わろてんか (第36回・11/11) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『わろてんか』(公式)
第6週『ふたりの夢の寄席』
『第36回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
てん(葵わかな)と藤吉(松坂桃李)が買うはずだった寄席を、興行師の寺ギン(兵動大樹)が即金で買うと割り込んできた。金を用意できない藤吉はあきらめようとするが、てんは意を決して京都の実家へ向かう。母のしず(鈴木保奈美)は帰るよう諭すが、てんは「今日は娘ではなく、商人として来た」と言い放つ。そして、父の儀兵衛(遠藤憲一)に借金を申し込み断られてしまうが、そこへ祖母のハツ(竹下景子)が助け舟を出す。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
大袈裟なオーケストレーションの劇伴が鳴る度、「またタナボタ」と思う
本作のサントラ盤の試聴が出来ないため曲名は不明だが、今回のアバンタイトルの冒頭で使用された大袈裟なオーケストレーションの劇伴が鳴る度にこう思う。「どうせ、またタナボタでしょ!」って。案の定、どう言う心情を表現しているのか全く読めない主人公のアップと重なって、益々今回も期待値はほぼゼロの安定感。あ~あ。
てんが "商人" だったのは、楓との商売対決だけでしょ?
てん「今日は 娘としてやなく 商人として来ました」
主題歌明け、大阪から1人で京都にやって来た主人公が、母のしずと久し振りに再会するシーンで、しずに「帰りなさい」と言われた主人公が応えるのが、この↑台詞だ。ここ数日は台詞を別枠で引用するのは面倒だから避けていたが、流石にこれは特別待遇せざるを得ない。
なぜなら「どの口が自分を “商人” と決めたんだ!」と訴えたいからだ。確かに、潰れた米問屋で女中トキのアイデアをヒントに手柄を横取りして天狗になった主人公は、一時だけ商人だったのは認めよう。しかし、それ以外に主人公がやって来たのは、北村屋時代は女中もどき、芸人長屋時代はお針子さん。
これの、どこが「商人」なの?私ならこう言わせるぞ。
てん「勘当された身ですが 今日は 娘としての当然の権利として
堂々と親のスネをかじりに来ました (`・ω・´)キリッ」
ってね。
藤吉が「約束」を連呼する度、雑さと稚拙さが浮き彫りに
やっぱり、藤吉と主人公にとっては大阪と京都は近距離なんだね。サクッと藤吉も藤岡屋のすねかじりに参戦。そこでまた、藤吉に白々しいこんな↓台詞を言わせるから、茶番劇がより一層茶番劇に見えちゃうの、脚本家は分からないのか、無視しているのか、確信犯で視聴者を怒らせているのか?
藤吉「大事な約束 破ってまで こんな事までして
あの小屋 手に入れても しかたないんや
(中略) そやから 約束を違えるような事をするな」
意味が分からないんだよね、この藤吉の言い分の。そもそも北村屋を立て直すと母親たちに約束をして、結果的に倒産に導いた最大の貢献者である藤吉に、こんな事を言わせても主人公にも視聴者にも全く説得力が無い。
なのに、都合良く祖母のハツが助け船を出すのはしょうがないとしても、儀兵衛たちはコロリと寝返ってしまうのが正直つまらない。脚本も演出ももう一つ演技も雑で稚拙で思慮が浅いから、こうなるのだが。
今回、最も脚本と演出が雑で稚拙で思慮の浅さがバレたセリフ
今回で最も脚本と演出が雑で稚拙で思慮が浅い事が丸裸になったのが、資金提供を申し出掛けたハツに偉そうに言うこの↓藤吉の台詞だ。
藤吉「そやけど たった一つだけ お約束できる事があります」
だ・か・ら。なぜこの場面で藤吉に「約束」と言う言葉を言わせちゃうかって事。主人公にとっても視聴者にとっても、藤吉の「約束」が一番信用できないの。「幸せにします」とか「一生笑わせます」と言っておいて、結果的に親に勘当された妻もどきの主人公に親のスネをかじらせたのだから。全く信用できないの。
藤吉「ええ寄席ができるて信じてます」
だ・か・ら。この↑台詞だけで良かったのだ。
●笑いのセンスがない
●商いのセンスがない
●芸や芸人を見下す
●やることが遅い
●頑張らない
●辛いと逃げ出す
●成功した試しがない
だって藤吉と言う男は前回も書いたように、下記↓の7つの印象しかないのだから、「約束」なんて出来る男ではないのだから。
信じる事だけは無双のバカップル夫婦の一代記に仕立てたら?
でも「信じること」は出来る。「信じる」のは、どうぞご勝手に…だ。でも、どうだろう?もしも本作が “信じる者は救われる” の言葉通りの展開で話が運べば、自分自身を強く信じる心を維持して、あらゆることに救われ、あらゆることを救いながら生きて行く主人公夫婦のお話も悪くないと思えないだろうか?
そう、「約束」は守らない、頑張らない、成功した試しもないけれど、何の根拠もないのに “信じる気持ち” だけは誰にも負けない藤吉と、その藤吉をこれまた何の根拠もないのに “信じる” てんと言う夫婦としたら、それはそれで良いと思えないだろうか?
藤吉とてんが "自分たちの夢" の実現一筋に信じて…
他にもツッコミ所は山ほどあるが、一々指摘するのも面倒な上に、どんどん嫌な気持ちになるから止めておく。ただ、1つ言いたいのは、『ふたりの夢の寄席』と言うサブタイトルの今週は、次週からの「寄席編」(と言うか知らないが)に繋がる本作の最重要なくだりだったのは間違いない。
「親のスネをかじってタナボタで寄席ゲット」の結末が決まっているなら、もっと上手い描き様があったと思う。リリコなんて挟まずに、藤吉とてんが「自分たちの夢」の実現をただただ信じて、真面目に金策に奔走しながら、真剣に儀兵衛のスネをかじるかどうか苦悩し葛藤し、その結果、儀兵衛に2人で頭を下げるだけで良かったと思う。
あとがき
ラストのナレーションで「寄席の開業」と言ってしまっているので、何の努力もせず親のスネをかじって寄席の開業までとんとん拍子でこぎ着けた、いや “こじつけた” だけの印象になってしまいましたね。
予告編で伊能が「そんな甘い考えで」と念を押しても、主人公と藤吉、ついでに啄子も「そんな甘い考えで」生きて来たし、これからも生きて行くだろうと言う先入観と固定概念がしっかりと付いてしまったので、この先にも期待薄です。せめて、上↑で書いたように、「約束」と言う単語は封印して「信じています」の連呼にした方がマシだと思います。
最後に。前回の朝ドラ愛を込め込んだ感想に、119回ものWeb拍手と、たくさんの応援コメントを頂き、ありがとうございました。予告編を見ると、予想以上に簡単に寄席を開業しちゃいますね(失笑) 口先だけでも「地道にコツコツと」と言っていた「まれ」の方が、タナボタ万歳な「てん」より好感度が高くなっているのは私だけですかね?
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