わろてんか (第30回・11/4) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『わろてんか』(公式)
第5週『笑いを商売に』
『第30回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
てん(葵わかな)は笑いが好きな藤吉(松坂桃李)のため、米屋はあきらめて寄席経営を始めようと提案する。だが啄子(鈴木京香)の猛反対にあい、計画はあえなく頓挫。北村屋の家土地を売った代金で借金を返済した啄子は、引っ越しの朝、店を隅から隅まで丁寧に掃除して北村家代々の先祖に泣いて謝った。てんは北村家の嫁として、これから厳しく指導して欲しいと啄子に頼み込むが、嫁と認めたわけではないと拒絶されてしまう。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
てんが、笑いに救われ続けた記憶が無いのだが…
てん「うちは これまで 笑いに救われてきました」
本作名物の「不快なアバンタイトル」だが、今回は不快の前に大きな疑問が。この↑てんの台詞だが、てんと、いや、“とんと” 主人公が笑いに救われ続けた記憶が無いのだが。まあ、ロミオとジュリエット風のコントの中に登場した「天下の大泥棒、石川ちょごえもん」位しか記憶に無いが…
今日のアバンでの「やめてんかポイント」は!?
そして、今日のアバンでの「やめてんかポイント」は、てんの笑顔。まるで笑顔のお面を着けたままのような “作り笑顔” だ。
葵わかなさんの笑顔で毎朝癒されている視聴者には申し訳ないが、撮影順が前後しているであろうから正確には何とも言えないが、既に2か月目に突入しているのに、未だこの固さで「わろてんか」と微笑まれてもイマイチ笑えない…
よくも、こんな視聴者に挑戦的な台詞を書けたものだ
啄子「こんはアホな話 あんたも真に受けてるんやないやろうな。
どうなんや!」
主題歌明け。結果的に店も土地も手放さざるを得なくなった口先だけの商才しかなかった啄子に、てんが「諦めない心を学ばせて頂きました」と言ったのも驚いたが、その直前のこの↑の啄子の台詞に衝撃が走った。
なぜなら、先日はアバンの最後に啄子がカメラ目線で視聴者に話し掛けたことがあったから、↑の台詞も私に向けられたものと…。よくも、こんな視聴者に挑戦的な台詞を書けたものだと呆れるしかない。だって、こんなアホな話を毎朝真に受けて好意的に解釈して見ている我が身としては…涙
商いの素人2人が商才無き啄子に畑違いの起業を相談?
その後は、いつものように気になったところを拾う気にもならないダラダラ展開。そもそも、商いが出来ない藤吉に、商いをしたことのないてんが「寄席経営」を提案。そんな商いの素人2人が、倒産と言う結果で「商人に系図なし」の諺を実証した啄子に、全く畑違いの起業を相談すると言う。何なの、これ?全く意味不明だ。
※「商人に系図なし」とは…商人が成功するのは、代々の家柄や格式ではなく、努力や才覚、実力によるものであると言うこと。
代々続いた店を畳んだ "緊張感や絶望感" がほぼゼロ
あとね。最後の晩餐のシーンまでのくだりも、なんか無一文になったようなことになっているが、代々続いた店を畳まざるを得なくなった緊張感や絶望感はほぼゼロ。こう言う時は、先日の藤吉の姉・頼子が質入れしたように、啄子と藤吉とてんも家財全部、着物なども質入れして金を作るような描写があって然りでは?
いや、普通のドラマなら「きっと無一文になり心細さや絶望感で満たされてあるに違いない。可哀想に…」と共感できるだろうから、家族全員の質入れシーンなんて不要だが、本作はこの位の描写をしてくれないと、納得も共感も出来ない。本当に、困ったものだ。
"布団に蛇" は笑えないばかりか、関心も出来ない!!
頼子「おむすびに トンガラシを入れたり、
布団に蛇入れたりな」
頼子が子供の頃、啄子が藤吉ばかりを構うので藤吉にいけずをした、と言う昔話で微笑ましい家族談義のつもりで、何の配慮も考慮もなくどこかでかじり聞いた当時らしいいけずを書いたのだろう。
しかし、流石に “布団に蛇” は笑えないばかりか関心も出来ない。こんなのが本当に当時子供たちの間で遊びとしてあったとしても、笑って済ませていたのかどうなのか?ってことだ。
例えば、その蛇が明らかにか毒蛇で無いと分かっていても、私のような爬虫類好きならともかく、普通の人は蛇を見ただけで、または誤って触っただけで、気を失ったり、場合によっては死に至ったりするかも知れない “危険ないけず” なのだ。
"命に関わること" で、てんが笑うエピソードはダメでしよ?
