わろてんか (第33回・11/8) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『わろてんか』(公式)
第6週『ふたりの夢の寄席』
『第33回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
藤吉(松坂桃李)はリリコ(広瀬アリス)からひいきの旦那と金目当てで結婚すると聞き、猛反対するがリリコに拒絶されてしまう。夜中に藤吉とリリコが痴話げんかしていたという噂が長屋に広がって、それを聞いたてん(葵わかな)はショックを受ける。だが啄子(鈴木京香)から藤吉のことを信じるのが大事だと諭され、てんは藤吉の寄席探しを再び後押しする。一方京都では、てんの父・儀兵衛(遠藤憲一)に異変が起きていた。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
なぜ、どう見ても本筋に無関係なエピソードを挟むのか?
また、今日も2分40秒にもなる、意味不明なアバンタイトルで始まった。もはや、どんな内容だったか書くのは止める。とにかく、折角「寄席開業」の話がスタートしたばかりなのだから、前回で書いた “視聴者騙し” をしようと「ほぼ松坂桃李さんのプロモーションビデオ」だろうと、寄席で進めば良いものを…
どうして、誰の目にも明らかな本筋に無関係なエピソードを挟むのか、全く意味が分からない。どうせ、藤吉はおバカさんなの?と再認識させるだけなのに…
もっと葵わかなさんへの愛情を感じる演出は出来ないか?
基本的に演技の良し悪しには言及しない立場なのだが、悪いけど、ホント葵わかなさん、芝居下手だなぁって。主題歌明けの藤吉がてんに内緒でリリコに会いに行ったことに横恋慕して、藤吉の着物の裾を引っ張るシーンでの、引っ張る仕草も言いたいことをグッと我慢する顔も、アップに耐える代物ではない。
もちろん、葵わかなさんは新人だから無理もない部分もある。努力不足もあると思う。しかし、一番気になるのは、リハーサルから本番までを仕切っている演出家がなぜこれをOKテイクにして放送に乗せたのかってこと。だって、ヤキモチって相当敏感な女心だから、難しい演技を要求されるのは百も承知のはず。
だとしたら、もっと簡単な演技を付けてあげることは考えなかったのかと。普通に下を向いて洗い物をしている手をピタッと止めれば顔を映さずに済むし、一拍空けて藤吉に向かってニコッとするだけでも通じるでしょ?そう言う主人公を演じる葵わかなさんへの愛情を感じるような演出をすれば、好感度も視聴率も上がると思うが。
「端席」のきっかけ的な台詞があってこそ会話でしょ?
前回で、てんがこれまで「小屋主」と言っていたのに突然「席主」と言い出した違和感に触れたが、今回も似たようなことが。数回前に亀井のことを吉蔵たちが噂話をするシーンで既出かも知れないが、私にはこの↓言葉が初耳だった。
水野「端席(はせき)いうんはな…」
そう、「端席(はせき)」と言う単語だ。この台詞に続いて水野が「端席と言うのは…(標準語訳済み)」と語り出すが不自然でないか?こう言うのって、「すごいやないですか」の直後にこんな感じで…
藤吉「へぇ、こんな端席でも?」
水野「おいおい、お前が端席って言うな。
でも端席と言うのは…(標準語訳済み)」
「端席」の呼び水的な藤吉の台詞があってこそ会話として成立するのでは?それに、こんな風に↑アレンジすれば、ボケとツッコミの笑いの演出も出来るし。今回も雑な脚本に、それをフォローしない手抜き演出を見せられるのか?
藤吉を「正直者」と「信じるに値する人間」と決め付けた
もう意味が分からない。おっと、7分過ぎのヤキモチを焼いているてんに啄子がアドバイス?をする時に言うこの↓台詞が意味不明だ。
啄子「あの子は 嘘つけへん子ぉや。
藤吉郎を信じた方が得になるちゅう事です」
えーと。8年間も手紙で、てんに嘘を書いていたよね。胡散臭いパーマ機を大量に仕入れたことも、家と土地を担保に入れて大借金したのも隠していたよね。その上、そんな嘘つきの子ぉを信じたから代々続いた店も土地も手放したのだよね。これのどこが「得になった」と言うの?
手紙に嘘を書いていたことを啄子が知らないとしても、てんは知ってるよね。それなのに、この全く根拠のない啄子の言葉に笑顔で「へえ!」と応えるてんって、本当のおバカさんなの?
前回で書いたのは、てんが藤吉を動かして、如何にも藤吉とてんが二人三脚で歩んでいるように視聴者を錯覚させる姑息な手法を脚本家と使っていること。そして今回は、啄子の根拠無き台詞で、藤吉を「正直者」と「信じるに値する人間」と決め付け、視聴者に押し付けた。バッカじゃないの~※1
命を軽くしか扱わない本作で、儀兵衛の死を描かないで!
