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コウノドリ[2] 「第6話」の感想 ~かなり濃厚な第2弾~

コウノドリ[2]

TBSテレビ系・金曜ドラマ『コウノドリ[2] 命についてのすべてのこと』公式
第6話『突然の命の危機 母子の救急救命』の感想のかなり濃厚な第2弾
なお、原作:鈴ノ木ユウ「コウノドリ」(漫画)は未読。


一人前になりたいと焦る下屋(松岡茉優)は、ヘルプに入った産婦人科医院で、切迫早産で入院中の妊婦・カエを診察する。2人は同じ名前ということもあって仲良くなる。ある日、下屋はカエの様子がおかしいことに気付き、院長に報告。週明けに検査をすることになったが、程なく、ペルソナ総合医療センターにカエが緊急搬送されてくる。ペルソナに戻っていた下屋がショックを受ける中、サクラ(綾野剛)らは手術を行うが…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---


脚本:坪田文(過去作/コウノドリ 第7,8話) ※第1,3,6
   矢島弘一(過去作/毒島ゆり子のせきらら日記) ※第2,4話
   吉田康弘(過去作/プラージュ) ※第5話
演出:土井裕泰(過去作/コウノドリ、重版出来!、逃げ恥) ※第1,2,5話
   山本剛義(過去作/Nのために、夜行観覧車) ※第3,4話
   加藤尚樹(過去作/コウノドリ、ホワイト・ラボ) ※6

まえがき

一部の読者の皆さん、たいへんお待たせしました。さて、先日の第6話もいつもの濃厚な感想を書けなかったので、書き足りないかった部分を全力でフォローする、今や恒例?となった濃厚な感想の第2弾です。早速書きます。
※第5話の濃厚版より、キャプチャ画像を増やして臨場感を出してみました。

まず、地域包括医療体制について書いてみる

物語は、夜のペルソナ総合病院の産科医局で、下屋が当直でなく、こはる産婦人科にヘルプとして入っているところから始まる。先日の感想にも書いたが、地域包括医療体制に於いて、ペルソナ総合病院のような中核病院と地域の個人病院は提携関係にあり、重症な患者は中核病院へ、軽傷な患者は地域の病院でと言う関係にある。

コウノドリ[2] 「第6話」の感想 ~かなり濃厚な第2弾~
©TBS

そして、多くの場合は、双方から医師を行き来させることで、お互いの病院の状況を把握したり、今回の下屋と妊婦・カエのように、中核病院から医師が来たりすることで、地域の個人病院に信頼が生まれると言うメリットもある。まあ、ご存知の方も多いだろうが、今回は深読みするとなるとこの情報が必要だから敢えて書く。

患者へ冷静に対応できる下屋が伺えるカエとの会話

話を本編に戻そう。こはる産婦人科にヘルプとして入った下屋は、切迫早産で入院している神谷カエの担当となる。同じ名前に、同い年。話も合う患者と下屋は、のちに結婚式を招待されるような仲にまでなるのだが。

コウノドリ[2] 「第6話」の感想 ~かなり濃厚な第2弾~
©TBS

下屋と出会い、元気を貰って切迫早産を前向きに捉え直して、少し気負うカエに言うこの↓下屋の台詞がいい。

下屋「切迫早産の治療にはゴールがあります」
カエ「ゴールか」
下屋「ずっと妊娠していることはできないからね」

患者に対して冷静に対応できる下屋が良く表現されたやり取りだ。そして、このままメインタイトルに繋がっていく。アバンタイトルで見せた下屋とカエの笑顔がその後まさかの結果になるような予感もせずに、タイトル明けは産婦人科医として少々意気込んでいる下屋が描かれる。

サクラが下屋に "医師の心得" を切々と伝える印象的な会話

助産師の小松がある妊婦の胎盤用手剥離をサクラに頼もうとするのを、下屋が拒んで自ら手を出し、結果的に経験不足からミスをしてしまう。そんな下屋に産婦人科医としてと言うよりも、サクラの考える根本的な “医師の心得” を切々と伝えるサクラと、それにハッとする下屋が印象的な会話がこれ↓だ。

