わろてんか (第40回・11/16) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『わろてんか』(公式)
第7週『風鳥亭、羽ばたく』
『第40回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
てん(葵わかな)と藤吉(松坂桃李)は伊能(高橋一生)から大阪落語の重鎮・文鳥(笹野高史)を紹介してもらった。喜び勇んで憧れの文鳥に会った藤吉は、安易にツテを頼って出演交渉に来た姿勢をたしなめられてしまう。風鳥亭の客入りは相変わらず悪いままで、先行きに不安を感じたアサリ(前野朋哉)は別の寄席に出演すると姿を消した。てんは家計を支えようとまた内職を始めるが、それを見た啄子(鈴木京香)がある決心をする。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
なぜ、てんと藤吉への不快感を増やすアバンばかり作るの?
毎回毎回懲りずに、良くもまぁこれだけ主人公と藤吉への不快感を増強させるようなアバンタイトルを作り放映し続けるものだと、呆れるのを通り越して手を合わせて「どうか次回こそ」と拝みたくたくなる。
まず、前回の終盤で描かれた飲み屋での藤吉と伊能の喧嘩騒ぎを全カット。本来は、あそこで伊能が叱りつける程の藤吉の笑いと商才のセンスの無さの部分を振り返るべきなのに、伊能のアイデアだけを無理矢理に抽出。それ以前に1stカットが伊能の振り返りのアップに腹が立つ。どこまで高橋一生を客寄せパンダに使うんだ。
そして、主人公が都合良くビラを見つけるのも、文鳥師匠が「伊能製薬」絡みであると言うと言う恒例のタナボタ話。これだけでもウンザリするのに、藤吉はまた寝坊だ。二日酔いだろうが、寄席開店数日で既に経営が傾いているのに寝坊とは開いた口が塞がらない。手に汗かいたと動き出しもしないし。
また、既に店がヤバい状態なのに、ビラの1行を見つけただけで大喜びの主人公には、おバカさん以外の修飾語が見当たらない。で、結局、物語の展開も視聴率も、ぜ~んぶ伊能様と高橋一生様頼みになっている本作。きっと言っているに違いない。「こんなに俺に、頼らんといて」ってね(苦笑)
文鳥の「色」の話はもっともだが…
主題歌明けも、“伊能様&高橋一生様頼み” は続く。そして、大阪落語の重鎮・文鳥から、藤吉に “とんでもないお題” が出る。
文鳥「寄席には それぞれ その小屋の色がある。
席主は 何年も何十年もかけて その色を作るのが仕事や。
あんたんとこの小屋の色は 何や?
その色を作ってから来るのが筋や。
つてを頼って来るのは 筋と ちゃうで」
いや、正確に言うと。文鳥の言うことは、もっともだ。誰の耳にも正しい。寄席とは私の拙い知識や経験でも “それぞれの色” があり、その時々に見たい寄席を選ぶ、そう言うものが寄席だ。だから、文鳥がここで藤吉に「寄席経営のいろはのい」を教えたのには意義がある。
文鳥のセリフは、脚本家と演出家にブーメランの如く自業自得に!
しかし、考えてみると、この文鳥の台詞が脚本家自身への “とんでもないお題” となったことに脚本家が気付いているか?と言う不安が増大してしまった。だって、まず1つ目は「色」を作るのには何年も何十年もかかること。じゃ、その間、風鳥亭はどうなっちゃうの?と言う単純な疑問。
もう1つは、既に散々、藤吉に笑いの商才のセンスも無く、前回の放送でお友だちの売れない芸人たちをお客さんに見て欲しい「お友達寄席」で一儲けしようとしか考えていないことが描かれたばかりだから、脚本家はどう軌道修正しようと言うのか?
藤吉が「寄席の色」を掴むのも "あっと言う間" か…
どうせ、この文鳥の台詞もどこかで小耳に挟んだプチ情報を披露する程度の思い付きで書いたに違いない。ちょっと藤吉に試練を与えつつ、伊能も万能でないことを描こうなんて、その場凌ぎで…
あの~。寄席を手に入れる過程を思い出して欲しい。歩いていてふと空き小屋を見つけて、持ち主に擦り寄って、勘当された親のスネをかじって一括払いでアッと言う間に開業しちゃったでしょ。主人公も藤吉も何の苦労もせずに幸運とタナボタだけで、じっくり描くべき部分を端折って描いた。
だから、今回も「何年も何十年もかけて その色を作る」と言う席主の仕事も、寄席入手以上に端折るだろうね。だって、書くつもりもないだろうし、書けないのは、この1か月半が証明しているのだから。
なぜ、こうもまた自身の首を絞めることをやるのだろう?
さて、気が付いたら15分間の半分過ぎの8分。まるで録画を見ているような、売れない芸人の芸のシーン。そして、主人公が通行人に客寄せの声をかけるシーンで、奇しくもまた脚本家が、いや演出家自身が首を絞める台詞が入る。
通行人「前に見たけど さっぱり オモロなかったで」
伊能の出番も、高橋一生さんが多忙だから貴重な出演シーンを何度も切り刻んでは使い回し。藤井隆さんらの芸のシーンも何度も使い回しているようにしか見えない。本当、「前に見たけど さっぱり オモロなかったで」こそ、私たち視聴者の代弁か(失笑)
てんの好感度を下げる描写は、一体いつまで続くのか?
そして12分過ぎに閉店後だろうか、自宅に戻っている主人公。その日の売り上げを計算?しているが、普通こう言うのは寄席の帳場でやるんじゃないの?その上、先日自ら始めると言った針仕事も、啄子に言われて漸くやる始末。これ、開店中や閉店作業の主人公を徹底的に描かないから、こう見えちゃう。
本来は、主人公が昼間はてんてこ舞いで働いて、閉店作業も勘定締めも1人で “地道にコツコツと” やっている姿を描いた上で、夜遅くに眠い目をこすりながら「夜なべの針仕事」をするのを見せて、初めてこの度の啄子の台詞が活きてくるの。
これでは、脚本家と一緒で主人公は思い付きで、現在の生活費を一部になる針仕事をしているだけに見えるし、始めたと思ったら眠ってしまって、また啄子の行商におんぶに抱っこかと見えてしまう。どこまで主人公の好感度を下げる描写を続ければ気が済むのか、底知れぬ…
あとがき
今回の15分間で明らかになったこと。脚本家と演出家は自ら首を絞めることを繰り返しているってこと。それを自覚しているかどうか分からないが、自覚をしていれば鈍感極まりないし、無自覚ならこの先にも全く展望が見えないと言うことです。しかし、かなり酷い状態だと思いますよ。
最後に。前回の感想に、110回ものWeb拍手と、たくさんの応援コメントを頂き、ありがとうございました。今回も啄子が「あんたの仕事は藤吉郎の手綱を締めて寄席を繁盛させる事や」と言いましたが、啄子は母親として藤吉郎の手綱を締められなかった人ですよね。全く説得力が無いのですが…。
どうせ、この先も、伊能頼みでとんとん拍子に進むだけですよね、きっと。今週の『民衆の敵~世の中、おかしくないですか!?~』でも、高橋一生さんの目の二重が深すぎて体調が心配だなんてネット記事を読みました。心配です。
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