も飛び出した。まるで、儀兵衛が亡くなって北村家と藤岡家の確執も問題も、きれいさっぱり無くなったかのように。
人の死をきっかけに話が次の展開に進むのは悪いとは思わないが、今回のこの展開は “人の死を踏み台” にしているように見えなくもなく、いい感じはしない。「会社化」も「結婚」も「木戸銭の半値引き」も、本来の進むべき方向だとは思うが、わざわざ「儀兵衛の伝言死」の翌日にやることはないのでは?
主人公と藤吉の言動には "2つのパターン" がある
それにしても、「木戸銭を半額」の思い付きのくだりから、私の心の中には、モヤモヤしたものが少しずつ充満して来て、どうも話が頭に入って来ない。その “モヤモヤ” は、主人公の「木戸銭半額」の発想、藤吉の太夫元の寺ギンとの価格交渉、そして順調に客足が伸びていく過程だ。
これまでを思い返せば、主人公と藤吉の言動には2つのパターンがある。
●主人公と藤吉は、自分のアイデアでは失敗する
●主人公と藤吉は、他人のアイデアを横取りして成功する
さて、ここからは個々の好みの問題になる。私は、後者の「他人のアイデアを横取りして成功する」よりも、前者の「自分のアイデアでは失敗する」主人公と藤吉に失敗を繰り返して成功を勝ち取って欲しいと、ずーっと思っていた。しかし、本作にその描写は無い。
閃きとタナボタと幸運で都合が良過ぎる人生を歩む新ヒロインか?
なぜなら、他人のパクリと他人からのタナボタで成功し成長してきたのが、今の主人公であり藤吉だから。従って、今回の主人公の「木戸銭半額」の発想、藤吉の太夫元の寺ギンとの価格交渉、そして順調に客足が伸びていく過程が不自然に見えてしょうがない。
朝ドラらしいベタな努力と苦労で成長するタイプのヒロインとはある意味真逆の、閃きとタナボタと幸運で都合が良過ぎる人生を歩むだけなのか?
あとがき
トキの “閃き” が自然な描写として見えるだけに、今回の主人公と藤吉の儀兵衛の死を一晩で忘れ、一気に商売繁盛してしまった展開には開いた口が塞がりませんでした。ほぼ、前回までの主人公と藤吉とは別人になってしまったではありませんか?
流石に2か月を過ぎようとしているから、強引な舵取りをせざるを得なかったのだと思いますが、苦労も努力もせず成功していく主人公と藤吉を応援する気にはなりませんね。どうして、こうまでして話をとんとん拍子に進め、この度の一周年興業と、実は儀兵衛に返済していたことや完済したことも、全部箇条書き。
ここまで視聴者を置いてきぼりにされては、何とか主人公たちを応援しようにも、物語を楽しもうにも情報が少なく後出しばかりでどうしようもありません。
最後に。前回の儀兵衛の死とそれを受け止める主人公への厳しい感想に、74回ものWeb拍手と、たくさんの応援コメントを頂き、ありがとうございました。伝わる人に伝わって良かったです。
もしかすると、本作はこれまでの朝ドラとは違い、閃いては成功し、ちょっと壁が出来るとタナボタで乗り越える、新しいタイプのヒロインが描かれるのかも?そう思えば腹も立ちませんし不快にもなりません。でも、面白いかどうかは別の話ですが。
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【これまでの感想】
●「わろてんか」なぜ視聴者を “場違いの笑いと置いてけぼり” を続けるのか?(2017/10/15)
第1週『わろたらアカン』
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第2週『父の笑い』
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第3週『一生笑わしたる』
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第4週『始末屋のごりょんさん』
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第5週『笑いを商売に』
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第6週『ふたりの夢の寄席』
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第7週『風鳥亭、羽ばたく』
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第8週『笑売の道』
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