コウノドリ[2] 「第6話」の感想 ~かなり濃厚な第2弾~
©TBS

下屋「次はもっとうまくやらないとって思ってます」
鴻鳥「下屋 そういうことじゃないだろ。
   命を預かってる僕達におごりは決して許されない。
   それがいつか 大きなミスにつながるかもしれない。
   だから 誰かに頼ることも大切なんだ」
下屋「でも 今のままじゃ私
   いつまでたっても独り立ちができません。
   鴻鳥先生や四宮先生に頼ってばかりじゃ
   何か失敗をしたときに自分でリカバーして
   乗り越えられるようになりたいんです」
鴻鳥「それは違う」
下屋「えっ?」 鴻鳥「僕達医者が大きな失敗をしたとき
   それは乗り越えるものじゃない」

下屋が “何かに気付いた” ような、また雷みたいな衝撃を食らったようなこの↓表情が、こののちの下屋の「大決心」に繋がるとは、この段階では思いもよらない。

コウノドリ[2] 「第6話」の感想 ~かなり濃厚な第2弾~
©TBS

下屋がカエの違和感を院長に伝える場面を深読みすると…

場面は、こはる産婦人科へヘルプに入る下屋。カヨにサクラのことを「いつか あんな産科医になりたい」と話す下屋が、カエの手の震えの大きさに違和感を覚え、夜勤明けの朝、こはる産婦人科の富士院長に甲状腺の異常かも?と報告する。しかし、「今日は土曜日だから週明けに採血して調べてみるよ」とだけ言われてしまう。

このシーンを深読みすると「地域包括医療」の功罪が見えてくる。なぜ下屋は「私がペルソナに転院させます」と言わなかったのか?いや、言えなかったのか?と考えてみる。病院にとって患者は “稼ぎ” だ。特に、個人病院は1人でも患者を受け入れたい。

だから、全ての病院がそうとは言わないが、現実は “稼ぎ” のためにギリギリまで自分の病院で診て、自分の病院の手に負えなくなったら、中核病院に送って来る。「大きい病院の方が安心だから」と。そのことを下屋が意識していたとしたらどうだろう。

もし「私がペルソナに転院させます」と言って、結果的に何も無かったら、こはる産婦人科の “稼ぎ” を奪ったことになる。中核病院(大学病院)で30年以上も勤務する我が家の周産期医療従事者が言うのだから、大きく外れてはいないはずだ。

だから、この場面とその後に下屋が “あの時ああしていれば” みたいなこと、「甲状腺を触診していれば」と言う部分に、「地域包括医療」の功罪の「罪」が隠れていると見ると、本作が描こうとしていることの理解がより深まるような気がする。私なんぞが言うのは口幅ったいことだが。そう考えるには理由がある。

コウノドリ[2] 「第6話」の感想 ~かなり濃厚な第2弾~
©TBS

下屋が院長に対して、「たとえば 甲状腺とか」と言うこの↑カット。私が以前書いた『[演出プチ講座] 映像の掟~画面内の人物の位置や視線(目線)の向きには意味がある~』によれば、僅かだが下手(画面左)の位置の下屋は「不安や苦しさ」を、下手(画面左)向きの下屋は「絶望や敗北感」を表していると読める。

やはり、下屋は「私がペルソナに転院させます」と “言いたかったが言い辛かった” と捉える方が自然だと考えるが…

[演出プチ講座] 映像の掟~画面内の人物の位置や視線(目線)の向きには意味がある~
©ディレクターの目線blog

下屋が、周産期医療センターの中で違う方向を見始める

ペルソナ総合病院の中庭。下屋と白川の雑談だ。しかし、この↓会話の中に今回で2度目の下屋の「えっ?」と「でも」が登場する。

白川「患者さんの事情っていうかプライベートに
   首突っ込みすぎじゃない?」
下屋「えっ?」
白川「あんまり入れ込むと何かあったときつらいし
   問題が起きたとき お前一人じゃ背負いきれねえだろ」
下屋「でも 自分で判断する力をつけることも大事でしょ
   いつまでも先輩に頼りっぱなしじゃダメだし」

