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監獄のお姫さま (第5話・2017/11/14) 感想

監獄のお姫さま

TBS系・火曜ドラマ『監獄のお姫さま』公式
第5話『母性』、ラテ欄『この子を守りたい!女囚たちの育児日記』の感想。


2017年。吾郎(伊勢谷友介)はカヨ(小泉今日子)たちの狙いが、しのぶ(夏帆)が犯人として服役中の殺人教唆事件の再審請求であることを知る。だが、決定的な証拠はなく再審が難しい状況に変わりはない。2012年。出産を終えたしのぶが生まれたばかりの子どもを連れて刑務所に帰ってきた。しのぶは刑務官に呼び出され、子どもを刑務所で育てるべきか議論する。そして、ふたば(満島ひかり)の後押しもあり、所内での子育てが始まる。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---


脚本:宮藤官九郎(過去作/ゆとりですがなにか、うぬぼれ刑事、あまちゃん)
演出:金子文紀(過去作/うぬぼれ刑事、逃げるは恥だが役に立つ) ※第1,2話
   福田亮介(下剋上受験、仰げば尊し) ※第3話
   坪井敏雄(過去作/カルテット、わにとかげぎす) ※第4話
   渡瀬暁彦(過去作/クロコーチ、アリスの棘、小さな巨人) ※第5話

クドカンから3年前にオファーされた満島さんの好演が魅了する!

ネット上で、本作の設定が今年4~6月に放送された『女囚セブン』(テレビ朝日系)と似ているとの噂があり、それに対して満島ひかりさんが「女囚のお話で、満島さんは看守さん」という具体的なオファーを3年前に受けていたという事実を公表した。宮藤官九郎氏が3年前から当て書きを予定していたと言う訳だ。

そのオフォーへ見事に応えるような満島ひかりさんの演技は毎週素晴らしいのだが、この第5話は特に良かった。自身の過去を語るくだり、そう、刑務官・ふたばが、美容師の資格取得のきっかけを話す時の表情が、いつもの受刑者たちの作業の監督と指導、点検・引率・巡回をしている時と全く違う柔らかな人間性を見せたり…

ジェラートに逆切れしたり、おばさんたちの言動に合わせたり、巧みな演技で魅了してくれた。とにかく刑務官時代の表情豊かな演技と、退官してからの年上への態度と元刑務官の態度の使い分けもお見事。やはり、満島ひかりさんの演技力と存在感は他に類を見ない。

クドカンの脚本とキャストの好演、シリアスとギャグ、の絶妙なバランス

脚本も巧みだ。23分頃までは職業訓練の話と、しのぶの子どもの父親が吾郎であると言う衝撃の事実に、刑務所に連れて戻って来たしのぶの赤ちゃんの子育て支援でみんながドタバタしているのを、カヨの「勇介 立ったの?」の台詞1つで華麗に区切りを付けて、一気に主人公・カヨの物語へ視聴者を惹き込んだ。

そして、完全におばさんになりきった小泉今日子さんの演技も冴えわたる。特に、小さなショートケーキを「これ 勇介君に」と刑務官に願い出るシーンから現在に戻る芝居もいい感じ。そしてサブタイトルの『母性』に合わせて、1人の母性でなく、姫とカヨ、その周囲の人たちそれぞれの母性を上手く描いた。

やはり、宮藤官九郎氏の個性的で巧みな脚本と演技者たちの個性と好演、シリアスとギャグの絶妙なバランスが素晴らしい。

自然に視聴者をドラマの世界に惹き込むのも本作の見所だ!

38分頃からは、いよいよおばさんたちが姫と勇介を守れるのか?のクライマックスへ。起承転結ではない「コミカル→シリアス→クライムサスペンス」と言う “三部作” 的な構成が、退屈させないし時間軸の行き来を分かり易く見せている。本当に見事な構成だ。

カヨ「私達は子供の記憶に残ることも許されないんですか?」

そして、刑務所長の護摩からの、このまま刑務所で育児を続けるか?それとも施設へ引き渡すか?の姫への質問に対して、この↑カヨの台詞から三度(みたび)ドラマが動き出す。

ここで、私も我が身のことなら…、友だちのことなら…と考えた。こんな風に無理矢理にではなく、視聴者をドラマの世界に惹き込むのも秀逸だ。どちらが勇介の幸せか?と考えていると、珍しく護摩所長がいいことを言う。

護摩「私達 大人が覚えていればいいんです。
   勇介君は1歳半になるまで ちょっと高い塀のおうちで
   6人のママに育てられました ねっ」

なるほど。ここで「塀の中と外の世界の大きな違い」で、勇介と先生が大好きだった栃木の美容師・しー姉ちゃんが因数分解されると言う仕掛けか!上手過ぎる!

車から降りる吾郎と安室さんの主題歌で超盛り上がる!

そして、勇介との別れの朝がやって来た。あの母に勇介を預けざるを得ないしのぶの切なさ、泣きじゃくる勇介の気持ち、勇介からしのぶを離さなかければいけないカヨと千夏のやるせなさ、鉄格子の内側から洋子と明美から「忘れていい 元気でね」と勇介に声援を送る辛さ…

に感動していると、しのぶの母・民子(筒井真理子)からとんでもない一言が…

民子「しのぶちゃん ごめんなさいね」

迎えの車から、颯爽と格好良く降りて出て来た吾郎社長。安室奈美恵さんが歌う主題歌「Showtime」の歌詞の通りに、正に「ショウタイム」の始まりだ。こりゃあ、吾郎は憎まれて当然だ。泣き叫ぶしのぶも、しのぶを抑えるふたばの表情も印象的なラストだった。

カヨたちと視聴者の吾郎への怒りが頂点直後の予告編も秀逸

更に、監獄のお姫さまたちの女性として、母親としての悲しみと、吾郎社長への怒りが、劇中の登場人物たちと共に視聴者の気持ちもピークに達したラストシーンに直結した次回予告で、ふたばが社長を蹴り倒すカット。既に「勇介ロス」が間違いない次回が楽しみでしょうがない!

あとがき

今回の演出は、本作は初担当の渡瀬暁彦さんでした。本作の面白さの1つに、時間軸を行ったり来たりしながら、様々な情報や設定を小出しに視聴者に見せていくと言うのがあると思います。その手法が今回の渡瀬暁彦さんの見せ方が、一番分かり易くて脚本のテンポにも合っていたと思います。とにかく、次回にも大いに期待します。

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Author : みっきー

★管理人:みっきー

★職業:宴会/映像ディレクター(フリーランス)

★略歴:東京下町生まれ千葉県在住。ホテル音響照明映像オペレータ会社を経て、2001年独立。ホテルでイベント、パーティー、映像コンテンツ等の演出を手掛ける。活動拠点は都内と舞浜の有名ホテル等。

★ブログについて:フリーの宴席/映像ディレクターが、テレビ,映画,CM,ディズニー,音楽,仕事等を綴ります。記事により毒を吐きますのでご勘弁を。

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