「そこまで考えるのは過剰反応では?」の声もあるだろう。しかし、これは命に関わるエピソードだ。ここまで書けば当blogの常連さんならお気付きだろう。
主人公の実家は「薬問屋」なのだ(忘れている人もいるかも?)。劇中の台詞でも、てんの父・儀兵衛が「命に関わる仕事」と言っていたし、「だから、ヘラヘラ笑うな」と笑い禁止令のエピソードもあった。
だから、この話を聞いて笑うてんは成長停止状態と言う風に見えてしまう。従って、“布団に蛇” だけは軽率に書くべきではなかった。こんなところにも、本作の脚本家を始めスタッフらのセンスの無さが露呈してしまうのだ。
北村屋を倒産させた最終爆撃弾のボタンを推したキースが!?
その後も、特に取り上げるエピソードは無いまま予告編へ。まあ敢えて言うなら、北村屋を倒産に至らしめた最終爆撃弾のボタンを押した張本人であるキースが、平然と主人公の新居で一足先に酒盛りしていたのには、呆れてものも言えないが。本当にセンスが無い。
"てん最大の分岐点" で、"本作最初の見せ場" なのに!?
既に放送が終わったことに、今さら何を言っても無駄を承知で書く。前回と今回は主人公の人生にとっては先日の「駆け落ちもどき」に続く “人生最大の分岐点” であり、『わろてんか』にとっては “物語上で最初の見せ場” のはず。
ならば、ここを丁寧に且つ感動的に描き、主人公たちの今後を視聴者たちが楽しみになるように しなければならなかった。しかし、残念ながら「駆け落ちもどき」に次ぐ「人生の分岐点もどき」な、“てんのある1日” となってしまった。訳が分からない。
また我々は「経過」を蔑ろにされ「結果」だけ見せられた
今回の一連の描写で、主人公の闇は益々深まってしまった。もちろん、てんの心の闇ではない。てんがどんな人物なのか益々分からなくなったとの意味でだ。笑い上戸らしくて、なぜか藤吉が好きと言う位しか印象が無いのだ。笑いが好きには見えないし、寄席がどんな所かも知らない様子にしか見えないが…
でも、「駆け落ちもどき」の時と同じように、今回も根拠無き自信で「寄席作り」の道に進んでしまった。ほら、ここでもまた我々視聴者は「経過」を蔑ろにされ「結果」だけ見せられたのだ。
予告編で儀兵衛が乗り出すのを見て、不安しか無い
更に予告編を見ると、これまた啄子同様の “口先だけの商才” である可能性の儀兵衛が乗り出して来るらしい。一体、誰が笑いが好きで商才があるのか、全てが中途半端なまま「第2章?」に進んだ本作。不安しか無い…
あとがき
何やら、引っ越しをしてご近所さんと…な~んて言うのは、『マッサン』を思い出しますね。今度は啄子が、ご近所さんの芸人たちに「節約術」なんかを偉そうに教えるくだりで、のらりくらりかなぁ。
まっ、そんな事はともかく、笑おうと思っても逆に不快になりますし、ヒロインの女一代記を期待してもヒロインに共感するどころか未だにどんな人物なのかも見えて来ず。ただ、視聴者を置いてきぼりにして、勝手にキャラが変更されては話が進んで行くだけ。これをどう楽しめと言うのでしょう?
最後に。前回の感想に、103回ものWeb拍手と、たくさんの応援コメントを頂き、ありがとうございました。来週のサブタイトルが『ふたりの夢の寄席』ですって。これを知って “本作で初めて笑いました” よ。余りにも馬鹿ばかしいんですもん…困るぅ
投稿が遅くなったお詫びにおまけを1つ。脚本家やプロデューサーなど本作に関わるスタッフたちの “今更な言い訳” の記事を見つけました。以下?のリンクです。さあ、皆さんも読んで『わろてんか』。
『わろてんか』をさらに楽しむ8つの裏ネタ「松坂桃李が16歳を演じたワケ」
http://www.jprime.jp/articles/-/10965?page=1
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NHK連続テレビ小説 わろてんか 上
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