コウノドリ[2] 「第6話」の感想 ~かなり濃厚な第2弾~
©TBS

下屋は今の自分の気持ちを「頑張り」と捉え、白川は下屋の気持ちを「気負い」と捉えている。先のサクラとの会話では、下屋は「独り立ちしたい」と言い、サクラは「頼れ」と言う。この辺りから、下屋がサクラや白川ら周産期医療センターの中で1人価値観が異なり、違う方向を見始めているのが…

このシーンの後半で、白川が立ち去り吾郎が下屋の遠く後ろに立つシーンがある。このカット尻(カットの終わり)のこの↓下屋の位置や顔の向きに注目して欲しい。

コウノドリ[2] 「第6話」の感想 ~かなり濃厚な第2弾~
©TBS

実は、ここの下屋も「甲状腺では?」と言った時よりも下手(画面左)の位置にいるから下屋は「不安や苦しさ」更に強くなり、下手(画面左)向きの下屋は「絶望や敗北感」を表しているのは同じこと。「不安や苦しさ」と「絶望や敗北感」に悩む下屋を演出がこれでもかと視聴者に植え付けようとしていると言う訳だ。

カエが心肺停止状態で運び込まれてきた!

吾郎を中心としてパンのほのぼのとしたシーンでも、下屋の「甲状腺では?」の疑いが消えていなかったことが描かれたのも良かったし、サクラにそのことを伝えるタイミングを逸したのは脚本の上手さ。そして、ドラマはこのあとから急転直下する。

コウノドリ[2] 「第6話」の感想 ~かなり濃厚な第2弾~
©TBS

こはる産婦人科から、カエが心肺停止状態で運び込まれてきたのだった…。サクラと下屋が救急入口に出ると、救命救急医の加瀬らも到着。冷静さを失う下屋に「下屋!お母さんも赤ちゃんも 助けるよ」と叱咤するサクラ。いよいよ今回のドラマが大きく動き出す。(ふ~ぅ、やっと14分…)

「助かるかどうかじゃねえだろ。助けるんだよ!」

救急処置室。カヨの心拍が戻らないため、サクラが素早く判断する。いち早く分娩させて、母体の血流を再開させようと言うのだ。

鴻鳥「加瀬先生 死線期帝王切開します」

コウノドリ[2] 「第6話」の感想 ~かなり濃厚な第2弾~
©TBS

しかし、生まれた赤ちゃんも心停止状態。白川もこの緊急事態に冷静さを失い、今橋に注意を受ける。やがて、サクラちゃんは自発呼吸を始める

コウノドリ[2] 「第6話」の感想 ~かなり濃厚な第2弾~
©TBS

加瀬は「助かるかどうかじゃねえだろ。助けるんだよ!」と必死に心臓マッサージを続ける。病院にカエの夫・久志が到着するが、下屋は言葉を掛けられない…

周産期の現場で一番起こってはいけない事態が起こった!

コウノドリ[2] 「第6話」の感想 ~かなり濃厚な第2弾~
©TBS

周産期医療の現場で一番起こってはいけない事態が起こってしまった。母体死亡だ。先日の感想にも書いたが、我が家の周産期医療従事者が大声で言っていた。「それ、描くのぉ!?」って。

彼女が言うには、30年の周産期医療経験の中で、母子の命が同時に危険にさらされた時に、夫の100%が「妻を助けて下さい」と言い、妊婦の100%が「赤ちゃんを助けて」と言うそうだ。

だから、周産期医療従事者は全力で両方の命を助ける。助けなければいけない。そう教育され、そう信じて働くそうだ(※個別の考えはあると思う)。そんな現場で一番あってはいけない “母体死亡” を敢えて、ドラマの中心に置いた第6話だと言うことだ。

廊下で光る非常ベルの "赤いランプ" に最注目して欲しい!