8分頃、久し振りに京都の藤岡屋。で、唐突に儀兵衛の体調が大そう優れず、このことはてんには言うなと妻のしずに言う…のを風太が立ち聞きするくだり。なぜ、今ここに儀兵衛のネタを?の疑問しかない。そして、生命を軽んじてしか扱わない本作で、儀兵衛の余命幾許かとか死を描かないで欲しいのだ。
だって、てんの兄・新一の時だって、あれだけ体調が悪いだ、家を継ぐだ、と描いておいて最後はあっさり「ナレ死」で終了したのは今でも忘れない。だから、今回の儀兵衛だって丁寧に親子の別れなんて描いてくれる期待など出来るはずがない。だったら、いっそのこと儀兵衛も「ナレ死」でいいよ。
違和感と不快感だらけで、人の命を描くなら見せないで欲しい。もしも、大人の事情で「ナレ死」が困難ならば、北村家のことを良く知る女中のトキがひとっ走り京都から大阪へ報告に行けば済む話。それなのに…続きは下↓のほうで。
いつ「藤吉に芸を見る目に自身がある」と描かれたの?
場面変わって、夜、リリコの家の前でリリコを説得しようとやって来た藤吉。その後を追って来て隠れるてん…じゃなかった。全然隠れていないてん。あー面倒くさい。ここまで話が進んでいるのに、今更リリコが藤吉を好きだったなんて話をしたところで何だと言うのか全く意味不明。あらあらと思った瞬間、衝撃の一言が!
藤吉「俺は 芸を見る目ぇだけには 自信があるんや」
まあね。米の見る目ぇは無かった。一攫千金を当てる見る目ぇも無かった。自分が芸人に向いているかどうか、米問屋の経営に向いているかどうかを見極める見る目ぇも無かった。ナイナイ尽くしなのに、「芸を見る目だけは自信がある(標準語訳済み)」だって?流石にここまではやり過ぎ、言い過ぎ。
なのに、テレビの中の登場人物たちは、やり切った感たっぷりの藤吉、「また惚れてまうやろ※2」と言わんばかりのリリコ、「流石、私が選んだ藤吉はん」と自信満々なてん。この脚本、どうかしてるぜ!※3
神出鬼没な風太が再登場 また思い付きでキャラクターを使うの?
もう、この位で今回は止めておけば良いものを、正に「蛇足」として、風太が儀兵衛の体調のことをてんに教えるために大阪にやって来た。
おいおい、どうして風太が来るの?出番が少ないから?おいおい、トキは大阪でてんたちと一緒に暮らしていたし、想像の範囲だが北村屋と芸人長屋は遠く離れていなそうだから、容易に新居に辿り着くのもごく自然だ。なのに風太?
以前もあったよね。神出鬼没の風太のくだりが。てんが初めて大阪に来てチンピラに絡まれた…あの時。こう言う思い付きで登場人物を使うのは本気で止めて欲しい。
だったら、最初から北村屋に住み込むのは風太で良かったはず。だって、風太はてんの従兄で親戚なのだから、儀兵衛の大事なお嬢様の監視役&ボディーガードには最適なのは間違いないのだから。結局、この場に及んで登場人物の設定が未だに滅茶苦茶と言うことだ。だめだこりゃ※4
【本文中の引用の解説】
※1:バッカじゃないの~ … ドラマ『ドS刑事』の黒井マヤの台詞より
※2:惚れてまうやろ … Wエンジンのチャンカワイさん
※3:<どうかしてるぜ! … ブラックマヨネーズの吉田敬さん
※4:だめだこりゃ … 『ドリフ大爆笑』での『ドリフターズ』のリーダー・いかりや長介さんより
あとがき
「いよいよ売られそうになった時 この人は 体張って うちを守ってくれてん」と、藤吉が身請けからリリコを助けたことをリリコ自身に語らせていましたが、普通のドラマなら身請け取り立て人って凄腕の用心棒を連れていますよね。なのに、藤吉1人で撃退?これも流石に盛り過ぎですよ。全く話になりません。
最後に。前回の疑問符だらけの感想に、104回ものWeb拍手と、たくさんの応援コメントを頂き、ありがとうございました。今回の感想は、書いていてどんどん腹が立つわ不快になるわで、私なりに息抜きの笑いを入れてみましたがどうでしょう?「わろてんか」と言うドラマで、「やめてんか」の連続では、益々見る気が失せていきますね。
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