夜の廊下で、落ち込んでベンチに座る下屋に白川が缶コーヒーを持って来て励ますシーン。実は、今回の演出でここの演出が好きだ。特にカット割りの絶妙さの素晴らしさ。恐らく的外れの可能性もあるが、私の分析を書いてみる。

最注目点は廊下で光る非常ベルの赤いランプだ。私はその赤い光を「産科医の魂の灯火(ともしび)」と捉えた。下↓の5枚のキャプチャ画像を見て欲しい。時間経過と共にだんだん赤い光が大きくなるが、「私のせいだよ」と言う下屋の時に頭の影で下屋の近くの赤い光が消える(画面から消える)。

コウノドリ[2] 「第6話」の感想 ~かなり濃厚な第2弾~
©TBS

コウノドリ[2] 「第6話」の感想 ~かなり濃厚な第2弾~
©TBS

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©TBS

コウノドリ[2] 「第6話」の感想 ~かなり濃厚な第2弾~
©TBS

だが、「違う お前のせいじゃない」と言う白川の下手の赤い光は残っている。そして、カットが再び下屋に戻ると赤い光は無い。実はこの時点で、下屋の「産科医の魂の灯火」は消えかかっていた、いや消えていたと言う演出と考えた。この真意は演出家に聞くしかないが、赤いランプが無い場所でのロケも出来た事を鑑みると…

加瀬の一言が、混迷する下屋を更に不可解な闇に落とす

周産期医療センターと救命救急センターの合同カンファレンス。原因は甲状腺クリーゼによるもので、きちんと甲状腺検査を行っていれば防ぐことができていたかもしれないと言う方向に。

「どうして、あの時検査を勧めなかったんだろう。私のせいで…」と自分を責め続ける下屋に、救命科部長の仙道から「ぶっちゃけ 見落としじゃないの?」「産科ってさ 毎日妊婦さん相手にお世辞言ってる感じでしょ 君達 危機感足りないんじゃないの?」手厳しい指摘が飛ぶ。

加瀬「妊娠初期に妊婦全員をスクリーニングしたら
   今回みたいなケースは防げたんじゃないの?」

更に、この↑加瀬の仙道部長の暴言をフォローするつもりの一言が、混迷する下屋を更に不可解な闇に落とす結果になってしまう…

「下屋はどんな産科医になりたい?」

トラウマからか、妊婦全員の甲状腺検査を行い、かえって病院の足手まとい状態にする下屋に、四宮(星野源)がこんな↓言葉をかける。

四宮「邪魔だって言ってるんだよ!
   泣き崩れて やめるだとか言い出すならまだしも
   立ち直ったふりして妊婦の採血しまくって」
下屋「それは患者さんのためを思っての…」
四宮「患者の心配をするふりをして
   自分が神谷さんの死を乗り越えたいだけじゃないのか」

コウノドリ[2] 「第6話」の感想 ~かなり濃厚な第2弾~
©TBS

サクラも下屋へ「下屋はどんな産科医になりたい?」と問うが、こはる産婦人科で亡きカエに “鴻鳥先生みたいな産科医になりたい” と言った下屋は既にペルソナ総合病院にはいなかった…。

コウノドリ[2] 「第6話」の感想 ~かなり濃厚な第2弾~
©TBS

サクラは下屋に休むことを勧める…

下屋が「産科に帰りたい」と言うカットを良く見て!

下屋の休暇中にカエの夫・久志が娘のサクラちゃんを抱っこして退院して行く。一方の下屋は小松に BABY のライヴに誘われる。しかし、BABY は1曲目の演奏中にオンコールが鳴り、ステージを下りてしまう。ここの BABY のピアノ演奏のカットと、ステージを見る下屋と、下屋の回想の走馬灯のような映像は美しかった。

コウノドリ[2] 「第6話」の感想 ~かなり濃厚な第2弾~
©TBS

そして、下屋が「産科に帰りたい」と言うこの↑カットを良く見て欲しい。この直前の下屋のアップも同様だが、今作で最初に下屋が上手(画面右)を向いている。これには「希望・勝利」と言う意味合いの他に「意識が高い」ことも示す。下手の「不安」の位置なのに「意識が高い」。この答えが次のシーンにある。

既に下屋の心は大きな決心をし終えた事を示すシーン

オンコールで呼ばれたサクラが妊婦の用手回旋をしようとしている。そこに小松と下屋が合流。サクラの指示下で用手回旋をこなす下屋。その後、廊下で白川と下屋が会い、白川が再び下屋を励ます。ほら、この廊下のシーンでは赤いランプが強調されていないでしょ? 既に下屋の心は大きな決心をし終えたと言う台詞がこれ↓。

下屋「やっぱりさ…産科はいいね。
   鴻鳥先生がいて 四宮先生がいて
   小松さん達 助産師さんもいて
   あんたも すぐそばにいるし。
   けど だから 今のままでいいわけがない」

コウノドリ[2] 「第6話」の感想 ~かなり濃厚な第2弾~
©TBS

この↑カットもいい。下屋が白川に喋る時は上手を向いており「希望・勝利」と「意識が高い」があることを示し。上手の位置で「嬉しさ、楽しさ、安心」を示す。なのに、台詞は自己否定。この映像と台詞のアンバランスさが、この時の下屋の心情を巧みに描いている…と解釈した。

師弟関係のような鴻鳥と下屋の信頼関係の描き方がいい!

下屋が出した答えは、「何かあったときに お母さんと赤ちゃん両方を救える産科医になりたい」だった。そのたために、全身管理を身につけるべく、救命科に行く選択だった。 下屋の決断にサクラは、こう教える。

鴻鳥「患者さんを亡くしてしまったこと
   乗り越えることはできない。
   僕の胸にも 色んな後悔が残っている。
   あのときもっと早く気付いていればこうしていれば、
   もっと早く勇気を出していれば救えたんじゃないか、
   その後悔を乗り越えることはできない。
   忘れることもできない。
   悔しいことも 嬉しいことも 一つ一つ胸の中に積み重ねて
   僕達は医者として進んでいくしかない」

コウノドリ[2] 「第6話」の感想 ~かなり濃厚な第2弾~
©TBS

サクラは「でも 下屋なら大丈夫。お前は僕の自慢の後輩だからね。行ってこい。そして 強くなって帰ってこい!」と優しく彼女を救命へと送り出す。下屋も「私…絶対産科に戻ってきます」と約束する。

コウノドリ[2] 「第6話」の感想 ~かなり濃厚な第2弾~
©TBS

いいね。ここの師弟関係みたいなサクラと下屋の信頼関係の描き方。特に『1』からの本作のファンなら、下屋の成長に感慨深いものがあるはず。「あの下屋が救命に行く選択をするまでに成長したのか!」ってね。清々しく送り出すサクラに当たる夕日に近い強い日差しが、何とも力強さを感じたシーンだ。

コウノドリ[2] 「第6話」の感想 ~かなり濃厚な第2弾~
©TBS

ロングヘア―をショートに切った心機一転した下屋!!!

日が変わって、ペルソナ総合病院の廊下。新生児科の白川と吾郎が廊下の奥からやって来る。手前から「おはよう」と声を掛ける救命救急のユニフォームの女性。立ち止まって振り返ると、ロングヘア―をショートに切った心機一転した下屋だった。

コウノドリ[2] 「第6話」の感想 ~かなり濃厚な第2弾~
©TBS

それにしても下屋の選択はスゴ過ぎる。産科医が救命救急医になるなんて、BABY になぞらえれば、プロのピアニストがプロのドラマーを志すのと同じようなことだから。

ただ、この配属先の異動は実際には結構あって、人によって向き不向きがあるから意外に自由なのは大きな病院の特徴でもある。その辺を、ペルソナ総合病院を使って、医師たちも全員が万能選手でなく、試行錯誤や葛藤をしながら様々な選択肢の中で学び生きていると言うのを描いたのだろう。

医者もあなたも、変わらない同じ人間だってことを…

下屋が産科に挨拶するシーンは本作らしいウィットに富んで素敵!

救命のユニフォームを着た下屋が産科に挨拶に来るシーンは、実に『コウノドリ』らしいウィットに富んだ素敵にシーンに仕上がっていた。特に、ちょっとハイテンションな下屋に四宮がお灸を据える場面は楽しかった。

コウノドリ[2] 「第6話」の感想 ~かなり濃厚な第2弾~
©TBS

四宮「甘ったれんな これじゃあ、先がおもいやられるな。
   救命でも失敗しまくって叱られてる様子が目に浮かぶ」

そして、お灸を据えたあとに、餞別の代わりだろう、「お前には早い」とずっと言っていたジャムパンを、しかもホイップクリーム入りを下屋に差し出す四宮。

コウノドリ[2] 「第6話」の感想 ~かなり濃厚な第2弾~
©TBS

もう四宮のジャムパンにかける思いは、毎回描かれている四宮の思いが詰まったもの。それを差し出すのだから、不器用ながらも下屋に大きな期待を寄せている証拠と言う訳だ。

いつも救命が厳しい態度で産科に当たる理由が見えてくる

そして、本作のジェットコースターはまだまだ続く。今橋周産期医療センター長と下屋の救命救急センター勤務初日の挨拶のシーンが、これまた手厳しい。まず先制攻撃は救命科部長の仙道の「1年ももたないって言ってんだよ」。そして、加瀬が続く。

加瀬「学生気分なら いますぐ帰れ。
   救命は 勉強する場所じゃねえんだよ」

コウノドリ[2] 「第6話」の感想 ~かなり濃厚な第2弾~
©TBS

この仙道と加瀬の言葉から、なぜいつも救命が厳しい態度で産科に当たるのかが良く分かったシーンだ。

次から次へと起こる "輝ける奇蹟" から目が離せない…

そして、産科に倉橋が配属されることが現場に伝えられる。更に、小松が腹痛で倒れてしまう。

コウノドリ[2] 「第6話」の感想 ~かなり濃厚な第2弾~
©TBS

さて、小松はどうなるのか?下屋は救命を続けていけるのか?ペルソナ総合病院はどうなっていくのか?恐らく、次回から最終章だ。Uruさんが歌う主題歌『奇蹟』の歌詞にもある “輝ける奇蹟” が次から次へと起こるドラマから目が離せない…

あとがき

厚い信頼を寄せる鴻鳥とちょっぴり苦手だが尊敬する四宮と離れる決意をした下屋の心情は、もはやそんな決断をした自分自身に怒りさえ覚えるほどの辛さと悲しみに溢れていたはずです。でも、鴻鳥先生と四宮先生に追い付くには救命で全身管理を学ぶこと英断して、下屋が髪を切って登場するシーンが印象的でした。

きっと普通のお涙頂戴ドラマなら、下屋の髪にハサミが入るカットなどインサートしていたかもしれません。でも、本作には髪を切るシーンそのものがありませんでした。無かったから、下屋の気持ちをこちらがいろいろ考えることが出来たと思います。

カエの死、下屋の意思の強さと決断、産科病棟の優しさなど考えさせられたり感動させられたりの濃厚な1時間でした。

最後に。第5話(濃厚版)に 171回、第6話(通常版)に 94回ものWeb拍手やたくさんの応援コメントを頂戴し、ありがとうございました。今回も、第6話の感動が蘇ったり、演出等の仕掛けや面白さが伝わったりすると良いのですが。
引き続き当blogは、『コウノドリ』を全力で応援します。

なお、今週は11月22日が「いい夫婦の日」、11月23日が「いい夫妻の日」で、土日も婚礼の仕事があるので、第7話の感想も通常版と濃厚版の2段構えになる可能性があります…

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コウノドリ 第2シーズン 「母子を救え!チーム救命医療」

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Author : みっきー

★管理人:みっきー

★職業:宴会/映像ディレクター(フリーランス)

★略歴:東京下町生まれ千葉県在住。ホテル音響照明映像オペレータ会社を経て、2001年独立。ホテルでイベント、パーティー、映像コンテンツ等の演出を手掛ける。活動拠点は都内と舞浜の有名ホテル等。

★ブログについて:フリーの宴席/映像ディレクターが、テレビ,映画,CM,ディズニー,音楽,仕事等を綴ります。記事により毒を吐きますのでご勘弁を。

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